介護付き有料老人ホームのメリット・デメリットをわかりやすく解説!
- 2024年10月04日 公開
- 2025年01月15日 更新

家族が高齢となった際、選択肢の1つとして介護付き有料老人ホームへの入居を検討する方もいるでしょう。
しかし、介護付き有料老人ホームが具体的にどのような施設であるのか、どのようなケアが提供されるのかなど、分からないことや気になることが多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、介護付き有料老人ホームの特徴やメリット、デメリットについて紹介します。
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介護付き有料老人ホームのメリット

介護付き有料老人ホームに入居するメリットには、主に以下の7つがあります。
介護付き有料老人ホームのメリット |
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それぞれの項目について、詳しく見ていきましょう。
24時間体制で介護を受けることができる(介護スタッフが24時間体制で常駐)
前述のように、介護付き有料老人ホームには医師や看護師が24時間常駐しているというわけではなく、とくに夜間に不在の施設が多い傾向にあります。
しかし、介護士などの専門スタッフは24時間常駐しているため、トイレや更衣、食事など日常生活の介助を受けて生活をすることが可能です。
安心して日々を過ごすことができるのは入居者にとって大きなメリットではないでしょうか。
介護サービスにかかる料金が一定(介護度に基づいた定額料金が設定されている)

介護サービスを受けるときの費用は、介護保険内で介護度に基づいた定額料金が設定されています。
そのため、月々にかかる費用はほぼ一定で、突然多額の費用を請求されることもありません。
医療体制が整っている(特定の医療機関と提携している)
医師や看護師が常駐していない場合でも、夜間に体調の悪化があった際には緊急の呼び出しなどの体制が整っています。
医療機関と提携しているところも多く、スムーズに受診することができます。
レク・イベントや設備面が充実している

レク・イベントや設備面が充実していることも、介護付き有料老人ホームのメリットです。
大浴場・カラオケルーム・共用スペースなどの設備が整っている場合も多く、設備を生かしたさまざまなレク・イベントが開催されています。
施設ごとに違いはありますが、具体的に以下のようなレク・イベントが行われています。
- お花見・夏祭りなどの季節ごとのイベント
- カラオケ・手芸などのサークル活動
- 運動効果のあるゲームやレクリエーション
さまざまなレク・イベントに参加することにより、利用者同士のコミュニケーションの促進や認知・身体機能の維持といった効果が期待できるため、大きなメリットと言えるでしょう。
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入居対象者が幅広い(介護度が重くても利用できる)

介護付き有料老人ホームは入居対象者が幅広いため、入居のハードルが低いこともメリットと言えます。
介護付き有料老人ホームは基本的に65歳以上の高齢者で、介護度が軽い要支援認定の方から介護度が重い要介護認定の方まで、幅広い高齢者の入居が可能です。
また、終身利用可能なため、入居中に介護度が重くなった場合でも、施設で生活し続けることができます。
しかし、施設ごとによって受け入れ体制や入居条件に違いがあり、特に持病によって特別な医療行為が伴う場合には入居が難しい可能性もあります。あらかじめ、施設側に現状を伝えた上で入居可能か相談しましょう。
原則として外部のサービスを利用しないため、契約が煩わしくない
外部サービス利用型の場合など、自費で介護サービスを受ける方もいますが、原則として外部のサービスを利用しないため契約が煩わしくないというメリットもあります。
数が多いため選択肢が幅広く、比較的入居しやすい
施設数が多いため選択肢が幅広く、比較的入居しやすいこともメリットです。
厚生労働省の資料によると、介護付き有料老人ホームは全国で4,358棟あります。(令和4年6月30日時点)
他の介護施設と比べると、施設数が多いことや入居を待つ待機者数が少ないため、早期の入居が叶う可能性が高いです。
また、施設数が多いということは選択肢も多くなるため、利用者・家族の希望に沿った施設が探しやすくなります。
しかし、選択肢が多いことで絞りきれない可能性もあるため、あらかじめ費用面・サービスに関する希望を具体的に挙げた上で探すことがおすすめです。
介護付き有料老人ホームのデメリット

ここまで介護付き有料老人ホームのメリットについて紹介してきましたが、一方でデメリットも存在します。
いったいどのようなデメリットがあるのか、ここでは5つ紹介します。
介護付き有料老人ホームのデメリット |
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費用が高額になる場合がある

介護付き有料老人ホームは費用が高額になる場合も多く、それをデメリットと感じられる方も多いかもしれません。
介護付き有料老人ホームは以下の3つに当てはまる場合、入居一時金を含めた初期費用がとくに高くなる傾向があります。
- 築年数が新しい
- 立地条件が良い
- 富裕層をターゲットにした介護付き有料老人ホーム
入居一時金は、一定の償却期間が決まっており、償却期間内に退去した場合などは返金されますが、償却期間・入居一時金の金額は施設ごとに違いがあります。
また、初期費用だけでなく、入居後は以下の2つの費用が発生します。
- 生活費:家賃・管理費・食事代・医療費・雑費など
- 介護サービス費:介護を受ける際に発生する費用
生活費においては、医療費以外のほとんどが自費での負担となります。
介護サービス費は介護保険が適用されており、介護度に応じて定められた1割から3割の月額負担を支払わなければなりません。
買い物の代行や病院への付き添いなどの介護保険の適用外となる「横出しサービス」や施設独自で提供するサービスも実費負担になります。
このような費用が積み重なることで、費用が高額になる場合があるため、入居前に費用の確認や概算を出してもらうよう相談しましょう。
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施設によって特色があり、選ぶのが難しい(選択に時間がかかる)

介護付き有料老人ホームは他の介護施設より施設数が多い分、それぞれの特色があり、施設選びが難しいという側面もあります。
各介護付き有料老人ホームでは、施設の特徴や入居者・家族への取り組みを前面に出すよう運営しています。
具体的には、以下のとおりです。
- 有名人などを招いてのイベント開催
- 温泉のような大浴場・カラオケルームなどの充実した設備
- 24時間体制で医師が常駐
- 専属シェフが調理するレストランの併設
- 入居一時金が無料
- 交通網・道路が整備されている場所への施設建造
- 家族が宿泊できる設備の設置
このようなさまざまな取り組みが行われていることは、施設選びをされている方にとって、プラスとなるでしょう。
しかし、選択肢が増えすぎてしまい、選ぶのに時間がかかるため、難しく感じる方が少なくありません。
そのため、ニーズに沿った施設を選べるよう、直接見学や説明を受けることをおすすめします。
原則、外部の介護サービスを利用できない
平成18年の介護保険法の改正により、新しい施設の枠組みができました。
外部サービス利用型の介護付き有料老人ホームでは、ケアプランの作成や生活相談は施設のスタッフが行い、実際の日常生活の介護は委託された外部のサービスが行うという仕組みです。
しかし、メリットのところでも紹介しましたが、一般的な介護付き有料老人ホームでは、基本的には外部のサービスを利用することができません。
受けられるのは施設スタッフによる介護サービスのみのため、施設でどのような介護を行っているのかを事前に確認しておきましょう。
介護サービスの利用頻度が少ない場合でも定額の費用がかかる
介護サービスにかかる費用は介護保険に基づくものであり、介護度によって金額が決められています。
介護サービスの利用頻度は本人の希望や持病などによって異なりますが、利用回数が少ない場合でも定額の費用がかかってしまう点はデメリットといえるでしょう。
施設数が多く、サービスの質に違いがある
厚生労働省の資料によると、令和4年6月30日時点で介護付き有料老人ホームの施設数は4,358棟、定員数は266,048人です。
また、令和4年度の厚生労働省の調査によると、住宅型などの有料老人ホームを含めると、17,323棟もあります。
これだけの施設があると、施設によりサービスの質に違いが出てきてしまいます。
ホームページ等でサービス内容などを掲載している施設が多いため、事前に確認した上で、施設見学等を通して直接確認することが大切です。
介護付き有料老人ホームの特徴
最後に、介護付き有料老人ホームについて、改めておさらいします。
介護付き有料老人ホームは、介護保険制度における「特定施設入居者生活介護」の指定を受けた有料老人ホームです。
介護付き有料老人ホームには、以下の3つの種類に分かれており、介護度などの入居対象者に違いがあるため、幅広い方の入居ができます。
- 介護専用型:原則65歳以上で要介護1以上の人が入居できる
- 自立型:自立した生活を送れる人が入居できる
- 混合型:自立・要介護、どちらでも入居できる
介護付き有料老人ホームとしての指定を受けるには、人員・設備に関するさまざまな運営基準を満たさなければなりません。
同時に、大浴場・カラオケルーム・共用スペースなどの設備が整っているため、設備を生かしたレク・イベントが充実しています。
入居に際しては、あらかじめ施設側から以下の3つを確認した上で、入居が可能か審査を行います。
- 本人の健康状態・既往歴
- 介護度
- 年金を含めた収入・資産
審査した時点で、入居条件に達していないと判断された場合、入居が困難となりますが、公的な介護施設とくらべると、入居のハードルが低い施設が多い傾向です。
施設にかかる費用は、立地条件・築年数の新しさ・富裕層をターゲットとした施設の場合、入居一時金が高くなる傾向が強いです。
また、入居後は、家賃を含めたさまざまな生活費・介護サービス費などの費用を月々支払わなければなりません。
こうしたさまざまな特徴を持つ介護付き有料老人ホームは、施設数が他の介護施設と比べても多く、施設ごとでさまざまな特色があります。
施設を探す際の選択肢が広がる一方、選ぶことが難しくなる方が少なくありません。
そのため、ニーズに沿った施設選びができるように、見学や説明を聞くことや専門家・相談窓口にアドバイスを求めることも必要となるでしょう。
どの老人ホーム・介護施設にしたら良いかお悩みの方へ
満足のいく老人ホームの生活は、どの施設に入居するかで大きく異なることがあります。
安心介護紹介センターの入居相談員は、高齢者の住まいにまつわる資格を有しており、多くの老人ホームの中から、ご本人やご家族のご希望に沿ったぴったりな施設を選定してご紹介させていただきます。
施設のご紹介から、見学、ご入居まで無料でサポートさせていただいておりますので、ぜひご利用ください。