サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)の食事は美味しい?費用や体制など解説します!
- 2024年10月04日 公開

サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)の食事は美味しい?費用や体制など解説します!
栄養摂取にとどまらず、日々の生活を送るうえでの楽しみでもある食事は、サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)を選ぶ際の重要なポイントの1つです。サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)での食事の提供はオプションサービスとなるため、食事の内容や充実度は施設によってさまざまです。
いったいどのような食事が提供されるのか、気になる方は多いのではないでしょうか。
そこでここでは、費用や体制などの観点から施設を選ぶ際の食事のポイントを詳しくご紹介します。入居を検討している方はぜひ参考にしてください。
この記事の監修者
目次
サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)の「食事」の役割

サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)とは、60歳以上の高齢者、または要介護認定を受けた60歳未満の方が入居可能な施設です。
自宅とほぼ変わりのない自由度の高い暮らしを送りながら、施設スタッフによる安否確認と生活相談、外出のつき添いや食事の提供などさまざまなサービスを受けられます。提供しているサービス内容は施設によって異なります。
それでは、サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)を選ぶ際になぜ食事が重要なのでしょうか。理由の1つとして挙げられるのは、入居者にとって食事は日々の暮らしのなかでの楽しみであり、生活の質の向上につながるためです。
また、入居者のなかには食事に関わる機能、たとえば噛んだり、飲み込んだりする機能が低下している方もいます。
誤った食べ方は肺炎や窒息につながりかねないため、入居者一人ひとりの身体状態に合った食事を提供してもらえるかどうかは、安心した食生活を送るうえでは見落とせないポイントです。
さらに、施設側も食事の重要性は認識しており、イベント食など季節に応じた献立の提供を行うなど食事に力を入れるところが増えてきました。
サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)の食事の提供体制

ここではサ高住(サービス付き高齢者向け住宅)の食事の提供体制について、調理場所・献立・入居者の身体状態に合わせた調理法の観点からご紹介します。
サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)の調理場所
まずは調理場所についてです。
サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)には介護度が軽い方や、介護・生活の介助をあまり必要としない方が主に入居しており、食事や日常生活における身の回りのことを自分自身でする人もいます。
そのため、入居者が自身で調理できるよう、居住スペースや共同スペースにキッチンを設置している施設もあります。
また、管理が必要な疾病がある、自分で調理できないなどの事情により食事を用意できない場合は、食事の提供サービスを利用できます。
食事の提供の仕方は、施設内の調理場所で作っている施設があれば、外部の業者に委託している施設もあるなどさまざまです。
サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)の献立

サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)では、入居者が飽きないように工夫を凝らし、かつ栄養バランスがとれた食事を毎回提供しています。
食事内容は施設ごとに異なりますが、正月や節分、ひな祭り、七夕、クリスマスなどのイベントの際に四季を感じられる食事を提供するところもあります。
入居者の身体状態に合わせた調理法
糖尿病や高血圧、腎臓病などを患っている高齢者は、とくに食事内容に気をつけなければなりません。
また、噛む・飲み込む機能が低下している方は食事形態に注意する必要があります。
入居者一人ひとりの身体状態に合った食事の提供の有無も、サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)を選ぶ際には重要なポイントです。
具体的には、治療食や介護食への対応が可能かどうかです。
治療食
治療食は、病気を患っている方を対象とした食事です。ここでは、代表的な治療食を3つご紹介します。以下の表を参照してください。
治療食の内容 |
特徴 |
---|---|
減塩食 |
高血圧、心臓病の人が対象。通常の食事より食塩の摂取量を制限。 |
糖尿病食 |
糖尿病の人が対象。 |
腎臓病食 |
腎臓病の人が対象。 |
治療食はそれぞれの疾患に合わせてカロリーや食材を制限しなければならず、専門的な知識がなければ作ることは困難であるため、自宅で厳密な治療食を作り続けることは難しいでしょう。
持病を抱える高齢者はサ高住(サービス付き高齢者向け住宅)で食事提供のサービスを受けることで、安心した食生活を送れます。
介護食(ミキサー食や刻み食など)
介護食は、噛む・飲み込む機能が低下している高齢者でも食べやすいように工夫された食事です。代表的な介護食は以下のとおりです。
食事形態 |
特徴 |
---|---|
ミキサー食 |
ミキサーなどにかけることで液状に近い状態にした食事のこと。 |
刻み食 |
食事や食材を細かく刻み、一口大やみじん切りのような形態にして提供される |
とろみ食・ゼリー食 |
片栗粉やとろみ剤などでとろみをつけた食事のこと。 |
ソフト食 |
舌でも簡単につぶせるように柔らかくした食事のこと。 |
水分補給食 |
飲み物などをゼリー状にして水分を補給しやすくした食事のこと。 |
介護食は治療食と同様に、専門的な知識がなければ作ることは難しく、自宅で介護食を作り続けることは非常に困難であるといえます。
介護食は食べる機能が弱くなった方のための食事であり、噛む力が低下している場合は柔らかさを調整し、飲み込む力が低下している場合はとろみをつけて飲み込みやすくします。
サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)の食費

ここまでサ高住(サービス付き高齢者向け住宅)で提供される食事内容や食事形態をご紹介しました。
それでは、サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)でかかる食費はどのくらいなのでしょうか。ここでは食費について詳しくご紹介します。
まずはサ高住(サービス付き高齢者向け住宅)の月額費用を簡単にご紹介します。
内訳は賃料、管理費、共益費、水道・光熱費、生活支援サービス費、食費です。
一般的な食費の相場は、月4〜8万円です。
食費は月額費用に含まれている施設が多く、前提として1日3食提供された場合の費用となっています。
ほかの高齢者施設と比べると、介護付き有料老人ホームでは月4〜8万円、住宅型有料老人ホームでも月4〜8万円と、費用面では差はないようです。なお、特別養護老人ホーム(特養)や介護老人保健施設(老健)などの公的な施設では、食費は一定です。
また、多くの施設では3度の食事に加えておやつや、イベントごとにお菓子を提供しています。食事と同様に栄養を摂取するために必要なおやつは、入居者にとっては楽しみの1つです。
ただし、おやつやイベントごとのお菓子を提供している場合は食費とは別に費用がかかってくる点に注意が必要です。
一方、サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)の食費を把握するためには、軽減税率について知っておかなければなりません。
軽減税率とは、「政策的目的により税負担の軽減を図るため、標準の税率より低い税率を適用すること、または適用される税率のこと」をいいます。
2019年の税制改正で消費税が8%から10%に引き上げられたことにより、金銭的な負担が増加し家計が圧迫される人が増えました。そのなかで、食料品など生活を送るうえで最低限度必要なものについては、消費税を8%へ軽減することで日々の生活を維持できるように制定されたのです。
サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)でも、以下の3つの条件を満たすことで軽減税率が適用されます。
- 軽減税率の対象となる施設であること
- 軽減税率の対象となる飲食料品の提供範囲であること
- 「1食の食費が640円(税抜)以下であること」かつ「1日の食費の合計額が1920円(税抜)以下であること(おやつなどの間食も含む)」
入居を希望する施設では軽減税率制度が適用されるのか、具体的に食費はどのくらいかかるのか、事前確認をおすすめします。
サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)の食事内容

ここでは、実際にサ高住(サービス付き高齢者向け住宅)で提供されている献立を5例ご紹介します。
(献立例1)
|
和食 |
洋食 |
---|---|---|
朝食 |
ごはん |
スクランブルエッグ |
昼食 |
ごはん |
照り焼きチキン |
夕食 |
ごはん |
アンサンブルエッグ |
(献立例2)
|
和食 |
洋食 |
---|---|---|
朝食 |
ごはん |
パン |
昼食 |
ちらし寿司 |
パン |
夕食 |
ごはん |
パン |
(献立例3)
|
和食 |
洋食 |
---|---|---|
朝食 |
ごはん |
パン |
昼食 |
ごはん |
パン |
夕食 |
ごはん |
パン |
(献立例4)
|
和食 |
洋食 |
---|---|---|
朝食 |
ごはん |
パン |
昼食 |
ごはん |
肉団子のクリーム煮 |
夕食 |
ごはん |
ごはん |
(献立例5)
|
和食 |
洋食 |
---|---|---|
朝食 |
ごはん |
パン |
昼食 |
牛丼 |
パン |
夕食 |
ごはん |
パン |
施設によっては1日2食の提供であったり、和食か洋食かを選べるシステムであったりと、献立や提供方法が異なりますが、どの施設でも栄養バランスを考慮し、入居者が食事を楽しめるような献立が考えられています。
サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)を見学時に見るべき「食事」のポイント

サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)を検討する際には、事前に施設の見学をおすすめします。施設を見学することで、ホームページや紙面上では分からない実際の施設の雰囲気や入居者の様子、スタッフの応対はどうかなどを実感できます。
また、施設の見学をする際には、食事もしっかりと確認しましょう。食事の良し悪しは生活の質に関わります。入居後に食事が口に合わない、食事中の雰囲気が嫌などの理由で食が進まないようになると、入居者にとってストレスとなるだけではなく、心身の不調の原因にもなりかねません。
そのため、入居前に以下の3ポイントに気をつけながら食事をチェックするとよいでしょう。
実際に食すことができるのであれば食べてみる
施設によっては見学の際に実際に食べられたり、試食会などを実施したりしているところもあります。可能であれば食べてみて、自分の口に合うかどうかを確認しましょう。
朝食時の献立に注目する
3食のなかでは、朝食時の献立にとくに注目してみましょう。
朝食は朝早い時間帯での準備が必要です。早朝はスタッフが少ない施設も多く、朝食の準備が3食のなかでもっとも大変といえます。
そのため、朝食の献立の充実度は、その施設がいかに食事に力を入れているのか、食に対してどれくらい注力しているのかを把握する目安となります。
調理提供体制を確認する
治療食や介護食など入居者の状態に合わせた食事の提供に対応しているか、食事中にはどのようなサービスを受けられるのか、スタッフはどのように対応しているのかなどの把握も大切です。
食事は、入居者自身で作る、施設内の厨房もしくはキッチンで作って提供する、外部の業者に委託して提供するケースがあります。
食事提供のサービスを受ける際には、施設内で作られているかどうかを把握することで、食に対する力の入れ具合を確認できます。施設内で作っている場合は、温かい食事を食べられるなど施設の満足度に直結することもあります。入居者の希望や嗜好、要望などをすぐに反映できる点もメリットでしょう。
また、外部委託の場合でも、昨今は食事の質が上がっていることもあるため、やはり一度実際に味わってみることが大切です。
どの老人ホーム・介護施設にしたら良いかお悩みの方へ
満足のいく老人ホームの生活は、どの施設に入居するかで大きく異なることがあります。
安心介護紹介センターの入居相談員は、高齢者の住まいにまつわる資格を有しており、多くの老人ホームの中から、ご本人やご家族のご希望に沿ったぴったりな施設を選定してご紹介させていただきます。
施設のご紹介から、見学、ご入居まで無料でサポートさせていただいておりますので、ぜひご利用ください。