老人ホームのクリスマス会って何をやるの?メリットや目的を紹介
- 2024年10月04日 公開
- 2024年10月04日 更新

老人ホームでは毎年、新年会や花見、夕涼み会、クリスマス会等、年間を通して様々なイベントが行われます。今回は老人ホームを選ぶ際の基準の一つとして、クリスマス会を行う目的やメリットについてポイントをおさえてご紹介します。
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老人ホームにおけるクリスマス会の目的とは
老人ホームでのクリスマス会などのイベントには、入居者が心身ともに健康で暮らすために重要な目的があります。
行事を楽しむということはもちろんですが、老人ホームで生活する入居者にとって、クリスマス会がどのような影響をもたらすのかご紹介します。
身体機能の維持や向上
工作や簡単な運動を取り入れたレクリエーションを行うことで、身体機能の維持や向上を図ります。
老人ホームで生活している入居者は、高齢化や運動機会の減少によって身体機能が低下する可能性があります。 自分の身体が思うように動かなくなることで、さらに身体を動かす機会が減ったり、精神的に落ち込むといった負の連鎖を引き起こすことがあるのです。
イベントを行うことによって、一人での運動は気が進まない方でも、意欲的に楽しんで身体を動かすことが出来ます。
脳の活性化
頭を使ったゲームや細かい作業は、脳の活性化を促すことが可能です。
老人ホームの生活では、積極的に脳を使うことが少なくなっている為、イベントのレクリエーションで何かを考えたり、指先を使って作業を行うことで、脳の活性化を図り認知症の予防もしくは進行を遅らせることが出来ます。
またクリスマスツリーや壁面の飾り付け等に感銘を受けることでも、脳の働きが活発になります。
精神的安定
明るい雰囲気の中でイベントを心から楽しむことによって、日々の不安や寂しさから解放されます。
イベントでの共同作業によって自分だけの役割が与えられることで、失われた自尊心を取り戻すことも可能です。
それによって老人ホームでの生活における生きがいや喜びにつながり、老人性うつや落ち込み等の予防にも効果があります。
コミュニケーションの促進
自然と他の入居者やスタッフと会話が生まれ、孤独感を解消することが出来ます。
最近の老人ホームでは個室が用意されていることが多く、個々のプライバシーに対して配慮されている反面おしゃべり好きな方でなければ、他の入居者とコミュニケーションをとる機会は意外と少ないものです。
イベントを行うことで昔の経験を思い出し、楽しかったこと、苦労したこと等、他者と思い出話に花が咲き、自宅や家族から離れて暮らす老人ホームの入居者にとって、新たな生活の場を作り出すきっかけにもなります。
QOLの向上
クリスマス会等のイベントを行うことによって、季節感を味わうことが出来ます。
老人ホームでの生活は外に出る機会が減り、また空調の効いた場所では外の気温や風の匂い等も感じることが出来なくなる為、四季の移ろいを楽しめず同じような日々の繰り返しになりがちです。
イベントによって春、夏、秋、冬、と季節の移り変わりを実感することで、QOL(クオリティ・オブ・ライフ=生活の質)を高めることにつながります。
老人ホームのクリスマス会の内容例をご紹介
老人ホームのクリスマス会では、工夫を凝らした様々なレクリエーションがあります。そのなかでも、一般的に多く行われている5つを紹介します。
【老人ホームのクリスマス会のイベント例】風船バレー
風船をバレーボールに見立て、ビニールテープや仕切りの反対側にいる相手チームに、ポンポンと風船を送り返すゲームです。
クリスマス会では、デコレーションモールなどのキラキラした仕切りを準備し、サンタクロースが描かれた風船を投げ合います。 風船なので当たっても痛くなく、怪我のリスクが少ないレクリエーションです。
両手だけでなく、両足、頭、胸など身体のどこを使ってもOKです。 車いすを使用している方や、麻痺のある方なども安全に身体を動かすことが出来、さらに勝ち負けに応じて景品を準備すれば大変盛り上がります。
身体を動かすことが困難な方も、風船を目で追ったり、風船が飛んでくると笑顔がみられたりすることもあります。
【老人ホームのクリスマス会のイベント例】クイズ
チーム分けをした後、漢字や計算問題などの簡単なクイズをスタッフがホワイトボード等に大きな文字で示して読み上げ、分かったら手を挙げる等してスタッフにこっそりと回答します。
あらかじめ色画用紙でクリスマスツリーを壁面に飾っておき、正解したチームは1つずつオーナメントを飾り付けます。
クイズに正解することで、自分のチームのクリスマスツリーを完成させていきます。 参加者に応じてクイズの出し方や回答の方法を変えることで、耳の遠い方や、視力が低下した方、大きな声が出しにくい方でも参加することが出来るよう工夫されています。
わいわいとみんなで盛り上がるゲームに参加するのをためらう方でも、知的なゲームであれば、落ち着いて楽しむことが出来ます。 また、回答はスタッフにしか伝えないため、間違えても羞恥心を植えつける心配がないのがポイントです。
【老人ホームのクリスマス会のイベント例】合唱会
昔流行った有名な歌謡曲や、誰でも知っている童謡などを歌詞カードに書いて配り、みんなで合唱します。
ジングルベルやクリスマスソングを歌えば、クリスマスの高揚感や幸福感と共に、より強く季節感を味わうことが出来ます。 老人ホームには、60代から100歳以上の入居者が生活しているため、場合によっては各年代別に分けて歌を選別することもあります。
もし、入居者のなかにギターやピアノなどの楽器が弾ける方がいれば、その方に役割を作ることで、承認欲求を満たすことが期待出来ます。
昔歌った歌を思い出して脳を活性化させたり、大きな声で発声することによって心肺機能を向上させたり、様々なメリットがあります。また歌を通して他の入居者とのコミュニケーションのきっかけつくりにもなります。
【老人ホームのクリスマス会のイベント例】料理
ゼリーやプリン、杏仁豆腐など包丁を使わなくても安全に出来る料理は怪我の心配もなく、また嚥下機能が低下した方でも加工する必要がありません。
工程や分量を話し合いながら料理をすることで、自然と他の入居者とのコミュニケーションを生み出すことが出来ます。
チョコペンで星を書いたり、クリスマスの絵柄の紙ナプキンを使ったりすることで、クリスマスの雰囲気作りを行うこともあります。
完成した料理は盛り付けをしておやつとして食べることで、満足感や達成感を味わえます。
【老人ホームのクリスマス会のイベント例】ちぎり絵
和紙や折り紙をちぎり、季節に合った作品を作ることで指先の運動になります。クリスマス会であればサンタクロースやクリスマスツリーが定番です。
入居者の身体機能によっては、紙をちぎってもらい、それを他の方に貼ってもらうなどして一人ひとりにあった工程を考えて行われます。
入居者の身体機能によっては、紙をちぎる担当、貼り付ける担当など役割分担も決めることで責任感をもって作業を行えます。 また、芸術に自信のない方にはあらかじめ下書きを作成しておき、塗り絵のように色紙を重ねていくなどの工夫もされています。
イベントや時期に合った絵柄のちぎり絵を作成する事で季節感を味わうことが出来、さらに指先を使った細かい作業をすることで脳の活性化にも役立ちます。
また一つの作品を皆で作る事で入居者同士のコミュニケーションを図り、連帯感や完成した時の達成感を得られます。
クリスマス会などの行事はどんなメリットがあるの?

これまでクリスマス会などのイベントについて説明してきました。 ここからは老人ホームでイベントを行うことによってどんなメリットがあるのかを「入居者」「家族」「老人ホームを探している方」の3つの視点から説明します。
入居者にとってのメリット
老人ホームでの思い出を増やすことが出来る
高齢者が老人ホームに入居すると、毎日に刺激が少なくなり、退屈さや寂しさが増大する恐れがあります。
高齢になっても多くの経験を積むことは人生にとって大切であり、日々の生活を淡々と送るだけではなく、イベントに参加することで心に残る経験を増やすことが重要です。
スタッフや他の入居者との話題が増える
イベントの中で感動した出来事や、面白いハプニングは、いつまでも入居者の心に残っています。 その出来事を他の入居者やスタッフと思い返すことで、コミュニケーションを活性化させることが出来ます。
また同じ経験を共有した仲間がいることで人とのつながりを実感でき、心に安心感をもたらすでしょう。
入居者が活躍の場が増える
イベントを行うことで、入居者一人ひとりの好みや得意分野などを知るきっかけにもなります。 普段の生活でも、入居者が活躍できる事柄をスタッフが把握しておくことで、その人にあった役割を作ることが出来ます。
家族にとってのメリット
写真やHPで近況を知ることができる
老人ホームでのイベントの際はスタッフが写真を撮っていたり、ブログなどで報告をしたりすることが多くあります。 普段忙しく、なかなか老人ホームに会いに行けない方でも簡単に近況を知ることが出来ます。
心身の充実が確認でき、安心できる
季節のイベントが充実していることで、老人ホームでの本人の生活にメリハリを与え、退屈せずに暮らせているという安心感を持つことが出来ます。
話題のきっかけになる
面会時や電話などで「この前のクリスマス会はどうだった?」と話題を作ることが出来ます。 入居者本人も、自身の生活を家族が把握していることで、寂しさを感じず生活することが出来るでしょう。
老人ホームを探している方にとってのメリット
各施設の特色を知ることが出来る
イベントは各施設の特色が出やすく、どんなことに力を入れているのかを知ることが出来ます。 例えば、イベントごとに外部の講師やボランティアを呼んでいたり、個別にプレゼントを用意していたり、施設長が率先して場を盛り上げていたり等、老人ホームが入居者の為に行っている取り組みや努力が見られます。
性格にあうか事前に参考にできる
人によっては、イベントごとが得意ではない方もいる為、毎月のように盛大なイベントが行われると本人にとって負担になる可能性もあります。
クリスマス会等のイベントをチェックして、老人ホームでの生活が楽しめるかどうかを吟味することも大切です。
老人ホーム選びはイベントや行事のチェックも忘れずに

イベントを通して老人ホーム探しの判断をするに当たって、イベントの内容からどんな情報が読み解けるでしょうか。 具体例をもとにお伝えします。
スタッフの心配り
老人ホームには、車いすを使用している方、耳の遠い方、長時間起きていることが困難な方など、様々な方がいます。 イベントを楽しむにあたって手助けが必要な方に対し、スタッフがどこまで気付くことが出来ているか、どのような対応をしているかによって、スタッフの知識やスキル、力量を確認することが出来ます。
コミュニケーションの取り方
入居者への言葉遣いは丁寧かどうか、座っている方に話しかける際は座って視線を合わせているか、入居者へ向ける表情は柔らかいか、車いすを走りながら押していないか等、細かいところまでチェックしましょう。 普段の対応が無意識のうちに表れる為、スタッフが入居者を大切に想っているかどうかを把握することが出来ます。
スタッフ間の協力体制
イベントでは普段と違う業務が多くバタバタとすることが多くあります。そのような中、スタッフ同士は円滑にコミュニケーションがとれているでしょうか。 スタッフ間の協力体制が整っていないと、連絡漏れや人間関係を原因とする、重大なミスや事故を引き起こす恐れがあります。
イベント時には入居者ばかりではなく、スタッフ同士の会話などにも目を向けてみましょう。
このように、老人ホームでのクリスマス会等のイベントはただ楽しむだけのものではありません。 イベントの内容や役割を知っておくことは、最適な老人ホームを探すポイントとなる為、確実に押さえておきましょう。
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