特定健康診査は75歳になると受けられないのですか?

質問

毎年、父は特定健康診査を受診していますが、74歳までしか受けられないのでしょうか?来年75歳になるので、定期的に健康チェックができなくなるとしたら心配です。75歳以上でも受けられる健診があれば教えてください。

専門家

定期的に健診を受けて、健康状態のチェックをしておくことは大事ですね。特定健康診査はメタボリックシンドロームに着目し、生活習慣病を予防・改善することを目的としたものです。これは国民健康保険や職場の社会保険に加入している人を対象にしています。そのため、75歳以上の後期高齢者は対象ではなく、代わりに後期高齢者医療健診というものを受けることができます。

ここでは、特定健康診査の対象者や検査内容に加え、後期高齢者医療健診との違いや受診方法などについて詳しく解説していきます。

特定健康診査とは?概要と対象者をチェック

特定健康検査とは?概要と対象者をチェック

特定健康診査(特定健診)は健康診断の一種です。どのような健診なのか、基本的な概要や対象者を確認しましょう。

生活習慣病予防を目的とした健診

特定健康診査はメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)に着目し、生活習慣病の予防を目的とした健康診断です。

お腹まわりに内臓脂肪が過剰に蓄積していると、血管に悪影響を及ぼし、生活習慣病のリスクを高めてしまう可能性があります。そのため特定健康診査は、おもにメタボリックシンドロームの早期発見・改善につなげるために実施されています。

会社などで実施される一般健康診断とは実施目的・内容が少し異なるということを知っておきましょう。なお、職場で定期的に一般健康診断が実施される場合は、その健診のなかに特定健診の項目が含まれる場合が多いため、特定健診を別途受診する必要はありません。

40〜74歳の各種保険加入者が対象

特定健康診査の対象者は、40〜74歳かつ、実施年度の4月1日時点で国民健康保険や職場の社会保険(協会けんぽや組合健保、共済組合など)に加入している人です。保険加入者(被保険者)だけではなく家族(被扶養者)も対象となっています。

特定健康診査は「高齢者の医療の確保に関する法律」に則して医療保険者(健康保険の運営団体)に義務付けられたもので、医療保険者ごとに実施することになっています。また、特定健診と併せて後述する「特定保健指導」も実施が義務付けられています。

つまり、特定健康診査によって保健指導が必要な人を抽出し、特定保健指導で生活習慣の改善をサポートする流れです。

特定健康診査の対象者には医療保険者から受診の案内が送付されるので、申込み手続きなどは必要ありません。

長期入院者や施設入所者は対象外

40〜74歳で各種健康保険に加入している方でも、長期入院中の人や施設に入所している人、海外在住の人などは特定健康診査を受けることができません。

具体的には以下のようなケースが対象外となります。

  • 病院または診療所に6ヶ月以上継続して入院している
  •  養護老人ホームや介護老人保健施設、有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅(有料老人ホームと同様の特定施設)などに入所・入居している
  • 障害者支援施設に入所している
  • 国内に住所がない

このほか、妊産婦や刑務所に入っている人も受診できません。ただし、ショートステイなどの短期入所施設を利用している人は受診可能です。

特定健康診査の受診方法と検査内容

特定健康検査の受診方法と検査内容

次に、特定健康診査の受診方法と検査項目をみていきましょう。

基本的な受診の流れ

特定健康診査を受ける基本的な流れは以下の通りです。

  1. 特定健康診査受診券を受け取る
  2. 健診を行なっている医療機関に電話などで予約する
  3. 受診券と被保険者証、健診費用を持参して受診する
  4. 健診結果を受け取る

特定健康診査を受けるには「特定健康診査受診券」が必要です。受診券は医療保険者から送付または手渡しされるので、受診時に持参しましょう。

健診は、医療保険者から委託を受けた医療機関で受けることができます。医療保険者が選定した医療機関であれば自由に選べるので、受診先は受診案内や健康保険組合のホームページなどでチェックしてください。

なお、健診費用は医療保険者によって異なります。自治体のなかには無料で受けられる場合もありますが、有料のところも多いです。医療保険者が費用の一部を補助してくれる場合は、健診費用から差し引いた金額が自己負担額となります。費用については受診券や受診案内に記載されているので確認しておきましょう。

健診の基本項目

特定健康診査の基本項目は以下の通りです。

  • 問診(質問票):服薬歴や飲酒
  • 喫煙など生活習慣について
  • 身体計測:身長、体重、腹囲、BMI
  • 血圧測定
  • 身体診察:視診および触診
  • 尿検査:糖、タンパク、尿潜血の有無
  • 血液検査:肝機能検査、脂質検査、血糖検査

これらの項目は、特定健康診査を受診するすべての人に実施されます。

詳しい検査が必要な場合

基本項目に加え、医師の判断で以下の検査も実施されることがあります。

  • 心電図検査:不整脈や狭心症など心臓にかかわる病気を調べる
  • 眼底検査:眼底の血管の状態を調べる
  • 貧血検査:赤血球数、血色素量など

これらは前年度または今年度の健診結果に基づき、貧血や不整脈などが疑われると医師が判断した場合に実施されます。

結果によって「特定保健指導」を受ける

特定健康診査の結果により、生活習慣病のリスクが「高い」と判定された人は、特定保健指導の対象となります。特定保健指導は、生活習慣病を予防するために保健師や管理栄養士などの専門家が生活習慣の改善をサポートする取り組みです。

特定保健指導の内容はリスクの程度によって異なります。比較的リスクが低い人には「動機付け支援」、リスクが高い人には「積極的支援」が行なわれます。

動機付け支援

動機付け支援では、まず面接や少人数のグループ面接で対象者に合わせた実践的なアドバイスが行なわれます。その後、対象者はアドバイスや行動目標に基づき、自主的に生活習慣の改善を実践。6ヶ月後に面談や電話、メールなどで生活習慣の改善状況が確認されます。

積極的支援

積極的支援が必要な人の場合も、まずは生活習慣を改善するための実践的なアドバイスが行なわれます。その後、専門家による継続的かつ定期的なサポートが3ヶ月以上実施され、6ヶ月後に改善状態を評価します。

 

特定保健指導の対象者には「利用券」が送付されるので、医療保険者の指示に従って受けましょう。

75歳以上は「後期高齢者健康診査」を受けよう

75歳以上は「後期高齢者健康検査」を受けよう

特定健康診査を受診できるのは74歳までなので、75歳以上の人は後期高齢者向けの健康診査を受けることになります。

後期高齢医療制度の加入者が対象

後期高齢者健康診査の対象者は後期高齢者医療制度に加入している人です。65歳以上で障害認定を受けている人も対象となります。なお、特定健康診査と同様に、長期入院中の人や介護施設などに入所している人、海外在住の人は受診できません。

検査項目は特定健康診査とほぼ同じ

後期高齢者健康診査の検査項目は特定健康診査とほぼ同じで、問診・身体計測・身体診察・血圧測定・血液検査・尿検査が全員に実施されます。より詳細な検査が必要と医師が判断した場合は、さらに貧血検査、心電図検査、眼底検査などを行ないます。

受診に必要なものは自治体から送付される受診券と後期高齢者医療被保険者証です。検査項目や費用は自治体によって異なるため、詳細は担当窓口に確認しましょう。

特定健康診査を受診して健康意識を高めよう

会社をリタイアしている方や自営業の方は、わざわざ健診を受けに行くのが面倒になるかもしれません。ですが、特定健康診査はご自身の身体状況を把握し、生活習慣を振り返る良い機会です。

人間ドックと比べると費用が安いですし、医療機関も都合に合わせて選べるなどメリットも多いので、ご自身の身体を点検するために忘れずに受診しましょう。 特定健康診査を受診できるのは74歳までですが、75歳以上の人は後期高齢者健康診査を受けることができます。何歳になっても健診を定期的に受診し、健康意識を高めましょう。

※この記事は2020年1月時点の情報で作成しています。

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監修者:寺岡純子

監修者:寺岡純子(てらおか じゅんこ)

主任介護支援専門員 看護師
合同会社 カサージュ代表
看護師として病院勤務8年、大手介護事業者で約19年勤務し管理職を経験。
2019年8月合同会社カサージュを立ち上げ、「介護特化型研修事業」「介護離職低減事業」など介護に携わる人への支援を行っている。企業理念は「介護に携わるすべての人の幸せな生活をサポートする」。