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住宅型有料老人ホームの費用相場や内訳、費用を抑える方法を紹介

  • 2024年10月04日 公開
  • 2025年03月11日 更新

「住宅型有料老人ホームってどれくらい費用がかかるの?」「月々の支払いはどんな感じだろう?」と気になるかもしれません。

住宅型有料老人ホームの費用は施設によって異なり、入居時の負担や月額費用にも幅があります。

この記事では、住宅型有料老人ホームの費用相場や内訳、そして費用を抑える方法について解説します。

住宅型有料老人ホームの費用相場

内訳

入居一時金

月額利用料

賃料

管理費

食費

水道光熱費

その他

料金

0~数千万

0~10万円

3~6万円

4~8万円

実費

2~7万円

住宅型有料老人ホームの費用は、「入居一時金」と「月額利用料」に分かれており、それぞれ施設の立地やサービス内容によって大きく異なります。

入居一時金

入居一時金とは、住宅型有料老人ホームに入居する際に支払う初期費用で、数年分の家賃を前払いする形式のものです。一時金は0円から数千万円まで幅広く設定されています。

都市部では高額になりやすく、地方では低額になる傾向がみられます。入居一時金は、都市でも地方でも不要な場合があります。

また、一時金を支払った場合に、一定期間内に退去すると(償却金のうち)未償却分が返金される場合もみられます。この返金の条件やルールは施設ごとに異なるため、契約時には確認する必要があるでしょう。

※償却金:償却金とは、入居時に支払った入居時一時金のうち、原則として退去時に返還されない金額のことを指します。

月額利用料

月額利用料は入居後に毎月支払う費用です。
内訳には賃料、管理費、食費、水道光熱費、その他の費用が含まれます。  

都市部では、賃料や管理費が高額になる傾向があり、月々の支払い負担が大きくなる可能性があります。
一方、地方では月額利用料が抑えられる傾向があり、比較的低額で利用できる施設が多いです。

また、月額利用料の内訳には基本的な生活費だけでなく、施設独自のサービス費用が含まれることがあります。

さらに、月額利用料と入居一時金は相互に関連しています。一時金を支払うプランでは月額費用が抑えられる傾向にあり、一時金が不要なプランを選ぶと、前払い家賃が無い分、月額利用料が高くなる傾向があります。

このように、住宅型有料老人ホームの費用は施設ごとに特徴があり、地域や契約プランによっても異なります。表の情報を参考にしながら、自分や家族のライフスタイルや予算に合った施設を選ぶことが重要でしょう。

入居一時金の相場

全国の相場や他の都道府県に比べ、東京都と神奈川県が平均値、中央値ともに突出しており、高級老人ホームが多いこと、基本的な価格帯も高いことが分かります。

入居一時金

平均値

中央値

全国

59.0万円

0万円

東京

338.5万円

15.8万円

千葉

73.0万円

10.1万円

神奈川

308.4万円

17.0万円

埼玉

87.1万円

4.4万円

大阪

95.8万円

10.3万円

愛知

101.3万円

11.0万円

兵庫

270.4万円

12.4万円

福岡

81.1万円

4.8万円

月額利用料の相場

入居一時金ほど都道府県ごとの違いは大きくないものの、東京都と神奈川県が他より高いのは同様です。

また、入居一時金が発生しない施設時の方が、月額料金においてもリーズナブルな傾向にあります。

入居時料金あり

入居時料金なし

平均値

中央値

平均値

中央値

全国

11.0万円

11.3万円

8.4万円

9.4万円

東京

18.0万円

15.9万円

12.5万円

13.8万円

千葉

13.7万円

14.4万円

10.9万円

11.7万円

神奈川

18.2万円

16.2万円

15.7万円

15.6万円

埼玉

12.7万円

12.9万円

10.5万円

11.3万円

大阪

13.7万円

12.3万円

11.1万円

11.4万円

愛知

14.9万円

14.2万円

10.9万円

13.0万円

兵庫

16.6万円

13.5万円

7.8万円

3.0万円

福岡

11.3万円

10.8万円

9.5万円

9.8万円

住宅型有料老人ホームの入居時にかかる費用は?

住宅型有料老人ホームに入居する際には、「入居一時金」や「敷金」といった入居時費用の負担が必要となることが多いでしょう。

一時金不要のプランを提供している施設もあります。ただし、一時金0円プランの場合であっても敷金や預り金などの費用が発生する可能性があるため、注意が必要です。

一方で、敷金などを含めても完全に初期費用がかからないことを強みにしている施設も存在します。

また、初期費用に関しては、法律で認められている範囲は賃料、敷金、介護サービス費用など、日常生活に必要な範囲に限られています。

しかし、一部の施設では「権利金」「礼金」「保証金」などの名目で金銭を請求されるケースも報告されています。

これらの費用は法律で禁止されており、不明瞭な名目での請求があった場合は、施設側に確認しましょう。

以下では、入居一時金や敷金について解説します。

償却とは

償却とは、支払った入居一時金を一定の期間内で計算し、費用として消化していくシステムです。

これは「前払い賃料」として取り扱われるので、実際に利用した期間分が償却され、未償却分は退去時に返還されることが多いです。

例えば、入居一時金が360万円で、償却期間が36カ月(3年間)と定められている場合、月々10万円が償却されることになります。入居者が1年(12カ月)後に退去した場合、未償却分の240万円(360万円-120万円)が返金されます。

償却条件や計算方法は施設によって異なります。契約時に確認することをお勧めします。

関連記事
有料老人ホームの入居金の償却、返還・返金の仕組みとは

クーリングオフは可能?

クーリングオフ制度は、通常であれば8日以内は無条件で解約できるシステムです。しかし契約時に重要事項の説明がなかったり、電話での一方的な契約を迫られたりした場合には、90日まで延長できることがあります。住宅型有料老人ホームの入居一時金も、この制度の対象となる場合があります。

一般的に、入居一時金は契約後90日以内に退去した場合に未償却分が返還されます。ただし、初期償却分は返還されないことが多いです。

月額利用料(賃料、管理費、食費など)は、実際に利用した分については返還されないでしょう。また、契約時に発生する手数料や事務費用も対象外となる場合があります。

クーリングオフに関する詳細は契約書や重要事項説明書に記載されているため、契約前に確認しましょう。

関連記事
老人ホームのクーリングオフ(短期解約特例)制度とは?

入居一時金の詳細を理解しておくことが大切

契約時には、入居一時金の詳細や返還条件について、施設は説明をしなければなりません。これを確認することで、後々のトラブルを防ぎ、安心して契約を進めることができます。特に以下の2点を確認しましょう。

まず、「重要事項説明書」の内容をしっかり確認することが必要です。入居一時金の金額や償却期間、返還条件などが詳しく記載されています。

次に、施設側が行う契約内容の説明を正確に理解することも大事です。施設は契約時に、入居者またはその家族に対し、費用の内訳や返還条件について説明しなければなりません。

特に、退去時の返還条件や償却の仕組みについては、口頭だけでなく書面でも確認することが大切です。

他の種別との入居一時金相場の比較

住宅型有料老人ホームの入居一時金の相場は、他の施設種別と比較して幅広い傾向にあります。

施設によっては入居一時金が不要なこともありますが、必要な場合は数百万円から数千万円になるケースも見受けられます。

一方、介護付き有料老人ホームは、介護サービスを施設が一括して提供するため、手厚いケアを受けられる代わりに、住宅型有料老人ホームと同等かやや高めの入居金が設定されることが多いです。

特別養護老人ホームなどの公的施設では、入居金が基本的に不要で、費用負担を抑えられる点が大きな魅力です。

また、サービス付き高齢者向け住宅は、初期費用が比較的低額に抑えられているため、介護がまだ必要でない方や自立して生活できる方に適しています。

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住宅型有料老人ホームの費用の支払い方式

住宅型有料老人ホームでは、入居者の経済状況やライフプランに応じて、さまざまな支払い方式があります。

主に「全額前払い方式」「一部前払い方式」「月払い方式」「選択式」の4つが一般的です。ここでは前払い方式と月払い方式の特徴や違いを解説します。

入居時料金あり

入居時料金なし

入居時料金

月額料金

月額料金

平均値

59.0万円

11.0万円

8.4万円

中央値

0.0万円

11.3万円

9.4万円

前払い方式

前払い方式は、想定される居住期間分の家賃相当額を、入居時に一括で支払う方式です。
この方法では、月々の支払い額が抑えられるため、長期間の利用を考えている方に適しています。

前払い方式は、想定居住期間を超えても追加費用が発生しないケースが多く、長期的な費用負担を抑えることができます。
また、償却期間内に退去した場合、未償却分が返還されることがありますが、返金条件は施設によって異なります。

一方で、前払い方式は初期費用が高額になるため、まとまった資金を用意できるかどうかが大きなポイントとなるでしょう。

前払い方式の場合の月額利用料は、平均値で約11.0万円、中央値で約11.3万円とされています。

月払い方式

月払い方式は、入居時に大きな一時金を支払わず、月々の利用料を支払う方式です。

この方法では、初期費用がほとんど不要で、敷金や保証金など最小限の費用で入居できる点が特徴です。そのため、短期間の利用を検討している方や、初期費用を抑えたい方に適しています。

ただし、月払い方式は、家賃を前払いしていないことで前払い方式に比べ月額利用料が高額になる傾向があります。
長期間利用する場合、総額では前払い方式よりも費用が高くなる可能性があるため、その点を考慮する必要があるでしょう。

月払い方式の月額利用料は、平均値で約8.4万円、中央値で約9.4万円となっています。

住宅型有料老人ホームの月額費用の内訳

賃料・管理費・食費

  • 賃料

    入居するための家賃です。賃料は基本的に毎月固定の料金として設定されています。

    住宅型有料老人ホームの賃料は、施設ごとに定められているので、立地や規模、居室の広さ等によって異なります。個室か相部屋かによっても料金が変動します。

    賃料を入居一時金として一括で支払った場合には、月々の請求はありません。

  • 管理費

    運営費とも呼ばれ、施設を管理・運営するために使用する費用です。

    管理費の使い道については、施設の判断に委ねられています。

    共用部の維持費や光熱費、燃料費などを設定していることが多く、管理費の項目に何が含まれているのか、入居時に確認することが必要です。

    管理費には、共用部分の水道光熱費や清掃費、設備の維持費、人件費などが含まれることが一般的です。

    ただし、居室部分の水道光熱費が含まれている場合と、個別に請求される場合があります。特に居室にキッチンや浴室がある場合は、個別に請求されるケースが多いです。

  • 食費

    施設ごとに食事のグレード等によって費用を設定しています。

    1日分としてまとめて請求している施設と、1食にかかる食費を細かく請求している施設があります。

    食費は基本的に毎月固定の料金として設定されることが多いですが、消費した分のみ請求される後払い方式をとっている施設もあります。

    また、治療食やアレルギー対応食、減塩食などの個別対応が必要な場合には、追加料金が発生することがあります。

    さらに、特別食やイベント食などの提供がある場合も別途費用がかかる場合もあります。これらのオプション料金については、施設ごとに異なるため事前に確認が必要でしょう。

介護サービス費

住宅型有料老人ホームで受けられるサービスは、食事、洗濯、清掃等の生活支援サービスが主であり、多くの施設では介護サービスは提供していません。

入浴、排泄、食事の介助など身体介護が必要になった場合は、外部の介護サービス事業所と個別に契約をする必要があります。

住宅型有料老人ホームに入居しながら受けることの出来る介護サービスとしては、訪問介護や訪問看護、通所介護(デイサービス)、訪問リハビリ、通所リハビリ等が挙げられます。

訪問介護では、1回あたり数百円~数千円程度の自己負担が発生し、訪問看護や訪問リハビリでは、医療的ケアやリハビリの内容に応じて費用が異なります。

例えば、身体介護で訪問介護を週3回、1時間利用する場合は月額の自己負担額が約5,000~10,000円程度が相場です。

また、通所介護(デイサービス)は1日あたり数百円~1,500円程度の自己負担で利用でき、送迎や食事、レクリエーションが含まれることが多いです。

介護保険の適用範囲を超えるサービスを利用する場合は、全額自己負担となるため、ケアプランの作成時に注意が必要となるでしょう。

契約したサービスの利用料を介護保険料の自己負担に応じて支払います。

介護保険サービス自己負担額

介護度

支給限度額(月額)

1割負担

2割負担

3割負担

要支援1

50,320円

5,032円

10,064円

15,096円

要支援2

105,310円

10,531円

21,062円

31,593円

要介護1

167,650円

16,765円

33,530円

50,295円

要介護2

197,050円

19,705円

39,410円

59,115円

要介護3

270,480円

27,048円

54,096円

81,144円

要介護4

309,380円

30,938円

61,876円

92,814円

要介護5

362,170円

36,217円

72,434円

108,651円

それ以外の費用

住宅型有料老人ホームでは、基本的な月額費用以外にも、利用状況に応じて追加費用が発生する場合があります。

これらの費用は、日常生活や個別のニーズに関連するものです。

例えば、日用品(歯ブラシ、トイレットペーパー、石鹸、おむつなど)や、レクリエーション活動に必要な材料費、理美容サービスの利用料、通院や医療処置にかかる医療費などが挙げられます。

住宅型有料老人ホームのサービス内容と、追加料金が必要なサービス

住宅型有料老人ホームのサービス内容

住宅型有料老人ホームでは、入居者が安心して暮らせる環境を提供するため、基本的なサービスは月額利用料に含まれています。

まず、食事の提供があります。メニューは栄養バランスを考慮しており、施設によっては嚥下困難や持病に対応した治療食も提供されます。

次に、生活支援サービスが挙げられます。この中には、居室や共用スペースの清掃、洗濯やリネン交換、買い物代行、薬の受け取り、見守りや安否確認が含まれます。

最後に、入居者の健康管理も含まれます。定期的な健康診断を通じて、入居者の健康状態を把握するシステムがあります。さらに、緊急時対応として、急な体調不良や事故が発生した場合にはスタッフが素早く対応し、必要に応じて医療機関と連携します。

ただし、看護師を常駐させる規定はないため医療行為や高度な医療ケアは基本的に含まれません。

追加料金が必要なサービス

住宅型有料老人ホームでは、基本的な生活支援サービスは月額費用に含まれていますが、外部の介護サービスを個別に契約する必要がある場合があります。これらのサービスには追加料金が発生します。

まず、訪問介護サービスがあり、身体介護(入浴、排泄、食事介助など)を追加費用で受けることができます。

費用は介護保険の自己負担割合(1~3割)によりますが、保険適用外のサービスや利用限度額を超えた場合は全額自己負担となります。

次に、訪問看護サービスも追加費用で利用可能です。医療ケアが必要な場合に、看護師による訪問看護を受けることができ、これも介護保険適用範囲内で利用可能です。

また、デイサービス(通所介護)やディケア(通所での医療ケアやリハビリ)も追加料金を払うことで利用が可能です。

日中に食事や入浴、リハビリ、レクリエーションを実施し、外出が難しい高齢者の社会的なつながりをサポートします。

さらに、訪問リハビリテーションも追加料金で提供可能です。理学療法士や作業療法士によるリハビリを自宅感覚で受けることができ、機能回復や維持、ADL(日常生活活動)をサポートすることを目的としています。

福祉用具のレンタルや購入も追加料金が必要なサービスに含まれます。車椅子や介護ベッド、歩行器など、生活を助けるための道具が福祉用具にあたります。

最後に、医療サービス(定期診察や服薬管理など)や、理美容サービス、通院同行、行政手続き代行なども、追加料金で利用できます。これらは入居者の個別ニーズに応じて提供されるものです。

住宅型有料老人ホームは、基本的な生活支援を受けつつ、必要な外部サービスを追加することで、個々のニーズに合った柔軟な生活を送ることができます。

住宅型有料老人ホームと、他の介護施設の費用比較

施設種別

入居時一時金

月額料金

入居時一時金なし
の場合の月額料金

平均値

中央値

平均値

中央値

平均値

中央値

住宅型有料老人ホーム

59.0万円

0.0万円

11.0万円

11.3万円

8.4万円

9.4万円

グループホーム

4.3万円

0.0万円

9.9万円

9.9万円

9.0万円

9.6万円

サービス付き高齢者向け住宅

22.2万円

10.0万円

14.0万円

13.6万円

9.2万円

11.2万円

介護付き有料老人ホーム

181.6万円

7.5万円

16.5万円

15.7万円

12.8万円

13.1万円

費用相場の違いは、施設が提供するサービス内容に関連しています。

介護付き有料老人ホームは、介護サービスを施設が一括で提供するため、月額利用料が高く設定されがちです。利用者が介護度に応じた手厚いサポートを受けられることが、費用が高くなる理由の一つです。

一方、住宅型有料老人ホームは、基本的な生活支援を提供する一方で、介護サービスは外部事業者と契約する形態が多いです。

そのため、月額料金には身体介護費用が含まれず、利用者の選択によって費用が変動します。これが、住宅型有料老人ホームの費用の変動幅が大きくなる理由といわれています。

サービス付き高齢者向け住宅は、生活支援を主とし、介護が必要になった場合には別途外部サービスを契約する形となります。

グループホームは、認知症の方を対象とした少人数制の施設であり、月額料金が比較的低めですが、専門的なケアを提供するための基本的な費用が含まれています。

このように、施設の費用相場は提供されるサービス内容に応じて大きく異なります。自分のニーズや生活スタイルに合った施設を選ぶことをお勧めします。

住宅型有料老人ホームの費用負担を軽減できる制度

住宅型有料老人ホームに入居する際、所得に応じて以下の制度を利用することにより高額になった医療費、介護サービス費が払い戻される可能性があります。

高額介護サービス費

高額介護サービス費とは、1カ月に支払った利用者負担の合計が負担限度額を超えた場合に 、超えた分の費用が払い戻される介護保険の制度です。

1カ月間に負担する介護サービス利用料には所得に応じて限度額が決まっており、その限度額を超えると、申請により払い戻しを受けることができます。

一般的な所得の方の負担限度額は月額44,400円(課税所得380万円未満)となっています。

なお負担限度額は所得区分ごとにきめられております。生活保護受給者であれば月額15,000円、課税世帯であれば44,400円から140,100円など、所得に応じて異なります(下記表参照)。世帯単位での計算となる場合もあるため、家族全体の状況を確認する必要があるでしょう。

ただし、以下の利用料は高額介護サービス費の対象となりません。

  • 介護保険の給付対象外の利用者負担分
  • 支給限度額を超え、全額自己負担となる利用者負担分
  • 福祉用具購入にかかる負担
  • 施設における居住費および食費
  • 理美容代などの日常生活に要する実費

高額介護サービス費の支給対象となった場合、お住まいの自治体から申請書が送られてきます。

支給限度額を超えた介護サービス利用料以外にも、同一月に複数の事業所を利用して契約条件が異なる場合、申請が複雑になる場合があります。

支給を受けるには、利用明細書や領収書など必要書類を揃えて提出する必要があります。

申請が受理されると「支給決定通知書」が届き、申請時に指定した口座へ振り込みが行われます。詳しくはお近くの自治体へお問い合わせください。

所得区分

負担限度額(個人)

負担限度額(世帯)

生活保護受給者等

15,000円

15,000円

非課税世帯

(課税年金収入+合計所得金額が80万円以下)

15,000円

24,600円

非課税世帯

(課税年金収入+合計所得金額が80万円超)

24,600円

24,600円

課税世帯

(課税所得380万円未満)

44,400円

課税世帯

(課税所得380万円~690万円未満)

93,000円

課税世帯

(課税所得690万円以上)

140,100円

医療費控除

医療費控除は、老人ホーム入居中に発生した医療費や薬代などが一定額を超えた場合、所得税を減らすことのできる制度です。

この控除は、年間で支払った医療費から保険で補われた金額を差し引き、さらに10万円または総所得の5%(いずれか低い方)を引いた残額が対象となります。

対象となる費用には、介護保険適用の介護サービス費用や訪問看護、訪問介護(生活中心型は含まれない)、デイサービス利用料(対象となる介護サービスと併用が必要)などが含まれます。

一方、老人ホームの居住費や食費、施設内での理美容代などは医療費控除の対象とはなりません。

申請を行う際には、施設から発行される「医療費控除対象証明書」を取得し、確定申告時に提出する必要があります。この制度を活用することで、施設利用の経済的負担を軽減することができるでしょう。

高額医療・高額介護合算療養費制度

高額医療・高額介護合算療養費制度とは、1年間(毎年8月1日〜翌年7月31日)の医療保険と介護保険における自己負担の合算額が高額になる場合に、負担を軽減する仕組みです。

支給対象者は、国民健康保険、被用者保険、後期高齢者医療制度の各医療保険における「世帯内であること」を1つの条件としています。

医療保険と介護保険の自己負担を合算した額が、自己負担限度額を超えた場合、支給の対象となります。

限度額は年額56万円を基本とし、医療保険各制度や被保険者の所得・年齢区分ごとの自己負担限度額を踏まえて細かく設定されています。

なお、高額介護サービス費と併用して利用する際は、高額介護サービス費で支給された額が差し引いて支給されます。

費用の支給対象であった場合は、介護保険者(市町村)に申請を行い、介護保険者(市町村)から介護自己負担額証明書が送られてきます。

送られてきた介護自己負担額証明書を、今度は医療保険者に申請書とともに提出し、手続きが完了となります。

申請の手続きや具体的な支給額は、加入されている医療保険者や介護保険者(市町村)の窓口で確認すると確実です。

その他の住宅型有料老人ホームの費用を抑える方法

この章では、具体的に住宅型有料老人ホームの費用を下げるためにはどうしたらよいのかご説明します。

立地や設備、サービスなどどこかで折り合いをつける

建物の豪華さ、居住空間の広さ、建物の構造、周辺の環境などの立地、美味しい食事等、出来れば良い環境を選びたいという思いは誰しもありますが、費用を安くするためにはどこかで折り合いをつける必要があります。

例えば、駅から近くアクセスが良い場所は賃料が高く、駅から遠く不便な場所は賃料が安く設定されています。

どうしても譲れないこと、どちらでもいいこと、気にならないことの3項目に分け、希望に合った施設を探しましょう。

条件が合えば公的施設(特養など)を検討する

住宅型有料老人ホームの入居費用を安くするという論点からは外れますが、要介護度が3以上の方は特別養護老人ホームへ入居するという選択肢もあります。

特別養護老人ホームは初期費用(入居一時金)が0円、月額費用は要介護度や居室の種類によって、約7~15万円程度で利用可能です。

しかし特別養護老人ホームは待機待ちが多く、対象者がどれほどの介護を必要としているかを点数化し、点数の高い順から入居出来る仕組みとなっています。

その為、要介護度が高い、介護をする家族がいない、認知症であるなど自宅での介護が手に負えない状況にならないと入居出来ない可能性も十分にあります。

安心な暮らしを守る為にも、一旦民間の老人ホーム等に入居しながら待機することをお勧めします。

補助金や助成金制度を利用する

介護サービスを利用している場合に限り、前述の高額介護サービス費や高額医療・高額介護合算療養費制度を活用することで、出費を抑えることが出来ます。

出来る限り多くの施設を比較検討する

住宅型老人ホームについての情報収集はインターネットをお勧めします。

その場にいながら簡単に資料請求を行うことが出来、比較も容易です。

インターネットが苦手な場合は、自治体によっては老人ホームの一覧が用意されていたり、広報誌に情報を載せていたりする場合があります。

その他、担当のケアマネージャーがいれば情報をもらったり、近所の方に聞いてみたりするのも一つの手段です。

とにかく出来る限り多くの情報を集めて、比べてみると良いでしょう。

健康であれば介護サービスの使用を控える

自分でできることが多く、生活に支障がないのであれば、介護保険サービスもしくは介護保険外サービスの使用を控えることで、無駄な出費を抑えることが出来ます。

住宅型有料老人ホームは年金のみで可能?

住宅型有料老人ホームに年金のみで入居することは、状況によって可否が分かれます。

国民年金と厚生年金、またそれまでに納めた年金額によって受給額は異なる為、まずは1カ月にどれくらいの年金が入ってくるのかを確認することが大切です。

ちなみに、厚生年金を含めた年金の平均月額給付額は、約14.8万円、国民年金のみの方の平均額は約5.5万円となっています。

住宅型有料老人ホーム入居の際に、入居一時金を一括で支払う場合、前述のとおり相場は0~数千万円となっている為、国民年金も厚生年金も関係なく、入居一時金がない施設やプランを選択することになります。

さらに月額費用の相場は10~50万円となっており、厚生年金に加入していた場合、人によっては年金のみで生活することが可能ですが、国民年金のみの場合は厳しい状況といえるでしょう。

住宅型有料老人ホームは生活保護でも入居できる?

住宅型有料老人ホームは生活保護でも入居することが可能です。

ただし、すべての住宅型有料老人ホームに入居できるわけではなく、生活保護の受け入れを行っている施設にのみ入居出来ます。

また、希望する住宅型有料老人ホームが生活保護の扶助でまかなえる費用であるかどうかは確認が必要です。

生活保護には8種類の扶助がありますが、この中で住宅型有料老人ホームに入居した際に扶助の対象となるのは生活扶助、住宅扶助、医療扶助、介護扶助となります。

扶助の内容は以下の通りです。

  • 住宅扶助

    賃料の実費額が支給されます。

    市区町村により金額の上限は異なりますが、住宅扶助の上限内で賃料を収めることができれば、家賃の自己負担はかかりません。

    しかし、上限を超えた分は全て自己負担となります。

  • 生活扶助

    管理費、食費、水光熱費など生活にかかる費用において一定の金額が支給されます。

    こちらも居住地により金額は異なります。

    実際にかかった費用が実費支給されるわけではないので、あらかじめ生活扶助の金額を算出したうえで、その範囲内に収めれば自己負担は発生しません。

  • 介護扶助

    介護サービス費に対して支給されます。

    ただし、要介護度に応じた限度額を超えて介護サービスを利用すると、超えた分は全て実費負担となります。

    介護保険適用外のサービス利用についても、全て実費負担です。

  • 医療扶助

    医療サービスの提供として現物支給され、全額無料となります。

    どれも扶助の範囲内で収めるようにすれば自己負担は発生しない為、扶助金額と入居後の生活費を計算しておけば、生活保護でも住宅型有料老人ホームに入居することが出来ます。

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住宅型有料老人ホームの良い点・問題点

住宅型有料老人ホームの良い点

住宅型有料老人ホームは、自立した高齢者から要介護者まで幅広い方が入居できる施設であり、大きなメリットがあるといえます。

まず、自由度の高い生活が挙げられます。

入居者が自立した生活を維持できるようサポートされており、必要に応じて外部の介護サービスを利用することが可能です。また、外出や家族との面会が比較的自由で、これまでの生活をさほど変えることなく新しい環境に馴染むことができるでしょう。

次に、必要な介護サービスだけを選択できます。

外部の訪問介護やデイサービスを利用することが多いため、利用者が本当に必要なサービスだけを選択的に利用することができます。そのため利用者のニーズに柔軟に応えることができます。

さらに、多くの施設では、レクリエーションやイベントが充実しているため、入居者同士の交流が自然に育まれます。このような交流により、孤独感が和らいだり、心理的に安定したりする効果が期待できるでしょう。

レクリエーションは、体操やスポーツ活動を通して、体を動かす力を自然と高めます。さらに、パズルや手芸といった細かい作業に取り組むことで、脳の活性化も図られます。

季節ごとのイベントや特別な催しを行うことで、生活にメリハリがつきます。これにより、入居者一人ひとりが生きがいを感じながら日常生活を送ることができるでしょう。

住宅型有料老人ホームの問題点

一方で、住宅型有料老人ホームには課題やデメリットも存在します。

最も大きな問題は、介護サービスが外部委託である点です。

施設内に介護サービスが含まれていないため、要介護度が高まると外部の介護事業者との契約が必要になります。これにより、介護サービスの利用頻度が増えると費用が高額になる可能性があります。

また、医療・介護体制の限界も課題です。

重度の認知症や医療依存度が高い状態になると、施設で対応しきれず、退去を求められる場合があります。

さらに、介護サービスをつける場合に囲い込みが起こるリスクがあります。

ごく一部の施設ですが、併設された介護事業所のサービス利用を強制される場合があり、利用者にとって不必要なサービスを契約させられるケースがあります。

加えて、人員配置基準がないことも問題になり得ます。

住宅型有料老人ホームには、介護スタッフの配置基準が設けられていないため、施設によってはスタッフ数が不足している場合があります。

このような場合、サービスの質が低下し、入居者が満足できない可能性があります。

最後に、費用の予測が難しい点も挙げられます。

要介護度の変化に応じて利用する介護サービスの量も変わるため、月額費用が大きく変わることがあります。

住宅型有料老人ホームを選ぶ際には、これらのメリットとデメリットを十分に理解し、自身のライフスタイル、介護の必要性に合った施設を選ぶことをお勧めします。

住宅型有料老人ホームを単純に費用だけで選ぶことは危険!

単純に安い施設というだけで施設選びをしてしまうと、思わぬ失敗や後悔に繋がってしまうかもしれません。

住宅型有料老人ホームには施設によって様々な特色があります。

例えば、私物の持ち込みが出来る、長年の趣味を続けることが出来る、定期的に運動の機会が作れる、など普段の生活では出来て当たり前のことでも施設のルールで禁止されている場合もあるようです。

長年生活するかもしれない生活の場で、行動が制限されることは大きなストレスになり、認知症や身体能力の低下を招く結果にもつながります。

その為、施設において生き生きと生活が出来るように、費用面のみで選ぶのではなく、複数の施設を比較検討することが大変重要です。

複数施設の見学の設定など個人では対応に苦慮する場合でも、安心介護紹介センターでは経験豊富なオペレーターが現在の状況や希望を踏まえて、ぴったりの施設選びをサポートしてくれます。


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