グループホームとデイサービスの違いとは?サービス内容や費用の違いについてご紹介します!
- 2024年10月07日 公開

高齢者向け施設やサービスには利用する目的、提供するサービスの違い、介護サービスの有無などによってさまざまな種類があります。
そのため、実際に家族の入居を検討した際、それぞれの違いが分からず悩む人は多いのではないでしょうか。
施設で快適な生活を送るには、入居予定の本人だけではなく家族がサービスの内容などの違いを確認し、ニーズに合った施設やサービスを選ぶことが重要です。
この記事では、グループホームとデイサービスにおけるサービス内容や費用の違いについてご紹介します。
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目次
グループホームとデイサービスの利用条件の違いは?

まずは、グループホームとデイサービスの利用条件の違いについて解説します。
グループホームは、要支援2以上の認定を受けた65歳以上の認知症の高齢者を対象としています。ある程度日常生活が自立している人が対象です。
家庭的な雰囲気のなかで入居者の精神的な安定を図り、また自立支援を行って認知症の症状を抑制、または遅らせることを目的としています。
小規模の生活の場(1ユニット5~9人)において、食事の支度や掃除、洗濯などをほかの入居者やスタッフと共同で行い生活します。
スタッフが介助やサービスを一方的に提供するのではなく、入居者の残存機能を活かしながら生活していくことが認知症の進行抑制につながります。
一方、デイサービスは別名「通所介護」と呼ばれ、日中に施設へ通って受けるサービスです。
対象は要介護1~5の65歳以上の人で、要支援の人は利用できません。
利用者が自宅で自立した日常生活を送れるように支援することが目的であり、日常生活における介護を中心に提供しています。
原則、認知症の高齢者が利用するグループホームに対し、デイサービスのなかには認知症の人に対応していない施設もあります。
この記事ではグループホームとデイサービスの違いを比較するため、デイサービスは認知症対応型の施設を前提としてご紹介します。
グループホームとデイサービスの人員基準の違いは?

グループホームでは、介護職員、計画作成担当者、管理者、代表者がそれぞれ必要数配置されています。
介護職員は入居者3人に対して1人以上、計画作成担当者はユニットごとに1名以上、管理者はユニットごとに常勤の管理者の配置が義務づけられています。
ただし、夜間は介護職員1名以上の配置が義務づけられるなど日中と夜間とでスタッフの人数が異なる点には注意が必要です。
また、この配置基準は必要最低限の人数を定めたもののため、施設によって人員数が異なります。
グループホームは認知症に特化した施設であるため、24時間専門のスタッフによる対応を受けられます。
一方、デイサービスは、管理者は常勤で1人以上、生活相談員が1人以上、機能訓練指導員は1人以上の配置が義務づけられています。
利用定員が11人以上の場合は介護職員1人以上、看護師1人以上、10人以下の場合は介護職員または看護職員1名以上配置する必要があります。
介護職員は利用者が15人までは1人以上、利用者が16人以上の場合は「利用者のうち15人を超える部分を5で割り、そこに1を加えた数」となります。
たとえば利用者が20人いる事業所では、「(20-15)÷5+1=2」となり、2人以上の介護職員を配置しなければなりません。
デイサービスはグループホームと比較して、やや複雑な人員配置基準となっています。
グループホームとデイサービスの費用

グループホームの費用は、初期費用として0円〜数百万円、月額利用料は15〜30万円が相場となっています。
初期費用は、賃貸住宅にたとえると敷金にあたる費用のことです。
月額利用料は毎月かかる費用で、「介護保険の負担額」+「日常生活費(管理費、光熱費、食費など)」の合計金額です。
デイサービスの費用は1回1,000~2,000円程度で、以下のように介護保険が適用される費用と介護保険が適用されない費用の合計が月額利用料となります。
介護保険 |
項目 |
自己負担の目安 |
---|---|---|
適用 |
利用料 |
400~1300円 |
サービス加算 |
40~200円 |
|
適用外 |
食費 |
500~800円 |
その他費用(オムツなど) |
実費 |
上記の費用がデイサービスを利用する場合に発生します。
食事やおやつ、オムツなど日常生活にかかる費用は介護保険の適用外となり、実費負担です。
利用料はデイサービスでの送迎や滞在、レクリエーションに対して請求され、サービス加算は入浴介助加算や個別機能訓練加算のように特定の条件を満たすサービスや人員体制に対して追加で請求される料金です。
自己負担額は「利用料の単位」+「サービス加算の単位」×「地域ごとの単価」×「自己負担割合」となります。
グループホームもデイサービスも費用は施設によって異なり、さらにデイサービスの場合は地域や介護職員の滞在時間、利用者の介護度によって変動します。地域によって地域別単価が異なるため、居住している地域の自治体に一度確認してみてください。
グループホームとデイサービスのサービスの違いは?

グループホームは認知症の方をサポートする施設であり、自分の家で生活しているような安らぎをもたらす生活空間の提供を大切にしています。
自宅での生活におけるつまずきの改善や認知症の症状が軽減するように働きかけることで、入居者らしい生活を取り戻せます。
そのため、グループホームではさまざまなサービスを受けられます。
具体的には、食事介助や入浴介助、排せつの介助など日常生活の基本的な動作を介助する介護サービスや、調理・掃除・洗濯といった日常生活に沿った支援を行う生活支援サービス、病院や買い物に行くときに同伴してくれるサービス、機能訓練を実施するサービスなどがあります。
ほかにも、レクリエーションやイベントを開催してグループホーム内だけではなく地域住民との交流を図ったり、入居者への体調の聞き取りや服薬の把握を通じて体調管理を支援したりします。
高齢者の増加に伴い、グループホームでも看取りサービスのニーズが高まり、看取り介護加算として介護報酬を受け取れるようになってきたことから、看取りに対応したグループホームは増加傾向にあります。
しかし、看取りの対応に不安がある、対応していないグループホームは、体調が悪化、もしくは状態が悪化した際には提携している医療施設やほかの介護施設へ移送する形を取る場合もあります。
一方デイサービスでは、要介護認定を受けた人が自宅での生活を継続できるように、施設まで車で送り迎えをしてくれ、施設内でさまざまなサービスが実施されています。
具体的なサービス内容としては、入浴や排せつ、食事などの日常生活の基本的な動作を介助するサービスや機能訓練・体操などのリハビリテーションサービスがあります。
ほかにもレクリエーションやイベントを行うことで利用者に四季の移り変わりを意識してもらい、楽しみながら身体機能や認知機能の維持・向上を図ることを目的としたサービスも提供しています。
近年ではリハビリテーションに特化したデイサービスなど、特色のあるサービスを提供する施設が増えてきています。
直接的なサービスではありませんが、自宅を離れてデイサービスに通うことで利用者の社会的な孤立感の解消につながります。また、デイサービスを利用している間の介護者の身体的、精神的負担の軽減もデイサービスが果たすサービス内容の1つといえます。
グループホームとデイサービスではどちらを選ぶべきか?

デイサービスは居宅サービスであり、自宅で自立した日常生活を送れるように支援するためのサービスです。
一方のグループホームは自宅ではなく施設に分類されるため、グループホームに入居しながらデイサービスを利用することは介護保険制度上できません。
それでは、グループホームとデイサービスはどちらを選ぶべきなのでしょうか。それぞれのメリットとデメリットを解説します。サービスを選ぶ際の参考にしてください。
グループホームのメリット・デメリット

グループホームのメリットは以下の4つです。
- 認知症に特化している
- 認知症ケアの専門知識を持ったスタッフが24時間対応している
- 残存機能を活かしながら自立支援やリハビリを受けられる
- 住み慣れた地域で生活できる
グループホームのデメリットは以下の3つです。
- 特養などの施設と比べて費用が高い
- 医療依存度や介護度によっては退去しなければならない可能性がある
- 夜間は人員が少なく、とくに緊急時に対応できない(医療スタッフが常駐していない)
デイサービスのメリット・デメリット
デイサービスのメリットは以下の3つです。
- 介護者の負担を軽減できる
- レクリエーションやイベントなどの楽しみが多い
- 社会的な孤立の解消につながる
デイサービスのデメリットは以下の2つです。
- 集団行動が苦手な人には負担
- 施設によってリハビリなどのサービスに差がある
グループホームとデイサービスにおすすめな人

ここまで紹介してきたように、グループホームとデイサービスにはそれぞれメリット、デメリットがあります。
グループホームは初期費用などがほかの公的施設と比較して高いことから、ある程度資金に余裕がある人や、認知症の高齢者、家庭的な雰囲気のなかでの生活を希望する人におすすめです。
デイサービスは要介護1以上を対象としており、やや介護度が高い人が利用するため、自宅ですべての介護を行うには家族の負担が大きくなってしまいます。老老介護の場合はとくに負担が大きくなります。
そのため、介護度が高いものの自宅での介護を希望し続ける人や集団生活が苦にならない社交的な人におすすめです。
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