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老健のリハビリテーションを解説!気になる内容や目的をご紹介!

  • 2024年10月04日 公開

介護保険制度によって定められている公的な介護施設の一つである介護老人保健施設(老健)。

老健は、医学的な管理を受けながら自宅に戻るためのリハビリに取り組むことができる施設です。

この記事では、老健で提供されているリハビリや在籍している専門家について詳しく解説します。

そもそも老健(介護老人保健施設)とは?

老健(介護老人保健施設)は、介護保険が適用される公的な施設です。

病状の安定した要介護者に対して、医療・看護・介護・リハビリテーションなどのサービスを提供しています。

在宅復帰を目指す施設

老健は、要介護者が自宅での生活に移行することを目指すための施設として位置付けられています。

そのため、入居期間は原則3~6カ月程度と定められています。

長期入院をしていて病状は回復したものの、まだ自宅での生活に不安のある方がリハビリ目的で利用することが多いようです。

方、介護保険制度が適用される公的な施設として、特別養護老人ホーム(特養)もあります。

一特養は、介護が必要な方が終身で入居することができる施設で、在宅復帰を目指してリハビリに取り組む老健とは異なった目的で設置されています。

入居基準

老健の入居基準を紹介します。

介護保険制度に基づく施設である老健は、希望すれば誰でも入居できるわけではなく、要介護1~5の認定を受けていることが条件です。

病状が安定していて入院加療の必要のない65歳以上の高齢者や、40歳以上で特定疾病のために要介護認定を受けている方は入居の申し込みをすることができます。

特定疾病とは、厚生労働省が定めた16種類の疾患のことです。

これに該当すると、40~64歳の方でも介護保険の適用が認められます。

ALSなどの神経難病をはじめ、ガン末期、認知症、糖尿病性の合併症や脳血管疾患等の生活習慣病など、加齢によって発病するリスクが高くなる病気が特定疾病とされています。

在宅療養の拠点

老健は、在宅医療・介護の支援を行う拠点としての役割も担っています。

そのため、リハビリ目的の入居施設としてだけでなく、ショートステイやデイケアといった多様なサービスを提供しています。

入居施設としての機能

老健は、リハビリ目的の数カ月単位の入居だけでなく、レスパイト目的での短期入居も受け入れています。

レスパイトとは「小休止」を意味する言葉で、自宅で介護をしている家族の疲れを癒すためのサービスです。

要介護度の高い高齢者への在宅介護では、食事・入浴・排せつといった日常生活全般の介助が必要となります。

ヘルパーの利用は回数に制限があり、家族に介護の負担が大きくかかってくることも少なくありません。

そんな介護負担を抱えている家族にとって、レスパイトとして老健に短期入居することは気分転換につながり、自宅での介護が継続しやすくなると考えられています。

また老健では、レスパイトに限らず家族の旅行や冠婚葬祭の予定に合わせて数日間入居するショートステイとしての利用も受け入れています。

通所施設としての機能

リハビリのために通所するデイケアも、老健の大きな役割の一つです。

通所する介護サービスというと、デイサービスを思い浮かべる方も多いかもしれません。

デイケアは、デイサービスよりもリハビリに重点を置いた通所施設という位置づけです。

通所のデイケアでも、リハビリを担当するのは国家資格を持つスペシャリスト。

老健に入居した際と同様の専門性の高いリハビリを受けることができます。

その他、老健は地域に開かれた拠点として、介護の必要のない元気な高齢者の方でも気軽に参加できるような介護予防のための健康教室なども開催しています。

老健で行うリハビリについて

老健は、医療・看護・介護・リハビリの各専門家が総合的なサービス提供を行い、利用者の在宅復帰という目的を達成できるようサポートしています。

自宅に帰っても不安や悩みの少ない生活を送るためのサポートを行うことが、老健の役割の一つです。

医師が常勤しており、看護師も配置されているので、全身の状態を診察してもらったり、手厚い医療ケアを受けながらリハビリに取り組むことができることも老健の魅力と言えるでしょう。

リハビリを行う担当者は全員有資格者!

老健では、リハビリを行う担当者として有資格者を配置することが義務付けられています。

それぞれの専門家について紹介します。

理学療法士

理学療法士(PT)は厚生労働省の定める国家資格職で、身体に障害のある方に対してその能力の回復や維持を目的とした運動やマッサージなどを行う専門家。医師の指示のもとでリハビリを提供します。

作業療法士

作業療法士(OT)も、PTと同じく厚生労働省が定める国家資格を持つ専門家です。

身体または精神に障害のある方に対して、身体と心の両方に着目しながら細かい作業を通して機能の回復を促し、日常生活動作としてリハビリを行います。

言語聴覚士

言語聴覚士(ST)はコミュニケーションや食事の飲み込みに障害がある方にリハビリを行う専門家。

やはり厚生労働省が定めている国家資格職です。

医師

老健には、医師が常勤することが義務付けられています。

じつは、PT・OT・STといったリハビリの専門家は、医師の指示がないとサービスを提供することができません。

医師は利用者の医学的な管理はもちろんのこと、心と身体の状態から適切なケアを判断し、各リハビリ専門職に指示を出します。

その他の専門職

在宅復帰を目指した取り組みが施設全体で行われている老健では、意欲的にリハビリに取り組んでもらえるような雰囲気づくりや声掛けが行われています。

そのため、リハビリの専門家ではない看護師や介護士も自宅に戻るためのリハビリに協力的です。

具体的には、トイレへの移動や食事といった生活の場面において、すべて介助するのではなく、その方の状態に合わせて「生活動作が全てリハビリ」という姿勢で接してくれます。

本人の身体機能を最大限に活かしながら安全に過ごせるような関わりが実施されているようです。

疾患や嚥下(えんげ)状態によってメニューや食事の形態を検討するなど、栄養士や調理員の協力体制も整っています。

また、認知機能のリハビリの専門家として、国家資格ではありませんが臨床心理士が在籍している老健もあります。

リハビリを行う間隔や1回の所要時間は?

自宅での生活復帰を支援するための施設である老健では、リハビリへの取り組みを強化しています。

老健と同じ公的な介護保険施設である特養でもリハビリは行われていますが、特養にはリハビリを行う頻度や1回当たりの時間の基準はありません。

老健では、リハビリの頻度と時間の基準として「入居者1人に対して週2回以上のリハビリを行うこと」、さらに「1回のリハビリ時間は20~30分程度行うこと」が明確に定められています。

施設によっては、希望者に週3回以上のペースでリハビリを提供しているところもあるようです。

医療機関とのリハビリ時間の違い

公的な介護保険施設の中では特養よりもリハビリが充実している老健。

しかし残念なことに、病院に入院している場合と比較すると、老健のリハビリ時間は少なくなることが多い現状にあるようです。

例えば、脳卒中や骨折の急性期治療が終わった後に転院先として選択されることが多い回復期リハビリテーション病院では、1日90分間までリハビリを行うことが可能となっています。

回復期病院は老健よりも、より集中的で専門的なリハビリを受けることができます。

ただし、回復期病院の入院期間は原則180日以内と定められているため、回復期病院の退院後に自宅での生活に不安が残る方は、老健に入居することがあるようです。

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老健で行うリハビリの内容を紹介!

老健に入居する方の目的は人それぞれ。

トイレまで転ばずに行けるようになりたい方や、食事をムセることなく食べられるようになりたい方、失語症があり家族や周囲の人とうまく意思疎通ができるようになりたい方など、リハビリで目指すゴールはさまざまです。

そのため、老健では家族の希望や生活環境に合わせたリハビリが計画・実施されています。

老健で行うリハビリの内容について、詳しく見てみましょう。

理学療法

理学療法は、主に運動機能のリハビリを指します。

自宅に戻った場合を想定して、寝返りや起き上がり、ベッドから車いすへの移乗の練習を行います。

自宅の寝室からトイレまでの距離を歩く練習や、ベッドの高さに合わせた立ち上がりの訓練など、日常生活を意識したリハビリが計画されることもあります。

一般的な歩行訓練だけではなく、自宅の玄関前に階段がある方には階段昇降の訓練も重要です。

このように老健での理学療法では、日常生活動作を主体としたリハビリが行われます。

施設によっては医師の指示のもとで温熱療法や電気療法、マッサージなどを行う場合もあるようです。

作業療法

作業療法は、手先の細かい動きのリハビリが中心です。

着替えや食事のような日常生活の動作はもちろん、字を書いたり、塗り絵をしたり、またより細かい作業として手芸が取り入れられることもあります。

自宅に戻った後で家事を行う必要がある方へは、掃除や洗濯、料理などの生活に関連する動作のリハビリも計画されます。

作業療法は心と身体の障害に介入するため、精神疾患や発達障害の方に対して社会適応能力の維持や改善を目的としたサポートも行われます。

言語療法

言語療法は、コミュニケーション障害と嚥下障害に介入します。

例えば脳卒中後の失語症。

失語症と一言で表わされていても、言葉を理解することはできるがうまく話せない方や、言葉の理解そのものが難しい方、文字の理解が難しくても絵や図であれば理解できる方など、症状はさまざまです。

言語療法では、利用者の方が負担なく行えるコミュニケーション方法の提案や言語リハビリを行っています。

また、食べたり飲み込んだりする動作が難しくムセやすい方は、摂食嚥下機能の回復のためのリハビリが行われます。

STが必要と判断した場合には家族に対して、自宅でもムセにくくする食事の姿勢やコツ、調理の工夫についての指導も行っているようです。

その他のリハビリ

老健では、季節に合わせた催し物や、入居者が参加できるレクリエーションが開催されています。

カラオケで発声することは、言語リハビリや呼吸リハビリにつながりますし、ゲームを行うことで手を動かしたり他の入居者と交流することは作業療法と捉えることができます。

老健では、レクリエーションもリハビリの一環と考えられているのです。

また、看護師や介護士が行う生活動作のなかでも、リハビリを意識したケアが提供されています。

例えば、入浴介助の際に手が届くところは自分で洗ってもらう、更衣では麻痺がある方から着替えるように指導する、ボタンは自分でとめてもらうというような促しが行われます。

老健から在宅復帰後もリハビリをサポートしてくれる

老健は、入居期間が終了して自宅に戻った後もさまざまな方法で利用者をサポートする体制が整っています。

相談窓口として

老健には、介護支援専門員(ケアマネジャー)が在籍しています。

ケアマネジャーは、介護保険制度のサービス調整をする専門家です。

老健のケアマネジャーは、入居中のリハビリ状況から、自宅に戻った場合を想定して幅広いサポートを行っています。

具体的には、利用者の状態に合わせてヘルパーや訪問看護、訪問入浴などのサービスの調整や選定を行ったり、場合によっては、自宅の改修や福祉用具の導入の必要性を判断し、家族に提案したりしてくれます。

利用者や家族が希望したときには、入居期間中だけでなく自宅に戻ってからも、担当のケアマネジャーと連携してサービスの選定や調整を行っています。

入居・通所施設として

老健は、在宅介護の継続をサポートする施設です。

申し込みから待機期間が必要になることはあるものの、入居基準を満たしていればショートステイやレスパイト目的での短期入居施設として利用することができます。

また、通所施設として老健を利用する方法もあります。

老健のデイケアを利用することによって、在宅での生活を続けながら老健スタッフの専門的なリハビリを日常的に受けることができます。

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