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老人ホームの食事メニューを紹介!食事の役割や見学時の確認ポイントも解説

  • 2024年10月04日 公開
  • 2025年03月11日 更新

高齢者にとって毎日の食事は、健康維持だけでなく、生活の楽しみとして大切な役割を担っています。

さらに、毎日の食事の満足度は、日常生活を有意義に過ごせるかどうかを大きく左右する重要な要素です。特に、アレルギーなどの持病を持つ方にとっては、個別対応が可能かどうかが気になるところではないでしょうか。

本記事では、老人ホームの食事事情について、メニュー例から調理方法や費用、食事が美味しい施設を選ぶ際のポイントを含めて詳しく紹介します。

老人ホームにおいて”食事”は重要なポイント!

老人ホームの食事は「施設だから…」と質素でシンプルなものをイメージしている方も少なくないでしょう。 しかし、近年では老人ホームは食事の充実に力を入れています。
老後の大半を過ごす老人ホームでは食事が日々の充実につながるため、施設を選ぶ際に”食事”は重要なポイントとなってきます。

年を重ねてくると食も細くなってくるため、健康という観点から少量の食事の中で可能な限り栄養価の高いものを摂取したいと考える人は多いのではないでしょうか。

老人ホームでは献立に多彩なメニューを採用し、飽きないように工夫されています。
その状況の中でも、美味しさの指標として調理場所が「施設内にあるのか」もしくは「外部にあるのか」で変わってきます。
調理場所が施設内にある場合、入居している方やスタッフの意見が反映されやすくより良い食事につながりやすいです。
しかし、外部に委託している形であればなかなか改善することは難しいため、これらは事前に知っておきたい情報の一つと言えます。

老人ホームの食事のメニュー例

老人ホームの食事は、大きく分けて「通常食」と「イベント食」という2つの軸で構成されています。

通常食は、日々の食事としてしっかり栄養がとれることを目的に提供されます。
利用者が飽きることなく楽しめるよう、和食・洋食・中華という多様なジャンルがあります。また、栄養バランスが考慮されており、主菜・副菜・汁物を組み合わせた献立が特徴です。
季節感を重視したメニュー構成も見逃せない特徴です。旬の食材を活かした料理は、利用者に四季の移ろいを感じていただきながら、食事を楽しめるでしょう。
このように通常食は、多様性、栄養、季節感という3つの要素があり、入居者が健康で満足できるように作られています。

一方、イベント食は、利用者に非日常感や特別な体験をすることを目的としています。
季節の行事や特別な日に合わせて特別な献立が提供されるため、食事そのものがイベントの一環として楽しめる点が特徴です。
さらに、地域性や季節感を取り入れた献立構成も重要な要素です。例えば、正月にはおせち料理、クリスマスには、クリスマスケーキ、ローストチキンなど、行事のテーマに合わせた料理が提供されます。
イベント食は、テーマ性、非日常感、見た目、季節感という4つの観点から、利用者の生活に変化と彩りを与える役割を担っています。

通常食のメニュー例

住宅型有料老人ホームでは、入居者の好みに応じた様々なメニューが提供されています。

朝食

昼食

夕食

和食

ごはん
焼き鮭
漬物
味噌汁(わかめ)
海苔
温泉卵

ごはん
肉じゃが
小松菜の胡麻和え
青菜のお浸し
煮物
味噌汁(なすとみょうが)

ごはん
焼き魚(ホッケ)
豚の生姜焼き
肉じゃが
野菜炒め
味噌汁(白菜)

おにぎり(昆布と梅干し) 
だし巻き卵 
味噌汁(しじみ)
アジの干物 
冷奴
茶碗蒸し

ごはん
焼き魚(サバの味噌煮)
煮込みハンバーグ
厚揚げの煮物
野菜の浅漬け
味噌汁(なめこ)

ごはん
鶏の唐揚げ
牛すき煮
マカロニサラダ
白菜のお漬物
味噌汁(大根)

洋食

トースト
スクランブルエッグ
ソーセージ
サラダ
フルーツ
コーヒー

スパゲッティ・ミートソース
チキンカレー
ホワイトシチュー
パン
温野菜
サラダ

ビーフシチュー
ロールキャベツ
ライス
スープ
バゲット
サラダ

クロワッサン
サンドイッチ(ハム、卵) 
ベーコン
フルーツサラダ
ヨーグルト(ジャム添え)
紅茶

シーフードピラフ
クリームスープ
ローストポーク
マッシュポテト
ミニサラダ
スープ

鶏肉のクリーム煮
ほうれん草のソテー
バターロール
ラザニア
ミネストローネ
野菜スープ

中華

中華粥
小籠包
ザーサイ

麻婆豆腐
春巻き
白ごはん

酢豚
中華スープ
チャーハン

イベント食のメニュー例

イベント食では、季節や行事に合わせた特別なメニューが提供されます。
入居者にとって楽しみになるとともに、交流が深まるきっかけにもなります。

イベント

イベント食メニュー

正月

(おせち料理(黒豆、数の子、伊達巻など)、お雑煮

節分

恵方巻き、イワシの塩焼き、煮豆

ひなまつり

ちらし寿司、はまぐりのお吸い物、ひなあられ

お花見

お弁当(桜餅、焼き鳥、卵焼き、天ぷら)

端午の節句

柏餅、ちまき、鯉のぼりゼリー

七夕

七夕そうめん(錦糸卵・オクラ)、七夕ゼリー

ハロウィン

パンプキンスープ、ハロウィンサラダ(紫キャベツやかぼちゃ)

クリスマス

ローストチキン、クリスマスケーキ、ポタージュスープ

誕生日会

お祝いケーキ、ローストビーフ、フルーツタルト

老人ホームの食事はまずい?味や提供に関する不満が出ることも

老人ホームでの食事に関する不満は、「食事内容」と「サービス」の2つに分類できます。美味しい食事を出す施設がある一方で、不満が出る施設もあります。

食事に関する不満の例を以下にまとめました。

分類

内容

食事

味・見た目

  • 味付けが濃すぎて食べにくい、薄すぎて物足りない
  • 料理の見た目が地味で食欲がわかない

献立

  • メニューが毎週ほぼ同じで飽きる
  • 量が少なくお腹が空く
  • 魚ばかりで嫌になることがある

栄養面

  • 野菜が少なくバランスが偏っている

対応

  • 好き嫌いに対する対応ができない
  • 持ち込みができない

サービス

スタッフの対応

  • 入居者の嚥下状態を考慮しない介助
  • 食事中のスタッフとの会話が少ない

食事内容に関する不満の例

食事に不満を持つ入居者も、中にはいます。不満の例として挙げられるのは、味や見た目、献立、栄養面、個別対応の不足といった点です。

まず、味付けについては「濃すぎて食べにくい」「薄すぎて物足りない」といった意見や、料理の見た目が地味で、食欲をそそらないなどの不満が出ることも。
献立の面では、「毎週ほぼ同じメニューが続き飽きる」「食事の量が少なく満足できない」「魚料理ばかりで変化がない」との声が挙がることもあります。
栄養面でも、「野菜が少なくバランスが偏っている」などの意見が出ることもあります。

さらに、好き嫌いに対応できない、持ち込み食が禁止されているといった個別対応の不足が、不満につながることもあるようです。

サービスに関する不満の例

サービスに関しても不満を持つ入居者も一部ですがみられます。

例えば、食事介助、配膳、衛生面、コミュニケーションにおいてです。

食事介助においては、「入居者の嚥下状態を考慮しない」「介助のペースが速すぎる」など。これらは誤嚥や心理的負担につながる可能性があります。
配膳の部分では、「スタッフの態度に配慮がない」といった不満が出ることもあります。
また、衛生面では「異物混入」「食器や食事環境の不清潔さ」といった問題が出ることもあり、そういった問題があると、食の安全に直結するため危険です。
コミュニケーション面では、「スタッフが食事中に声をかけない」「要望を聞き入れてもらえない」など、入居者が不満を持つだけでなく、孤独感も感じやすくなるような場合もあるようです。
そういった状況では食事の問題が健康やQOLに悪影響を及ぼす可能性があります。

入居前に確認しておきたい食事のチェックポイント6つ

老人ホームを選ぶ際、食事の内容や提供形態は重要なポイントです。
入居者一人ひとりの健康状態や好みに対応できるかどうかを確認して、より入居者に合った施設を見つけるためのポイントを説明していきます。

1. 食事形態の幅広さ

老人ホームでは、入居者の健康状態に応じてさまざまな食事形態が用意されています。

最初に普通食について確認しましょう。
普通食は、特に咀嚼や嚥下に問題のない方に提供される標準的な食事形態です。バランスの取れた献立が特徴で、一般的な家庭料理と同様の食事が楽しめます。

一方、介護食は咀嚼力や嚥下機能が低下した方に対応するため、食材や調理方法が工夫されています。

特徴

適する人

軟菜食

  • 柔らかく調理されている
  • 肉類は煮込み料理が多く、
    野菜は下茹でされている
  • 噛む力が弱くなった方
  • 固いものが苦手な方

きざみ食

  • 食材を細かく刻んで調理している
  • 噛む機能が低下した方
  • 部分的に歯が欠けている方

ミキサー食

  • 食材を加工しペースト状態にしたもの
  • 嚥下機能が低下している方

ソフト食

  • 柔らいがと形状は保たれている
  • 噛む力や飲み込む力が弱い方
  • ミキサー食に抵抗がある方

流動食

  • 液体状または半液体状
    咀嚼が不要
  • 嚥下困難が顕著な方

軟菜食は柔らかく調理され、噛む力が弱い方に適しています。
きざみ食は食材を細かく刻むことで、噛む負担を軽減します。
ミキサー食は滑らかなペースト状で、嚥下機能が低下している方でも安全に摂取可能です。
ソフト食は柔らかさと見た目のバランスが取れ、普通食に近い形で提供されるため、飲み込みが難しい方やミキサー食に抵抗がある方に向いています。
流動食は液体や半液体状で、咀嚼を必要とせず、嚥下困難が顕著な方に適しています。

治療食

特定の病気や健康状態に合わせた治療食が適切に提供されているかは重要なポイントです。
施設では、疾患や健康管理の目的に応じた食事が提供されます。

減塩食は高血圧や心疾患の予防・管理を目的としており、塩分摂取を控えた献立が特徴です。
糖尿病食は血糖値の管理を重視し、糖質量やカロリーが適切に調整されています。炭水化物を制限しつつも、栄養バランスを崩さないよう細心の注意が払われています。
腎臓病食は腎臓への負担を軽減するため、タンパク質、塩分、カリウムなどの摂取を制限したメニューが提供されます。

これらの治療食は、医療的配慮が必要な方にとって不可欠です。施設がどの程度まで対応できるか確認しておくことが必要でしょう。

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2. 病気・アレルギー・好き嫌いに対応してもらえるか 

糖尿病や腎臓病など特定の疾患を抱える方には、医師の指示を踏まえ、管理栄養士が内容を調整した治療食が提供されます。
また、アレルギーを持つ方には、原因となる食材を除去した安全な献立が用意されることが一般的です。
さらに、好き嫌いへの対応も施設によって異なりますが、代替メニューを用意するケースもあります。

施設がどの程度まで個別に対応できるか確認すると良いでしょう。

3. 調理場所・提供方法 

老人ホームの食事は、調理場所や提供方法によって大きく3つの形態に分けられます。それぞれの特徴を理解し、入居前に確認することが必要です。

直営給食

直営給食は、施設内の調理場でスタッフが直接調理を行う形態です。
入居者の意見や要望が反映されやすく、柔軟な対応が可能です。また、できたての温かい食事が提供される点が大きなメリットです。
施設のこだわりや個別対応力が高い場合が多いため、食事を重視する方に適しています。

委託給食

委託給食は、外部の給食業者に調理を委託する形態です。
プロの給食業者が管理するため、コストパフォーマンスが高く、一定の品質が保たれます。
ただし、施設側が直接調理に関与しないため、個別対応や柔軟な変更が難しい場合があります。

配食サービス

配食サービスは、外部業者が調理した食事を施設に届ける形態です。
施設内に調理設備が不要で運用が効率的ですが、提供される食事が冷めている場合があり、再加熱が必要になることもあります。
また、メニューの変更や個別対応の範囲が限られる点がデメリットです。

4. メニューのバリエーションの多さ

老人ホームの食事において、メニューのバリエーションの多さは利用者の満足度を左右する重要な要素です。
和食、洋食、中華といった幅広いジャンルを取り入れることで、日々の食事に変化が生まれ、飽きることなく楽しめます。
また、季節の食材を活用した献立は、四季の移り変わりを感じられるだけでなく、旬の味覚を楽しむ機会が得られるでしょう。

さらに、利用者の健康状態や嗜好に合わせたメニュー選択の柔軟性も重要です。同じような料理が続く場合、食事への意欲が低下する可能性があるため、多彩なメニュー構成は施設の努力を示すポイントといえます。

5. おやつやイベント食の充実度

おやつやイベント食は、日常の楽しみや季節感を提供する大切な役割を果たします。
おやつでは、栄養補給だけでなく、利用者同士やスタッフとのコミュニケーションを促進する場としての役割も重要です。
果物や焼き菓子、ゼリーなど、多彩で見た目にも楽しめるでしょう。

また、イベント食では、正月やクリスマス、七夕など季節ごとの行事に合わせた特別な献立が提供されます。
これにより、日々の生活に非日常感が加わり、入居者の満足度が向上します。特に、行事ごとのテーマ性を意識した食事は、季節の楽しみを引き出し、生活の充実感を高める重要な要素です。

6. 朝食が充実しているか 

老人ホームの朝食は、施設の食事に対する取り組み姿勢を測る指標といえます。

忙しい時間帯である朝は、食事が簡素になりがちなため、朝食の充実度を確認することで、その施設が食事をどれだけ大切に考えているかを判断できます。
和食では焼き魚や味噌汁、洋食ではトーストや卵料理、中華では中華粥など、複数の選択肢が用意されている施設は、利用者の多様なニーズに対応しているといえます。

朝食の内容は施設の全体的な食事への配慮を反映しているため、入居前に確認することで、施設の姿勢やサービス品質を見極める重要な要素となるでしょう。

食事にとことんこだわる場合にチェックしたい項目

食事に特に強いこだわりがある人は、上の6つのポイントに加えて、施設の食事への取り組み姿勢を詳細に確認するとよいでしょう。

品数と彩りがあるか

食事の品数が多い施設は、栄養バランスが良いだけでなく、利用者が飽きずに楽しめる工夫がされています。
料理の見た目への配慮があるかどうかは、施設が食事を重視しているかの指標となります。

旬の食材・生の食材を使用しているか

季節感を感じられる食事は、利用者に四季の移り変わりを楽しんでもらえる点で魅力的です。
旬の食材を使用した献立は、栄養価が高いだけでなく、味も新鮮で美味しいです。

また、冷凍食品ばかりでなく生の食材を活用している施設は、食材へのこだわりが強く、調理の質も高いといえるでしょう。

食器へのこだわりがあるか

食器も食事の楽しさを支える重要な要素です。
プラスチックや金属製ではなく、陶器やガラスなど本格的な食器を使用している施設は、利用者の気分や満足感を高める工夫をしています。

また本人が使いやすい介護食器などの準備があれば、脳梗塞などで麻痺が出ても食事を楽しむことができるでしょう。

セレクト食があるか

セレクト食とは、利用者が複数のメニューから好みの食事を選べるシステムです。
この仕組みがある施設は、利用者一人ひとりの嗜好や気分に対応できる柔軟性を持っています。

献立や食事内容に関する情報発信はあるか

施設が日々の献立や食事内容を公式サイトやパンフレットなどで発信している場合、その施設は食事に強いこだわりを持っているといえます。
具体的な献立を事前に知ることで、入居後の生活がイメージしやすくなり、日々の食事への期待感も高まります。

これらの項目をもとに施設を選ぶことで、自分の食事へのこだわりを大切にしながら、快適な生活が送れる施設を見つけられるでしょう。

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老人ホームの食事の役割

老人ホームで提供される食事は、単なる栄養補給の手段ではなく、入居者の健康や生活の質を支える重要な役割を担っています。
ここでは、食事が果たす役割を「健康の維持・管理」「コミュニケーションの活性化」「認知機能の衰え防止」の3つの観点から解説します。

健康の維持・管理

老人ホームでの食事は、入居者の健康維持と管理において中心的な役割を果たします。

特に、栄養バランスの確保は重要です。施設では、管理栄養士が入居者一人ひとりの健康状態や栄養ニーズを考慮し、必要な栄養素が摂取できる献立を作成します。これにより、健康状態を安定させ、病気の予防や改善をサポートしています。

また、摂食・嚥下機能が低下している入居者には、刻み食やミキサー食、ソフト食など適切な形態の食事を提供することで、安全な経口摂取を支援しています。適切な食事介助も併せて行われるところもあり、誤嚥性肺炎などのリスクを軽減しています。

さらに、糖尿病や腎疾患など持病を持つ入居者には、治療食が提供されます。減塩食や低カロリー食など、個別の食事制限を適切に実施することで、健康状態の悪化を防ぎ、生活の質を維持します。

食事は単なる栄養摂取ではなく、健康維持の基盤となる要素です。老人ホームでは、適切な食事提供が入居者の身体的健康に大きく寄与しています。

コミュニケーションの活性化

食事は、入居者同士やスタッフとのコミュニケーションを促進する場としても重要です。老人ホームでは、共用の食堂での食事が多く、食卓を囲むことで自然に会話が生まれる環境が整っています。

日々の食事中に他の入居者と交流することで、孤独感や疎外感が軽減され、生活に彩りが加わります。例えば、料理の感想を語り合ったり、日常の出来事を話し合ったりする中で、社会性が保たれ、気持ちが明るくなる効果があります。

スタッフとの関係構築も、食事の場を通じて進められます。スタッフが積極的に会話を促したり、入居者の嗜好や要望を聞き取ったりすることで、信頼関係が深まります。

さらに、季節のイベント食や特別な行事食では、普段以上に活発な交流が生まれることが多いです。

コミュニケーションが活発な施設では、食事が単なる栄養補給ではなく、生活の喜びを共有する大切な時間となっています。

認知機能の衰え防止

老人ホームで提供される食事は、認知機能の維持や向上を支える役割も果たしています。

食事中に咀嚼や味覚を刺激することで、脳の活性化が促されるためです。特に、彩り豊かで季節感のある料理は、視覚や嗅覚を刺激し、食欲だけでなく認知機能にも良い影響を与えるでしょう。

また、旬の食材や郷土料理など、入居者の過去の記憶と結びつく食事は、懐かしさを感じさせ、記憶の活性化を助けます。例えば、正月のおせち料理やひなまつりのちらし寿司など、行事食を通じて四季の移ろいを感じられることは、時間や季節の感覚を認識する機会となりえます。

さらに、食事を自力で摂る機会を持つことは、日常生活動作(ADL)の維持に寄与します。自分で食器を扱う、食事を選ぶといった行動は、認知機能を刺激します。

スタッフとの会話や交流も、脳への刺激を与える重要な要素です。新しい情報に触れたり、自分の意見を伝えたりすることで、認知機能の維持が期待されます。こうした配慮が行き届いた施設を選ぶことで、身体的健康だけでなく、精神的・認知的な健康も支えられる生活を送ることができます。

老人ホームの食事費用はどれくらい?

老人ホームの食費の相場

老人ホームの食費は、施設の種類や提供されるサービス内容によって異なります。

介護付き有料老人ホームの食費は最も高額です。手厚い介護が必要な入居者に対し、栄養バランスが取れた質の高い食事が提供されるため、費用が高めに設定されています。

住宅型有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅は、標準的な食事サービスを提供するため価格帯も平均値に近くなります。

一方、家庭的な雰囲気で調理が行われるグループホームでは最も低い価格帯になってます。

また、近年の物価高騰により、食材費や人件費が上昇し、食費が改定される施設が増えています。

食費の見直しは利用者への負担を増やす可能性がありますが、質の高い食事を維持するためには必要な対応ともいえます。

安心介護紹介センターに掲載している施設の食費(平均)

老人ホームの種類

食費の平均(月)

介護付き有料老人ホーム

65223.6974 円

住宅型有料老人ホーム

46596.9899 円

サービス付き高齢者向け住宅

51088.5695 円

グループホーム

39556.5789 円

※安心介護紹介センター調べ

老人ホームの食費は軽減税率?

2019年10月1日から消費税率が8%から10%に引き上げられ、消費税が導入されて以降初めて軽減税率が導入されました。

老人ホームの食費に関しても、この軽減税率が適用されます。

  • 軽減税率の対象となる施設であること
  • 軽減税率の対象となる飲食料品の提供範囲であること
  • 「一食640円以下」かつ「1日あたり1,920円以下(おやつや軽食含む)」であること

という3つが条件です。

この条件を満たしている場合に軽減税率(8%)が適応され、老人ホームはこの金額をもとに1カ月の食費を定めているところも少なくはありません。

また、この枠組みを超えてしまった場合は、適応外となり10%が課せられることになります。

施設見学はお昼に行き、食事の様子を確認しよう

老人ホームを選ぶ際には、食事の質や提供方法を実際に確認することが重要です。

特にお昼時に見学に行けば、施設の食事の様子を直接見ることができ、食事内容や提供の雰囲気を把握する良い機会となります。

施設によっては、見学時に試食ができる場合もあります。実際に提供される食事を味わうことで、味付けや量、見た目のバランスが自分や家族に合っているかを判断できます。可能であれば、試食の機会を活用し、提供される食事の質を確認することをおすすめします。

また、見学時には以下のポイントをチェックすることで、この記事の内容を踏まえた総合的な判断ができます。

見学時のチェックポイント

  • 食事の見た目や品数:彩りやバランスが良く、食欲をそそる盛り付けか。
  • 提供される食事形態:普通食や介護食、治療食が柔軟に対応されているか。
  • 食事中の雰囲気:食堂の環境が明るく、利用者がリラックスして食事を楽しんでいるか。
  • スタッフの対応:配膳は丁寧か。利用者とのコミュニケーションが適切か。
  • 試食の機会:試食が可能な場合は、味付けや量、温かさを確認。

施設の見学は、パンフレットや公式サイトだけではわからない情報を得る絶好のチャンスです。お昼時に足を運び、食事の様子をしっかりと確認することで、自分や家族にとって最適な施設を見つける手助けになるでしょう。

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満足のいく老人ホームの生活は、どの施設に入居するかで大きく異なることがあります。
安心介護紹介センターの入居相談員は、高齢者の住まいにまつわる資格を有しており、多くの老人ホームの中から、ご本人やご家族のご希望に沿ったぴったりな施設を選定してご紹介させていただきます。
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