介護認定後に状態が悪化。要介護認定のやり直しはできる?

介護認定後に容体が悪化して介護度が高くなってしまうと、当然ながら必要となる介護サービスも変わってくるので、介護認定をやり直したいと考える方は少なくないでしょう。ですが、そういった場合に介護認定はやり直すことができるのでしょうか。ここでは、要介護認定のやり直しができるかどうかについて解説していきます。

介護認定後に状態が悪化。要介護認定のやり直しはできるか?

介護認定後に状態が悪化。要介護認定のやり直しはできるか?

介護認定後に介護認定のやり直しができるかどうか、結論から言いますと要介護認定のやり直しは可能です。

「区分変更申請」といい、介護認定有効期間中に心身の状態が悪化して介護の度合いに変化が生じた場合に再度区分の変更ができる制度申請のことです。介護認定後に状態が悪化した場合、または認知症の方で認定調査の時はしっかりと動いたり発言ができたりして要介護度が普段の状態よりも軽くつけられてしまった軽度に認定がされてしまった場合になどに申請することができます。

ちなみに、状態の著しい悪化により要支援から要介護認定の区分変更をすることになった場合には要介護認定は新規の扱いにとなります。

要支援から要介護に区分変更をしたい場合には?

要支援から要介護に区分変更をしたい場合には前述したように新規の扱いになるため、再び要介護認定の申請をすることが必要です。要介護認定や要支援の認定は認定を受けてから6カ月が有効となりますが、区分変更の場合はこの限りではないため、心身の状態が変化したら更新の時期を待たずに区分変更申請ができますので必要と思ったタイミングで申請をしてみてください。

要介護認定の区分変更手続きはどうすればいい?

それでは、要介護認定はどうやってやり直すことができるのか、その流れについてご紹介します。

まず大前提として、要介護認定の区分変更をおこなおうと考えている場合にはその旨を必ず担当のケアマネジャーに伝えるようにしてください。

担当のケアマネジャーに区分変更を行う旨を伝えて、了承を得られたら早速区分変更の手続きに入ります。

変更手続きは原則として本人、親族が行います。ですが、ほかにも長寿サポートセンター地域包括支援センターや、本人が契約等している居宅介護支援事業者・指定介護老人福祉施設・介護老人保健施設・指定介護療養型医療施設・介護医療院が申請を提出代行することも可能です。

誰が代行するかによって用意する書類が異なります。本人や親族が申請する場合には下記の書類が必要となります。

【本人・親族の場合】

  1. 介護保険要介護認定・要支援認定等申請書(新規)(区分変更)
  2. 介護保険被保険者証
  3. 医療保険被保険者証のコピー(第2号被保険者〈40歳から64歳までの方〉のみ)
  4. 申請者の本人確認書類( AかBのどちらか)
  • (A)写真付の公的身分証明書(運転免許証、パスポート、個人番号カード、住基カード、身体障害者手帳など)いずれか1点
  • (B)写真無の公的身分証明書(介護保険被保険者証、医療保険被保険者証、介護保険負担割合証など)いずれか2点
  • 個人番号確認書類(通知カード、個人番号カード、個人番号入り住民票写しのいずれか一点)
  • 持ち運びが難しい場合などにおいては役所で確認してくれる場合もあります。

    申請が終了したら要介護認定時と同様に、認定調査がはいります訪問調査員が自宅などを訪問し心身の状態などについて調査を行います。区分変更の場合の認定調査は市町村職員もしくは事務受託法人が実施します。加えて、指定居宅介護支援事業者、地域密着型介護老人福祉施設、介護保険施設その他の厚生労働省令で定める事業者若しくは施設又は介護支援専門員もこの調査を実施します。また、調査を実施する際には「厚生労働省令で定めるもの」のうち、都道府県及び指定都市が行う研修を修了した者(認定調査員)が代行することも可能としています。そのため、市の職員でない方が認定調査に来ることもあります。

    認定調査が終了し、主治医の意見書がそろったら新規や更新申請と同様に一次判定、二次判定を行い再度要介護認定を行います。判定の結果通知は30日以内に被保険者へと郵送されます。変更申請で認定される場合、その有効期間は申請日からとなります。

    区分変更をするにあたり心にとめておきたいこと

    区分変更をしたとしても必ずしも要介護認定が今の区分から上がるとは限りません。 その理由としては、認定調査員が前回と同じ人とは限りませんし、その基準も設けられてはいるもののその人の主観によって異なることが挙げられます。もちろん、医師主治医意見書があるため今の状態よりも下がる事は少ないでしょうが、思っていたよりも要介護区分が上がらなかったということもよくあるため、注意しておきましょう。 また、せっかく前回の介護認定で要介護度を決めてもらったのにまた変更するなんてと気負ってしまう方もいるかもしれませんが、区分変更をする方のほとんどが今回の例のように介護認定後に状態が悪化した方であるとされています。そのため、気負わずに現状に見合った介護サービスを受けられるように申請をしていきましょう。

    介護認定の判定に不服なときは?

    そもそも認定された介護度では全く不満だという場合に利用できるのが審査請求(不服申立て)です。

    介護保険法第183条の規定に基づいています。審査請求とは区市町村が行った行政処分の取消しを求めることができるもので、介護認定の判定を取り消したいという場合には市区町村の介護保険審査会に審査請求をします。

    審査請求をできるのは本人又はその処分によって、直接自己の権利や利益を侵害された人とされていますが、委任状があれば代理人でも審査請求をすることは可能です。審査請求できる期間が決まっており、要介護認定が下りて通知が来た翌日から3カ月間とされています。これを過ぎてしまうと審査請求はできないので注意しましょう。

    審査請求は審査請求書を作成して都道府県の介護保険審査会もしくは要介護認定を行った区市町村の介護保険担当課に提出します。審査請求をうけて、介護保険審査会は市区町村が行った処分に違法又は不当な点がないかを審査し、審査請求の内容を認めたときは、裁決により処分の全部又は一部を取り消しをします。

    審査請求(不服申立て)をした際に心にとめておきたいこと

    審査請求はあくまで要介護認定の一部あるいはすべての取り消しを行うものです。この審査請求をしたからといって、介護保険審査会が独自に認定をやり直すものではありません。

    また、上記のように取り消しは一部になることもあるため、思い通りの結果にならなかったということもあります。実際、棄却や却下される可能性もありますので、審査請求をすることで必ずしもやり直しができるとは思わないようにしましょう。

    要介護認定や要支援認定、介護保険料額等の処分(決定)等に納得いかない場合は、 決定を行った市区町村にお問い合わせすることで解消される場合もあります。まずは市区町村に確認をするというのもがよいかもしれません。

    まとめ

    介護認定後に状態が悪化するなどして要介護認定のやり直しを考える方は少なくないようです。そのため、認定期間内に心身の状態が悪化して現在の介護度では適切なサービスが受けられないと考えた思ったらならば、担当のケアマネージャーと相談し更新を待たずに要介護認定をやり直してもよいかもしれませんの区分変更申請を検討してみて下さい。

    介護認定をやり直したいと考えた際にはまず担当ケアマネジャーに相談してからやり直しを検討しましょう。また、やり直したからと言ってしかし、区分変更申請をしたからといって結果が100%思い通りになるとは限りません。思い通りにならない、介護度が軽度に認定されたなど不服がある納得できないという場合には審査請求できますがそれであっても請求が却下される可能性もあります。このことを心にとめてやり直しを検討してみてはいかがでしょうか。

    介護認定をやり直したいが、どうやって申請をすればいいかわからない、そもそもやり直しができるのか?と悩まれている方もいらっしゃるかもしれません。また、中にはいざ介護認定をやり直したとしても思い通りの介護度にならなかったら諦めるべきなのかと悩まれている方もいるでしょう。この記事を読んで参考となった方はぜひシェアをしていただき、多くの方にこの情報を拡散していただけると嬉しいです。

    ※この記事は2019年8月時点の情報で作成しています。

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    監修者:小笹 美和
    監修者:小笹 美和(ここはーと相続サポート事務所)

    介護業界・区役所勤務経験を経て、相続コンサルタントに転身。 介護保険訪問調査員など高齢者との1,000件を超える面談実績を持つ。 高齢者にもわかりやすい説明とヒアリング力には定評があり介護にも 強い相続診断士として多くの相談を受けている。 終活や相続・介護と幅広い視野から話すセミナー講師として全国で活動をしている。