離れて暮らす両親が高齢のため、シルバー人材センターの利用を考えています。どのようなサービスが受けられますか。

質問

80代の両親は二人暮らし。父も母も足腰が弱くなってきたので、家事や庭の手入れをこなすのが大変そうです。知人にシルバー人材センターが便利だと教えてもらいましたが、どのようなサービスが受けられますか?

専門家

 高齢者の一人暮らしや高齢者だけの世帯では普段の生活には問題がなくても、庭の掃除や草むしり、障子やふすまの張替えなど作業によっては負担になるものもあります。このような軽作業を手伝ってもらいたい場合もあるでしょう。そのようなときに活用できるのが、シルバー人材センターです。

この記事では、シルバー人材センターに依頼できるような仕事の内容や利用の仕方などについて詳しく解説していきます。

 

 

シルバー人材センターとは

シルバー人材センターとは


シルバー人材センターについて、名称は耳にしたことがあっても具体的な活動内容はよく知らない、という人は多いのではないでしょうか。

まずはシルバー人材センターがどのような組織なのか、基本的な概要を確認しておきましょう。  

地域の「シルバー人材」を活用する公益社団法人

シルバー人材センターは、定年退職者や高齢者などの「シルバー人材」を地域社会の活性化に役立てるための組織(公益社団法人)です。高齢者が働くことを通して生きがいを得たり、地域社会への参加を促進したりする役割があります。

シルバー人材センターは市区町村ごとに設置され、「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」に則して事業を行なっています。基本的に60歳以上の健康かつ働く意欲がある人が会員になれます。

センターの運営は会員が自主的・主体的に行なっており、会員同士が協力し合いながら、それぞれの経験・知識を活かしてサービスを提供しています。  

臨時的に日常生活をサポートしてもらえる

シルバー人材センターでは、おもに「臨時的かつ短期的な業務」や「その他の軽作業」を有償で引き受けています。

日常生活の「ちょっと手伝ってほしいこと」や「困りごと」をサポートしてもらえるので、高齢者世帯の生活の負担を軽減できます。ただし、特別な技能が必要な仕事については継続的に依頼できる場合もあります。

サービスの利用には料金がかかりますが、収益を目的にしない公益団体なので一般的な民間業者と比べるとリーズナブルな価格設定となっています。なお、シルバー人材センターのサービスには介護保険は適用されません。  

何を依頼できる?シルバー人材センターのサービス内容

何を依頼できる?シルバー人材センターのサービス内容


では、シルバー人材センターにはどのような仕事を依頼できるのでしょうか。おもなサービス例をご紹介しましょう。

家事のサポート

ほとんどのシルバー人材センターでは、掃除や洗濯、食事の支度など家事関連のサービスを提供しています。

例えば掃除であれば、換気扇や網戸の掃除、窓拭きなど、普段なかなか手入れが行き届かない場所だけ依頼することも可能です。また、「大掃除の人手が足りない」「空き部屋の掃除や荷物整理に手が回らない」など、さまざまな困りごとをサポートしてくれます。

家具の配置換え粗大ごみの搬出、電球の交換など、高齢になると難しくなってくる力仕事や高所作業も任せることができ、何かと頼りになるでしょう。 

植木の剪定・草むしり

庭の手入れやメンテナンスは高齢者にとって負担が大きい作業。シルバー人材センターでは、植木の剪定や草むしり、水やり、ガーデニングの補助なども行なっています。植木の剪定は知識・技能がある人が担当するので安心です。

障子・ふすま・網戸の張替えや大工仕事

障子や網戸は取り外しや持ち運びが大変なので、小柄な人や足腰が弱い人にとって張替えは難儀な作業。そんな、手間ひまや体力を要する障子・ふすま・網戸の張替えも、シルバー人材センターで対応してもらえます。簡単な大工仕事やペンキ塗りを請け負っている場合もあるので、室内外のちょっとした補修作業を依頼することも可能です。

事務作業のサポート

書類や伝票の整理、パソコンの入力作業、宛名書き(筆耕)、資料作成といった事務作業も手伝ってもらえます。シルバー人材センターには事務経験の豊富な方もいるので、スキルによっては事務全般を任せられるでしょう。

その他

家事や事務関連のサポートのほか、以下のようなサービスもあります。

  • 病院や買い物の付き添い
  • お墓掃除
  • パソコン指導
  • 着付け
  • 話し相手
  • 封入や袋詰めなどの軽作業
  • チラシ・ビラ配り  

家庭生活のサポートだけではなく、仕事の補助的な作業も請け負っているところが多いため、短期的に会社・事務所の人手がほしいときにも便利です。

ただし、シルバー人材センターでは危険性の高い作業や有害なものを取り扱う作業は引き受けていません。

サービス内容・料金はセンターによって異なる

シルバー人材センターのサービス内容や料金体系は、地域によって異なります。上記に挙げたものは多くのセンターで対応していますが、人材の状況によっては依頼できない場合もあるので要注意です。

料金は仕事内容ごとに細かく設定されています。ほとんどのセンターでは家事・事務関連の作業は時間単位となっていて、作業時間によって料金が変動します。作業に必要な材料など諸経費は別途必要です。センターによっては「原則2時間から」としている場合もあるので、時間単位はあらかじめチェックしておきましょう。

また、植木の手入れや草むしりなど、作業によっては1日単位ですし、障子や網戸の張替えは1面単位の場合も。詳しいサービス内容や料金体系は、各地域のシルバー人材センターのホームページなどで確認してください。  

依頼方法と基本的な流れ

依頼方法と基本的な流れ


シルバー人材センターに仕事を依頼する基本的な流れをご紹介します。

まずは事務局に問合せよう

仕事を依頼する場合は、まずシルバー人材センターの事務局に問合せましょう。問合せ方法はセンターにもよりますが、電話やファックスのほか、郵送やホームページの問合せフォームでも相談可能です。郵送や問合せフォームだとやりとりに時間がかかることがあるため、お急ぎの場合は電話のほうがよいかもしれません。

依頼したい仕事の内容や場所、必要な人数などについて打合せしておくと、その後のやりとりがスムーズです。ホームページに記載のない作業でも、対応できるものであれば応じてもらえる可能性があります。

依頼から支払いまで

問合せ後の基本的な流れは以下の通りです。

  1. 見積もり
  2. 仕事の条件に合う会員の選定
  3. 契約
  4. 仕事の実施
  5. 就業報告書を確認・押印
  6. 請求
  7. 入金

発注者は、シルバー人材センターが作成した見積もりを確認のうえ、依頼可否を決めます。条件に合意し依頼することを申し出たら、請負・委任契約を結びます。契約前であれば、依頼をキャンセルすることもできます。

そして、仕事内容に応じて選定された会員が仕事を実施。仕事が完了したら、会員が持参する「就業報告書」を確認・押印します。請求書は就業報告書に基づいて作成されるため、しっかり確認しましょう。

支払いは後日の振り込みとなります。請求書に添付された振込書を使い、期日までに振り込みましょう。センターによっては口座からの自動引落としにも対応しているので、希望する場合は口座振替を申込みましょう。  

人手がほしいときに心強いシルバー人材センター

健康で自立した生活を送っていても、高齢になると体力や気力が衰えやすくなるものです。そのため、身の回りのさまざまなことが以前と同じように対処しきれなくなる場合も。そんなときに役立つのがシルバー人材センターです。

センターにはさまざまな知識・技能を持つシルバー人材が在籍し、地域の人の暮らしをサポートしています。特に高齢者だけの世帯は、生活の色々な場面でサポートが必要になることがあるため、シルバー人材センターを活用すると負担軽減につながります。

日常生活で人手がほしい場合は、シルバー人材センターを選択肢に加えてみてはいかがでしょうか。

※この記事は2020年1月時点の情報で作成しています。

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監修者:寺岡純子

監修者:寺岡純子(てらおか じゅんこ)

主任介護支援専門員 看護師
合同会社 カサージュ代表
看護師として病院勤務8年、大手介護事業者で約19年勤務し管理職を経験。
2019年8月合同会社カサージュを立ち上げ、「介護特化型研修事業」「介護離職低減事業」など介護に携わる人への支援を行っている。企業理念は「介護に携わるすべての人の幸せな生活をサポートする」。