介護医療院の入居条件とは?詳しい条件や向いている人を解説!
- 2024年10月04日 公開

介護医療院は、長期療養を必要とする人が医療と日常生活のサポートを受けられる施設です。いったいどのような人が入居することができるのでしょうか。この記事では、介護医療院への入居を検討している人に向けて入居条件やサービス内容、費用、メリットなどをまとめて紹介します。
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そもそも介護医療院とは?
介護医療院とは、2017年に廃止が決定された介護療養型医療施設に代わって作られた施設です。
日常生活のサポートに加えて「看取り」「ターミナルケア(余命が数ヶ月以内と判断された方へ行う医療的・介護的ケア)」などの医療的ケアを合わせて受けられるというメリットがあります。
医療機関のように医師や看護師が配置されており、長期療養に対応しているのも大きな特徴です。
まずは介護医療院の役割や介護療養型医療施設との違い、サービス内容を見てみましょう。
介護医療院の運営目的(役割)
長期療養が必要な入居者に、医療と日常生活を一体的に提供するための介護医療院。病院と有料老人ホームという両方の機能を併せ持った施設をイメージすると分かりやすいのではないでしょうか。
介護施設とはいえ医療法上は医療提供施設とされており、しっかりとした医療的ケアを受けられることから安心した生活を送ることができます。
また、中にはレクリエーションや行事ごとのイベントが用意されている施設もあります。軽い運動や切り絵を楽しめるなど、充実した毎日を過ごせるように工夫されているのです。
入院する感覚ではなく、生活の場としても施設を利用したい人におすすめです。
介護医療院のサービス内容

それでは、介護医療院では具体的にどういったサービスを受けられるのでしょうか。
介護医療院で提供されているサービスは主に3つ。介護療養病床(療養機能強化型)相当のサービス(Ⅰ型)、介護老人保健施設相当以上のサービス(Ⅱ型)、そして医療外付け型です。
Ⅰ型とⅡ型は終身制のサービスとなっており、一般的な介護老人保健施設のように退所判定は行われません。他の場所へ移動する必要がないため、入居者だけでなく家族にとっても安心できるポイントの1つです。
介護療養病床相当のサービス(Ⅰ型)は、病状が重い人や、合併症のある認知症の人などが対象。看取りケアやターミナルケアに対応しています。
医師による診察、リハビリテーション、介護、医学的ケア(痰の吸引、胃ろう)など、介護療養病床に相当するサービスを受けられるのが特徴です。
介護老人保健施設相当以上のサービス(Ⅱ型)は、Ⅰ型と比べ比較的状態が安定している人が対象。
こちらは、医療的ケア(対応できる病状に制限あり)、リハビリテーション、介護、生活援助(清掃、シーツ交換)、食事の提供など介護老人保健施設相当のサービスに対応しています。
医療外付け型は、医療的ケアを受ける必要はあるものの、Ⅱ型よりも状態が安定している人のためのサービス。比較的充実した生活補助を受けられるという特徴があります。
このように、入居者の状態に応じたサービスを受けられるのも大きなメリットといえます。さらに、訪問リハビリテーションや、通所リハビリテーションなどの介護保険サービスを受けることもできます。
前述のように、介護医療院は長期療養しながら日常生活の介護を受けられるのが一番の特徴です。
介護医療院の入居条件

介護医療院に入居するにはどのような条件があるのでしょうか。介護度、年齢、収入状況(費用面)、保証人が必要かどうかなどの入居条件について1つずつ解説します。
前提として、介護医療院に入居するためには「要介護認定」が必要です。認定を受けていない場合は先に申請を行いましょう。
一般的に要介護認定は65歳以上が対象とされていますが、特定疾病がある場合は40~64歳の人であっても申請を行えます。
介護医療院は「要介護1以上」の人が対象の施設です。介護度が高いと優先される場合があるため、生活する上で医療的ケアが必要な人はぜひ検討してみてください。
入居費用には介護保険が適用され、自己負担額を最大で1割にまで抑えられます。ただし、所得金額(年金や給与などの所得から必要経費を引いたもの)が一定以上の場合は、2~3割負担となるケースもあります。
あくまでも一例ですが、要介護5に認定されている場合のサービス費は、従来型個室で1日あたり1,223円、ユニット型なら1,349円となります。
ほとんどの場合は、介護度が上がってサポートが手厚くなれば費用の負担も大きくなります。入居者の状態や、看護師・介護職員の配置、施設のサービスによっても異なるため、詳しい費用については施設に問い合わせてみるとよいでしょう。
基本の費用に含まれない加算項目も確認しておきましょう。たとえば、入居から30日間は新しい環境に慣れるためにサポートを受ける必要があり、「初期加算」という追加料金が発生します。
入居条件に保証人が必要かどうかも重要なポイントです。保証人は、入居者の家族代表として入居や退去の手続き、支払いの連帯保証などの役割があります。施設との連絡係を担ってくれる人が好ましいでしょう。
子どもや保証人を頼める身内がいなくても、成年後見制度や身元保証会社を利用することで入居条件をクリアすることは可能です。
成年後見制度は、本人または親族(4親等以内)、住所地の市区町村長の誰かが申し立てを行う必要があります。認知症などで判断能力が低下していることを医師に診断されている人が利用できる制度です。
条件に合わず成年後見制度を利用できない人は、身元保証会社の利用を検討してみてください。
介護医療院の入居に向いている人

介護医療院は、療養型病院(医療療養病床)に入れない人や、特別養護老人ホームで入居を断られてしまった人にも向いている施設です。おすすめする理由や、具体的なメリットを紹介します。
医療区分1で療養型病院に入ることができない人
医療区分とは、患者の疾患や状態によって医療の必要度を1~3の数字で段階分けしたものです。
医療区分1が最も軽く、医療区分3が最も重い状態の人を示します。医療区分1に分類されていたとしても症状はさまざまで、中には重い疾患も含まれます。
しかし療養型病院では医療区分2〜3に該当する人を優先して受け入れていることが多く、医療区分1だと入居が難しいというのが現状です。
さらに、特別養護老人ホームなどの介護施設では、十分な医療体制が整っておらず入居を断られてしまう場合があります。
そのため、医療区分1に認定されても必要な医療を受けられず、療養先が見つからないケースも少なくありません。
そういった人にとって、介護医療院は重要なセーフティーネットとなっています。介護医療院は要介護1~5の人を対象としているため、医療区分1であっても入居できる可能性が高いのです。
介護医療院であれば、適切な医療を受けながら生活を送ることができます。介護度が低い人でも、長期療養が必要となる場合はぜひ視野に入れてみてください。
健康上の問題があり特養など他の施設で入居を断られた人
特別養護老人ホームやグループホームなどの介護施設は医師の常駐が義務づけられていないため、急に医療的ケアが必要になっても対応しきれない可能性があります。
例えば、現在、医療ケアが日常的に必要な健康上の問題や既往症があるケースでは注意が必要になります。
既往症とは「過去にかかった病気があり、現在は治療を終えたもの」を指し、既往歴とも呼ばれています。既往症は現段階でなんらかの医療措置(入院、手術)を施すほどではないとはいえ、特別養護老人ホームなどで入居を断られてしまうケースもあります。
そのため、医学的管理の下で医療的ケアを受けられる介護医療院であれば、健康状態に不安が残る場合であっても向いているといえます。
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