老人ホームの種類と選び方のポイントとは?
- 2024年05月27日 公開

ご自身やご家族の老人ホームへの入居を考えた時に、種類がたくさんあるので、その違いや入居条件の内容などがよくわからずに悩んでいる方は多いのではないでしょうか。
この記事では、老人ホームの種類と選び方のポイント、そして入居までの流れについて説明していますので、ぜひ最後までお読みください。
この記事の監修者

株式会社エス・エム・エス
老人ホームにはどんな種類があるの?
一般的に『老人ホーム』と呼ばれる高齢者向けの施設には、以下のような種類と特徴があります。
老人ホームの種類 |
初期費用の目安 |
月額費用の目安 |
入居条件の年齢 |
入居条件の要介護度 |
---|---|---|---|---|
特別養護老人ホーム |
0円 |
5~15万円 |
65歳以上 |
要介護3~5 |
介護老人保健施設 |
0円 |
5~15万円 |
65歳以上 |
要介護1〜5 |
介護医療院 |
0円 |
5~20万円 |
65歳以上 |
要介護1〜5 |
グループホーム |
0円~30万円 |
10~20万円 |
65歳以上 |
要支援2〜要介護5 |
介護付き有料老人ホーム |
0円~数千万円 |
20~50万円 |
65歳以上 |
要支援1~要介護5 |
住宅型有料老人ホーム |
0円~数千万円 |
10~50万円 |
65(60)歳以上 |
自立〜要介護5 |
健康型有料老人ホーム |
0円~数千万円 |
10~50万円 |
65(60)歳以上 |
自立 |
サービス付き高齢者向け住宅 |
0~30万円 |
10~30万円 |
60歳以上 |
自立〜要介護5 |
ケアハウス |
0~30万円 |
5~20万円 |
60歳以上 |
自立〜要介護5 |
介護付き有料老人ホーム
介護度の軽度から中重度の方まで受け入れできる施設。
入居金や月額費用が高額になることもあるが、その分、手厚い介護サービスや生活支援サービスを受けられる。
住宅型有料老人ホーム
自立している方から介護度の軽度の方を中心に受け入れしている施設。
入居金や月額費用が高額になることもあるが、その分、手厚い生活支援サービスを受けられる。
健康型有料老人ホーム
自立している方を受け入れしている施設。
入居金や月額費用が高額になることもあるが、その分、手厚い生活支援サービスを受けられる。
サービス付き高齢者向け住宅
自立している方から介護度の軽度の方を中心に受け入れしている施設。
生活支援サービスを受けられる。
グループホーム
介護度の軽度から中重度の認知症の方を受け入れしている施設。
介護サービス、生活支援サービスを受けられる。
特別養護老人ホーム
介護度の中重度の方を受け入れしている施設。
月額費用が低額で、介護サービス、生活支援サービスを受けられる。
介護老人保健施設
介護度の軽度から中重度の方を受け入れしている施設。
月額費用が低額で、介護サービス、生活支援サービス、リハビリを受けられる。
介護医療院(介護療養型医療施設)
介護度の軽度から中重度の療養が必要な方を受け入れしている施設。
月額費用が低額で、介護サービス、生活支援サービス、長期の療養を受けられる。
ケアハウス
自立している方から介護度の軽度の方を中心に受け入れしている施設。
月額費用が低額で、生活支援サービスを受けられる。
老人ホームの種類を決める!選び方のポイントとは?
入居する老人ホームの種類を決める際、重要になってくるのはどのようなポイントなのでしょうか?
チャートに沿って老人ホームの種類を選んでみましょう。

※こちらのチャート図は、おおよその参考としてお使いください。施設によっては、当てはまらないこともあります。
医療的ケア・リハビリ
まずは、『医療的ケアやリハビリの必要性』が挙げられます。
「持病があって、長期の療養が必要」や「病院を退院して、自宅へ帰る前にリハビリが必要」などの状況の方には、医師や看護師、リハビリ専門職が多く、長期の療養やリハビリが受けられる施設を選ぶことがポイントになります。
これに対応する施設が、『介護老人保健施設』や『介護医療院(介護療養型医療施設)』となっています。
また、これ以外の種類の老人ホームでも、医師の往診や看護師の配置などで医療体制を充実させている施設もありますので、『介護付き有料老人ホーム』、『特別養護老人ホーム』、『グループホーム』も視野に入れるのが良いでしょう。
介護サービス・認知症
『介護の必要性や認知症の有無』も挙げられます。
「日常生活には困ってないけど、何かあった時に不安を感じる」、「ちょっとした支援を受けられると助かる」、「介護サービスを受けたい」、「24時間介護が必要」、「認知症の症状がある」などの状況によって、選ぶ老人ホームの種類が異なります。
自立している方は、介護保険サービスを利用することはできないので、『住宅型有料老人ホーム』や『健康型有料老人ホーム』、『サービス付き高齢者向け住宅』、『ケアハウス』などから選ぶことになり、中重度の介護が必要な方は、『介護付き有料老人ホーム』や『特別養護老人ホーム』、『介護老人保健施設』、『介護医療院』、『グループホーム』などから選ぶのが良いでしょう。
予算
入居金や月額費用などの『予算の金額』も老人ホームの種類を選ぶポイントとして挙げられます。
老人ホームの料金には、入居する時に必要になるか入居金(入居一時金)と毎月支払いする月額費用があります。
入居時の費用や月額費用を抑えて老人ホームへ入居したい方は、『特別養護老人ホーム』、『介護老人保健施設』、『介護医療院』、『グループホーム』、『ケアハウス』から選び、比較的予算に余裕がある方は、『介護付き有料老人ホーム』、『住宅型有料老人ホーム』、『健康型有料老人ホーム』、『サービス付き高齢者向け住宅』から選ぶのが良いでしょう。
将来的な希望
また、老人ホームに入居した後の『将来的な希望』も老人ホームを選ぶポイントになっています。
「リハビリをして、将来的に自宅へ戻りたい」や「今は介護が必要ないけど、介護が必要な状態になってもずっと同じ老人ホームで生活を送りたい」、「介護が必要になったら引っ越しするから、元気なうちに楽しい施設に入りたい」など、それぞれの希望や現在の状況に応じて選ぶ施設が変わります。
「今は介護が必要ないけど、介護が必要な状態になっても、ずっと同じ老人ホームで生活を送りたい」を例にすると、『介護付き有料老人ホーム』や『グループホーム』、または中重度の介護度まで受け入れをできる『住宅型有料老人ホーム』・『サービス付き高齢者向け住宅』などから選ぶのが良いでしょう。
その他の希望条件
その他にも様々な希望条件があると思います。
「夫婦で入居できる施設がいい」や「ペットと一緒に入居できる施設」などを希望するケースもあるでしょう。
そのような希望をお持ちの方は、様々な特色を持つ『介護付き有料老人ホーム』、『住宅型有料老人ホーム』、『健康型有料老人ホーム』、『サービス付き高齢者向け住宅』などの中から、夫婦で入居できる『夫婦部屋』がある施設、ペットと暮らせる施設を探すのが良いでしょう。
入居する老人ホームを探す!選び方のポイントとは?
ここでは『老人ホームの種類』を決めてから、実際に入居する老人ホームを選ぶときのポイントをご紹介します。
介護施設の選び方のポイント
介護サービスを受けれる老人ホームに入居したいと思っている方は、『入居までの期間』、『介護スタッフの人数』、『医療的ケアの対応状況』、『介護サービスの内容』などが施設を選ぶポイントになるでしょう。
例えば、退院日が決まっていたり、在宅生活が難しい状況だったりという方には、空室がある施設や待機期間が短い施設を優先して探すことが必要でしょう。
その他にも、施設によって配置しているスタッフの職種や対応可能な入居者が異なります。
そのため、入居する方の状況をしっかりと把握して対応可能な施設を探すことが必要になります。
有料老人ホームの選び方のポイント
有料老人ホームでは、入居金と月額費用という料金体系がとられています。
そのため、選ぶポイントとして『入居金の金額』、『月額費用の内訳』、また『その金額に見合った設備やサービス』、『施設として対応できる範囲(退去の条件)』などが挙げられます。
1カ所だけ見てもわからないことが多いので、複数の施設を比較したり、専門家に相談したりするのが良いでしょう。
老人ホームに入居するまでの流れ
それでは、実際に老人ホームに入居するまでの流れをご紹介します。

ステップ1. 希望条件を挙げる
まずは、老人ホームを探すにあたり、希望条件を挙げましょう。
希望条件は、「入居金○○万円以内」「月額費用○○万円以内」などの予算に関することや、「○○市」「最寄り駅が○○駅」「駅から徒歩・バス○○分以内」などの立地やアクセスに関すること、「24時間の介護サービス」「医療的ケア」「外出支援サービス」などのサービスに関すること、食事の内容など、具体的な内容を挙げましょう。
また、入居する本人の希望だけではなく、ご家族の希望も合わせて列挙しておくと良いでしょう。
ステップ2.希望条件の優先順位を決める
次に、先ほど挙げた希望条件に優先順位をつけましょう。
特に、絶対に外せない希望条件や融通の利く範囲なども含めて整理しておくと、施設の絞り込みで役に立ちます。
ステップ3.施設の情報を集める
ステップ3では、希望条件に合う施設の情報を集めます。
この時に便利なのが、『かいごDB』のような老人ホームの検索サイトです。
希望の地域や老人ホームの種類から、一覧を表示することができて、気になった施設をチェックして資料を取り寄せることができます。
ステップ4.施設を比較する
ステップ4では、集めた資料を確認して比較します。
皆さんの状況や希望条件によっては、複数の施設が候補になる場合もあるでしょう。
そのような場合、比較をすることで施設の特色や違いを知ることができます。
また、比較をすることで老人ホームの取り組みを知り、これまでと違う希望条件に気づくこともできるでしょう。
ステップ5.見学・体験入居を申し込む
比較・検討した結果気になる施設には、見学や体験入居を申込しましょう。
見学や体験入居には、「実際にどのようなサービスが受けられるかを体験できる」「スタッフや他の入居者の様子や施設内の雰囲気を確認できる」「居室や共用部部分の設備を知ることができる」「実際の食事を食べられる」「施設までのアクセスを確認できる」など、様々なメリットがあります。
見学や体験入居に行くときには、安心介護紹介センターの『施設見学チェックシート』をぜひご活用ください。
ステップ6. 入居契約を結ぶ
見学や体験入居を経て、入居したい施設が決まったら、いよいよ入居契約を結ぶ段階になります。
入居契約にあたり、入居の申し込みを行い、事前審査を受け、契約書と契約に係る重要事項説明書の説明を受けます。契約時には、印鑑や身分証明書、介護保険被保険者証、緊急時の連絡先や身元保証人の情報などが必要になります。
まとめ
老人ホームの種類とその選び方についてご紹介してきました。
老人ホームには様々な種類があり、それぞれの施設で取り組みを行っているため、一概に「この老人ホームの種類じゃないとダメです。」ということにはなりません。
そのため、老人ホーム探しで苦労することは多いとも言えます。
最後までお読みいただきありがとうございました。
どの老人ホーム・介護施設にしたら良いかお悩みの方へ
満足のいく老人ホームの生活は、どの施設に入居するかで大きく異なることがあります。
安心介護紹介センターの入居相談員は、高齢者の住まいにまつわる資格を有しており、多くの老人ホームの中から、ご本人やご家族のご希望に沿ったぴったりな施設を選定してご紹介させていただきます。
施設のご紹介から、見学、ご入居まで無料でサポートさせていただいておりますので、ぜひご利用ください。