親が認知症かも?症状のチェック項目や診断された場合の対処法をご紹介します!
- 2024年10月07日 公開

物忘れや意欲の低下など親に認知症と疑われる症状が見られた場合、介護について不安に感じる方もいるでしょう。この記事では、認知症の確認方法や困ったときの相談窓口、利用できる介護施設について詳しく解説します。
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認知症の症状とは?
認知症にはさまざまな種類があり、それぞれ症状や治療法は異なります。まずは、認知症の種別ごとの原因や症状の経過について詳しくご紹介します。
アルツハイマー型認知症

アルツハイマー型認知症の原因
認知症のなかでももっとも患者数が多いのがアルツハイマー型認知症です。原因は完全にはわかっていませんが、脳に特定のたんぱく質が蓄積して神経細胞が衰え、側頭葉と記憶をつかさどる部位の海馬が委縮することが関係していると考えられています。
また、頭にケガをしたことのある方や糖尿病の方がなりやすいと言われています。そのほか、遺伝による影響も発症原因の1つとされています。
アルツハイマー型認知症の初期症状
初期段階では、ついさっき会った人の名前や出来事を忘れてしまうといった、記憶力の低下が目立ちます。新しいことが覚えられなかったり、場所やヒト、時間感覚が曖昧になったりします。
また、電車の時刻に間に合うように出かける準備をする、洗濯機を回している間に掃除機をかけるなど、計画を立てて行動することが難しくなる「実行機能障害」もアルツハイマー型認知症の初期症状の1つです。
アルツハイマー型認知症の症状の経過
発症当初は身の回りのことが一人で行えていても、症状が進行していくにつれて生活のサポートが必要になってきます。自発性が低下し、食事や排せつに介助が必要になることが一般的です。
アルツハイマー型認知症は、発症してから8〜12年が平均余命といわれています。しかし近年では治療やケア方法も多様化してきており、進行速度は人によって異なるようです。
前頭側頭型認知症

前頭側頭型認知症の原因
前頭側頭型認知症は、脳の前頭葉と側頭葉が萎縮することで発症します。アルツハイマー型と同様、脳の神経細胞に特定のたんぱく質が蓄積することが原因とされていますが、詳しいメカニズムは解明されていません。
前頭側頭型認知症の初期症状
初期段階では、前頭葉が司る感情をコントロールする機能に異常が起こって性格が変化し、礼儀に欠けるような態度が目立ちます。同じ時間に決められた同じ行動をすることに強くこだわる様子も特徴的です。
社会性が欠如して、万引きや痴漢といった行為が見られることもあります。衝動行動が抑えられず理性が保てなくなってしまうのが特徴です。初期段階では物忘れが目立たないため、認知症ではなく精神疾患と診断されることがあります。
前頭側頭型認知症の症状の経過
進行すると、意欲が下がって活動量が減り、徐々に非常識な態度や暴力行為が目立たなくなっていきます。言葉を発したり行動することも少なくなり、1日中横になって過ごすようになり、感情表現が減ってきます。
食事に興味を示さなくなる方も珍しくありません。周囲が声をかけたり食事を促したりしても拒否する方も多く、発症してから寝たきりになるまでの期間は6〜8年程度とされています。
レビー小体型認知症

レビー小体型認知症の原因
レビー小体という物質が脳の大脳皮質や脳幹に蓄積されることが原因で発症する認知症です。しかし、なぜレビー小体が脳に蓄積するのかは解明されておらず、加齢による変化という説が一般的です。
レビー小体型認知症の初期症状
初期段階では、運動機能を司る脳幹に障害が起こることが多く、手や指先の震えなどのパーキンソン症状が認められます。また、睡眠中に大声を出したり、寝ながら壁を強く殴ったり蹴ったりする様子が見られます。ただし目立った認知機能の低下はないことが一般的です。
レビー小体型認知症の症状の経過
症状の経過に伴い、いないはずの人が見える「幻視」や、人形が子どもに見えるなどの「錯視」が現れ、進行すると幻聴や妄想も目立つようになっていきます。薬物依存などの精神症状の幻覚はぼんやりとしていますが、レビー小体型認知症の幻覚ははっきりと見えるのが違いです。
パーキンソン症状が悪化し、足がこわばって前に踏み出しにくく、歩行が難しくなる方もいます。食事や水分を飲み込む力(えん下機能)が弱まり、誤えん性肺炎を発症する方も少なくないため、注意が必要です。
さらに進行すると、認知機能の低下と幻視や幻聴などの症状が重なり、コミュニケーションを取ることが難しくなっていきます。発症してからの余命は10年未満であることが多いようです。
血管性認知症

血管性認知症の原因
血管性認知症は、脳出血や脳梗塞などの脳卒中を原因として現れる認知症です。
脳卒中というと命に関わるような病気のイメージがあります。しかし、血管性認知症は重症の脳卒中に限らず、自覚症状の少ない小さな脳梗塞や脳出血が繰り返されることによっても発症します。
メタボリックシンドロームや大酒飲みの方、糖尿病・高血圧・脂質異常症などの病気を持つ方は、血管性認知症になりやすいと考えられています。
血管性認知症の初期症状
血管性認知症の症状は、障害される脳の領域によって異なる症状が見られることが特徴的です。手順通りに作業できない実行機能障害が目立つ方やパーキンソン症状が見られる方など、症状はさまざまです。
初期には物忘れが現れることは少なく、自身の認知症の症状を自覚して気分が落ち込む「抑うつ」が認められることもあります。
血管性認知症の症状の経過
血管性認知症の症状は、段階的に進行することが特徴です。
脳卒中の発作が起こることによって認知症の症状が出現しますが、その後の症状は横ばいで経過します。しかし、脳梗塞や脳出血が再発すると、階段を降りるように一気に症状が進行してしまいます。
血管性認知症とアルツハイマー型認知症を合併している方もおり、その場合の症状の経過はこの限りではありません。
認知症の初期症状のチェック項目は?

初期段階から治療を開始すると、認知症の進行を遅らせることが期待できます。初期症状のチェック項目について見てみましょう。
物忘れが増えた
アルツハイマー型認知症の代表的な初期症状として、物忘れが挙げられます。
- 同じことを何度も質問してくる
- 物を置き忘れたり、物の保管場所を忘れたりする
- 時間や場所を間違えるようになった
子どもの頃のエピソードや認知症を発症するより前の出来事はしっかりと覚えているものの、数分前に自分が話したことを忘れて同じ話をしたり、買い物をしても品物を置き忘れてしまうなどの記憶障害が見られます。
また、他の認知症の特徴としては、ものを片づけたことすら覚えていないことが多く、同じものを再度購入するなど物が増えていくことが特徴です。
判断能力が低下している

初期症状として、日常生活を送るなかで問題なく行えていたことができなくなる「実行機能障害」が見られます。
- お金の管理ができなくなった
- 料理や買い物、計算でミスが多くなった
「支払い期限までに、お金を用意して入金する」「献立を考えて買い物に出かけ、調理をする」など、お金の管理や家事を行うためには、物事を順序立てて考えながら行動する必要があります。
公共料金の支払いが滞ってしまったり、買い物に行くとお札を出すことが増えて、小銭が貯まってしまったりするなどの症状が現れた場合は認知症かもしれないと意識して、生活の様子をチェックしてみることが大切です。
性格が変わった
前頭側頭型認知症は、初期から性格の変化が現れやすいことで知られています。
- 以前より頑固になった
- 以前より怒りっぽくなった
「もともとは穏やかな性格なのに、最近怒りっぽくなった」「周囲の意見を聞き入れなくなった」といった症状は、年を取って頑固になっただけではなく認知症の初期症状なのかもしれません。反対に昔は怒りっぽかったのがさほど怒らなくなったり、まじめだった人が無頓着になるなどもあります。
不安を感じるようになる
アルツハイマー型認知症の場合、周囲の人が認知症に気づく前に本人が混乱して「何もできなくなった」「わからなくなってしまった」と不安を感じる場合があります。また、血管性認知症の方は自身の症状を自覚することで落ち込み、抑うつになることも珍しくないようです。
- 持ち物やお金をしきりに確認する
- 情緒が不安定になる
実行機能障害によって、いままで通りにできなくなることから不安を感じ、一人で過ごせなくなってしまう方は少なくありません。不安な気持ちが高まって突然泣き出すなど、情緒が不安定になる方もいます。
意欲が低下している
中期以降に目立つ症状の1つである「意欲の低下」が、初期から少しずつ現れる方もいます。
- 趣味への興味が薄れてしまった
- 何事も面倒に感じるようになった
習慣にしている散歩や体操を面倒がるようになったり、習い事を辞めてしまったりするなどの行動もサインの1つです。出かける回数が減って1日中ゴロゴロする様子が気になったら、そのほかにも当てはまる症状がないか確認してみましょう。
親に認知症の疑いがある場合の対処法は?

初期症状のチェック項目で複数に該当している場合は認知症が疑われるため、医療機関を受診して専門的な検査を受けることをおすすめします。
しかし、突然「認知症の疑いがあるので病院に行こう」とストレートに伝えても、抵抗感を抱く方は少なくないでしょう。無理やり病院に連れて行っても、検査や治療を拒否されてしまうリスクがあります。本人が納得して受診できるような流れをご紹介します。
健康診断の流れで脳の検査を受診する
一般的な健康診断の問診表には、認知症の初期症状のチェックリストがついています。本人と一緒にチェックリストに取り組んでみてください。
健康診断のオプションとして、脳のCTやMRIの検査を追加することも有効です。認知症の検査としてではなく「脳梗塞や脳腫瘍が心配だから、脳の画像検査を追加してみよう」と説明してみるとよいでしょう。
かかりつけ医で診察を受ける
脳の画像検査で明らかな異常が見つからない場合でも、問診表の回答内容から認知症が疑われる場合には専門機関への受診がおすすめです。しかし、いきなり専門病院を受診することを嫌がる方は珍しくないため、病院選びも慎重に行いましょう。
家族の言うことを聞き入れなくても、かかりつけ医に助言されると納得する方もいます。
まずはかかりつけ医に相談し、医師から認知症の検査の必要性を本人に説明してもらうことは有効です。受診に備えて、紹介状(診療情報提供書)を用意してもらいましょう。
物忘れ外来を受診する
昨今では認知症患者の増加を受けて「物忘れ外来」を設置している医療機関が増えています。
物忘れ外来では、頭部のMRIや脳血流シンチグラフィなどの検査を行い、脳神経内科や精神科などの専門医が診断を行います。精密検査と専門医の診察によって認知症の種別を診断し、疾患に沿った治療の組み立てが行われる点が特徴です。
受診時には、本人の生活実態をよく知る家族のつき添いが求められることが多く、検査結果だけでなく生活状況を踏まえて総合的な診療がなされます。
地域包括支援センターに相談する
地域包括支援センターは、医療・介護・福祉の専門家が在籍している相談窓口です。地域包括支援センターは、地域の物忘れ外来や認知症疾患医療センターなどの医療機関情報を持っています。また、受診を拒む方への対応方法など、診察につなげるためのサポートをしてくれる場合があります。
認知症初期集中支援チームを活用する
かかりつけ医や地域包括支援センターのサポートを受けても医療機関への受診を拒否している場合には、認知症初期集中支援チームの活用を検討してみましょう。
認知症初期集中支援チームは、医師を中心とした医療従事者からなるチームです。治療や介護が開始できない方や中断してしまっている方の自宅に訪問し、必要な医療行為や環境調整をサポートします。継続的な介入ではなく、1回から複数回訪問し、治療が無事に開始できたら地域の医療機関にサポートをつなげていきます。
認知症初期集中支援チームの利用を検討される方は、地域包括支援センターや自治体の窓口に相談してみましょう。
親が認知症だった場合、どのように介護するべきなのか?

認知症と診断された方の介護について悩まれる方は少なくないでしょう。在宅介護の実態や施設介護の導入について解説します。
在宅介護のリスクとは?
認知症の方を自宅で介護すると、どのようなリスクがあるのでしょうか。詳しく見てみましょう。
介護者が睡眠不足に陥ってしまう
認知症の方は、慢性的に不安な気持ちを抱えています。気分が安定しないため眠りが浅く、夜中に家族を起こしてしまうことも珍しくありません。
レビー小体型認知症の症状である大声の寝言や、徘徊のある方の見守りなど、認知症の介護は24時間体制を余儀なくされる場合があり、介護者が睡眠不足に陥ってしまう傾向にあります。
介護者の精神的ストレスが増加する
同じことを何度も聞かれたり、1日中探し物につき合ったりするのは介護者にとってストレスです。それに加えて、物盗られ妄想や幻視、暴言などが現れると、ストレスが増大して対応することに限界を感じる方もいるようです。
介護の質を保つことが難しい
認知症は症状にムラが出やすい疾患です。体調のよいときには一人で食事や排せつが行えても、調子の悪いときには窒息や転倒する危険性があります。
認知機能も1日のなかで変動し、会話がスムーズに行くときばかりではありません。認知症ケアに慣れていない家族が本人の状況に合わせて適切な介護を行うことは難しいとされています。
介護のストレスから要介護者に厳しくあたってしまう
ストレスがたまりやすい認知症の介護において、睡眠不足や疲労が重なると、要介護者に厳しくあたってしまう家族もいます。
同じ話の繰り返しや幻視、妄想は認知症の症状であるため、本人を𠮟責しても改善するものではありません。むしろ、家族の厳しい態度が不安を募らせるきっかけとなり、認知症がより進行してしまうリスクがあります。
そのため、介護者のストレスや睡眠不足を解消するためだけでなく、本人にとって安心で安全な生活環境を求めて施設への入居を検討する方も少なくありません。
親を入居させる介護施設を選ぶときに活用したい相談窓口は?

認知症の方の介護に迷ったら、ケアマネジャーや地域包括支援センター、民間の相談窓口などを活用してみましょう。
ケアマネジャー
ケアマネジャーは、介護保険制度で「要介護1〜5」に認定された方を対象としてサービス調整を行う専門家です。
介護保険の利用開始や継続するための手続きを行ったり、利用者の方や家族との面談を通して、希望する生活を実現するために必要なサービスを選定し、利用する介護事業所との連携やケアプランを作成したりすることがケアマネジャーの主な業務です。
ケアマネジャーの協力のもとで在宅介護をはじめてみたけれど、自宅での認知症ケアがうまくいかない場合には施設入居について相談してみましょう。
地域包括支援センター
地域包括支援センターは、地域に開かれた医療・介護・福祉の相談窓口です。成年後見制度の申請支援や、虐待の早期発見・防止など、地域住民の権利擁護のための活動も行っています。
また、介護認定で「要支援」という要介護よりも軽度な判定が出た方には、介護予防ケアプランを作成しています。
利用者だけではなく、ケアマネジャーからの相談を受けたり、自治体と共同で地域ケア会議を開催するなど、担当エリアの医療・介護・福祉に携わるスタッフを包括的にサポートする役割も担っています。
地域包括支援センターには地域の介護施設の情報が集まっているため、認知症に対応している施設について確認してみるといいでしょう。
安心介護紹介センター
ケアマネジャーや地域包括支援センターは、担当しているエリア内の施設の情報は多く持っていますが、地域外の情報には弱い傾向にあります。
条件に合った施設の紹介がない場合には、施設探しの相談窓口として安心介護紹介センターを活用してはいかがでしょうか。安心介護紹介センターは全国の介護施設の情報を取り扱っているため、お住まいの地域外の介護施設も紹介可能です。
また、オンラインでの相談にも対応しているため、気軽に相談できます。家庭や仕事の都合で相談窓口に行けない方や、介護に手が離せない方にも利用しやすいサービスです。
認知症の方が入居できる施設とは?

認知症の方が入居できる施設について、サービスの特徴や費用、入居条件についてご紹介します。
サービス付き高齢者向け住宅
サービス付き高齢者向け住宅は、介護度の低い高齢者や、ある程度自立した方を対象とした賃貸住宅です。
入居条件
サービス付き高齢者向け住宅の入居条件は、「60歳以上」もしくは「60歳未満で介護保険制度の要介護もしくは要支援に認定された方」です。さらに、入居者の配偶者や60歳以上の親族、要支援・要介護認定を受けている親族のいずれかであれば、個人ではなく世帯で入居できます。
ただし、ある程度自立した生活ができる方を対象とした施設が多く、認知症の方や医療行為が必要な方の入居は受け入れていない場合があるため、施設ごとの入居条件の確認が必要です。
提供サービス
サービス付き高齢者向け住宅で提供している基本サービスは、生活相談と安否確認です。生活相談は、日常生活で困っていることを施設の職員に相談できるサービスです。
安否確認は、施設のスタッフが定期的に居室を訪問し、緊急時には必要性に合わせて救急車を手配したり家族に連絡したりといった対応を取るサービスです。訪問の頻度や時間帯、夜間の見回りの有無などは施設によって異なります。
サービス付き高齢者向け住宅は、大きく分けて「一般型」と「介護型」の2種類があります。一般型は介護サービスが付属せず、訪問介護やデイサービスなどを利用したい方は、外部もしくは施設に併設されている事業所と個別に契約する必要があります。
介護型では、洗濯や掃除といった生活支援と、入浴・排せつ介助のような身体介護を受けられます。
入居・月額費用
サービス付き高齢者向け住宅は、施設によってさまざまな契約方式や支払い方法があります。
通常、一般型のサービス付き高齢者向け住宅は家賃やサービス費などの費用を毎月支払う「月払い方式」です。入居費用は0〜50万円程度で月額費用は6〜25万円程度が一般的です。
介護型のサービス付き高齢者向け住宅には、月払い方式のほか、契約時に費用の一部を一括で支払う「入居一時金方式」を採用している施設があります。入居一時金方式の施設は入居時に数百万円の支払いが必要な場合があります。月額費用は、5〜25万円程度です。
介護付き有料老人ホーム

介護付き有料老人ホームは、自宅での生活が困難で介護が必要な方を対象とした入居施設です。
入居条件
介護付き有料老人ホームの入居条件は、原則、介護保険認定において要介護1以上の判定を受けている方です。さらに施設ごとに、必要な医療行為や介護度によって受け入れ条件を定めている場合があります。
提供サービス
介護付き有料老人ホームには、24時間体制で介護スタッフが常駐しています。日中の時間帯は入居者3名に対し1名以上のスタッフが勤務しており、手厚い介護サービスを受けられる点が魅力です。
また、看護師の配置が義務づけられているため、認知症の方やある程度の医療行為が必要な方も受け入れている施設が多く、認知症や病気を持ちながらも安心して入居できる点がメリットといえるでしょう。
入居・月額費用
介護付き有料老人ホームの費用は、施設の立地や入居者の方の介護度によって大きく異なります。
数十万〜数千万円の入居一時金がかかることが一般的ですが、施設によっては入居金を無料にしているところもあります。月額費用は、12〜35万円が相場です。
住宅型有料老人ホーム

住宅型有料老人ホームは「身体介護は必要ないほど自立しているが、家事は手伝ってほしい」といった、生活支援を受けたい方が入居することが多い施設です。
入居条件
住宅型有料老人ホームの入居条件は介護保険制度で明確に定められていないため、施設によって異なります。
施設ごとに「60歳以上」「要支援2以上」などと定めていることはありますが、介護認定で「非該当」とされた方の入居を受け入れている施設も少なくありません。
住宅型有料老人ホームでは身体介護は基本サービスに含まれていないため、認知症の方は軽度の場合のみ入居を受け入れている施設もあります。
提供サービス
住宅型の有料老人ホームでは、食事の支度や洗濯、掃除などの生活支援サービスが提供されます。
基本的には、施設のスタッフが食事や排せつ介助などのケアをすることはありません。身体介護が必要な方は、外部もしくは施設に併設されている介護事業所と契約する必要があります。
入居・月額費用
住宅型有料老人ホーム入居金は、介護付き有料老人ホームと同様に契約形態や支払い方法によって異なり、金額は0円〜数千万円と大きく異なります。月額費用は、12〜35万円程度が相場です。
グループホーム

グループホームは、認知症の方が共同生活を送る小規模の入居施設です。
入居条件
グループホームの入居条件は「医師から認知症の診断を受けている」「施設のある自治体に住民登録がある」「介護保険制度の要支援2以上の認定を受けている」と定められています。
施設によって、医療ケアが必要な方や感染症を持つ方は受け入れていないなど、独自の基準を設けている場合があります。
提供サービス
入居者は職員のサポートを受けながら、食事を作ったり買い物に出かけたりといった日常生活における作業を共同で行います。
食事や排せつケアが不要な自立している方を対象としているグループホームでは入居者の自立支援をサポートするため、介護付き有料老人ホームと同水準の入居者3名に対してスタッフ1名以上という手厚い人員配置を取っています。
入居・月額費用
一般的にグループホームの契約時には、賃貸住宅の敷金にあたる「保証金」、もしくは施設に入居する権利を購入する「入居一時金」の支払いが必要です。契約形態によって金額は異なりますが、入居時には0〜数百万円、月額費用は15〜20万円程度かかることが一般的です。
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