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認知症による暴言・暴力の原因や対処法、やっていけない対応を解説

  • 2024年10月07日 公開
  • 2025年03月14日 更新

介護者にとって大きな負担となり得る認知症高齢者による暴言・暴力。
今回の記事では、攻撃的な言動につながる原因や、暴言・暴力の予防法、実際に直面した場合の対処法などをご紹介します。

認知症による暴言や暴力とは

認知症患者が示す暴言や暴力は「周辺症状(BPSD:行動・心理症状)」と呼ばれる症状の一部です。
認知機能の低下に伴い出現する二次的な症状で、本人の性格が変わったわけではありません。脳の機能障害によって、周辺症状により暴言や暴力が現れます。

中核症状と周辺症状

認知症の症状は「中核症状」と「周辺症状」に分類されます。中核症状とは脳の神経細胞が直接被害を受けることで以下の症状が現れます。

中核症状

  • 記憶障害
  • 見当識障害
  • 理解・判断力の低下
  • 実行機能障害

たとえば「今日の日付がわからない」「家族の顔が認識できない」といった症状です。

一方、周辺症状は中核症状によって起こる二次的な症状です。以下の症状が不安やストレスから生じます。

周辺症状

  • 幻覚
  • 妄想
  • うつ状態
  • 徘徊
  • 暴言
  • 暴力

認知症の人が暴言を吐いたり暴力行為をしたりする原因

介護を続ける中で被介護者による暴言や暴力が見られたとき、「以前はこんなに攻撃的ではなかったのに」と感じる家族も多いでしょう。認知症患者が暴言を吐く、または暴力を振るう背景にはどのような理由があるのでしょうか。

以下の6つの理由に分けて説明します。

  • 認知症特有の症状によって暴言や暴力が起こりやすいため
  • 感情が抑えられなくなるため
  • 周囲の状況を理解できないため
  • プライドが傷ついてしまったため
  • 体調が良くないため
  • 薬の副作用

認知症特有の症状によって暴言や暴力が起こりやすいため

認知症は、その原因ごとにいくつかのタイプに分類できます。認知症のタイプによりどのような症状が現れやすく、その症状がどのように暴言・暴力につながるのかを見ていきましょう。

アルツハイマー型認知症

アミロイドβという物質により脳の細胞が変質するタイプの「アルツハイマー型認知症」。症状の進行は比較的穏やかですが、徐々に見当識障害などが現れます。

こうした症状により周囲の状況がうまく理解できないことで、ストレスや不安が高まり暴言や暴力が誘発される場合があると考えられます。

血管性認知症

脳梗塞や脳出血など、脳血管の病気が原因となって起きる「血管性認知症」。障害された脳の部位によって症状はさまざまですが、感情の制御が難しくなる脱抑制・不安感・抑うつなどが暴言や暴力につながることがあります。

レビー小体型認知症

レビー小体と呼ばれるタンパク質が脳に蓄積されることで脳の機能障害が起きる「レビー小体型認知症」。その特徴は、ほかの認知症に比べてはっきりとした幻覚などの症状が出やすいことです。

実際には見えない人や物が見えることで、現実には存在しない人間や起きていない物事が理由となる暴言・暴力が見られることもあります。周囲から見ると本人の言動は理由が分かりにくく、対応に戸惑う家族も多いでしょう。

前頭側頭型認知症

前頭葉や側頭葉は人格・社会性・感情の抑制などを制御しているとされます。その前頭側頭葉が萎縮して機能が低下すると、物事を理性的に考えたり、感情をコントロールできなかったりして暴言や暴力が起きることがあります。

感情が抑えられなくなるため

ここまでの話でも触れたように、認知症になると社会性を保ち感情をコントロールするために必要な前頭葉の働きが低下する場合があります。加えて、うまくいかないことに対する不安やいら立ちを感じることも増えるでしょう。

その結果、感じたストレスをうまく制御できず、暴言・暴力が見られるようになることがあります。

周囲の状況を理解できないため

認知症になると、記憶障害だけでなく見当識障害が現れることも多いでしょう。これにより周囲の状況を把握することが困難になり、施設や病院に行くなどの環境変化に強い不安を感じる人もいます。

その中で本人に必要な医療や介護サービスを受けるための場であっても「何をされるか分からない」「家に帰りたい」と感じてしまうこともあるため、周囲への抵抗が暴言や暴力と捉えられてしまうかもしれません。

プライドが傷ついてしまったため

認知症では物忘れや周囲から理解されにくい言動が見られがちですが、これは症状であり「本人の不注意」や「意図的な言動」ではありません。しかし、身近な人から忘れたことや言動に対して注意されることもあるでしょう。

このような状況からプライドが傷ついたりストレスが蓄積されたりした結果、周囲の人に対して否定的な姿勢や怒りっぽさが目立つようになり、暴言・暴力につながる可能性があります。

体調が良くないため

認知症が進行すると、自分の身体の状況を適切に把握すること・感じた不調を言語化して家族や介護者に伝えることが困難になります。

そのため、うまく伝わらないことや体調の悪さ自体にストレスを感じ「なぜ理解してくれないのか」「体調が悪いから普段している散歩や食事・入浴をしたくない」などの感情が暴言・暴力として表出される場合があります。

薬の副作用

認知症治療では、本人の状態や認知症のタイプなどを総合的に見ながらどのような薬を用いるか医師が判断します。その中で、アルツハイマー型・レビー小体型認知症患者に用いられることが多いのが「ドネペジル塩酸塩」です。

ドネぺジル塩酸塩は神経伝達物質のひとつ「アセチルコリン」を増やし、神経活動を高める作用があります。しかし、その副作用で興奮・不穏などの症状が強まるケースもあり、結果として暴力・暴言が見られるかもしれません。

どんな時に暴言・暴力が出やすい?

認知症の方が暴言や暴力を示す状況には、特徴的なパターンがあります。

  • 不安や混乱が生じているとき
  • プライドが傷ついたとき
  • 体調不良や痛みがあるとき

環境が変わって不安や混乱が生じると、防衛反応として攻撃的な考えが出現します。
いつもと違う状況は、不安や混乱から暴言・暴力を招くおそれがあります。また、間違いを指摘されたり否定されたりして尊厳が傷ついたときも暴言が出やすいです。
体調不良や痛みがあるときも要注意です。認知症の方は自分の不調をうまく言葉で表現できないことが多く、その不快感が暴言として表出されます。

特に、疲れている夕方から夜にかけて(サンダウンシンドローム)、食事やトイレなどの生理的欲求が満たされないときも暴言・暴力が多い傾向にあります。

認知症による暴言や暴力への対処法

暴言・暴力行為がある場合、家族はどのように対処すればよいのでしょうか。施設を探すことになった場合の相談窓口も合わせてご紹介します。

距離を取り、気持ちを落ち着ける

認知症の方が暴言や暴力行為を示した際は、まず落ち着いた対応が重要です。その場で対応すると感情的になるため、安全を確保した状態で一時的に距離を置くことが効果的です。例えば、「ちょっとお茶を飲むね」といって別室へ移動したり、「トイレに行ってます」と伝えてその場を離れたりするのも良い方法です。

家族で介護を分担している場合は、別の家族に代わってもらうことで、お互いのストレスを軽減できます。また、デイサービスやショートステイなどの介護保険サービスを上手に活用し、定期的に介護から離れる時間を作ることも重要です。1時間でも距離を取ることで、介護者自身の気持ちが落ち着き、冷静な判断ができるでしょう。

家族や友人などに相談する

認知症の方からの暴言や暴力に対する感情を内に溜め込むと、ストレスが溜まり、心身の健康を損なう恐れがあります。家族や友人、信頼できる人に気持ちを吐き出すことは、精神的な負担を軽減する効果的な方法です。

また、同じ経験をもつ家族会などのコミュニティに参加することで、共感を得たり、実践的なアドバイスをもらえたりする場合もあります。

誰かに話すことに抵抗がある場合は、日記やメモに書くという方法も有効です。書くという行為自体が感情の整理につながり、否定的な感情を外に出すことで心が軽くなるでしょう。

自分の時間を大切にする

暴言や暴力が見られる認知症の方を介護している場合、ストレスを溜め込んでしまう介護者もいるでしょう。認知症患者の暴言・暴力につながる原因を取り除いて問題となる言動が落ち着くことが一番ですが、介護者がリフレッシュできる時間を作ることも大切です。

家族などの協力を得たり介護サービスを利用したりしながら、時には介護から離れて趣味に集中したり、ゆっくりと外出できる時間を確保することをおすすめします。こうした気分転換は、介護うつの予防としても重要です。

医師に相談する

前述のように、認知症の治療薬や複数の薬の飲み合わせにより認知症患者の不穏・いら立ち・怒りっぽさなどが強まることがあります。暴言・暴力が見られた場合は、医師にも状況を伝えて相談してみるとよいでしょう。

認知症で精神科に入院することはできる?

認知症の方が暴言・暴力行為を示し、在宅での対応が困難になった場合、精神科への入院を検討することがあります。

【入院が可能なケース】

  • 暴力行為や自傷行為のリスクが高い場合
  • 妄想や幻覚などの精神症状が強く日常生活に支障が出ている場合
  • 薬物療法の調整が必要な場合

入院すると、まずは診察と検査が行われ、暴言・暴力の原因となる症状を特定します。その後、薬物療法や環境調整などの治療が進められます。

入院期間は症状の改善度によって異なりますが、一般的には2週間から1ヶ月程度が目安です。症状が落ち着いたら在宅や施設での介護に移行するための準備が始まります。
入院は本人の同意が基本ですが、症状が重く判断能力が低下している場合は「医療保護入院」という形で家族の同意により入院可能な場合もあります。

命の危険が生じた場合は警察を呼ぶ

認知症の暴言・暴力が激しくなり、介護者や本人の身体の安全が侵されるような緊急事態の場合は、警察(110番)に通報することも選択肢の一つです。

以下の場合はすぐに専門家の介入が必要です。

  • ナイフなどの危険物を手にして威嚇する
  • 実際に暴力が早期制止できない
  • 自傷行為がエスカレートしている

危険な状況となり警察が到着したら「認知症の症状で混乱している」ことを伝え、冷静な対応を依頼しましょう。警察の介入は一時的な危機回避の手段であり、根本的な解決策ではありません。
緊急事態が収束した後は、必ず医療機関や地域を含む支援センターなどの専門機関に相談し、継続的な支援体制を構築することが重要です。

危険な事態を防ぐためにも、暴言・暴力が見られ始めた初期段階で、かかりつけ医や認知症専門医、地域包括支援センターなどに相談しましょう。適切な対応方法や利用可能なサービスについて情報を得ることが大切です。

介護施設に入居させる

自宅で介護を行う場合、夜間などサービスを利用できない時間の介護は家族が主体となります。このような環境で高齢者からの暴言・暴力が続くと、強いストレスにより介護者側が体調不良や介護うつに陥る可能性もあります。

また、ストレスを抱えているために穏やかに対応できず、被介護者に厳しく当たってしまうこともあるでしょう。その結果、家族関係や認知症の症状が悪化するケースも少なくありません。

こうした状況では、被介護者を施設に入居させて距離を置くことをおすすめします。ただし、暴言や暴力が見られる高齢者は施設側から入居を拒否される場合もあるため、相談窓口なども利用しながら受け入れ可能な施設を探しましょう。

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認知症による暴言・暴力に対してやってはいけない対応

認知症の方が示す暴言や暴力に対して正しく対応することは、介護者にとっての大きな課題です。
暴言や暴力に対する間違った対応方法を知ることも大切になります。

否定する・言い返す

認知症の方が暴言を発したとき、感情的に否定したり言い返したりすることは避けるべきです。たとえば「そんなことない!」「適当にやって!」といった言葉は、本人の不安や混乱をさらに悪化させます。

認知症の方の発言の背景には、不安や混乱、自分の状況が理解できないフラストレーションがあることを理解しましょう。「物を盗まれた」という妄想的な発言も、本人にとっては現実のことです。事実を指摘して否定するのではなく「大切なものが消えたのね」と気持ちに寄り添う対応が効果的です。

否定を一切せず、穏やかな口調で接することで、認知症の方も落ちつくことが多いです。

力で対抗する

認知症により暴力的な行動を示した際、力で抑え込むことは絶対に避けなければなりません。たとえば、叩かれてやり返したり、腕をきつく掴んだりする行為は、認知症の方の不安や恐怖が強くなり、より暴力的になります。

力による対抗は、認知症の方に「危険にさらされている」という感覚を与え、緊急的な防衛反応としての暴力を警戒します。また、高齢者への力の行使は、骨折などの身体的な危険なリスクになります。

力による抵抗を避けるためには、以下の方法を試してみましょう。

  • 十分な距離を保つ
  • 声のトーンを落とす
  • 視線を合わせる
  • ゆっくりと穏やかに話す

もし状況が収まらない場合は、一時的にその場を離れて双方の冷静さを取り戻すことも有効です。

身体を拘束する・部屋に閉じ込める

安全を確保するためとはいえ、認知症の方へ身体拘束することは、深刻な悪影響をもたらします。

以下の行為は、認知症の方に強い不安と恐怖を与え、自尊心を深く傷つけます。

  • ベッドに縛り付ける
  • 車椅子に固定する
  • 鍵をかけた部屋に一人で閉じ込める

身体拘束は、認知症の方にとって極度のストレスとなり、当然BPSD(行動・心理症状)を悪化させ、より激しい暴言や暴力につながります。また、身体拘束は筋力低下や褥瘡(床ずれ)、血栓症などの身体的なリスクもあります。

安全への配慮は必要ですが、見守りの強化やリスクの少ない環境づくりによって実現すべきです。

認知症による暴言や暴力の予防法

認知症による暴言・暴力には、複数の理由が考えられます。それでは、こうした原因を少しでも軽減し、暴言や暴力を予防するためにはどのような対応をすることが望ましいのでしょうか。

丁寧に状況を説明する

うまく状況が理解できないことによる不安が暴言・暴行の原因となっている場合は、少しでも不安が軽減されるように丁寧に根気強く状況を説明することをおすすめします。

「丁寧に」というと細かく説明しがちですが、本人が混乱しないよう簡潔に説明することが大切です。落ち着いた声や態度で、場所やそこに来た理由などを簡単な言葉で伝えるなどの工夫をしてみましょう。

プライドを傷つけないようにする

間違った認識や記憶障害に対しては「何度言っても本人が理解できない」といういら立ちを感じる家族もいるかもしれません。しかし、否定や批判は本人のプライドを傷つけ、暴言・暴行を悪化させてしまう可能性があります。

誤った認識や繰り返される質問に対しては「これは認知症の症状である」「本人の努力や注意が足りないわけではない」ということを極力意識しながら、本人のプライドや自尊心を傷つけない言い回しを考えてみましょう。

体調を管理する

不調を感じていること自体や体調不良をうまく伝えられないことが暴言・暴力の原因になっている可能性もあるため、本人の健康状態を細かく観察して対応することで言動が穏やかになる場合があります。

具体的には、本人の様子に加えて体温や血圧、便秘になっていないかなどを日頃から継続して確認することをおすすめします。普段の状況を知っておくことで、数値や様子に変化があった際に早めの対応が可能になるでしょう。

他のことへ関心が向くようにする

認知症の方が暴言や暴力を示す前には、不機嫌になったり、そわそわと落ち着かなくなったりするなどの前兆が見られます。このような状態に気づいたら、本人の関心を別のことに向け、気分転換を図ることが効果的です

たとえば、以下のような方法を試してみましょう。特に五感を刺激する活動は効果的です。

  • お気に入りのハーブティーの香りを楽しむ
  • 柔らかい肌触りの布で簡単な手作業をする
  • 季節の花を鑑賞する

心地よい感覚体験は不安やイライラを解消します。

また、散歩やストレッチなどの軽い運動も、ストレス解消やリラックス効果があります。

重要なことは、認知症の方の生活や好きなことを理解し、意味のある活動を見つけることです。強制せず、一緒に楽しむ姿勢で向き合うことで、穏やかな時間を共有できるでしょう。

環境の変化を最小限にする

認知症の方にとって、環境の変化は大きなストレスとなります。見慣れない場所や人、物に囲まれると、不安が暴言や暴力につながります。そのため、日常生活の環境はできる限り変えず、安定した生活環境の維持が大切です。

引っ越しや入院、施設入所など大きな環境変化が避けられない場合は、その変化を少しでも緩和する工夫が必要です。たとえば、使い慣れた寝具や食器、愛用の椅子、思い出の写真など、本人にとって大切なものを新しい生活環境に取り入れましょう。
また、お気に入りの音楽を流したり、好みの香りを取り入れたりすることも、安心感につながります。

環境の変化が必要な場合は丁寧に説明し、可能であれば段階的に慣れることが大切です。認知症の方の不安を軽減し、暴言や暴力のリスクを減らすことを心がけましょう。

介護者が気分転換をする機会を作る

周囲が穏やかに対応することで、認知症の方が抱える不安やストレスは軽減される可能性があります。つまり、介護者が精神的な余裕を持つことも症状の緩和を考えるうえでは重要です。

忙しい介護の中では被介護者の予定や希望を優先しがちかもしれませんが、サービスの利用や家族などの協力も得ながら、介護から離れて気分転換をすることも検討してみましょう。

認知症による暴言・暴力の症状がある場合の施設の探し方

認知症による暴言・暴力の症状があると、認知症の受け入れが可能な施設でも受け入れ不可になる場合があります。
そのため、施設への入居を検討する際は、専門家や相談窓口を頼りながら施設探しをすることをおすすめします。

医療相談室・地域連携室

高齢者が入院したことをきっかけに施設を探す場合の窓口は、病院の医療相談室や地域連携室などです。患者がスムーズに退院後の生活に戻れるよう本人・家族をサポートするための窓口であり、自宅へ退院する場合の環境整備やサービス利用の支援などを行っています。このような部署には医療ソーシャルワーカーや退院支援を行う看護師などが配置されています。

自宅への退院が困難と考えられる患者に対しては、家族の希望や本人の状態に応じて施設選定のサポートをすることも可能です。施設紹介が業務の中心ではないため、多くの施設の提案を受けることは困難ですが、病院で行われた治療やケアの情報などにもとづき、本人の状態・症状に合った介護施設の紹介を受けられるでしょう。

居宅介護支援事業所のケアマネジャー

すでに要介護認定を受けていて要介護1以上と判定されている場合は、居宅介護支援センターの担当ケアマネジャーが主な相談窓口です。

ケアマネジャーは老人ホーム・介護施設の専門家ではないため紹介できる施設数は限られますが、ケアプランを作るうえで把握した本人の生活スタイルや心身の状況を踏まえた施設を紹介してもらえるでしょう。

地域包括支援センター

要介護認定が「要支援」である場合や、まだ介護保険の認定を受けていない高齢者に関しては居住地域の地域包括支援センターが相談窓口です。

福祉・医療・保健など複数の分野にまたがる相談にも対応でき、公的機関であるため優良な介護施設の紹介を受けられる可能性が高いメリットがあります。

ただし、紹介できる施設は各地域包括支援センターが担当する地区周辺に限られる可能性が高く、少し離れた地域の施設も視野に入れたい場合には注意が必要です。

認知症医療疾患センター

認知症疾患医療センターでは認知症の早期発見・診断や治療方針の選定、医療の提供などを重点的に行っています。県から指定を受けた医療機関であり、認知症に特化した医療系窓口ともいえるでしょう。

医療面だけでなく、症状に応じた近隣介護施設の紹介、地域包括支援センター・福祉事務所・保健所などと連携して介護体制を整える機能も担っているため、その一環として施設探しの支援を行うこともあります。

安心介護紹介センター

老人ホーム検索サイト「安心介護紹介センター」は、介護の専門知識を持った相談員に電話で相談を行い、施設探しができるサービスです。
細かい認知症の症状や予算、どんな介護が必要かをしっかりと聞いたうえで、受け入れ可能な施設を施設探しのプロが探します。
無料で相談でき、土日も対応しているため気軽に相談できます。

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認知症による暴言・暴力の症状がある人が介護施設入居を検討する際のチェックポイント

認知症患者による暴言・暴力への対処法として施設入居を検討する際、いったいどのような点に注意すればよいのかが分からない方もいるでしょう。そこでここでは、施設を検討する際に確認しておきたいポイントを解説します。

認知症の専門的な知識を持つスタッフがいるか

認知症を抱える方の介護では認知症の特性を理解したうえで、認知症患者が落ち着いて過ごせるようなケアを行う必要があります。特に暴言・暴力が見られる場合は、認知症の専門的な知識を持ったスタッフによる対応が望ましいでしょう。

しかし、一口に介護施設といっても力を入れている部分はさまざまであり、中には認知症ケアに関する知識・経験が不十分なスタッフが介護を行っている施設もあると考えられます。施設を選ぶ際は、候補とする施設の担当者に「認知症介護実践者研修」や「認知症介護リーダー研修」、「認知症介護指導者養成研修」などを修了しているスタッフが配置されているかなどを質問し、認知症への対応力を確認することをおすすめします。

介護の体制は整っているか

法律で定められた人員基準を満たしている施設でも、実際は人手不足により認知症の介護に十分対応できない可能性があります。そのため、職員数や介護の充実度は人数だけでなく実際に見学して確認しましょう。

見学の時間帯が選べる場合は、食事介助・トイレ誘導・口腔ケアなどで特に忙しくなる昼食前後の時間帯を見学すると「目が行き届いているか」「患者の行動に対してスタッフがすぐ対応しているか」などが分かるはずです。

レクリエーションが充実しているか

認知症の方は健康な高齢者と比べて環境変化への対応力が低く、施設入居に際してもストレスを感じやすいといわれています。強いストレスを感じれば、暴言・暴力などの症状が悪化してしまう可能性もあるでしょう。

このような場合に気分転換や施設になじむきっかけにもなるのがレクリエーションです。認知症の方でも参加できる活動が行われているか、レクリエーションの頻度や内容なども確認しておくことをおすすめします。

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満足のいく老人ホームの生活は、どの施設に入居するかで大きく異なることがあります。
安心介護紹介センターの入居相談員は、高齢者の住まいにまつわる資格を有しており、多くの老人ホームの中から、ご本人やご家族のご希望に沿ったぴったりな施設を選定してご紹介させていただきます。
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