サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)の費用相場は?気になる負担軽減策も紹介!
- 2024年10月04日 公開
- 2025年03月11日 更新

サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)は、近年、施設数が増えており、入居者のニーズの多様化に伴って施設ごとのサポート体制や契約方式が大きく変化しています。
サ高住のサービス内容、費用構成などのしくみを理解してから施設選びをすることが必要です。
この記事では、サ高住のサービス内容や費用、選び方まで詳しく解説します。
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目次
【都道府県別・タイプ別】サ高住の費用相場
都道府県別
サ高住(サービス付き高齢者住宅)は、高齢者が安心して過ごせる ” 賃貸住宅 ” であるため、費用は地域の実情に合わせて設定されています。
大都市圏は、地方圏に比べて相場が高めです。
初期費用 |
月額費用 |
|||
---|---|---|---|---|
平均値 |
中央値 |
平均値 |
中央値 |
|
全国平均 |
22.2万円 |
10.0万円 |
14.0万円 |
13.6万円 |
東京都 |
224.7万円 |
23.9万円 |
23.9万円 |
20.5万円 |
神奈川県 |
40.7万円 |
20.4万円 |
20.7万円 |
19.8万円 |
埼玉県 |
16.6万円 |
11.0万円 |
15.8万円 |
15.0万円 |
千葉県 |
12.3万円 |
12.8万円 |
16.7万円 |
16.3万円 |
大阪府 |
27.7万円 |
10.2万円 |
16.4万円 |
14.6万円 |
愛知県 |
13.6万円 |
14.6万円 |
18.3万円 |
16.3万円 |
北海道 |
105.0万円 |
7.7万円 |
13.9万円 |
12.9万円 |
福岡県 |
12.0万円 |
11.6万円 |
12.9万円 |
12.6万円 |
兵庫県 |
73.8万円 |
13.7万円 |
16.0万円 |
15.4万円 |
タイプ別
入居にかかる費用は、施設のタイプによっても異なります。
介護型は、車イスの方でも入れる特殊浴槽や共用スペースなど設備が整備されており、サービス面においても、身の回りの介護サービスやレクリエーションなど手厚いサービスが受けられるため、一般型よりも費用が高くなる傾向にあります。
一般型 |
介護型 |
|
---|---|---|
初期費用 |
15~30万円 |
数十万~数千万円 |
月額費用 |
10~30万円 |
15万~40万円 |
サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)とは

サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)とは、自立した生活を送れる方を入居対象としたバリアフリーの賃貸住宅です。
どちらも民間施設ですが、有料老人ホームと比較して初期費用が若干安価なため、入居しやすい施設です。
また、必要なサービスを個々のニーズに合わせて選べるため、自由度の高い生活が送れるというメリットもあります。
高齢化が急速に進むなか、高齢者の住まいとして注目されているサ高住は、今後も増え続けることが予想されます。
一般型
サ高住全体の9割を占めるのが、一般型です。
一般型は、バリアフリー対応の居室を備え、「安否確認」「生活相談」のサービスがあります。
そのため、身の回りのことができる60才以上の高齢者が入居条件になります。
食事はサービスに含まれていないため、居室で自炊するか、食事サービスをオプションで申し込む必要があります。
家事支援や介護サービスは、一般型にはありません。
外部で家事支援、介護サービスを申し込むことで、利用することができます。
また、自立していることが入居条件のため、介護が必要になった場合や認知症を発症した場合には、退去を求められることがあります。
契約方式は「建物賃貸借契約」方式で、入居一時金の代わりに敷金を負担するため、介護型に比べ、費用が安くなる傾向にあります。
ただし、食事提供などのオプションでサービスを追加したり、外部サービスを利用した場合は、利用した分に応じて費用が発生します。
介護型
介護型は、各都道府県から「特定施設生活介護」の指定を受けています。
「特定施設生活介護」は居室や共同スペースなどの施設利用に加え、施設内での介護および生活支援サービスを24時間受けることができます。
人員基準が細かく定められているため、介護付き有料老人ホームとほぼ同じサービスを24時間受けられる点で安心です。
介護型の費用は一般型に比べて高くなりますが、1日3回の食費が基本サービス費に含まれていることが多く、介護サービス費も介護度に応じて一定額に設定されています。
契約形態は「利用権方式」であり、居室や共用スペース、介護・生活支援サービスをまとめて利用できるため、基本料金は介護度に応じた料金になります。
サ高住の運営目的
サ高住は、高齢者世帯の孤立を防ぎ、安心して生活できる住まいを提供することを目的に制度化された高齢者向けの賃貸住宅です。
バリアフリー設計された居室や共同スペースなどハード面の条件を整えることで、安全に生活できるような環境づくりが行われています。
また、スタッフによる安否確認や生活相談サービスを提供し、一人暮らしの不安を解消します。
基本的には、自立した日常生活を送れる高齢者が入居対象ですが、介護が必要になっても外部の介護サービスを利用することで入居生活を続けられます。
外出や外泊が自由にでき、居室内に自炊のためのキッチンが備わっている施設もあるなど、比較的自由度の高い生活を送れるため、自分のライフスタイルを大切にしたいという方に人気です。
サ高住のサービス内容
サ高住で必ず提供されるのは「安否確認」と「生活相談サービス」です。
安否確認は、見守りシステムやスタッフの巡回によって行われ、緊急時には家族への連絡や救急要請などの対応がとられます。
生活相談サービスは、入居者の生活全般のサポートです。職員が相談窓口となり、入居者の困りごとや各種サービスの紹介などの対応をします。
サ高住では、それぞれの入居者が必要に応じてオプションサービスを選択するのが基本です。
食事サービスの提供に関しても「1日1食のみ」「備えつけのキッチンを利用しての自炊」など、希望に応じて柔軟に対応する施設が多くなっています。
居室の清掃や衣類の洗濯などは基本サービスに含まれないため、利用には別途費用がかかります。
これらのオプションサービスは、施設ごとに内容や料金が異なります。
介護サービスに関しては、必要に応じて外部の介護事業所と契約を結び、訪問看護や訪問介護、デイサービスなどの介護保険サービスを利用するのが基本です。
サ高住の費用の構成

サ高住の入居で必要な費用は、主に「初期費用」と「月額費用」の2つです。
一般型と介護型では契約形態、初期費用の内訳、月額費用の額が変わります。
一般型 |
介護型 |
||
---|---|---|---|
契約形態 |
建物賃貸借方式 |
利用権方式が多い |
|
初期費用 |
入居一時金 |
不要 |
必要(数十万~数千万) |
敷金 |
必要(賃料の2~3ヶ月分程度の額) |
契約方式が建物賃貸借方式であれば必要(一般型と同様) 利用権方式であれば不要 |
|
月額費用 |
賃料・管理費・食費 |
毎月一定額(10万円~30万円) |
毎月一定額(15万円~40万円) |
介護保険自己負担分 |
月によって変動 |
毎月一定額かかる |
一般型
一般型では建物賃貸借方式の契約が多く、初期費用は敷金が必要になります。
建物賃貸借方式での契約であるため、敷金は入居する部屋を借りるための費用として設定されています。
敷金は賃料の未払いへの保証金、原状復帰のための費用として、賃料の2~3か月の額が一般的です。
月額費用については、賃料・管理費・食費は一定額に設定されています。
なお、一般型では施設内で生活支援、介護サービスは受けられないため、これらのサービスを利用する場合は、外部のサービス事業者と別途に契約する必要があります。
住宅にかかる費用(食費を含む場合もある)は一定額となりますが、介護保険サービスは利用した分だけの支払いとなるため、利用したサービスによって額が変動します。
介護型
介護型では利用権方式の契約が多く見られます。
利用権方式とは、居室や食堂・浴室などの共有スペースを使用する権利、生活支援・介護サービスなどを受ける権利などを一体化して契約する方式です。
一般型と違い、介護型は権利を一体化しているため、利用権方式で契約した場合に入居一時金が必要になります。
介護型は、生活支援だけでなく介護支援サービスも受けることができるため、介護に必要な人員が配置され、車イスの方でも使用できる設備が整備されています。
そのため、手厚い介護を受けられますが、入居一時金の費用が数十万〜数千万と一般型より高く、サービス内容により費用の幅があります。
入居一時金が一般型より高額なのは、充実したサービスを受けるのに月額費用がかかるためで、あらかじめ月額費用の一部を前払いできる額で設定されています。
介護度により月額費用が変わりますが、全てのサービスを一体化しているため、毎月の月額費用は一定になります。
介護型でも契約方式が建物賃貸借方式の場合は、敷金が必要となり、一般型と同様の金額になります。
サ高住の初期費用の内訳

サ高住に入居する際に支払う費用が初期費用です。
初期費用には、大きく分けて「入居一時金」と「敷金」があり、契約形態によって入居一時金もしくは敷金に分けられます。
一般型では敷金、介護型では入居一時金が初期費用としてかかることが多いですが、契約時に必ず確認しましょう。
入居一時金
介護型サ高住に入居する際に入居一時金として初期費用が掛かることが多いです。
入居一時金を支払うことで、介護型サ高住に入居し、居室や共用スペースや介護サービス、食事提供サービスなどが利用できる権利を得られます。
入居一時金を家賃の全部または一部を前払い金として契約する施設もあります。
相場は数十万~数千万と施設によって大きく変わります。
入居一時金を支払うことで、月額費用を安く抑えることができます。
想定する居住期間により、入居一時金の額が決められているため、想定する居住期間より実際の居住期間が短くなった場合は、費用が一部返還されます。
敷金
一般型サ高住に入居する際は敷金がかかることが多いです。
敷金は家賃の未払いに備えた場合の保証金や、居室の原状復帰のための費用として設定されています。
家賃の未払いがなく、居室の原状復帰のための費用がかからなかった場合は、退去時に返却されることもあります。
元々サ高住は、高齢者向けの賃貸住宅としての意味合いが強いため、通常の賃貸住宅と同じように敷金が初期費用とイメージするといいでしょう。
想定する居住期間に関係なく、敷金は10万~30万(賃料の2〜3か月分)が相場です。
サ高住の入居一時金の契約形態・支払い方式

サ高住は契約形態、支払い方式が一般型と介護型で異なります。
ここでは、契約形態や支払い方式とともに、入居一時金における償却について解説していきます。
契約形態
サ高住の契約形態には「賃貸借契約方式」と「利用権方式」の2種類があります。
一般型は「賃貸借契約」、介護型は「利用権方式」が多いです。
契約形態により、サービスが契約に含まれるか含まれないかが変わってくるため、必ず確認しましょう。
賃貸借契約
一般型サービス付き高齢者住宅に多い契約方式です。
一般的な賃貸住宅のように、敷金を支払い、家賃や管理料、光熱費などを含む料金を毎月支払うことで居住権を得られる契約です。
敷金は、家賃額相当の2~3か月分が一般的です。
施設によっては敷金が不要な施設もあります。しかし退去時に修繕費などが必要となる場合もあります。
契約時に必ず退去時費用についても確認しておきましょう。
利用権方式
介護型サービス付き高齢者住宅(サ高住)に多い契約方式です。
利用権方式で契約すると、居室や共用スペースを利用でき、介護・生活支援サービスを利用できる権利を得られます。
利用権方式では、入居時に入居一時金が初期費用としてかかります。
支払い方式
サ高住では、支払い方式が「一時金方式」「月払い方式」「併用」方式」の3パターンがあります。
入居時の経済状況や月々の費用、想定する入居期間により、支払い方式を決めるといいでしょう。
各支払い方式の詳細を説明していきます。
一時金方式
想定される入居期間にかかる費用を、あらかじめ一時金として一括で前払いする方式です。
初期費用を支払う必要があり、高額になる場合もあります。
実際の入居期間が、想定する入居期間する入居期間より短くなった場合、残金があれば返金されます。
なお、想定する入居期間より実際の居住期間が長くなった場合でも、費用を追加で支払う必要はありません。
長期の入居を想定している場合は、一時金方式の方が費用が抑えられる可能性があります。
月払い方式
月払い方式は、月々の費用を支払う方式です。
家賃の前払いが無く、利用した分だけ支払うことになるため、入居期間が短い場合は特に費用を抑えられます。
一時金を支払う必要がないため、初期費用は安く抑えられます。
一方で、一時金方式に比べて月々の支払い額が高くなるため、居住期間が長くなると総費用が割高になる傾向があります。
次の住まいを検討中など、居住期間が短期間になる見込みがある場合は、月払いの方式の方が費用を抑えられるでしょう。
併用方式
併用方式とは、入居時に一時金と月々の費用を支払う方式です。
一時金方式と同様に、入居時にあらかじめ一時金を支払うことで、月々の利用料を一時金から取り崩して支払います。そのため、月々の費用が安くなるように設定されています。
初期費用として一時金の支払いは必要ですが、一時金方式ほど高額にならず、月払い方式と比べて月々の料金が抑えられます。
想定した入居期間より早く退去したとしても、残金があれば返還されます。
償却とは
償却とは、入居一時金を、想定される居住期間の間に充当していくことです。
償却金は退去時に返却対象とならない費用を指します。
支払い方式が「一時金方式」「併用方式」の場合、一時金の支払い時に償却金が発生します。「月払い方式」では入居時に一時金の支払いがないため、償却金は発生しません。
償却には注意が必要です。
一時金には、初期償却が設定されている施設が多くあります。
初期償却とは、想定した居住期間を超えて利用する場合に備え、入居した時点で一時金の中から一定額を費用として償却することです。
つまり、入居した時点で初期償却分の金額が返金対象外となります。
初期償却したあと、残りの一時金は想定された居住期間に応じて月々償却されていきます。
入居時の年齢、想定される居住期間、初期償却額、月々の償却額は施設ごとに異なります。
退去時に一時金の返還を受ける際には、初期償却額や計算方法が想定された居住期間に応じて異なるため、事前に確認することが重要です。
サ高住の月額費用の内訳

賃料・管理費・食費
毎月かかる費用には、賃料、共益費(水道光熱費)、基本サービス費(安否確認や生活相談)などがあり、賃料は建物の立地や居室の面積、設備内容などによって異なります。
共益費とは、共用部分の維持管理費として使われる費用です。
一般型のサ高住でかかる食費は、食事提供サービスの有無や回数によって料金が変わります。
特定施設の指定を受けた介護型のサ高住の場合、食事の提供が義務づけられており、月額費用の中に食費が含まれています。
建物賃貸借方式で契約する一般型のサ高住では、家賃・共益費・基本サービス費、食費などが毎月かかる費用です。
一方、介護型のサ高住において、利用権方式で契約し、入居一時金を支払うケースがあります。
この場合、想定される入居期間の家賃分を前払いしているため、月額費用は支払い済みの家賃分を除いた共益費や食費、その他の費用となります。
介護保険自己負担分
介護型のサ高住では、介護を行うのは、施設のスタッフです。また、介護サービス費は、要介護度によって決められており、利用したサービスの量に関わらず料金は一律です。
一方、一般型のサ高住では、介護が必要になると、外部の事業所によるサービスを受けることになります。料金は定額制ではなく、サービスをたくさん使うほど、負担は大きくなります。
これらの、介護サービス費は介護保険が適用されるため、要介護度に応じて決められた支給限度額の範囲内で、サービス利用分の原則1割(または2割、3割)で利用できます。
しかし、支給限度額を超えた分については、全額自己負担となるため注意が必要です。
外部の介護サービス
一般型サ高住を利用する場合、介護サービスは併設または外部の介護事業所のサービスを利用します。
介護サービス費に関しては介護保険が適用されるため、介護度に応じて決められた負担限度額の範囲内であれば、サービス利用分の原則1割(または2割、3割)で利用できます。
その他の費用
一般型サ高住(サービス付き高齢者住宅)では、基本サービス以外にオプションサービスがあります。
サービス内容は施設ごとに異なります。主なオプションサービスは以下の通りです。
- 食事提供サービス
- 洗濯や掃除、買い物代行などの生活支援サービス
- 病院付き添いサービス
一般型や介護型を問わず、以下の費用が別途かかります。入居者個人により必要なものが多いですが、施設内で行うレクリエーションや娯楽にかかる費用も含まれます。
- 医療費、薬代
- おむつや尿取りパッドなどの消耗品代
- シャンプーや歯ブラシなどの日常衛生用品代
- 衣服代
- 理美容代
- レクリエーションや娯楽費
- 嗜好品
- 外食代
- 交際費
- 娯楽品
【比較】サ高住と老人ホームの費用・サービスの違い
サ高住と有料老人ホームは、どちらも高齢者が安心して暮らせる施設ですが、費用や提供されるサービスに違いがあります。
それぞれの費用や入居の条件を表にまとめたので、違いを知りたい方は参考にしてみてください。
費用面
サービス付き高齢者向け住宅 |
有料老人ホーム |
|||
---|---|---|---|---|
一般型 |
介護型 |
介護付き有料老人ホーム |
住宅型有料老人ホーム |
|
初期費用平均 |
15〜30万円 |
数十〜数千万円 |
182.0万円 |
59.1万円 |
月額費用平均 |
10〜30万円 |
15万〜40万円 |
16.5万円 |
11.0万円 |
入居条件・サービス面
サービス付き高齢者向け住宅 |
有料老人ホーム |
|||
---|---|---|---|---|
一般型 |
介護型 |
介護付き有料老人ホーム |
住宅型有料老人ホーム |
|
入居条件 |
60才以上の方 60才未満で要支援・要介護認定を受けている方 自分で日常生活を送れる |
60才以上の方 60才未満で要支援/ 要介護認定を受けている方 施設ごとに異なる場合が多い |
65才以上の方 要介護認定を受けている方 施設ごとに異なる場合が多い |
60才以上の方 自分で日常生活を送れる方 |
提供サービス |
|
|
|
|
職員体制 |
ケアの専門家が日中常駐 夜間は緊急通報をすることで不在の場合もあり ※人員基準なし |
24時間看護・介護職員が常駐 ※人員基準あり |
24時間看護・介護職員が常駐 ※人員基準あり |
サービスの内容に応じた職員の配置 看護・介護職員の 配置義務はなし ※人員基準なし |
生活の自由度 |
◎ |
△ |
△ |
○ |
入居条件
サ高住の場合、高齢者が安心して過ごす住宅を確保する目的のため、一般型であれば60才以上(もしくは60才未満で要支援/要介護認定を受けている)の方が入居できます。
有料老人ホームは、「介護付き有料老人ホーム」「住宅型有料老人ホーム」で入居条件は異なります。
介護付き有料老人ホームは、要介護認定を受けている方であれば入居が可能です。
住宅型有料老人ホームは、身の回りのことが自立されており、原則60才以上の方が入居可能です。
提供サービス
一般型サ高住は「安否確認」「生活相談」が主なサービスのため、日中に生活相談を受けることはできますが、夜間は緊急通報のみで職員が不在になることがあります。
一方で、生活の自由度が高いのが利点です。
介護型サ高住は、都道府県より「特定施設生活介護」の指定を受けているため、介護付き有料老人ホームとほぼ同じサービスを受けることが可能です。
法律で人員基準が定められており、24時間介護を受けることができますが、生活の自由度は一般型より低い傾向にあります。
住宅型有料老人ホームは、食事提供と生活支援が主なサービスであるため、サービスの内容に応じた職員の配置はありますが、必ずしも看護・介護職員が配置されてるとは限りません。
サ高住入居時に使用できる補助金や助成金
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民間の高齢者施設のなかでは比較的安価で入居できるサ高住ですが、持病が悪化して治療が必要になったり、介護サービスの利用が多くなったりすると医療費や介護費用が高額になる場合もあります。
ここでは、医療費や介護費が高額になった場合に利用できる負担軽減制度をご紹介します。
高額介護サービス費
高額介護サービス費とは、介護サービス費用の負担を軽減する制度です。
適用されるのは介護保険の対象となるサービスで、1カ月分の自己負担額が所得によって定められた限度額を超えた場合、市区町村に申請することで払い戻しを受けられるしくみです。
介護保険サービスは、介護保険により原則1割負担(または2割、3割)で利用できますが、介護度に応じて定められた支給限度額を超えた分は全額自己負担となるため、一気に負担が大きくなってしまいます。
高額介護サービス費制度の対象となるのは、自治体から要支援・要介護認定を受けた方で、自己負担限度額は所得により6つに分けられています。
家賃や食費、日常生活費などの費用は介護保険の適用外であるため、高額介護サービス費用の対象にはなりません。
また、本来は介護保険の対象である特定福祉用具の購入費用も、高額介護サービス費用の対象には含まれないため、注意が必要です。
高額医療・高額介護合算療養費制度
高額医療・高額介護合算療養費制度とは、1年間(毎年8月1日〜翌年7月31日)に医療保険と介護保険の両方を利用し、自己負担額が著しく高額になった場合に負担を軽減するしくみです。
負担限度額は年額56万円を基本とし、年齢や世帯の所得によって限度額が細かく決められています。市区町村に申請することで超過分が払い戻されます。
毎年7月31日(基準日)に加入している医療保険の種類によって申請方法や窓口が異なるため、詳しくは加入している医療保険の担当窓口に問い合わせてみましょう。
サ高住の費用負担の軽減方法

サ高住といっても、施設によって料金はさまざまです。
入居にかかる費用は立地条件や設備の充実度、築年数、サービスの質などさまざまな条件が反映されたものといえます。
そのため、条件の見直しや候補となる地域の範囲を広げるなどの工夫によって、費用を安く抑えることが可能です。
立地や設備、サービスなどどこかで折り合いをつける
サ高住の料金は、一般的な賃貸住宅と同様に立地条件の影響を受けます。そのため、利便性のいい都市部では費用が高く、地方では安くなる傾向があります。
設備面やサービスの手厚さによっても、料金の差が生まれます。建物は新しく豪華な方が料金は高く、築年数の経過した古い施設は低めに料金が設定されています。
サ高住のなかには、最低限のサービスのみを提供する施設もあれば、多種多様なサービスを用意している施設も存在します。
できる部分は自分で、足りない部分だけ支援を受けるという生活は、身体機能を維持しやすく、認知症の予防にもつながります。
すべて希望通りの入居先を見つけるのはなかなか難しいもの。条件に優先順位をつけ、ある程度折り合いをつけることで費用を抑えることが可能です。
条件が合えば公的施設(特養など)を検討する
サ高住よりも少ない費用で入居可能な公的な施設を検討するのも1つの方法です。
特別養護老人ホームやケアハウス(軽費老人ホーム)などの公的施設は、生活に困窮する高齢者を救済したり、養護したりする役割もあります。そのため、民間施設に比べると低所得者でも入居しやすいように配慮されています。
ただし、公的な施設は入居に条件があり、また安価で利用できるため入居希望者が多く、なかなか入居できない点に注意が必要です。
たとえば特別養護老人ホームの場合、入居できるのは原則、要介護3〜5の認定を受けた方で、常に介護を必要とするなど在宅での生活が難しい方を入居対象としています。
できる限り多くの施設を比較検討する
費用を抑えるためには、ある程度の妥協も必要です。
希望条件を見直したり、候補となる地域の範囲を広げたりすると、予算に合った入居先が見つかりやすくなるかもしれません。
また、複数の施設を比較することで、自分に合う施設を選びやすくなります。どうしても譲れない点、妥協できる点を整理すれば、後悔しない施設選びができるでしょう。
サ高住は生活保護でも入居できる?
生活保護受給者でも、サ高住への入居は可能です。
ただし、すべてのサ高住が生活保護受給者を受け入れているわけではありません。「受け入れ人数の上限が決められている」「生活保護受給者をいっさい受けつけていない」という場合もあるため、確認が必要です。
一般社団法人高齢者住宅協会の「サービス付き高齢者向け住宅の現状2020」によると、 23.9%のサ高住が生活保護受給者用の料金体系を設定していると回答しています。
参考:一般社団法人 高齢者住宅協会「サービス付き高齢者向け住宅の現状2020」
生活保護受給者が介護サービスを利用する場合、介護扶助が適用されるため、介護サービスは自己負担なしで利用できます。
家賃は住宅扶助、生活費は生活扶助、医療費は医療扶助といったように、最低限の生活は保障されます。
生活保護受給者の入居できる老人ホームとして一番に挙げられるのは公的施設の特別養護老人ホームですが、入居条件が要介護3以上とされていることや、待機者が多く、なかなか入居できない可能性が高いというデメリットがあります。
サ高住は年金のみでも入居できる?
年金のみでサ高住に入居できるか否かは、受給できる年金額によって異なるため、年金の種類と受給額を確認しましょう。
公的年金制度には、国民年金と厚生年金があります。
厚生労働省年金局の「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、それぞれの年金支給額は国民年金が平均月額56,358円、厚生年金が平均月額144,366円となっています。
このように「国民年金」と「厚生年金」では年金額に大きな差があり、国民年金のみでサ高住へ入居するのは厳しいことがわかります。
一方、厚生年金を受給する場合には、年金だけでサ高住に入居できる可能性があります。
年金のみでサ高住への入居が難しい場合には、特別養護老人ホームやケアハウスなどの公的な施設を候補にする、自宅で介護保険の居宅サービスを利用しながら生活するなどの選択肢が考えられます。
サ高住を単純な費用の安さだけで選ぶのは要注意!

サ高住のなかには、必要最低限のサービスのみを選択することで価格を抑えられる施設もあります。
しかし、単純に費用の安さだけで入居先を選んでしまうと、あとで後悔する結果となりかねません。
たとえば、生活支援や介護サービスなど手厚いサービスを期待しているにもかかわらず、経済的な負担が少ないことを理由に安価なサ高住を入居先に選択したとします。
結果的に洗濯や掃除、買い物代行、病院の付き添いなどのオプションサービスや介護サービスを多く利用した結果、費用負担が大幅に増えてしまう可能性もあるのです。
サ高住を選ぶには、特徴やメリット・デメリットをしっかりと把握し、自分のニーズに合っているかどうかを見極める必要があります。
しかし、実際に老後の入居先を探しはじめた際、数多くのサ高住のなかから自分に合った施設を見つけるのはなかなか困難でしょう。
そのような方のために、安心介護紹介センターでは介護サービスや施設入居に関する困りごとの相談サービスを行っています。
経験豊富なオペレーターが、それぞれの現状や希望をしっかりヒアリングしたうえで、多種多様な施設のなかからあなたのニーズに合った入居先を選ぶお手伝いをします。 最適な住まいを選択するため、安心介護センターの無料相談サービスをぜひご活用ください。
どの老人ホーム・介護施設にしたら良いかお悩みの方へ
満足のいく老人ホームの生活は、どの施設に入居するかで大きく異なることがあります。
安心介護紹介センターの入居相談員は、高齢者の住まいにまつわる資格を有しており、多くの老人ホームの中から、ご本人やご家族のご希望に沿ったぴったりな施設を選定してご紹介させていただきます。
施設のご紹介から、見学、ご入居まで無料でサポートさせていただいておりますので、ぜひご利用ください。