グループホームの食事とは?サービスの内容や献立をご紹介します!
- 2024年10月07日 公開

グループホームへの入居を検討するなかで、食事サービスはどうなっているのか、費用はいくらかかるのかなどの疑問を持つ方もいるでしょう。この記事では、グループホームの食事内容や費用、調理体制についてご紹介します。ぜひ施設選びの参考にしてください。
この記事の監修者
グループホームでの食事サービスとは?
グループホームでの食事サービスを理解するには、食事の目的を知る必要があります。また、他の介護施設とは異なり、調理にも入居者が参加することが特徴です。以下、詳しく解説します。
グループホームの食事の目的
グループホームとは、認知症高齢者が共同生活を送る施設です。その目的は「認知症の進行を抑えること」と「生活するための身体機能を可能な限り維持すること」にあり、食事に対する考え方も他の高齢者施設とは異なります。
グループホームの食事の目的として、以下の3つが挙げられます。
- 栄養摂取
- 調理を通して認知機能を維持
- 身体を使うことで体力を維持する
グループホームに限ったことではありませんが、栄養バランスの取れた食事は健康を維持するうえで欠かせません。
「調理を通して認知機能を維持」する点はグループホームならではの特徴といえます。グループホームでは、入居者とスタッフが協力して食事の準備を行います。「食材を切る」「鍋に入れる」「味つけをする」「食器に盛りつける」などの調理工程を入居者自身が行うことで、認知機能の維持につなげるのです。
調理を通して身体を動かすことから、体力の維持・向上といった効果も期待できます。
入居者が食事作りを行えない場合は?

グループホームでの調理は強制ではありません。とくに調理経験のない男性のなかには苦手意識を持つ方もいるでしょう。しかし炊飯器や電子レンジなどを使って簡単に調理できる工夫をしている施設もあるため、そこまで負担に感じることはありません。献立や食材選び、買い物などはスタッフが行い、調理もスタッフが適切にフォローしてくれるため、安心して取り組めるでしょう。
一方、加齢による身体機能の低下や認知症の進行によって調理が行えなくなることもあります。そのような場合は、スタッフのみで調理を行ったり、食事を外部の給食業者に委託したりします。
料理ができない方でも入居は可能ですが、食事の準備は日々の生活を豊かにするための取り組みの1つです。調理ができる方は積極的に参加するとよいでしょう。
なお、入居者の状態やスタッフ数によって食事への対応は異なるため、施設ごとの確認をおすすめします。
グループホームの食事にかかる費用は?

グループホームでは1日3食に加えおやつを提供しているところが多く、食費は1日約1,300円、1カ月約4万円が相場です。食費は介護保険が適用されないため、全額自己負担です。ただし施設で提供する食事の種類はさまざまであり、食費は施設ごとに異なります。
また、グループホームではお花見やクリスマス会など季節に合わせたイベントを行うことがあります。イベントで振る舞われる料理は普段の食事よりも豪華な傾向にありますが、その分、食費も高くなります。
ただ、それらも月々の食費に含まれているケースもあるため、気になる方はイベントがある月などは追加料金や食費が上がるのかなど施設側へ確認してみると良いでしょう。
一方、入居者とスタッフで外食に出かけることもありますが、その費用も普段の食費に上乗せされることがあります。
グループホームへの入居を検討する際は、毎月の食費はいくらなのか、別途料金が発生する場合はあるのかなどを確認しておきましょう。
グループホームの献立は?

グループホームでは、どのような食事が食べられるのでしょうか。ここでは一例として1週間の献立をご紹介します。
|
月 |
火 |
水 |
木 |
金 |
土 |
日 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
朝 |
ごはん |
パン |
ごはん |
パン |
ごはん |
ごはん |
ロールパン |
昼 |
中華飯 |
ごはん |
きつねうどん |
しょうゆラーメン |
ごはん |
ごはん |
ミートソースパスタ |
夜 |
炊き込みごはん |
ごはん |
ごはん |
ごはん |
ごはん |
ごはん |
雑炊 |
グループホームの献立は、栄養のバランスと調理の手軽さを考えて作られています。食事は炭水化物・脂質・タンパク質の3大栄養素に加え、ビタミン・ミネラルもバランスよく取り入れることが大事です。
上記の献立では、主食となるごはんやパンで炭水化物を取り、肉や魚などで脂肪やタンパク質を、サラダやフルーツでビタミン類を摂取できるように組み立てられています。
以下、グループホームの献立をもとに食材と栄養素の関係や調理の工夫を解説します。
ごはんやいも類で炭水化物を摂取

白米やいも類などに含まれる炭水化物は糖に分解され、身体を動かすためのエネルギー源となります。
とくに脳はブドウ糖が唯一のエネルギー源です。認知症高齢者を対象とするグループホームでは意識して取るべき栄養素でしょう。
調理では、白米は飲み込みにくい方に提供する際、少し水分を加えて電子レンジにかけて柔らかくするなどの工夫がされています。
また、肉じゃがで使用するじゃがいもも炭水化物を含む食材です。調理の際は「小さく切る」「やわらかくなるまで煮る」などの配慮がされています。
肉や魚で脂質・タンパク質を摂取
肉や魚には脂質やタンパク質が含まれます。脂質は少しの量でも多くのエネルギー源となるため、効率的に身体を動かすために重要です。
また、タンパク質は筋肉のもとになる栄養素です。高齢になると筋力の衰えから、動きの悪さにつながることがあります。タンパク質を多く含む食材を取れば、自立に必要な筋力の向上に役立つでしょう。
献立にあるハンバーグは、ひき肉や細かく切った野菜を混ぜるため、バランスよく栄養が摂取しやすいメニューです。また、こねる、形を整える、焼くなどの工程があり認知機能の維持にも適切でしょう。
野菜やフルーツでビタミン・ミネラルを摂取

グループホームでは、毎食のようにサラダや漬け物などを食べます。野菜やフルーツでビタミンやミネラルを摂取できる献立になっています。
ビタミンやミネラルは身体の調子を整えるのに必要な栄養素です。とくにビタミンは、体内で作り出すことがほとんどできず、不足すれば悪影響を及ぼします。
たとえば、かぼちゃはビタミンAやビタミンCを含む食材です。ビタミンAは粘膜の乾燥を抑え、ウイルスや細菌の侵入を防ぐ働きがあります。ビタミンCは肌の調子を整え、白血球の働きを高めるといわれます。いずれも免疫力アップには欠かせない栄養素です。
煮物やスープ、サラダにも使えるかぼちゃはさまざまな料理で活躍します。グループホームでは「やわらかく煮て噛みやすくする」「小さめにカットする」などの工夫をしています。
「食事」の観点からグループホームを選ぶときのポイントは?

「食事」に注目してグループホームを選ぶときのポイントは以下の4つです。
- スタッフと入居者、入居者同士のコミュニケーションが活発か
- 食器がきれいか
- 食堂が清潔で快適な空間となっているか
- 必要に応じて入居者に食事介助が行われているか
それぞれの項目について詳しく見ていきましょう。
スタッフと入居者、入居者同士のコミュニケーションが活発か
前述のように、グループホームではスタッフと入居者が共同で調理を行う場合があります。
そのため、スタッフと入居者が普段からコミュニケーションを取っていることが大事です。他の介護施設よりもスタッフと密に接する機会があるため、とくに重要な視点でしょう。
また、入居者同士のコミュニケーションの活発さも大切です。もともと違う環境で生活していた人が共同生活を送ると、価値観の違いが原因でトラブルが起こることもあります。普段からコミュニケーションが活発な施設ではトラブルが起こりにくく、問題が発生しても解決しやすいでしょう。
見学の際は、入居者とスタッフ、入居者同士が活発にコミュニケーションを取っているか確認しましょう。
食器がきれいか

料理は味だけでなく見た目も大事です。そこで、盛りつけ用の食器にも注目する必要があります。
グループホームでは調理だけでなく、後片づけもスタッフと入居者が共同で行う場合があります。入居者のみではきれいに汚れを落とせない場合もあるため、スタッフの適切なサポートが大切です。
見学の際は、食器に汚れや食べかすが残っていないか、古い食器は定期的に新品に替えられているかなどを確認しましょう。
食堂が清潔で快適な空間となっているか
グループホームの多くは、入居者同士が食堂に集まって食事を取ります。そのため、食堂が清潔で快適な空間かどうかは大事なポイントです。
「食堂に物が多い」「掃除が行き届いていない」など不快感を抱く空間では、気持ちよく食事ができないでしょう。
1日3回の食事をほこりのたまった床や汚れたテーブルのある食堂で取るのは不快なだけでなく、感染症のリスクも上がります。
また、すべての入居者が食堂で食事を取れるスペースが確保されているかどうかも大事な要素です。
施設を見学する際は、快適に食事ができる食堂になっているか確認しておきましょう。
必要に応じて入居者に食事介助が行われているか

グループホームは認知症高齢者の入居施設です。なかには、認知症の進行具合や体力の低下などの理由で自分で食事が取れない方もいます。
食事が取れない方に対しては、スタッフの食事介助が必要です。そのため、食事介助に必要な人員が確保されているか確認しておきましょう。また、一口の量や介助のスピードが適切に行われているのかどうかも大事です。
見学の際は、食事介助が必要な入居者は何名いるかを確認し、可能であれば食事場面を見せてもらうとよいでしょう。
どの老人ホーム・介護施設にしたら良いかお悩みの方へ
満足のいく老人ホームの生活は、どの施設に入居するかで大きく異なることがあります。
安心介護紹介センターの入居相談員は、高齢者の住まいにまつわる資格を有しており、多くの老人ホームの中から、ご本人やご家族のご希望に沿ったぴったりな施設を選定してご紹介させていただきます。
施設のご紹介から、見学、ご入居まで無料でサポートさせていただいておりますので、ぜひご利用ください。