ケアハウスのメリット・デメリットを大公開!向いている人はどんな人?
- 2024年10月07日 公開

ケアハウスへの入居を検討するにあたってどのようなメリットやデメリットがあるのか、疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか。この記事では、ケアハウスのメリットとデメリットをご紹介するとともに、どのような方が入居に向いているのかについて解説します。
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そもそもケアハウスとは?

まずはケアハウスがどのような施設なのか、運営目的やサービス内容、費用相場、入居条件の観点からご紹介します。これを読めばケアハウスの特徴が理解でき、選択肢の1つとして妥当なのか判断しやすくなるでしょう。
ケアハウスの運営目的やサービス内容

ケアハウスは軽費老人ホームの1つで、自宅での生活が困難になった60歳以上の方が入居できる施設です。
軽費老人ホームは厚生労働省の「軽費老人ホームの設備及び運営に関する基準」において「無料または低額な料金」で入居できる施設と定義されており、そのうち軽費老人ホームC型に分類されるのがケアハウスです。
ケアハウスを運営するのは主に地方自治体や社会福祉法人などで、比較的安価で利用できる特徴があります。
また、ケアハウスには「一般型」と「介護型」の2種類があり、それぞれサービス内容が異なります。一般型は「自立型」とも呼ばれ、食事提供や洗濯・掃除などの生活支援サービスを受けられます。介護サービスの提供はありませんが、必要な方は外部の介護事業所と契約を結べば利用できるケースがあります。
介護型は「特定施設入所者生活介護」とも呼ばれ、一般型同様の生活支援サービスに加えて排せつや入浴などの介護サービスを受けられます。
それぞれの特徴を理解した上で、希望条件に合わせて選択するとよいでしょう。
ケアハウスの費用相場や内訳

続いて一般型と介護型ケアハウスの費用相場や内訳を解説します。
一般型の場合、数十万円の初期費用が必要で、月額費用は7〜13万円が相場です。
一方、介護型の多くは初期費用として数十〜数百万円の入居一時金が必要です。月額費用は7〜13万円で一般型と同等ですが、介護度が高い方ほど介護サービスにかかる費用が上乗せされます。
月額費用の内訳は家賃や光熱費、食費、消耗品購入費などです。介護サービスを受ける方は、別途サービス提供費がかかります。
ケアハウスの入居条件や入居難易度

入居条件は一般型と介護型で異なります。
一般型は自宅での生活が困難であるものの、比較的介護の必要がない60歳以上の方が入居できます。
介護が必要な方は外部の介護サービスを契約することも可能ですが、重度の場合は対応できないケースもあります。そのため頻回な介護が必要な方は利用が難しい場合があるでしょう。
介護型は65歳以上で要介護1以上の方が対象です。「特定施設入居者生活介護」に指定されており、食事提供に加えて排せつや入浴の介助も可能です。一般型では重度の要介護者は対応できないケースがありますが、介護体制が整っている介護型であれば安心して生活を送れるでしょう。
入居難易度は施設によって異なりますが、一般型も介護型も安価で利用できることから待機期間は長くなりやすい傾向にあります。
ケアハウスのメリット

ここでは、ケアハウスのメリットを6つご紹介します。
費用が安い
まずは他の施設と比べて費用が安い点です。
ケアハウスは社会福祉法人や医療法人、地方自治体などが運営する福祉施設です。国や自治体からの助成金が受けられるため、他の施設よりも安価で利用できます。低所得高齢者でも入居しやすいところがケアハウスの魅力です。
たとえば、介護付き有料老人ホームは初期費用として数百万円、月額費用として15〜30万円かかります。一方のケアハウスの場合、初期費用は一般型と介護型とで異なりますが、月額費用はいずれも7〜13万円が相場です。費用を少しでも抑えたい方は、ケアハウスを選択肢の1つとして検討するとよいでしょう。
自由度の高い生活を送れる(一般型)

一般型のケアハウスでは、食事提供や洗濯・掃除などのサービスを受けながら自由度の高い生活を送れます。
もともと一人暮らしをしていた方が施設へ入居した途端に行動を制限されてしまうと、ストレスに感じることもあるでしょう。しかしケアハウスでは介護度にもよりますが、基本的に外出や外泊は自由です。家族と食事を楽しんだり、友人とショッピングをしたりと趣味に時間を使えます。旅行にも自由に行けるため、ときには温泉や観光で羽を伸ばすのもよいでしょう。
「万一のときに家族に迷惑はかけたくないが、自由な暮らしがしたい」方は、ケアハウスへの入居を検討してはいかがでしょうか。
外部の介護サービスを自由に組み合わせられる(一般型)

一般型のケアハウスでは、外部の介護サービスを自由に組み合わせられる点もメリットの1つです。
とくに「以前から通っていたデイサービスを継続したい」「住み慣れた地域にある介護事業所を選びたい」などの希望がある方にとって、利用したい介護サービスを自由に選択できるメリットは大きいでしょう。
介護老人保健施設(老健)や介護付き有料老人ホームなどでは施設内で介護サービスやリハビリを受けられますが、自分でサービスを選ぶことは困難です。
自分の納得のいく介護サービスを選びたい方にはケアハウスがおすすめです。
終身利用も可能(介護型)

介護型のケアハウスでは原則終身利用が可能です。要介護1以上の方を対象としている介護型では、施設内で介護サービスを受けられます。24時間体制でスタッフが勤務し、ターミナルケアや看取りなどにも対応している施設もあります。
終身利用ができない老健の平均入居期間は3か月であり、一定の期間が過ぎても自宅復帰できない場合は他の施設へ住み替えることになります。終身利用ができない施設では、生活に慣れてきたところで新たな施設に移らねばならず入居者の負担が大きいでしょう。
ケアハウスでも、一般型の場合は看取り対応まで行えないケースがあります。終身利用を条件とする方は介護型のケアハウスがおすすめです。
24時間介護スタッフが在籍(介護型)

介護型のケアハウスでは、24時間体制で介護スタッフが勤務している点もメリットです。介護型は「特定施設入居者生活介護」に指定され、介護職員の24時間の常駐が義務づけられています。
一般型のケアハウスや住宅型有料老人ホームでは、介護サービスを受ける場合は外部の事業所との契約が必要です。外部サービスを利用しても施設に介護スタッフが常駐しているわけではないため、夜間の介助には対応していないケースもあります。
一方、介護型のケアハウスでは夜間も介護スタッフが勤務しているため、昼夜を問わず安心して介護を受けられます。不安を抱えることなく24時間介護を受けたい方は介護型のケアハウスを選ぶとよいでしょう。
介護度が重くなっても住むことができる(介護型)

介護度が高くなっても住み続けられる点は介護型のメリットの1つです。
要介護1以上の方を対象とした介護型は、要介護5の方でも対応できます。要介護1と要介護5では必要とする介護が大きく異なります。要介護1では必要な介護は生活の一部ですが、要介護5では日常生活全般にわたって介護が必要です。ほぼ寝たきりのような状態の方もいます。
入居時には要介護1の方でも、加齢や病気・ケガなどで介護度が高くなることがあるでしょう。しかしそのような際も、介護型では退去を命じられることはありません。重度の要介護者にも対応できる体制が整っているため、安心して住み続けられます。持病を抱えている方、転倒しやすい方、過去に骨折したことがある方などは、将来的に介護度が高くなることが考えられます。介護度が重くなっても、同じ施設で住み続けたい方には介護型がおすすめです。
ケアハウスのデメリット

ケアハウスには多くのメリットがありますが、入居を検討するにあたってはマイナス面にも目を向ける必要があります。ここからは、ケアハウスのデメリットを3つご紹介します。
待機者が多い
まず「待機者が多い」点はデメリットの1つといえます。
ケアハウスは他の施設と比較し、費用が安いことが特徴です。施設を探す方の多くが安価で、かつ安心して暮らせる場所を求めるでしょう。人気がある施設ほど、待機者数が増える傾向にあります。
加えて、ケアハウスは他の施設より数が少ないことも待機者数が多くなる理由です。とくに介護型は一般型よりも施設数が少ないため、申し込みをしても入居できるまでに長い期間がかかることもあります。
入居難易度は施設の立地や、設備など施設ごとに異なります。入居を希望する場合は入居までの期間に余裕を持ち、綿密なプランを立てることが大事です。
介護度が上がることによって退去を促されるケースもある(一般型)

2つ目のデメリットは、介護度が上がると退去を命じられるケースがあることです。
一般型は、介護を必要としない方や軽度の要介護者を対象としています。施設で介護サービスを受けられる体制は整っていませんが、デイサービスや訪問介護などの利用は可能です。しかし、夜間の排せつ介助などは外部サービスでは対応できないケースがあります。24時間体制で介護が必要になると、施設で対応できる範囲を超えるため退去を促されることがあるのです。
介護度が上がっても同じ施設で生活したい方は、介護型を選択肢に入れるとよいでしょう。
外部サービス費など組み合わせによっては高額になり得る(一般型)

3つ目のデメリットは、外部サービスなどの組み合わせによって費用が高額になるケースがある点です。費用が安いことを理由にケアハウスへの入居を希望する場合は、とくに注意すべきポイントです。
前述のように、一般型で介護を受ける場合は外部の介護サービスを利用します。介護度が高くなるほど必要な介護サービスも増えるため、それに伴い介護サービス費も高額となります。
介護サービスは介護度によって支給限度額と自己負担額が変わります。以下の表をご覧ください。
|
支給限度額 |
自己負担額 |
---|---|---|
要支援1 |
50,320円 |
5,032円 |
要支援2 |
105,310円 |
10,531円 |
要介護1 |
167,650円 |
16,765円 |
要介護2 |
197,050円 |
19,705円 |
要介護3 |
270,480円 |
27,048円 |
要介護4 |
309,380円 |
30,938円 |
要介護5 |
362,170円 |
36,217円 |
実際には地域によって差がありますが、概ね上記の費用が目安です。
たとえばケアハウスに入居した当初は要支援1で、入居中に要介護3に上がったケースで考えてみましょう。要支援1では介護サービスを上限まで使用しても1か月にかかる費用は5,032円で済みますが、要介護3に上がった場合の自己負担額は2万7,048円です。
一般型で外部の介護サービスを利用する場合は、サービスの内容や組み合わせによって費用が変わる点に注意が必要でしょう。
ケアハウスに向いている人・向いていない人

ここからは、前述のメリット・デメリットを踏まえてケアハウスに向いている人と向いていない人の特徴を解説します。
ケアハウスに向いている人
施設に入居したことでライフスタイルを変えなければならなかったり、外出や外泊などに制限がかかったりするのはストレスのもとです。ケアハウスでは1日の流れを自分で決めることができるため、安価に利用できて自由な生活を送れる施設を希望する方は、ケアハウスに向いているといえるでしょう。
とくに一般型は、身の回りのことはできるが一人暮らしは心細い方に最適な施設です。
また、介護型であれば手厚い介護を受けられて終身で利用できるため、介護の不安なく生活したい方に向いています。
ケアハウスに向いていない人

ケアハウスに向いていない方は、できるだけ早く施設へ入居したい方です。
前述のようにケアハウスは他の介護施設よりも施設数が少なく、入居待ちになるケースがあります。とくに介護体制の整っている介護型は一般型よりも少ないため、入居までの期間に余裕を持っておくことが大事です。入居待ちの期間は長い場合で1年以上かかることもあります。
早期入居を希望する方は、ケアハウス以外の高齢者施設を視野に入れた方がよいでしょう。
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