親の介護のために休職すべき?在宅介護のリスクと介護の負担を減らす方法をご紹介します!

仕事と在宅介護を両立する中で、辛いときには休職すべきか、負担を減らすにはどうしたらよいのかと悩む人もいるでしょう。この記事では、在宅介護を続ける場合のリスクと介護休業を取得して負担を減らす方法についてご紹介します。

仕事と親の介護を並行して行うリスクとは?

仕事をしながら家で親の介護を行うと、介護者の身体面や精神面にかなりの負担がかかります。最悪の場合、介護者自身が病気を発症してしまう可能性もあるため、注意が必要です。

ここでは、仕事と在宅介護を並行して行うリスクを解説します。

睡眠不足に陥りやすい

在宅介護では、介護者が睡眠不足に陥りやすいという問題が起こります。夜中のトイレ介助やおむつ交換で何度も起こされたり、要介護者が認知症で夜中に起き出して寝てくれなかったりするためです。

そして翌朝、睡眠不足で疲れが取れないまま仕事へ行き、帰宅後はまた介護をするという悪循環が続くと、介護者が身体の不調をきたして在宅介護を続けることが難しくなってしまいます。

精神的ストレスが蓄積してうつになる可能性がある

仕事と介護の両立で悩んで精神的ストレスが蓄積すると、介護うつになってしまう可能性があります。

たとえば、介護のために仕事を休みたくても職場の理解が得られない場合や、家族が介護に協力してくれず、悩みや不安を打ち明ける相手がいない場合には1人で悩みを抱え込んでしまい、精神的に追い詰められます。

また、要介護者が認知症の場合には症状が進行すると同じことを聞かれたり、何度も説明したりすることなどが増えるため、精神的なストレスとなって心のバランスを崩してしまう人もいます。

介護の質を保てない

仕事が忙しく介護時間が不足した場合、介護の質が保てない問題も出てきます。

たとえば、手伝う時間がないため着替えは1日1回だけ、帰宅時間が遅いため入浴介助は仕事が休みの日だけなど十分なケアができない状況となってしまうのです。

要介護者との関係性が悪化しやすい

子どもが親を介護する場合、お互いの関係性が悪化しやすい状況が起こります。親子であるために遠慮なくストレスをぶつけたり、親が子に甘えてわがままを言ったりするためです。また、親に認知症がある場合には症状が進行していく状況に怒りを感じてイライラをぶつけてしまうこともあるでしょう。

関係性の悪化が、要介護者への暴言や暴力につながる場合や、介護を続ける意欲をなくしてしまうきっかけになることがあります。

親の介護が辛いときには休職すべきか?

在宅介護を続けるうちに疲れやストレスが慢性的なものとなると体力的にも精神的にも介護が大きな負担となり、時には仕事と介護の両立に限界を感じてしまうこともあるでしょう。

会社を辞めて介護に専念すべきか、一旦休職すべきかと思い悩んだときは、その後の暮らしをイメージすることをおすすめします。

まずは、介護離職をしたあとの暮らしをイメージしてみましょう。

会社を辞めると時間の余裕ができるため、心身の疲れやストレスが軽減できると思うかもしれません。しかし会社を辞めて介護に専念できても、要介護者の状態が改善して介護が楽になるわけではない点には注意が必要です。認知症など進行性の病気の場合、症状が悪化すると介護度が上がり、介護の負担が増える事があります。

また、仕事を辞めると収入の問題が出てきます。しばらくの間は預貯金や親の年金を使って生活をやりくりできたとしても、いつまで介護が続くのかは誰にもわからないため、生活資金に困る可能性も出てくるでしょう。

一方、休職を選んだときの生活はどのようになるでしょうか。

介護休業制度を利用すれば、介護を目的とした長期間の休暇を取得することが可能です。この場合は、まとまった休みの間に専門機関へ相談に行き、復職後に無理なく仕事と介護を続けられる体制を整えられるでしょう。休職したといっても収入は途絶えないため生活資金の心配はなく、自分の仕事のキャリアも築いていくことができます。

このように在宅介護を続けるには、一旦休職するほうがメリットが大きいことがわかります。仕事と介護の両立に悩んだ際は安易に介護離職は選択せず、一旦休職して介護体制を整えることをおすすめします。

介護休業とは?

仕事と介護を両立するための支援として「介護休業制度」があります。国が介護離職防止のために積極的に活用するように呼びかけている制度であり、「育児・介護休業法」で規定された労働者の権利でもあります。

ここでは介護休業制度の内容を解説します。

取得条件

介護休業を取得できるのは「要介護状態にある対象家族を介護する男女の労働者」と定められています。

ただし、契約社員やパート従業員など有期雇用契約を結んでいて、「介護休業の取得予定日から起算して93日経過後6カ月以内に契約期間が満了し、更新されないことが決まっている」場合には取得できないため注意が必要です。

なお、令和4年4月1日より育児・介護休業法が改正されたため、「引き続き雇用された期間が1年以上であること」という取得要件は撤廃されました。

なお、職場で労使協定が締結されている場合、入社1年未満の方や1週間の所定労働日数が2日以下という方は介護休業制度の利用ができないことがあります。

取得日数・回数

介護休業が取得できる日数は、要介護状態にある家族1人につき通算93日間、回数は最大3回まで分割して取得できます。

つまり1回の休業で93日間連続して取得、あるいは2〜3回に分割して取得することが可能です。

取得日数は1年間で93日ではなく「対象家族1人につき通算93日間」と定められているため、休業する日数と回数については家族でよく相談して計画的に取得することが大切です。

なお、取得日数の93日間には土日・祝日といった職場の休業日もカウントされます。

対象となる家族

介護休業の対象となる家族の範囲は次の通りです。

  • 配偶者(事実婚を含む)
  • 父母(養父母含む)
  • 子(養子含む)
  • 配偶者の父母
  • 祖父母(同居・扶養要件は問わない)
  • 兄弟姉妹

利用できる経済的支援

介護休業中の経済的支援として、一定の要件を満たす方は雇用保険から「介護休業給付金」を受け取れます。

給付金の対象者は、雇用保険に加入している介護休業の取得者で、介護休業前の2年間のうち12カ月以上、月11日以上勤務していることが条件です。また、介護休業給付金の支給額は給料の67%と定められています。

ただし、休業期間中に会社から賃金が支払われると、支給額が減額または支給されないことがあります。

介護休業給付金の申請は、基本的には会社(事業主)が必要な書類を管轄の公共職業安定所(ハローワーク)に提出して行います。申請書類の中には、本人が用意する書類もあるため事前確認が必要です。

申請期間は介護休業終了日の翌日から2カ月後の月末までとなっているため、忘れないように申請しましょう。

申請の流れ

介護休業申請の流れは次の通りです。

1.介護休業申請書を会社へ提出する

申請書は、介護休業開始予定日の2週間前までに提出します。提出時には、要介護状態の家族がいる証明書(診断書など)が必要となる場合があるため、会社への確認が必要です。

2.会社から「介護休業取扱通知書」を受け取る

申請書を提出すると、会社から「介護休業取扱通知書」を渡されます。通知書には介護休業期間や休業中の給与や所属などの取り扱い、復職後の労働条件が記載されているため、内容をよく確認して不明点などは休業前までに解決しておきましょう。

介護休業中にすべきことは?

介護休業は、あくまでも一時的な休暇に過ぎません。休暇中は介護だけをするのではなく、復職後に仕事と介護を両立させるための体制を整える準備期間として活用しましょう。

とくに要介護認定の申請や介護保険制度を利用するための手続きには時間を要するため、介護休業期間中に進めることをおすすめします。

ここでは、介護休業中にすべきことをご紹介します。

介護の相談窓口を利用する

介護の悩みや困りごとがあれば、ケアマネジャー、もしくは地域包括支援センターに相談して対応をあおぐとよいでしょう。

1.ケアマネジャー

はすでに要介護認定を受けていて、これから介護サービスの利用を考えている人は、居宅介護支援事業所のケアマネジャーに相談しましょう。ケアマネジャーは相談内容を把握したうえで、適切な介護保険サービスを受けられるようにケアプランを作成してくれます。

ケアプランによって、それまで介護者だけで行っていた在宅介護に「介護のプロ」が加わり、専門的な技術や視点で介護をサポートしてくれるため、介護の質が高まります。

そして、介護サービス事業所と連携して情報共有し、状態が変わったときにはすぐに介護サービスを見直すなど、本人や家族が困らないようにすばやく対応してくれます。

復職してからも切れ目のない支援を受けられるため、介護者にとって心強い存在です。

2.地域包括支援センター

地域包括支援センターは、主任ケアマネジャー、保健師、社会福祉士が所属した介護に関する総合的な相談窓口です。家族の介護が必要となった際、まずは地域包括支援センターへ相談する方も多いようです。

地域包括支援センターでは、要介護認定の申請手続きをはじめとして、地域のケアマネジャーや介護施設、介護サービス事業所を紹介してくれるなど、高齢者に関する相談を幅広く受けつけています。

利用する介護サービスを検討する

介護休業中には、復職後に利用したい介護サービスを検討することをおすすめします。どの介護サービスを選択すれば仕事と介護が両立できるのか、担当のケアマネジャーと相談しながら決めましょう。

次の3つの介護サービスは、働きながら在宅介護をしている人が多く利用している介護サービスです。

訪問介護

訪問介護は家にヘルパーが訪問して、日常生活の支援を行う「訪問系サービス」です。具体的には、生活援助(掃除や調理、買い物など)、身体介護(入浴、排せつ、食事介助など)、通院などの外出介助の場合、居宅から乗降場までの介助や交通機関への乗降や、移送中、気分を確認するなどの介護サービスを受けられます。

訪問介護の特徴は、必要なサービスを必要な分だけ利用できることです。たとえば、ヘルパーに要介護者の食事の準備のみをしてもらったり、入浴介助だけをしてもらったりといった使い方ができます。

また、1日のうちに数回利用することも可能です。日中1人で過ごすことの多い高齢者の場合には、ヘルパーの訪問によって介護者不在時の安否確認ができるメリットもあります。

デイサービス・デイケア

デイサービス・デイケアは利用者が福祉施設や医療施設に日帰りで通う「通所系サービス」です。一般に通所系サービスには送迎サービスが含まれているため、介護者が施設へ送迎する負担はありません。

デイサービス・デイケアで受けられるサービスは、健康状態の確認、入浴、食事、機能向上のための機能訓練、レクリエーションなどです。高齢者を家で1人にさせることに不安がある場合は、日中に安全に過ごせる場所として通所系サービスを利用すると安心です。

介護施設

特別養護老人ホームや老人保健施設などの介護施設では、1日単位で短期間入所できる「ショートステイ」という介護サービスを提供しています。短期入所中には、食事や排せつ、入浴などの介護のほか、機能訓練などのサービスを受けられます。

介護者にとっては一時的な休息目的で利用できるほか、事情により一定期間在宅での介護が困難な場合にも利用できます。

また、実際に入所することで施設の雰囲気や過ごし方を体感できるため、将来的に施設への入居を考えている方にはよい機会となるでしょう。

病気やけがをきっかけに介護度が高くなり、24時間の介護が必要となったとしても、訪問介護や通所介護は一部を除き日中のサービスがメインで、夜間や日中の介護は家族が担う場合が多くあります。

介護負担が増えた際にスムーズな流れで介護施設を利用できるよう、早めに介護施設を探して入居の準備を整えておくと安心です。

会社に介護休業を断られた場合の対処法は?

会社側は労働者から休業の申し出があった場合には断ることができません。介護休業は法律に基づいた労働者の権利のため、会社に介護休業制度がない場合でも、労働者が取得要件を満たしていれば介護休業は取得でき、取得時期も労働者が自由に決められる権利があります(ただし、希望通りの日から休業するためには2週間前までに申し出ることが必要)。

以上のような説明をしても断られる場合は、労働局に相談することをおすすめします。

なお、会社側が介護休業の取得を理由に解雇や退職を迫る行為、賃金の減額や降格処分など不利益な取り扱いをすることも法律で禁止されています。

親の介護をしながら施設選びを進めるには?

在宅介護がはじまると、介護者は1日の大半を介護に費やすことになります。何か相談したいことがあってもケアマネジャーや地域包括支援センターは相談時間が平日の日中のみというところが多いため、時間の調整が難しいと感じる方もいるでしょう。

そこで、在宅介護で忙しい中でも隙間時間を使って気軽に相談できる「安心介護紹介センター」の利用をおすすめします。

安心介護紹介センターとは、専門性の高いスタッフが介護に関する悩みや疑問に回答してくれるサービスです。全国の老人ホームや介護施設の情報を提供してくれる点もメリットの1つです。オンラインでの相談にも対応しているため、自宅や職場などからスマートフォンやパソコンを使って、介護者の都合のよい時間帯に利用可能です。

介護の悩みを相談したい、自身に合った介護施設を紹介してもらいたいなどのお困りごとがあれば、ぜひお気軽にお問い合わせください。

どの老人ホーム・介護施設にしたら良いかお悩みの方へ

満足のいく老人ホームの生活は、どの施設に入居するかで大きく異なることがあります。

安心介護紹介センターの入居相談員は、高齢者の住まいにまつわる資格を有しており、多くの老人ホームの中から、ご本人やご家族のご希望に沿ったぴったりな施設を選定してご紹介させていただきます。

施設のご紹介から、見学、ご入居まで無料でサポートさせていただいておりますので、ぜひご利用ください。

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乾 立樹

監修者:乾 立樹

介護福祉士、社会福祉主事任用資格を有している。 現在、地域密着型通所介護施設にて管理者兼相談員で勤務。
過去の経験として、老健・デイケアにて現場を、サ高住にて副施設長(現場兼務)、住宅型有料老人ホームにて施設長を務めているなど、介護領域において現場や管理の豊富な経験を持つ。