特別養護老人ホーム(特養)の入居に必要な3つの条件とは


費用面や介護サービスの充実度から人気の高い特別養護老人ホーム。

今回は、競争率が高く待機期間の長い特養への入居を早めるコツや入居待ち期間の対処法、申し込み方法や手続きについて説明します。

特養への入居を考えている方は是非参考にしてください。

特別養護老人ホーム(特養)とは

特別養護老人ホームの特徴

特別養護老人ホームとは、老人福祉法で規定されている介護保険施設の1つで「特養」とも呼ばれます。

社会福祉法人や自治体などが開設・運営しており、入居者に食事・排せつ・入浴介助などの身体介護や掃除・洗濯といった生活支援のサービスを提供します。

特養の入居対象となるのは、日常生活において全面的に介護を必要とし、自宅での療養が困難な要介護者です。

以前は要介護1~2も対象でしたが、2015年の介護保険制度の改正により要介護3以上へと条件が見直されました。

入居一時金は不要で月額利用料も5~15万円程度。看取り対応も可能なことから人気が高く、入居までに数年かかるケースもあります。

特養と老健の違い

公的な介護保険施設の「特別養護老人ホーム」と「介護老人保健施設」の違いを比較してみましょう。

  特別養護老人ホーム(特養) 介護老人保健施設(老健)
役割 要介護者が身体介護や生活支援を受けながら暮らす居住施設 要介護者がリハビリや医療ケアを受けながら在宅復帰をめざす施設
入居条件 常に介護を必要とし、在宅生活が困難な場合 病状が安定していて入院の必要がない場合
要介護 要介護3~5(原則) 要介護1~5
主なサービス内容 要介護者の身体介護と生活支援 リハビリを中心とした介護・医療ケア、機能訓練の実施
医療ケア 制限あり 日常的な医療ケアが可能
設備 居室・浴室・食堂・トイレなど生活に必要な設備 生活に必要な設備のほかに、リハビリを行う機能訓練室などの設備
居室タイプ 個室/多床室/ユニット型 個室/多床室/ユニット型
居室面積 10.65㎡以上 8㎡以上
費用 入居一時金:なし

月額利用料:5~15万円

入居一時金:なし

月額利用料:8~15万円

入居期間 終身利用可能 限定的(3カ月ごとに入居継続の必要性を判定)
入居待機者 人気が高く、全国的に待機者が多い 特養と比較すると待機者は少なく、入居しやすい
入居までの期間 数カ月~数年 3~6カ月程度
人員配置基準

(入居者100人あたりの数)

医師:必要数(非常勤可)

看護師:3人以上

介護職員:25人以上

機能訓練指導員:1人以上(兼務可)

生活相談員:1人以上

介護支援相談員(ケアマネジャー):1人以上

栄養士:1人以上

医師:常勤1人以上(入居者100人以下でも同様)

看護師:9人以上

介護職員:25人以上

リハビリ専門職:理学療法士・作業療法士・言語聴覚士のいずれか1人以上

生活相談員:1人以上

介護支援相談員(ケアマネジャー):1人以上

栄養士1人以上

特養における医師の配置は「入居者に対し、健康管理及び療養上の指導を行うために必要な数」と定められています。

そのため、常勤の医師がいる施設は少なく、地域の医療機関で働く医師が非常勤や業務委託契約で対応する場合が一般的です。

また、看護職員のうち少なくとも1人は常勤での配置が必要ですが、多くは日勤帯のみの勤務で夜間は不在となります。緊急時にはオンコール体制で対応します。

ユニット型特養の場合は、昼間はユニットごとに常時1人以上の職員(介護職員または看護師)を配置するなどの基準が上記の内容に加わります。

特別養護老人ホーム(特養)の入居条件は3つ

 

特別養護老人ホーム(特養)の入居条件に当てはまる方は以下の通りです。

  1. 65歳以上で「要介護3」以上の認定を受けた方
  2. 40歳~64歳で特定疾病が認められた「要介護3」以上の方
  3. 特例により入居が認められた「要介護1~2」の方

条件1:65歳以上で要介護3以上の高齢者

要介護3以上とは、日常生活において介護を必要とする時間が長い状態を指します。

自力で立ったり歩いたりの動作が難しく、寝たきりの方もいるため介護に労力がかかります。

また、認知症が進行してくると落ち着きがなくなる、暴言や暴力、徘徊といった、周囲から見ると「問題行動」と受け取られる症状が出る場合があります。

2019年に厚生労働省が実施した調査では、要介護者における要介護状態となった原因の上位2つを「認知症」と「脳血管疾患」が占めています。

認知症は病状が進行すると、認知機能の低下から今までできていた食事やトイレでの排せつなど身の回りのことが1人ではできなくなり、最終的には寝たきりとなります。

脳血管疾患は、生命の危機を脱しても麻痺や嚥下障害、失語などのコミュニケーション障害が残る場合もあります。

障害によって介護の必要性が増えるため、施設入居のニーズが高まるのが要介護3以上の状態と言えるでしょう。

参考:厚生労働省2019年 国民生活基礎調査の概要 p24 表18 現在の要介護度別にみた介護が必要となった主な原因

https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa19/dl/05.pdf

条件2:40歳~64歳で特定疾病が認められた要介護3以上の方

介護保険の被保険者は、年齢によって第1号被保険者と第2号被保険者の2種類に分けられ、サービスの受給条件が異なります。

第1号被保険者に該当する65歳以上の高齢者は要介護状態となった原因を問われないのに対し、40歳~64歳の第2号被保険者は、加齢に伴う疾病(16種の特定疾病)が原因で要介護状態となった場合のみ介護保険サービスを利用できます。

【16種の特定疾病一覧】

  1. がん(医師が一般に認められている医学的知見に基づき回復の見込みがない状態に至ったと判断したものに限る)
  2. 関節リウマチ※
  3. 筋萎縮性側索硬化症
  4. 後縦靱帯骨化症
  5. 骨折を伴う骨粗鬆症
  6. 初老期における認知症
  7. 進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症及びパーキンソン病※【パーキンソン病関連疾患】
  8. 脊髄小脳変性症
  9. 脊柱管狭窄症
  10. 早老症
  11. 多系統萎縮症※
  12. 糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症及び糖尿病性網膜症
  13. 脳血管疾患
  14. 閉塞性動脈硬化症
  15. 慢性閉塞性肺疾患
  16. 両側の膝関節又は股関節に著しい変形を伴う変形性関節症

(※印は2006年4月に追加、見直しがなされたもの)

引用:厚生労働省特定疾病の選定基準の考え方 2特定疾病の範囲

https://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/nintei/gaiyo3.html

上記の特定疾病に該当し、さらに要介護3以上の認定を受けた「第2号被保険者」が特別養護老人ホームの入居対象となります。

条件3:特例により入居が認められた要介護1~2の方

要介護1~2でも、特例として特別養護老人ホームの入居対象となる可能性があります。特例により入居が認められる条件は以下の通りです。

  • 認知症によって日常生活に支障が出るような症状・行動、意思疎通の難しさが頻繁に見られ自宅での生活が困難な場合
  • 知的障害・精神障害などを伴い、日常生活に支障が出るような症状・行動、意思疎通の難しさが頻繁に見られ、自宅での生活が困難な場合
  • 家族等による深刻な虐待が疑われるなど、心身の安全・安心の確保が困難な場合
  • 単身世帯または同居家族が高齢・病弱である、もしくは育児や就労によって家族による支援が期待できない、かつ、地域での介護サービスや生活支援が充分に受けられず、自宅での生活が困難な場合

このように要介護認定の判定では考慮されにくい部分をカバーするのが、特例による入居条件です。

介護放棄や虐待が疑われる、独居で介護する家族がいないなど、早急な対応が求められるケースでは施設入居の優先度が高くなります。

※虐待が疑われている場合には市町村区や警察への通報義務があります。相談があった場合には市町村区または警察へ連絡しましょう。

特別養護老人ホーム(特養)の入居までの待機期間

 

特別養護老人ホームに入居するまでの期間には個人差があり、申し込みから1カ月未満で入居できる場合もあれば、数年にわたり入居を待ち続けなければならないケースもあります。

待機期間の違いは、地域性(地域ごとの高齢化率や施設の数)や個人差(要介護度など入居優先度の違い)、入居に求める条件などによって大きく異なります。

入居までに時間がかかる理由の1つとして「ベッドがなかなか空かない」ことが挙げられます。

特養の多くは看取りケアにも対応しており、施設で最期を迎える方も多くいます。厚生労働省の資料によると、特養の平均在居期間は約3.5年となっています。

つまり、入居を希望する人が多い割にベッドの回転率が低いため、待機期間が長くなると考えられます。

また、2019年に全国の特養の在居者を対象に行われた「特別養護老人ホームの入所申し込み者の実態把握に関する調査研究報告書」によると、入居の優先度が高いケースにおいての入居申込時期は3カ月以内が20.8%、1年以内が58.9%、1~3年前が29.1%、3年以上前が12%となっています。

つまり、優先して入居させるべき状況の要介護者のうち2割程度が3カ月以内に入居が決まっている一方で、約1割の方は3年以上も入居待ちの状態が続いていることがわかります。

それぞれの事情や条件によって入居までの待機期間は異なるため一概には言えませんが、申し込みから入居が決まるまでに数年かかる可能性もあることを理解しておきましょう。

参考:特別養護老人ホーム入所者の状況p24(年齢、要介護度、入所年数、医療処置)

https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/kourei/shisaku/koureisyakeikaku/08keikaku0305/08sakutei/iinkai01.files/data6.pdf

参考:厚生労働省 p.17 介護老人福祉施設の平均在所・在院日数

mhlw.go.jp/content/12300000/000663498.pdf

参考:入居申込の状況 参考p.44

https://www.jri.or.jp/wp/wp-content/uploads/2020/04/2019tokuyou.pdf

特別養護老人ホーム(特養)に早く入居する方法

 

2015年の介護保険制度改定で入居対象の条件が要介護3以上に変更されたことで、全体の待機者数は緩和傾向にあるものの、いまだ申し込みから入居まで数年かかるケースもあります。

入居の優先度は、要介護度や家族の介護力、経済状況などを考慮したものが点数化され、点数の多い方が優先順位は高くなります。

中には、申し込みをしたのになかなか自分の順番が回ってこないこともあるでしょう。待機期間を短縮するためには常に情報を更新していく必要があります。

「なかなか入居が決まらない」「少しでも早く入居したいという場合」には、これからご紹介する方法を試してみるとよいでしょう。

介護度や状況の変化を報告する

施設入居の優先順位は、自治体で定められた「入所調整基準」や「施設入居者選定基準」という点数のしくみによって決められます。

自治体のホームページでは入居の判定基準や配点についての情報が公開されています。どのような基準で優先度が決められているのかを把握するために目を通しておきましょう。

優先入居の判定基準には入居希望者の要介護度や年齢、認知症の進行度などがあります。

介護する側の条件としては、在宅介護の期間(要介護認定を受けてからの期間)、直近の在宅サービス利用状況、就労状況や介護力、住宅環境などで点数が変化します。

本人や家族の状況には日々変化があります。

もし「要介護度が3から4に上がった」「主介護者が就労することになった」「認知症が悪化した」など、申し込み時より介護が大変になった状況があれば積極的に情報を更新しましょう。

入居の判定においては「緊急性」や「逼迫度」の高い方が優先的に入居できるように配慮されています。

点数では計れない個別の事情などもあるため、具体的にどのような困りごとがあるのか、内容を丁寧に記載すると優先順位に反映される可能性があります。

施設入居の必要性をアピールする目的で、提出書類の内容を充実させましょう。

施設を探す条件を見直す

候補となるエリアを広げる、ユニット型の居室タイプを狙うなど施設に求める条件を見直すと競争率が下がり、スムーズに入居が決まる場合があります。

特養の所在地と同じ自治体の住民を利用対象としている「地域密着型特養」以外であれば、入居先の施設に制限はありません。

待機者数は地域によって差があるため、対象エリアを拡大すると早めに入居できる可能性があります。

また、人気のある施設は競争率が高く、常に100人以上の待機者がいる場合もめずらしくありません。

そこで、あえて人気のない施設を選ぶのも1つの方法です。

人気がないからといって必ずしもサービスの質が悪いわけではありません。

「交通のアクセスが悪い」「建物が古い」などの理由で入居希望者が少ない場合もあるため、条件をクリアできるようであれば候補に含めてみるとよいでしょう。

また、居室タイプを限定せずに探すと入居が早く決まる可能性があります。

特養の居室タイプには「多床室」「従来型個室」「ユニット型個室的多床室」「ユニット型個室」の4つがあり、部屋によって月額利用料が異なります。

利用料の負担がもっとも少ないのは「多床室」で、もっとも高いのは「ユニット型個室」です。ユニット型個室は多床室より月額利用料が4~5万円高くなります。

ユニット型の居室は、入居者の快適性やプライバシーなどに配慮された新しいタイプの部屋です。

従来型の居室タイプと比較して利用料が割高となるため、経済的な負担を理由に入居希望者が少ない傾向があります。

そのため、ユニット型の居室タイプも候補に含めると入居を早められる可能性があります。

入居待ちの期間の対処法

【待機期間中の対処法】

  • ショートステイ(ロングショート)の利用
  • 通所・訪問型サービスの利用
  • 特養以外の施設へ入居する

入居を待つ間の対処法として、ショートステイやデイサービス、訪問介護といったサービスの利用や別の介護保険施設、老人ホームに入居して家族の負担を軽減する方法があります。

ショートステイ(ロングショート)の利用

ショートステイとは、普段自宅で介護を受けている方が1日単位で入居できるサービスです。

利用期間は数日~1週間程度と、短期的な利用を想定しています。このショートステイを長期的に利用するのがロングショートです。

ロングショートは要介護度によって定められた利用日数の範囲内で長期利用が可能です。

利用日数は、施設のサービス加算状況や居室タイプなどの条件によって変動しますが、要介護5では30日間まで保険適用内で連続利用できます。

ただし、連続利用日数の上限を超えての利用はできないため、30日が経過したら、一旦自宅に戻ってカウントをリセットする必要があります。

1日自宅で過ごし、翌日から再度30日間の利用が可能です。

ショートステイも人気のサービスなため、空き状況によっては利用できない場合もあります。しかし、特養への入居と比べると利用のハードルは下がります。

通所・訪問型サービスの利用

在宅介護をしている場合、デイサービスなどの通所型サービスや訪問介護といった訪問型サービスを利用して家族の介護負担を軽減できます。

入居前にデイサービスやショートステイを利用する方法もおすすめです。

施設の雰囲気を知るよい機会となるのと同時に、施設側にも入居希望者の人となりや介護の必要性を知ってもらえるチャンスとなります。

また、第一希望の施設には入居の意思をはっきり伝えておくことも大切です。

特養以外の施設に入居する

費用の負担は増えますが、有料老人ホームや介護老人保健施設などほかの介護施設を利用し、特養に空きが出るのを待つのも1つの方法です。

候補となる介護施設は、介護医療院や介護療養型医療施設、介護老人保健施設、グループホーム、有料老人ホームなどが挙げられます。

介護医療院と介護療養型医療施設は、医療依存度の高い要介護者が利用できる公的な施設で、要介護1以上の認定を受けた方が利用対象です。

介護老人保健施設は、在宅復帰をめざす方が入居してリハビリを行う施設です。要介護1以上の認定を受けた方が入居できます。

グループホームは、認知症の高齢者がサポートを受けながら共同生活を行う施設です。

要支援2以上の方が対象となります。5~9人で1つのユニットを組み、家事を分担するなど協力しながら生活します。

入居には主治医から認知症の診断書が必要となりますので準備しておきましょう。

有料老人ホームは民間の介護施設で、高齢者が暮らしやすいように設計された住環境のもとで必要なサービスを受けながら生活することができます。

有料老人ホームの種類は「介護付」「住宅型」「健康型」の3つに分けられ、施設ごとに入居の条件やサービス内容が異なります。

特別養護老人ホーム(特養)に入居する手順

 

特別養護老人ホームへの入居を希望する際の申し込みの流れを説明します。

なお、申し込みの前には、候補となる施設をいくつか見学した上で比較、検討しましょう。

申し込みから利用開始までの流れは以下の通りです。

  1. 自治体によって定められた入所申込書、状況申告書などに必要事項を記入
  2. 申込書に介護保険被保険者証を添付し、入居を希望する施設に提出
  3. 施設の職員による訪問調査
  4. 入所判定(選考)委員会で入居の優先順位を判定
  5. 入居決定の連絡と意向の確認
  6. 契約手続き
  7. 入居・施設サービス開始

入居の流れは施設によって多少異なりますが、主な手続きの流れはそれほど変わりません。

複数の施設に申し込む場合には、施設ごとに申し込みが必要です。

申し込みをする

まずは、入居を希望する施設に電話やメールなどで「入居について教えてほしい」と問い合わせてみましょう。

施設の見学をした上で、入居を希望する場合は申し込み手続きに進みます。

【提出書類の種類】

  • 入居申込書(本人または家族が記載)
  • 介護支援専門員等意見書(ケアマネジャーが記載)
  • 介護保険被保険者証の写し
  • 要介護認定調査票の写し(市区町村で発行)
  • 直近3カ月分のサービス利用票の写し
  • 健康診断書(主治医に依頼)

必要書類に関しては、自治体や各施設によって提出を求められる書類の種類や名称が異なります。

入居を希望する施設や自治体のホームページで内容を確認した上で、不備のないように準備しましょう。

申込書は希望先の特別養護老人ホームや市役所の介護保険課、高齢者総合相談センターの窓口などで配布しています。

また、各自治体や施設のホームページからもダウンロード可能です。

準備が整い次第、原則本人または家族が希望先の施設に書類を提出(窓口もしくは郵送)します。

入居手続きを行う

入居が決まったら、重要事項などの説明を受け、契約へと進みます。

【入居の際に必要なもの】

  1. 介護保険被保険者証
  2. 健康保険証
  3. お薬手帳
  4. 介護保険負担限度額認定証(対象の方)
  5. 受給者証(生活保護の方)
  6. 障害者手帳(対象の方)
  7. そのほか必要な書類(看取り同意書、アレルギー調査票などあれば)

入居の際に必要となる書類などは施設ごと、それぞれの状況によって異なります。詳細については各施設に確認しましょう。

特別養護老人ホームへ入居する際は、本人の住所地が変更となるため住民票を施設に移すのが一般的です。

住民票の移転は義務ではありませんが、郵便物が直接届く、地域密着型サービスの利用が可能などのメリットがあるため、特別な理由がなければ移転手続きを行いましょう。

デメリットとしては、住民票を移すと介護保険料が高くなる場合があることが挙げられます。

これは介護保険料が市区町村によって異なるためで、自治体をまたいで施設に入居した場合、もともと住んでいた市区町村の介護保険料より高くなる場合があります。

住民票を移すと介護保険料が上がってしまう場合は「住所地特例制度」を利用すれば、住民票を移した後も以前と同じ保険料のままでサービスを受けられます。

特別養護老人ホーム(特養)の施設は慎重に選びましょう

 

特別養護老人ホームは、日常生活に全面的な介護を要する方が入居し、身体介護や生活援助のサービスを受けられる介護保険施設です。

通常、要介護3~5の認定を受けた65歳以上の方が利用対象(そのほか特例条件あり)となります。

入居にかかる費用は月額5~15万円程度と経済的負担が少ないため、人気の高い施設です。

しかし、特養にもほかの老人ホームと同じようにメリット・デメリットがあります。そのため「費用が安い」「人気」という理由だけで安易に入居先として選ぶのはおすすめできません。

たとえば、デメリットの1つとして医療ケアが限定的である点が挙げられます。

特養は生活の場としての役割が大きく、医療ケアが充実しているとは言えません。

そのため、胃ろうや人工肛門、インスリン注射など日常的に医療ケアを必要とする場合は入居できないケースがあります。

つまり、大切なのは本人や家族のニーズを叶えられる施設であるかを慎重に判断することです。

特養は、入居者にとって日常生活を営む第2の家でもあり、最期を迎える場所となる可能性もあります。平均的な入居期間は約3.5年ですが、中には10年近く利用される方もいます。

施設選びで失敗しないために、まずは「特別養護老人ホーム」の入居条件や受けられるサービスを知り、その上で各施設ごとの違いをしっかり比較しましょう。

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満足のいく老人ホームの生活は、どの施設に入居するかで大きく異なることがあります。

安心介護紹介センターの入居相談員は、高齢者の住まいにまつわる資格を有しており、多くの老人ホームの中から、ご本人やご家族のご希望に沿ったぴったりな施設を選定してご紹介させていただきます。

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周田佳介

監修者:周田佳介

正看護師、介護福祉士、介護支援専門員、認知症ケア専門士、介護職員等によるたん吸引等の研修指導看護師の資格を取得している。
介護医療現場で13年従事し、今なお現役の訪問看護師として勤務している。急性期病棟や慢性期病棟といった医療機関のほか、特別養護老人ホーム、グループホーム、訪問介護事業所などの介護事業所での勤務経験があり、医療・介護の両面から福祉に携わる。