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介護老人保健施設を見学する際に見るべきポイント3つ

  • 2024年10月04日 公開
  • 2024年10月04日 更新

介護老人保健施設(老健)への入所を検討する際、施設選びに失敗しないためには見学が必須です。
この記事では、入所後のミスマッチやトラブルを防ぐための事前準備や心構え、見学のポイントなどを具体的に解説します。

介護老人保健施設とは?

介護老人保健施設(老健)は、医療法人や社会福祉法人などが運営する公的な介護保険施設です。

病院での治療が終了して退院が決まったものの、「まだ自宅に戻るのは難しい」という場合に入居し、リハビリテーションをして在宅復帰を目指します。

老健には医師・看護師・リハビリ専門職・介護職員などのスタッフが働いており、利用者は日常生活に必要な医療や介護を受けながら、リハビリを受けることができます。

入居までの期間は申し込みから3カ月~6カ月程度です。地域差はあるものの、入居の難易度はそれほど高くないといえます。

介護老人保健施設を見学することが大切な理由

施設選びで大切なのは、正しい情報を集め、入居後の生活をできるだけ具体的にイメージすることです。

資料やホームページの情報から施設の概要や特徴をつかめたとしても、「実際にはどのような生活を送るのか」といったイメージは湧きにくいもの。

しかし施設に足を運べば、机上の情報だけではわからないスタッフの雰囲気や施設の清潔感など現場の雰囲気を感じることができます。

ここでは、入居後のミスマッチやトラブルを防ぐために欠かせない「見学」の重要性を3つ解説します。

肌で雰囲気を感じることができる

施設を訪問すると、室内のにおいや日当たり具合、職員の話し声、施設の清潔さなどを五感で捉えることができます。

多くの施設のパンフレットには、楽しそうなイベントの様子や利用者の笑顔あふれる写真が掲載されていますが、はたして実際はどうでしょうか。

入居者がいきいきとしているか、スタッフの表情や言葉遣い、対応はどうかなどを自分の目で見て、肌で感じることが大切です。

入居の生活がイメージしやすくなる

入居者の生活の様子やどのようなサービスが提供されているのかを知ることで、入居後の生活がイメージしやすくなります。 見学によって施設に対するイメージがよくなれば、入居に対する不安の軽減につながります。

また家族にとって、施設に通っての介護ができそうかを確認するよい機会です。

無理なく面会に通うことはできるか、施設の近くで日用品の買い物は可能か、など周辺の商業施設や交通手段などをチェックして、入居後の生活をイメージしましょう。

パンフレットではわからない部分が見えてくる

サービスの質や施設の清潔感は、ホームページやパンフレットを見ただけではわかりません。多くの場合、施設の優れた部分のみがピックアップされ、劣っている点については掲載されないためです。

たとえば、パンフレットからは温かく清潔感あふれる印象を受けた施設でも、いざ訪問するとイメージと違っていたというケースもあるでしょう。

このようなミスマッチを防ぐためにも、施設の見学は重要です。

介護老人保健施設の見学前に候補施設を見つけよう

入居施設を探す際には「なぜ施設に入居するのか」という目的を明確にする必要があります。「入居によって課題をクリアできるか」かという視点に立ち、候補となる施設を選定しましょう。

候補先は3カ所ほどピックアップしておくのが理想です。

異なる施設を比較することで、それぞれの特徴や利点、欠点が見えやすくなります。その結果、本人や家族のニーズを満たす施設に巡り合える可能性は高くなるでしょう。

施設の候補を選ぶにあたっては、利用料金や入所・退所条件、運営法人の経営状況などをチェックします。

とくに利用料金や退去条件に関しては入居後にトラブルが発生しやすいため、具体的な内容まで確認しましょう。

料金プランを確認

公的な介護保険施設である老健は、入居一時金などの初期費用はかかりません。月々に必要な費用は介護サービス費や居住費、食費、日常生活費など。

要介護度や老健の区分、居室の種類、サービス加算の有無などによって料金は異なりますが、月額で8~15万円程度というのが相場です。一般的に要介護度が高くなるほど、介護サービス費は高額になります。

なお、老健は在宅復帰・在宅療養支援機能の指標によって「超強化型」「在宅強化型」「加算型」「基本型」「その他」の5種類に分類されています。

これら5つの区分の中で最も評価が高いのは「超強化型」。厚生労働省が定める要件を満たしている、在宅復帰・在宅支援機能が高いと認められている施設です。

入所するにあたってはどのような費用がいくらかかるのか、その内訳についても確認しておきましょう。

入居・退去条件について

老健を利用できるのは、要介護1~5の認定を受けた65歳以上の高齢者です(40歳から64歳以下の方で、特定疾病により要介護認定を受けている場合も対象)。

また、認知症の有無にかかわらず入居することができますが、症状の進行によって集団生活が困難であると判断された場合は退所を求められることがあります。

入所期間は原則3~6カ月です。多くの施設では3カ月ごとに「引き続き施設への入居が必要であるか」の判定が行われ、在宅復帰が可能と判断されたときは速やかな退所が求められます。

まだリハビリが必要と判定された場合は期間を延長することができます。

そのほか、退去となる理由としては「病状の悪化で長期入院が必要となる」「認知症の進行」「利用料の滞納」「周囲とのトラブル」「施設の閉鎖や縮小」などが挙げられます。

運営法人の経営状況は順調か

超高齢化社会の日本では、毎年たくさんの高齢者施設が設立されています。その一方で、経営悪化により倒産する施設も少なくありません。

経営破綻の要因は、主に「人手不足によるもの」と「入居者不足によるもの」の2つが挙げられます。

万が一、施設が経営破綻した場合には、ほかの施設への転所を余儀なくされ、最悪、行き場を失ってしまう可能性もあります。

多くの施設では財務諸表などの情報をホームページ上で公開しているため、候補先の施設の経営状態について事前に確認しておくと安心でしょう。

介護老人保健施設を見学するポイント①【建物・設備】

気になる施設に目星をつけたら、次はいよいよ実際に行って、その目で確かめます。ただばくぜんと雰囲気を感じるだけでは十分な情報は得られないため、事前準備を欠かさずに行う必要があります。

パンフレットを読んで疑問に思ったこと、もっと知りたいと感じたことなどがあれば、忘れないよう紙に書き留めておきましょう。そのメモをもとに質問内容を整理し、目的を持って訪問することが大切です。

ここからは、見学のポイントを「建物・設備」「サービス・ケア体制」「雰囲気」の3つに分けて解説します。

まずは「建物・設備」について見ていきましょう。

「建物・設備」面で見ておくべき箇所は、「居室」「入浴施設」「機能訓練室」「共用スペース」「清掃・設備メンテナンス」「施設の安全性」「交通アクセス・周辺環境」です。

居室

【居室のチェックポイント】

  • 部屋の広さ
  • 清潔感
  • 日当たりや明るさ
  • 窓からの眺め
  • 居室タイプ(個室・大部屋・ユニット型など)
  • トイレや洗面所などの有無
  • 収納スペース
  • 手すりの配置
  • ナースコール、インターホンの配置
  • 家具や家電の持ち込み(可能な場合は電気代の負担など)
  • 寝具の持ち込み(レンタル料)
  • 洗濯スペース/サービスの有無

居室は、入居者が最も多くの時間を過ごす生活空間です。「快適さ・安全性・機能性」、この3つの視点でから入居者が安心して生活できそうかを確認します。

居室には、「従来型個室」「従来型多床室」「ユニット型個室」「ユニット型個室的多床室」といった4つのタイプがあります。

これらのうち、プライバシーの確保がしやすいのは個室タイプです。2~4人が一部屋を共用する多床室の場合は、プライベートな空間を確保するのが難しいというデメリットがあります。

静かな環境を好む方には個室タイプ、逆に一人が寂しいと感じる方には多床室のほうが快適に過ごせる可能性は高いでしょう。

ユニット型タイプは、ユニットと呼ばれる10人程度のグループを作って生活します。居室を出たところが共用スペースになっていて自然と人が集まるため、人間関係を築きやすいという特徴があります。

居室の種類によって部屋の広さや動線は変わります。見学した施設の居室はどのタイプなのか、きちんと確認しておきましょう。

そして居室を見る際は、雰囲気や広さ、開閉できる窓の位置や大きさ、日当たりのよさなどを見て、快適に過ごせそうかをチェック。

ベッドの設置場所や水回りへの動線は実際の動きをイメージして、スペースや手すりの配置に問題がないか確認します。

使い慣れた家具や寝具を持ち込みたい場合はどの程度までであれば許可されるのかを質問し、新たに必要となるものがあればメモを取っておきましょう。

また、居室の種類によって居住費は異なります。最も安価なのは「従来型多床室」、一番高額なのは「ユニット型個室」です。居室タイプによる違いを把握し、本人の性格や予算に合わせて選ぶとよいでしょう。

入浴施設

【入浴施設のチェックポイント】

  • 広さ
  • 清潔感
  • 安全対策(手すりの位置やスロープの設置、滑りにくい床材の使用など)
  • 入浴設備(機械浴など)
  • 空調管理
  • プライバシーへの配慮

身体の清潔を保ち、心も身体もリラックスできる入浴は、多くの入居者にとって楽しみな時間の一つです。

しかし浴室での転倒は大きなケガにつながります。手すりの設置状況や滑りにくい床材を使用しているかなど、安全面の確認は念入りに行いましょう。

また、浴槽の形や、どういった入浴用の設備を導入しているか、入浴の頻度がどの程度かなども合わせて確認すると理想的です。

機能訓練室

【機能訓練室のチェックポイント】

  • 場所や移動距離・動線
  • 広さ
  • 清潔感
  • 器具の充実度
  • リハビリ職員の配置・職種
  • リハビリの頻度・内容

老健は主に在宅復帰を目指してリハビリを行う施設です。そのため、リハビリ専門職の配置状況と合わせて機能訓練室についてもチェックしておきましょう。

機能訓練室は十分な広さが確保できているか、設置されている運動器具の種類や台数は充実しているかなど、実際にリハビリが行われている部屋を見学するとイメージが湧きやすいでしょう。

共用スペース

【共用スペースのチェックポイント】

  • 共用スペースや廊下の広さ
  • 手すりの設置状況
  • 清潔感
  • エレベーターの広さ・台数
  • 使用方法やルール
  • 居室までの距離・動線
  • トイレまでの距離・動線

老健には、入所者の居室のほかに食堂やトイレ、談話室といった共用スペースが設けられています。共用スペースは入居者同士の交流の場であり、レクリエーションの場でもあります。

共用スペースの広さは十分か、気持ちよく安全に過ごせる環境が整っているのかをチェックします。

また、家族が面会するときに使用できる談話室のような場所はあるか、もしあれば利用方法やルールはどうなっているのかについても確認しておきましょう。

清掃・設備メンテナンス

【清掃・設備メンテナンスのチェックポイント】

  • 清潔感(臭気対策)
  • 水回り・給水設備
  • 空調設備・電気工事
  • 消防設備
  • 定期清掃

施設には排泄の介助を必要とする人もいるため、どんなに対策を講じても一次的な臭気は発生してしまいます。

しかし、施設全体ににおいが染みついているような場合は要注意です。 新しい施設であっても、メンテナンスが行き届いているとは限りません。

一方、ある程度年数の経過した施設でも、毎日の掃除や手入れができていれば清潔感が保たれます。

施設の清潔感やメンテナンス状況は日々の生活を快適に過ごすことができるかを判断する大切な指標です。しっかりと確認しましょう。

施設の安全性

【施設の安全性のチェックポイント】

  • バリアフリー構造
  • 手すりの設置や床材
  • 移動スペースの広さ(廊下やエレベーターの広さ)
  • 感染対策
  • 非常口や避難経路、消火器の位置や数

施設の安全性は、「日常的な安全対策」と「火災や地震といった「非常時の安全対策」という2つの視点からチェックしましょう。

日常的な安全対策としては、転倒などの事故防止、感染予防対策などが挙げられます。高齢者は身体機能の低下から転倒リスクが高く、転倒による骨折がきっかけで寝たきり状態となってしまうケースもあります。

そのため、バリアフリー構造や手すりの設置、クッション性のある床材の使用などの安全対策が施されていると安心です。

また、机や家具には角の丸いものを採用する、クッション材を貼付して安全性を高めるなど、細やかな配慮がなされているかについても注目したいところです。

交通アクセス・周辺環境

【交通アクセス・周辺環境のチェックポイント】

  • 最寄り駅からの距離
  • 駐車場(訪問者用)
  • 周辺の商業施設(コンビニエンスストア、スーパーなど)
  • 周辺の公園や散策コース
  • 騒音などの周辺の環境

施設に入居したからといって、家族による介護が終了するわけではありません。

入居者の多くは、家族との面会を楽しみにしています。「気軽に面会に行けそうか」「何かあったときにすぐ駆けつけられるか」という視点から、施設の立地条件を見てみましょう。

また、周辺にスーパーやコンビニエンスストア、ドラッグストアなどの商業施設があると、日用品の補充や差し入れなどの買い物に便利です。

介護老人保健施設を見学するポイント②【サービス・ケア体制】

人員体制

在宅復帰を目指す入所者を支援するため、老健ではさまざまな専門職が働いています。

じつは介護保険法によって、入所定員に対して配置しなければならない職員の数が定められているのをご存じでしょうか。

たとえば入所定員100人の施設では、常勤の医師が一人以上、介護職員・看護師は34人以上(看護師の割合は介護職員に対して7分の2)の配置が義務づけられています。

リハビリ専門職も理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の中からいずれか一人以上、常勤の介護支援専門員(ケアマネジャー)、支援相談員、栄養士などのスタッフも一人以上配置しなければなりません。

見学の際にはスタッフの人数や人員体制などを確認するとよいでしょう。

また一口にリハビリ専門職といっても、運動機能回復のためのリハビリを行う理学療法士、日常生活に必要な動作回復のためのリハビリを行う作業療法士、発声や摂食、嚥下障害などの支援を行う言語聴覚士という3つの職種があり、それぞれ専門分野が異なります。

施設を選ぶ際には、「利用者の障害部位に応じたリハビリを受けられるか」といった視点で見ることも大切です。

健康管理体制

老健では、看護師が入居者のバイタルサインチェックや薬の管理などを行います。

日常的な体調観察や医療ケア以外にも、定期的な健康診断や医師の診察によって入居者の健康を管理するため、風邪や発熱、腹痛といった症状にも対応することができます。

ただし、看護師の常駐する時間帯や夜間の体制については施設ごとに異なります。夜間の緊急時はオンコール対応となるのかなども確認しておくと安心です。

ケア・リハビリ体制

介護ケアとしては、食事や排泄、入浴や更衣などそれぞれの介護度に応じたサポートが行われます。

リハビリに関しては、それぞれの障害の程度や状態に合わせて作られたリハビリテーション計画書をもとに、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士のいずれかが対応します。

リハビリは入所してから3カ月間は週3回以上、1回20分以上の短期集中リハビリを受けることができます。

その後は少なくとも週に2回程度、1回20分程度行うよう定められていますが、在宅強化型老健の場合は週に3回以上、1回20分以上の実施が規定されています。

施設を見学した際は、スタッフがどのように利用者に寄り添っているか、リハビリはどのように行われているのかを確認することも大切です。

医療連携体制

病院やクリニックに併設された老健では、診察が必要な場合にスムーズに受診できるというメリットがあります。

一方、病院に併設されていない場合でも医療機関と連携し、必要に応じて医療を受けられる体制を整えています。連携している医療機関の診療科目や緊急搬送先の病院を把握しておきましょう。

また、提携医療機関での対応が難しい場合に受診できる総合病院が近隣にあるかを調べておくと安心です。

食事内容

心身ともに健康な身体を作るには、栄養バランスのとれた食事は欠かせません。おいしい食事を食べることは生きる喜びにもつながります。

利用者の病気や障害などの状態によっては、食べられないもの、食べづらいものもあるでしょう。

個別の健康状態に合わせた食事を提供してくれるかどうかも、施設を見極めるうえでの大事なポイントです。

実際に提供されている食事を試食させてくれる施設もあります。試食の際は、味はどうなのか、食器はどんなものを使用しているのか、食事介助はどのように行なわれているかをチェックしましょう。

また、食事が一番の楽しみという方も多いのではないでしょうか。利用者が飽きないように多彩なメニューを用意してくれるのか、献立を確認するのも忘れずに。

施設によってはイベントごとに行事食を提供するところもあります。見学した施設の取り組みはどうなのか、職員に聞いてみるとよいでしょう。

食事に対する取り組み方は施設によって大きく異なります。入居前にじっくりと検討したいところです。

レクリエーション

老健はあくまでも利用者が在宅復帰を目指すための施設なので、レクリエーションは他の施設と比べると充実していません。

しかしレクリエーションには、脳や身体機能を活性化したり、他の入所者とコミュニケーションを取ることができたりなど、さまざまな利点があります。

そのため近年は、レクリエーションに力を入れる施設も増えてきました。

レクリエーションの内容は、定番のラジオ体操や風船バレーといった身体を使ったものから、なぞなぞやクロスゲームといった頭を使うゲーム、個人の趣味を活かした生け花や書道、手芸など多種多様。

そのほか、地域の子どもたちとの交流会や季節ごとのイベントを企画するなど、施設によってさまざまな取り組みがなされています。

レクリエーションは入居者へのよい刺激となり、生きる喜びにもつながります。実施頻度や内容、年間計画などの情報を得るとともに、実際にレクリエーションの様子を見学させてもらうとよいでしょう。

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介護老人保健施設を見学するポイント③【雰囲気】

入居者の表情

よいサービスが提供されている老健では、入居者の表情が明るく、笑顔が絶えません。

普段からスタッフと良好なコミュニケーションがとれていれば、些細な内容でも伝え合うことができ、ストレスを溜め込まずに済みます。

たとえば、入居者の表情がくもっている、服装や髪型が乱れている場合、日常的なケアが行き届いていない可能性があるため注意が必要です。

レクリエーションの様子

レクリエーションを見学するうえで押さえておきたいポイントは、参加者の表情や積極性です。

入居者やスタッフが楽しそうに実施しているか、介助が必要な方へのサポートはどのように行われているかなどを観察します。

中には、大勢で楽しむことが苦手という方もいらっしゃるでしょう。

その場合は、レクリエーションへの参加は自由なのか、全員参加だとしたらどのように声掛けや誘導がされているのかを確認しておくとよいでしょう。

職員の対応

老健を比較する際、何よりも重視したいのは現場で働く職員の様子です。どんなに優れた設備が整っていても、職員の対応がよくなければ入居者は快適に生活できません。

はたして職員は入居者の話をよく聞き、目を見て丁寧なコミュニケーションをとっているでしょうか。

心のこもった職員の対応は、一人ひとりの意欲を引き出すことにつながり、施設に対する満足度にも結びつきます。

職員が入居者の緊張を和らげ、安心感を与える存在となっているかどうかを観察しましょう。

清掃状況や清潔感

まず、施設に入ってすぐのエントランスに清潔感があるかどうかが一つのポイントです。

エントランスは、施設に訪れた際の第一印象を決める重要な部分であり、常に清潔を保ちたい場所。ここが雑然としていて清潔でないと感じる場合はサービスの質に問題があるかもしれません。

また、施設内の床に食べかすやゴミは落ちていないか、観葉植物は枯れていないか、電球や蛍光灯は切れたままになっていないかなど、人手不足・管理不足がうかがえる点はないかをチェックします。

トイレや洗面所などどうしても汚れやすい場所が清潔に保たれていれば、日常的な清掃がしっかり行われていると判断できるでしょう。 施設内だけでなく、駐車場や中庭などもきちんと管理されていると安心です。

介護老人保健施設を見学する際に知っておくべきこと5つ

ここまで、老健を見学するポイントについて解説してきました。ここからは、見学時の注意点や持ち物についてご紹介します。

施設を見学する手順

施設を見学するにあたっては、次のような手順で準備を進めていきます。

  1. 課題と入居の目的をあきらかにする
  2. 条件の優先順位を決める
  3. 予算の目安を決める
  4. 情報収集する
  5. 候補の施設を絞り込む
  6. 本人や親族と情報共有と意思確認をする
  7. 見学の申し込み

候補となる施設は3カ所ほどに絞るのがおすすめです。電話やネットで事前に予約し、見学のスケジュールを立てましょう。確認漏れのないように質問内容をメモしておきます。

施設を見学する際のマナー

見学前に必ず予約し、約束した時間に訪問しましょう。予約時には、見学日時や訪問人数、交通手段などを伝えます。

見学は、施設内が入居者の方々の生活空間であることを念頭に置いて静かに行いましょう。居室内に許可なく立ち入ったり、入居者に勝手に話しかけたりするなどの行為はNGです。

写真を撮る場合は職員の許可を得るようにし、入居者のプライバシーに配慮します。施設で提供されている食事の試食を希望する場合は、予約時に可能かどうかを含めて問い合わせおきましょう。

見学時の持ち物

  • 筆記用具
  • 質問内容・疑問点をまとめたリスト
  • メモ
  • カメラ
  • メジャー(寸法確認用)
  • 周辺の地図
  • 施設パンフレット(事前に資料請求した場合)
  • 重要事項説明書(事前に資料請求した場合)

確認漏れを防ぐため、質問内容や疑問点をまとめたリストを事前に用意しましょう。メジャーは家具などを配置するスペースを測るために使用します。

また、当日は施設内に加えて周辺環境なども確認するため、なるべく疲れにくい靴を履いていくことをおすすめします。

見学の回数や時間帯

見学回数に制限はありません。納得できるまで何度でも見学しましょう。

見学の時間帯は10時半からお昼ごろまで頃がおすすめです。入浴や昼食の準備などで人の動きが多い時間帯のため、入居者と職員の関係性や職員同士の連携力がわかります。

食事は11時半頃からスタートします。この時間帯に見学すると、食堂への誘導の仕方、食事の内容、食事介助の様子などを見ることができるでしょう。

複数回見学する場合には、曜日や時間帯を変えることをおすすめします。

レクリエーションの様子や共用スペースで交流している姿などを見ると、実際の生活がイメージしやすくなり、施設を決めるときの参考になります。

見学時の注意点

見学時は質問内容・確認事項を整理しておき、聞き忘れのないようにします。

入居予定者も一緒に見学できるのがベストですが、体調の問題などで難しい場合には本人の希望を聞き、家族が代わりに確認するなどの方法をとりましょう。

見学は一人ではなく、複数人で行くのがおすすめです。それぞれ異なる視点で観察することで、新たな気づきがあるかもしれません。

また、子どもや兄弟など複数の関係者で相談・検討することが重要です。 感染症の問題や落ち着いて見学できない可能性もあるため、小さな子どもを連れての見学はできるだけ避けたほうが無難です。

可能であれば、ショートステイ利用で数日~1週間程度、入所体験をしてみてもよいでしょう。

介護老人保健施設を見学する際の質問リスト

退去条件や施設の方針、実費でかかる経費などは施設ごとに異なり、確認不足が原因でトラブルが起こることもしばしば。入居後にトラブルとならないよう、事前に質問リストを作成し、一つずつ確認しましょう。

入居・退所条件はどうなっているか

老健は、要介護1以上であれば入居できます。認知症の有無にかかわらず入居することはできますが、症状の度合いによっては受け入れが難しい場合もあります。

原則、3カ月ごとに入所継続か退所かの審査が行われ、在宅復帰が可能と判断された場合には速やかに退去しなければなりません。

認知症が悪化して共同生活が難しくなった場合や、病状の悪化で医療施設での長期入院が必要となった場合も退所する必要があります。

入居中の持病や認知症の悪化などによる退去条件については、施設側に細かく確認しておくと安心です。

月額利用料以外の経費

月額利用料に含まれる費用には、介護サービス費、居住費、食費、介護サービス加算があり、それ以外に経費が必要となる場合があります。

基本的な月額利用料とは別に必要となる経費にはどのような項目が含まれるのか、具体的な内訳と予算について確認しておきましょう。

そのほか、洗濯や理美容代、雑誌・新聞代などの娯楽費、レクリエーションの材料費などを別途請求されることがあります。これらは全額自己負担となり、介護保険や医療保険は適用されません。

保証人の責任範囲

多くの医療機関で入院時に身元保証人が求められるように、老健への入居時にも保証人を立てる必要があります。

保証人の役割は、費用の支払いが困難になったときの金銭的な連帯保証や緊急時の連絡先、判断能力の低下などで意思決定が難しくなった場合の各種手続きや治療方針決定の代行などです。

また、入居者が万が一亡くなった場合のご遺体の引き渡しや未払い料金の精算、退去の手続きなどの役割も担います。 保証人の責任範囲は施設によって異なるため、事前に確認しておきましょう。

施設の方針

ホームページやパンフレットで紹介されている運営方針や行動指針などは施設による違いが表われやすい部分です。

老健は基本的にリハビリをして在宅復帰を目指す施設であり、特別養護老人ホーム(特養)のように「終の棲家」としての利用はできないとされてきました。

しかし近年は、利用者や家族の希望があったときは在宅支援の一環として看取りまでを行う施設も増えてきています。

もし施設での看取りを考えている場合には、看取りに関する方針と実績について確認しておくとよいでしょう。

介護老人保健施設を見学する場合の申し込み方法

入居後のミスマッチを防ぐためには、複数の施設を見学し、それぞれの違いを比較検討することが大切です。

しかし、施設選びのための情報収集や見学の申し込み、日程調整まで手が回らないといった場合もあるでしょう。

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