介護における見守りの目的とは?在宅介護で見守りの体制を充実させるためのポイントもご紹介します!
- 2024年10月07日 公開

介護における見守りにはさまざまな目的があり、見守りを充実させることでけが防止や体調不良への早期対応などにつながります。
本記事では、見守りの目的や充実させる方法をご紹介します。見守り体制が整っている介護施設についても知っておくと安心です。
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目次
介護における見守りの目的とは?
施設でも在宅でも、介護において見守りは必要不可欠です。必要な見守りができていないと、要介護者に何らかのリスクを及ぼしかねません。
ここでは、そんな介護における見守りの目的を3つご紹介します。
けがに備える
介護における見守りの目的のひとつとして、要介護者のけがに備えることが挙げられます。要介護者は何らかの拍子に転倒・転落することも珍しくありません。
転倒や転落によってけがをすると、その1回のけがによって介護度が高くなることもあります。それだけでなく、寝たきり状態になることもあるのです。
そのようなことにならないよう、要介護者を見守ることによって転倒や転落を防ぎます。
体調の急変に備える
体調の急変に備えることも、見守りの目的のひとつです。
高齢になると持病を抱える方も多く、持病の悪化や体調の変化に気をつけなければなりません。また、体温調整が難しい高齢者は熱中症や脱水症状などにも注意が必要です。
見守りをすることで体に異常がないかを確認でき、それが急変への備えにつながります。いつも見守っているからこそ、少しの変化に気づきやすいメリットもあるのです。
日常生活動作を自力で行えるようにする
介護において見守りをするのは、日常生活動作を自力で行えるようにすることにもつながります。要介護者は常に介助が必要というわけではなく、自分でできることは自分でやってもらうことが大切です。
しかし、すべてにおいて介助の手を出してしまうと、要介護者は自分の力で日常生活動作をする機会をなくしてしまいます。
必要なところは介助し、自力で行えるところは見守りをすることで、日常生活動作を行える状態にすることにつなげられるのです。
在宅介護で見守りをするときの注意点は?

介護施設では介護のプロである介護スタッフによる見守りが可能ですが、在宅介護ではそのようにはいきません。
それでは、在宅介護で見守りをするときには、どのようなことに気をつければよいのでしょうか。
ここでは、在宅介護で見守りをするときの注意点を2つご紹介します。安全に在宅介護をするためにも、ぜひ注意点を押さえておきましょう。
動きやすい環境づくりをする
在宅介護では、動きやすい環境づくりをすることがポイントです。
高齢者が移動するときに床に物が転がっていたり、ケーブルがあったりすると転倒のリスクを高めてしまいます。
高齢者が転倒しやすいだけでなく、介助するときに介助者がつまずいたり何かあったときにすぐに対処できなかったりすることにつながりかねません。
そのため、転倒しにくく介助しやすい環境づくりをすることをおすすめします。
積極的にコミュニケーションを取る
在宅介護の見守りでは、積極的にコミュニケーションを取ることも大切です。
高齢者はなかなか進んで自分の意思を伝えようとしない傾向にあり、それが体調の変化に気づきにくい要因になることも少なくありません。
そのため、観察するだけでなく本人に体調の変化がないか、積極的にコミュニケーションを取って確認する必要があります。
体調が悪い場合はどこが悪いのか確認したり、どのような生活をしたいのか意思を確認したりすることも大切です。
在宅介護で見守りの体制を整えるには?

在宅介護では、介護者が常に見守りをするのは難しいでしょう。
しかし、転倒・転落や体調の急変を考えるとき、見守りの体制を整えるに越したことはありません。
仕事と介護を両立する人にとっても、不在時の見守り体制は心配要素のひとつです。そんな在宅介護で見守り体制を整える方法をご紹介します。
訪問介護・デイサービスを活用する
在宅介護で見守り体制を整える方法に、訪問介護やデイサービスなどの介護サービスを活用することが挙げられます。
訪問介護でヘルパーに介護を担当してもらうことで、要介護者がけがをしないように適切な介助をしてもらえます。自力でできるところは見守りで対応してもらえるため、日常生活動作(ADL)の維持も可能です。
また、ヘルパーを利用することで体調の変化など、緊急時に迅速に対応できるケースも少なくありません。
デイサービスでは、日常生活動作(ADL)を自分の力で行えるよう適宜サポートする体制が整っています。介護スタッフの見守りのもと、食事や入浴などを提供してもらえるのもポイントです。
緊急通報装置を活用する
緊急通報装置を活用することも、在宅介護で見守り体制を整える方法のひとつです。
緊急通報装置とは、急変時にボタンを押すことで緊急通報ができる装置のことです。一人暮らしの高齢者・高齢者世帯・日中家族が不在になるなどの設置条件があります。
緊急ボタンのほかに「相談」や「安否確認」などのボタンがある装置もあり、遠方に住んでいたり、日中仕事をしていたりしてすぐに対応できない場合にも安心です。
見守りサービスを活用する
在宅介護の見守り体制を整えるために、見守りサービスを活用することもおすすめします。
見守りサービスには「センサー型」と「カメラ型」があり、それぞれの特徴を知ったうえで選択することが大切です。
「センサー型」の見守りサービス
「センサー型」の見守りサービスを提供しているメーカーはいくつかあります。家電メーカーが提供しているホームシステムでは、人感センサーによって要介護者の動きや室温を確認できます。
そのほかにも湿度・部屋の明るさなどの情報を検知できるセンサーもあり、見守りをする家族のスマートフォンに情報が届くのが特徴です。
センサーによる安否確認や室温上昇による熱中症のリスク回避に役立ちます。
人の動きがわかるため、起床時間・就寝時間や、徘徊を把握することも可能です。
日中仕事で離れているケースはもちろん、離れて暮らしていてなかなか会いに行けないケースでも、見守りを可能にしてくれます。
「カメラ」型の見守りサービス
「カメラ型」の見守りサービスは、屋内に専用のカメラを取りつけることで離れた場所からも要介護者の様子を確認できるサービスです。
マイク機能がついているカメラもあり、音声を使ってコミュニケーションも取れます。双方向のやり取りが可能なサービスの場合は、要介護者の寂しさ軽減にもつながります。
また、警備会社が提供している見守りサービスでは、緊急時にガードマンが駆けつけてくれるサービスもあります。安否確認に加えて万が一のときに対応してもらえる点がメリットです。
在宅介護での見守りの限界は?

見守りサービスを活用していても、体調に不安が生じるなど見守りに限界を感じるようになったら、安心して暮らせる介護施設への入居を視野に入れましょう。
デイサービスや訪問介護などの介護サービスを活用したり、見守りセンサーを導入したりすることで、ある程度在宅介護における見守り体制を整えられます。
しかし、介護者が仕事でなかなか介護の時間をつくれないケースも多いでしょう。また、介護度が上がってくると要介護者を日中一人にしておくことに不安が生じやすくなります。
それだけでなく、家族による介助や見守りに限界を感じることもあるでしょう。在宅介護で見守りに限界を感じたら、見守り体制が充実した介護施設への入居を検討することをおすすめします。
日中仕事で離れていて心配という方も、介護施設なら常に見守りを受けられる安心感があります。介護施設では夜間の介護にも対応しており、緊急時の対応も可能です。
介護のプロであるスタッフが担当するため、けがをしないような介助やリハビリも受けられます。
室温調整も在宅介護の不安要素のひとつですが、介護施設であれば介護スタッフが適宜調整してくれるため安心です。
介護施設にはどのような見守り体制があるのか?

在宅介護では、介護のプロである介護スタッフが昼夜問わず入居者の対応をしています。そのため、入居者のけがを防止しながら状況に合わせて見守りや必要なケアを受けられます。
特別養護老人ホーム・介護老人保健施設・介護付き有料老人ホームでは看護師が配置されているため、体調不良時の対応も心強いです。
また、見守り体制が整っている介護施設では見守りシステムを活用して入居者の状態の把握に努めています。
入居者が安心して生活できるように活用している見守りシステムを4つご紹介します。
ベッドセンサー
ベッドセンサーは敷きパッドにセンサーが備えつけられており、ベッド上で起き上がったときやベッドから離れたことを感知するシステムです。
転倒・転落の恐れがある入居者の動きに対応しやすくなります。
脈拍数や呼吸数を感知できるベッドセンサーの場合は、体調管理や急変の早期発見にも活用できます。
脈拍や呼吸の乱れを把握することで、普段と異なる様子を発見しやすく、迅速な対応につなげられます。
マットセンサー
マットセンサーは、ベッドの足元にセンサーが備えつけられており、入居者が床に足をつけたことを検知できます。ベッドセンサーと同じく、主な目的は転倒・転落の防止にあります。
そのほか、マットセンサーは徘徊の防止にもつなげられます。認知症で徘徊のリスクがある入居者に使用することで、他室侵入やエスケープといったトラブルを防ぐことも可能です。
赤外線センサー
赤外線センサーは居室に備えつけられており、赤外線センサーによって人の動きを感知するシステムです。
入居者の入・退室や転倒、うずくまりなどを把握できます。
居室内でどのような動きをしているかがわかるため、突然動きがなくなったり同じところで動きが止まったりしていると、転倒やうずくまりを疑い、すぐに部屋を訪問するなどの対応をします。
バイタルセンサー
バイタルセンサーは、マイクロ波を用いて脈拍数や呼吸などのバイタルサインを把握できるシステムです。
ベッドのマット下やベッド真上の天井に設置して用います。
寝ている間の体調の変化に気づきやすいのが、バイタルセンサーのメリットのひとつです。
見守り体制が整った介護施設を見つけるには?

家族の介護施設への入居を検討するときに、見守り体制が整った介護施設を見つけたいと思う人は多いでしょう。
介護施設では、施設によって見守り体制が異なっていたり、十分な人員が確保できない時間帯があったりすることがあります。
見守り体制が整った介護施設を見つけたいのであれば、お昼や入浴など忙しい時間帯に見学をして、十分な介護スタッフが配置されているか確認することをおすすめします。
また、見守り体制も含めて希望に合った介護施設を見つけるためには、1カ所ではなく複数の介護施設の中から検討する必要があります。
しかし、仕事と介護で忙しいとなかなか検討や見学の時間が取れないことも珍しくありません。
「安心介護紹介センター」では、オンラインで施設情報の提供や見学の申し込みができます。
地域包括支援センターやケアマネジャーだけでなく、「安心介護紹介センター」も活用しながら、安心して入居できる介護施設を探しましょう。
どの老人ホーム・介護施設にしたら良いかお悩みの方へ
満足のいく老人ホームの生活は、どの施設に入居するかで大きく異なることがあります。
安心介護紹介センターの入居相談員は、高齢者の住まいにまつわる資格を有しており、多くの老人ホームの中から、ご本人やご家族のご希望に沿ったぴったりな施設を選定してご紹介させていただきます。
施設のご紹介から、見学、ご入居まで無料でサポートさせていただいておりますので、ぜひご利用ください。