有料老人ホームの入居金の償却、返還・返金の仕組みとは
- 2024年05月28日 公開

有料老人ホームのチラシやホームページ、パンフレットをご覧になった皆様は、入居のときに支払う入居金(入居一時金)の返還について、「どういった時に返金されるんだろう?」「返金される金額の仕組みがわかりづらい」と感じていませんか?
この記事では、入居金(入居一時金)の償却や返金の仕組みをわかりやすく解説していますので、ぜひ最後までお読みください。
この記事の監修者

株式会社エス・エム・エス
目次
有料老人ホームの入居にかかる費用とは?
有料老人ホームの費用は、入居する際に支払う『入居金(入居一時金)』と、入居期間中は毎月支払う『月額費用』に分けることができます。
この月額費用の内訳は、家賃、食事料金、管理費、水道光熱費、介護サービス費、日用品費などがあります。
家賃や管理費など固定の金額と、食事料金や水道光熱費、介護サービス費、日用品費などサービスの利用や使用、入居者の状態によって金額が変わるものがあります。
有料老人ホームの入居金(入居一時金)とは?
有料老人ホームの入居金の内訳は、居室を退去する時の修繕費の預かりとしての『敷金』と、想定入居期間と家賃から計算される『家賃の前払い』からなっています。
入居金のうち家賃の前払いに該当する部分の支払い方法は有料老人ホームによって異なり、『全額前払い』『一部前払い』『入居金なし』のプランがあります。
『全額前払い』は、入居時に「入居想定期間×家賃の全額』で計算される金額を一括で前払いする方法で、月額費用で支払う家賃が0円になるプランです。
『一部前払い』は、入居時に『入居想定期間×家賃の一部』で計算される金額を一括で前払いする方法で月額費用で支払う家賃が減額されるプランです。
『入居金なし』では、入居時に支払いをせず、毎月家賃の全額を月額費用として支払うプランです。
また、有料老人ホームによって、特定のプランしかないことや、複数のプランを用意していることがあります。
有料老人ホームの入居金の償却、返還・返金とは?
有料老人ホームの入居金は、家賃の前払いとして支払うので、想定入居期間を過ぎる前に退去する場合は残りの金額を返金してもらうことができます。
この返金額は、『償却』という方法で計算されます。
償却による返還・返金
入居金の償却する仕組みには、『初期償却』と『均等償却』という償却の方法があります。それぞれを詳しく見ていきましょう。

初期償却とは、入居時に一定の割合が償却(減額)することです。
そして均等償却では、初期償却後の残高を入居期間(図では年単位で表示していますが、実際は月単位など)に応じて、償却していくことです。
なお、初期償却の割合や想定入居期間は、それぞれの有料老人ホームで異なります。
そして、退去となった場合は『未償却残高』が返金されることになります。
クーリングオフ(短期解約特例制度)による返還・返却
クーリングオフ(短期特例解約)制度とは、契約を結んだ場合でも、一定の期間内であれば違約金等を支払わずに契約の撤回・解除できる消費者を保護するための制度です。
有料老人ホームの契約でも、この制度を利用することが可能で、『契約後90日以内』にクーリングオフ制度を利用すると、初期償却がされずに入居金が返金されます。(実際に滞在した日数に応じた月額費用、修繕費用などは支払うことになります。)
有料老人ホームの入居金の返還・返金の具体例
ここでは、有料老人ホームの入居金の返還額の計算例をご紹介します。
【計算例】
- 入居金:600万円
- 初期償却:20%
- 償却期間:5年

有料老人ホームの入居金があるプランと入居金がないプランはどちらが得?
入居金には、『退去が早かった場合に初期償却した金額の影響が大きいというデメリット』と、『想定期間より長く入居した場合に家賃の支払い金額が少なくなるというメリット』があります。
それでは、複数のプランを用意している有料老人ホームではどちらのプランの方がお得なのでしょうか?
これは、『実際に入居した期間によって異なる』ということになっています。
皆様のそれぞれの状況に合わせて『長く入居することを考えて入居金があるプランを選ぶ』や『他の老人ホームへの転居を考えて入居金がないプランを選ぶ』という選択をするのが良いでしょう。
まとめ
有料老人ホームの入居金について詳しく説明してきましたが、お役に立ちましたか?
有料老人ホームでは、施設ごとに様々なコンセプトを持ち、多様なサービスが実施されているので、料金も幅広く設定されています。
入居してから「合わない」と感じて退去することや病状の悪化などで長期の入院が必要になって退去することなどがありますが、その際に返金される金額はその後の生活でも重要になります。
そのため、入居金とその償却や返還の仕組みをしっかりと理解して老人ホームを選びましょう。
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