義両親の介護が辛いときや介護を拒否されたときに離婚できるのか?離婚できる条件や離婚を回避する方法をご紹介します!


両親が高齢になってくると、夫婦間で問題となるのが「義両親の介護」です。双方が納得する分担は難しく、この問題が離婚に発展することもあるでしょう。

この記事では、義理の両親に対する介護義務や介護離婚の成立条件、介護離婚を避ける方法などを解説します。

義両親の介護をする義務はあるのか?

介護が原因となる離婚にはさまざまなパターンがありますが、まずは「義両親の介護を求められている」ケースについて見てみましょう。血縁関係のない相手でも、介護をする義務は発生するのでしょうか。

結論からいえば、法律上、義両親に対しての扶養義務は定められていません。

ただし、夫婦には互いに扶助し合う義務があるとされるため、夫婦のどちらかが介護負担を抱えている場合、配偶者はそれを扶助すべきと考えられます。

さらに、介護する義務の有無は義両親との関係に左右される場合もあるようです。

具体的に、介護の義務が発生する確率が高いとされるのはどのような場合なのか、代表的な3つのパターンを見てみましょう。

義両親と同居している場合

民法730条には「直系血族及び同居の親族は、互いに扶(たす)け合わなければならない」と定められています。

つまり、血族ではなく姻族であっても、同居している場合には扶養義務が発生するため、たとえ義両親であっても介護をしなければなりません。

義両親と養子縁組している場合

義両親と養子縁組をしている場合、両者の間には実の親子と同じ権利や義務が発生すると考えてよいでしょう。

よって、介護が必要になった場合などは養子が実子と同じく扶養義務を負うこととなります。

家庭裁判所が「特別な事情」を認めている場合

民法877条2項により、裁判所が「相手から相当の経済的対価や道義的恩恵を受けている」と判断した場合、3親等内の親族間には扶養義務が発生します。

義両親は1親等に当たるので、この法律が適用されます。

義両親の介護の負担を理由として離婚することはできるのか?


実の両親でなくとも、義両親との関係などによっては一定の介護義務が発生する可能性があります。

それでは、義両親の介護負担を理由として離婚することは可能なのでしょうか。

一般的な離婚の流れとして、まずは「離婚協議」を行います。夫婦双方が離婚と離婚条件に同意している場合は、この時点で離婚が成立します。

しかし、夫婦の一方または双方が離婚やその条件に同意していない場合もあるでしょう。こうしたケースでは「離婚調停」が行われ、さらに調停も成立しなかった場合には「離婚訴訟」へと発展します。

訴訟により離婚裁判が行われ「法定離婚事由」が認められた場合、相手の同意が得られていない状態であっても強制的に離婚が成立します。

この法定離婚事由とは、法的に離婚するに値すると認められる条件のことです。

法定離婚事由には、大きく分けて以下の5つがあります。

  1. 不貞行為
  2. 悪意ある遺棄
  3. 3年以上の生死不明
  4. 配偶者が回復の見込みのない強度の精神疾患
  5. 婚姻を継続しがたいと認められる重大な事由

義両親の介護負担を理由に離婚を希望する場合は、配偶者も納得して離婚協議での同意を得られるか、もしくは「婚姻を継続しがたいと認められる重大な事由」があると認められれば離婚が成立する可能性があります。

介護を理由に離婚できない場合はどんなときか?

それでは、介護を理由に離婚が認められないのはどのようなケースなのでしょうか。

簡単にいえば、現在の介護負担が「婚姻を継続しがたい重大な事由」に当たらないと判断されれば、裁判では離婚が認められません。

具体的には、介護負担の大きさや夫婦間の関係性などを考慮したうえで、介護負担が離婚の原因と認められるほど大きくはなく、夫婦で協力して乗り切るべきと判断された場合などは法定離婚事由に適合しないとされます。

義両親の介護の拒否を理由に離婚できるのか?


夫の立場から妻に両親の介護について協力を求めたが拒否されてしまった場合、「配偶者から自分の両親の介護を拒否された」ことを理由に離婚はできるのでしょうか。

夫婦間には相互扶助義務があるため、介護負担を抱える夫に対して妻は何らかのサポートをする義務があるとも考えられます。

しかし、介護自体については冒頭でご紹介したように条件を満たさない限り法的義務はありません。

このことから、もし自分の配偶者に両親の介護を依頼した場合、相手がそれを拒否したことを理由に離婚することは難しいと考えられます。

妻が義両親の介護を拒否してしまう理由は?


法的な義務がないとはいえ、両親に介護が必要になったら配偶者にも介護に協力してほしいと考える人は多いでしょう。

それでは、配偶者が介護を拒否している場合にはどのような理由が考えられるのでしょうか。

義両親との関係性が良好ではないため

介護が必要になる以前から義両親との関係が良好ではなかった場合、確執を抱えていた義両親の介護はしたくないという気持ちが芽生えやすく、また義両親からの介護拒否がある可能性も考えられます。

このような状況では介護に対する心理的負担は大きく、これが容易に予想できるケースでは実際に介護をする前から配偶者に介護を依頼しても拒否されたり、一度は引き受けてくれても途中で拒否されたりする場合もあるでしょう。

義両親の介護を手伝ってくれる人がいないため

配偶者に「介護に協力したい」という気持ちはあるものの、夫自身や夫側の血族が介護に協力的ではないという場合もあるかもしれません。

この状況で介護を引き受ければ、配偶者だけが重い介護負担を負うことになります。

日頃の親戚関係や夫の仕事量などからこのような事態が想定される場合は「サポートする気持ちはあるけれど自分だけが介護をするのは負担が大きすぎる」という気持ちから、介護を拒否する人もいるでしょう。

周りから介護をすることが当たり前だと思われているため

手伝ってくれる人がいない中で介護を引き受けた場合、実際の協力が得られなくとも感謝やねぎらいの言葉を掛けられることで主介護者のモチベーションが保たれることもあります。

しかし、配偶者やその親族が「妻が介護をするのは当たり前」といった考えを持っている場合、理解者がおらず自分の負担が当然だと思われている、という徒労感などから介護を続けられなくなると考えられます。

仕事との両立が難しくなるため

以前は、専業主婦である妻が介護負担を担うべきと考える人が多い傾向にありました。

現在では共働きの家庭も増えましたが、昔のイメージのまま妻が重い介護負担を担っている場合もあるでしょう。

このようなケースでは、妻は本来休息やプライベートに使うべき時間を介護に費やさなければなりません。

その結果、心身の疲労も溜まりやすく、仕事と介護の両立は困難という考えから介護拒否が起きると考えられます。

夫に協力したくないため

介護や日頃の生活において、夫から継続的に「モラルハラスメント」と受け取れる扱いが繰り返されている場合、その夫にこれ以上協力したくないという気持ちから妻が義両親の介護を拒否している可能性が考えられます。

モラルハラスメントの例としては、不当に多くの家事を押しつけられたうえに介護に関してもすべて一人でこなすように強要したり、その家事や介護、言動などに対して過剰に批判や指摘を繰り返したりすることなどが挙げられます。

介護を受け入れてもらうためには何をすべきか?


配偶者が介護を拒否する理由には、介護自体の大変さだけではなく家族・仕事との関係などさまざまな要素が関わっています。

それでは、介護を受け入れてもらうにはどうしたらよいのでしょうか。

夫婦で義両親の介護を行う

まずは「自分の両親の介護だが、仕事などで担えない部分をお願いしたい」という考え方で両親の介護を分担することをおすすめします。

結果的には妻のほうが長時間介護を行うことになる場合でも、丸投げをして関与しないのではなく、両親の状況や介護での負担を十分理解したり、休日や夜は自分が主体となって介護を行ったりするなどの工夫をしてみましょう。

親族に協力してもらう

仕事などの関係上、夫婦のみで介護を分担すると妻ばかりに負担が偏ってしまうことも考えられます。夫婦間の負担に差がある場合ほど、介護離婚につながる可能性も高まるでしょう。

そのため、もし夫が介護に協力できる時間が極端に少ない場合などには、夫の兄弟などにも協力を依頼してみましょう。そうすることで、妻ばかりに負担が偏りにくくなり、介護離婚対策にもなると考えられます。

妻に感謝する

介護に限らず心身の負担を感じている場合、実際の介護量が減らなかったとしても「自分が行っている内容や苦労を理解してくれる人がいる」と感じるとストレスが緩和されるといわれています。

そのため、両親の介護を配偶者に依頼している場合も、両親がどれほどの支援を必要としているのか、どのようなことはできて何ができないのかを定期的に教えてもらったり、感謝を言葉で伝えたりすることが大切です。

介護サービスや介護施設を活用する

主介護者を中心とした家族の負担を減らすためにも、必要に応じて介護サービスを活用しましょう。

すべての負担を一人で負う必要はないと理解してもらうことで、配偶者が介護に参加することを承諾してくれるかもしれません。

サービスを利用する場合は訪問・通所などの居宅サービスのほうが利用しやすいと感じる人も多いでしょう。

ただし、これらの中には日中のみ利用できるサービスが多く、夜間の介護負担はなかなか減らないのが現状です。

そのため、介護度が重く身体介護の負担が大きい場合や、認知機能の低下により昼夜を問わず頻繁な見守りが必要な場合などは、介護施設への入居も視野に入れることをおすすめします。

介護施設を探すときに活用すべき相談窓口は?


居宅サービスと比べると、利用できるまでに時間がかかることも多く、利用開始の際の費用負担も大きな介護施設。

失敗せずに施設を選びたいときには、どのような窓口に相談すればよいのでしょうか。

地域包括支援センター

地域包括支援センターは、高齢者に関する総合相談窓口として生活支援・権利擁護・介護予防マネジメントなどを行っています。その中で、必要に応じて介護施設の紹介をすることも可能です。

法人などが運営する事業所と異なり、地域包括支援センターは公的機関であるため、紹介される施設は優良な場合が多いでしょう。

ただし、担当地区周辺の情報が多いため、離れた地域で施設を探したい場合には不向きです。

居宅介護支援事業所のケアマネジャー

ケアマネジャーは、ケアプランを立てるために被介護者の心身の状況や家族関係などについても把握をしています。そのため、本人の身体・認知機能に適した施設を紹介できる可能性は高いでしょう。

ただし所属している組織の関連の老人ホームなど、紹介する施設に偏りがある可能性があります。もちろん、それが悪いというわけではありません。

むしろ、ケアマネジャーを決める時点で介護施設への入居を視野に入れている場合は、希望する施設の系列のケアマネジャーに担当を依頼するというのも希望の施設へ入居する近道と考えることもできます。

オンラインの介護相談サービス

地域の相談窓口や担当ケアマネジャーへの相談と合わせて、オンラインの介護相談サービスである「安心介護紹介センター」も利用することで、自宅周辺以外の施設・希望条件の施設が探しやすくなるかもしれません。

オンラインであることのメリットは、まず時間や曜日を問わず自分の空いた時間で施設の情報収集ができること。そして、さまざまな地域の情報が閲覧できるので居住地域以外の施設情報も集めやすいことです。

このように短時間で多くの選択肢が得られるため、本人に合った条件の施設も見つかる可能性が上がります。

また、施設情報の提供だけでなく、専門オペレーターによる入居・見学相談が受けられるメリットもあります。

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満足のいく老人ホームの生活は、どの施設に入居するかで大きく異なることがあります。

安心介護紹介センターの入居相談員は、高齢者の住まいにまつわる資格を有しており、多くの老人ホームの中から、ご本人やご家族のご希望に沿ったぴったりな施設を選定してご紹介させていただきます。

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乾 立樹

監修者:乾 立樹

介護福祉士、社会福祉主事任用資格を有している。 現在、地域密着型通所介護施設にて管理者兼相談員で勤務。
過去の経験として、老健・デイケアにて現場を、サ高住にて副施設長(現場兼務)、住宅型有料老人ホームにて施設長を務めているなど、介護領域において現場や管理の豊富な経験を持つ。