親が突然入院して不安・・。詳しい費用や親の介護の不安を解消する方法をご紹介します!

高齢の親が急な病気やケガで入院してしまい、退院後に介護が必要となるケースは珍しくありません。入院費用や退院後の生活について不安に思う方もいるでしょう。この記事では、入院費用や医療費を抑えるための制度、退院後に利用できる介護サービスについて解説します。

入院費用はどれくらいかかるのか?

入院すると、治療や検査の料金だけではなく、食事代やベッド代の支払いが必要です。入院費用はどのくらいかかるのか、詳しく見てみましょう。

1日分の入院費用はどれくらい?

平均的な入院費用の内訳は以下の通りです。

 

医療費 およそ5,500円

食事代 およそ1,500円

ベッド代 およそ6,000円

 

医療費は治療内容や検査の種類によって異なりますが、自己負担額は平均5,500円程度です。食事代は治療費に含まれないため、入院費用に1日1,500円程度加算されます。

ベッド代は、個室や2人部屋などの差額ベッド代がかかる部屋に追加される費用です。費用は病院や部屋のタイプによって異なり、数千円〜数万円程度かかります。

医療費と食事代、ベッド代の平均を合わせると、1日当たり1万3,000円です。なお、パジャマやタオルのレンタル代、おむつ代などの追加費用がかかる場合もあります。

病気やケガの程度によって入院期間がどれくらい変わるのか?

病気やケガの程度によって入院期間は大きく変わります。入院の原因疾患ごとの平均入院日数を比較してみましょう。

入院期間が長い疾患として、脳出血(平均入院日数:36.6日)、大腿骨頸部骨折(同:34.0日)、肺炎(同:27.7日)などが挙げられます。骨折や脳血管疾患は、手術後にリハビリを行う必要性が高いため、入院期間が長くなる傾向が見られます。なお、日本人の死因の1位である悪性新生物(がん)の入院期間は10〜15日程度が一般的です。

入院日数が短い疾患には、白内障(平均入院日数:2.8日)、狭心症(平均入院日数:4.4日)、鼠径ヘルニア(同:4.4日)などがあります。白内障や狭心症、ヘルニアは手術を行っても短期間で退院できるような治療の流れが確立されているため、入院期間が短くなっています。

しかし、狭心症が進行して発症する心筋梗塞の平均入院日数は、15.1日間です。病気の重症度によって、入院期間が大幅に伸びてしまうことがわかります。

親の入院・医療費を抑えるための制度とは?

入院費や医療費を抑えるためのさまざまな制度についてご紹介します。

高額療養費制度

国民皆保険制度のある日本では、医療費の自己負担は1〜3割です。しかし、医療費が高額になってしまった場合、一部負担金が軽減される「高額療養費制度」が利用できる場合があります。

高額療養費制度は、入院費や医療費を節約できる制度です。年収に応じて月額の自己負担額上限が設定されており、その金額を超えた分の差額が後日払い戻されます。この制度の「医療費」には、病院の差額ベッド代や食事代は含まれないため注意が必要です。

高額療養費制度の利用には、年収や年金の受取額以外にも、年齢などさまざまな条件があります。制度の利用には、加入している健康保険組合での手続きが必要です。国民健康保険や後期高齢者健康保険に加入している方は自治体、社会保険に加入している方は加入している健康保険組合に問い合わせましょう。

なお、この制度を利用するには該当する認定証を発行してもらう必要があります。

70歳未満の方は、限度額適用認定証を保険証と一緒に提示すれば、窓口での支払いを自己負担限度額までとすることが可能です。

70歳以上の方は、年収によって以下の分類に分かれます。

  • 住民税が非課税の方は「限度額適用・標準負担額減額認定証」が必要
  • 住民税非課税でない年収370万円未満の方は認定証は不要(自己負担額を超えた分の支払いを請求されることは原則ない)
  • 年収約370万〜1,169万円の方は「限度額適用認定証」の提示が必要

高額医療・高額介護合算療養費制度

高額医療・高額介護合算療養費制度とは、1年間にかかる医療保険と介護保険の自己負担の合計が限度額を超える場合に、超えた分の差額の払い戻しを受けられる制度です。

先ほどご紹介した高額療養費制度は月単位の医療費に対して適用されますが、高額医療・高額介護合算療養費制度を利用すれば年間の医療と介護の合算費用の軽減が可能です。

たとえ高額療養費制度の対象とならない場合でも、介護サービスを長期間利用している場合は高額医療・高額介護合算療養費制度の対象となっている場合があります。適用になるか確認する場合には、加入している健康保険の窓口に確認してみましょう。

医療費控除

医療費控除は、医療に関わるさまざまな支出を税務署に申請することで税金が控除される制度です。

医療費控除の対象となる料金は以下の通りです。

  • 入院や通院で支払った診療費・治療費
  • 入院中に必要な部屋代や食事代の費用(特別室の差額ベッド代は含まず)
  • 処方箋をもとに購入した医薬品の費用
  • 薬局で購入した市販の風邪薬や痛み止めなどの治療薬
  • 治療のための義手・義足や松葉杖などの購入費用
  • 通院に必要な交通費(バス、電車、タクシー代など)
  • 歯の治療費(インプラントなどの保険適用外の費用を含む)
  • 子どもの歯列矯正費用
  • 保険適用外の眼科治療費(レーシック手術など)
  • 治療のためのマッサージ・はり・きゅう・リハビリ費用
  • 介護保険の対象となる一定の施設・居宅サービス
  • 往診などで医師を呼んだ場合のタクシー代

上記に挙げた通り、医療費控除は公的な医療保険の対象とはならない費用も対象です。1月1日〜12月31日の1年間で、生計を同一とする家族全員の医療費総額が10万円を超えた場合、確定申告をすることで所得税が還付されます。

入院期間中にすべきこととは?

親の入院期間中には、手続きや面会、医師からの説明などでたびたび入院先の病院に出向く必要があります。突然親が入院した方は、病状やケガの回復を案じながらも、日常生活に追われてしまうことでしょう。

近年は包括医療費支払い方式を取る病院が多く、投薬や検査を多く行っても医療費の総額が変わらないため、入院期間を短くしてベッドの回転率を上げている病院がほとんどです。

治療を行い、症状が安定したら速やかに退院するか、リハビリが必要な場合には他の施設や医療機関への移動を求められることも珍しくありません。そのため入院中から退院後の介護方針について検討する必要があります。しかしいったいどうすればよいのか、よくわからない方も多いのではないでしょうか。

ここでは、入院期間中に介護やリハビリが必要な方の退院調整について相談できる「医療ソーシャルワーカー」「地域包括支援センター」の特徴についてご紹介します。

医療ソーシャルワーカー

医療ソーシャルワーカーは、病院や保健所などに常駐している福祉の専門家です。患者や家族の抱えている問題を、社会福祉の観点から支援します。医療ソーシャルワーカーの業務内容は以下の通りです。

  • 療養中の心理的・社会的問題の解決、調整援助
  • 退院援助
  • 社会復帰援助
  • 受診・受療援助
  • 経済的問題の解決、調整援助
  • 地域活動

それぞれについて詳しく見ていきましょう。

療養中の心理的・社会的問題の解決、調整援助

患者や家族が安心して療養生活を送れるよう、相談対応を行います。入院中は、病気やケガの経過だけでなく、経済的な不安を抱える方は少なくありません。医療ソーシャルワーカーは、患者とその家族の不安な気持ちに寄り添い、就労や家事・育児への影響がある場合には人間関係の調整や生活設計を目指した支援を行います。

退院援助

退院の際に在宅での療養環境や介護サービスの調整が必要な場合は、医療ソーシャルワーカーのサポートが受けられます。

介護保険制度の利用経験のない方は、担当のケアマネジャーがいないことがほとんどです。ケアマネジャーのいない方は、入院している病院の「相談室」「地域連携室」「退院調整窓口」などの医療ソーシャルワーカーが在籍している部署に相談することをおすすめします。

医療ソーシャルワーカーは、主治医や院内のスタッフと連携を取りながら、退院調整をサポートします。介護サービスが必要な方には、介護認定に必要な手続きについても案内してくれるでしょう。

社会復帰援助

退院後に問題なく社会復帰できるよう支援することも医療ソーシャルワーカーの役割の1つです。親の世代で退院後に復職する方は少ないかもしれませんが、入院前の社会生活を取り戻すことに不安を感じる方は、相談してみるとよいでしょう。

受診・受療援助

医療ソーシャルワーカーは、患者が退院後に利用する診療所への診療情報提供書の作成や、訪問看護ステーションへの指示書の作成が必要な場合の調整を行います。

入院中に、主治医からの説明がうまく聞き取れなかったり、説明後に疑問点が浮かび上がったりすることもあるでしょう。医師から再度説明を聞く機会を設けることが難しい場合には、医療ソーシャルワーカーに相談すると、医師との面談のセッティングや、適切な説明をしてくれます。

経済的問題の解決、調整援助

突然の入院で、医療費が支払えるか不安な方は、医療ソーシャルワーカーに相談してみましょう。前述した高額療養費制度など、利用可能な福祉・保険制度を紹介してくれます。

地域活動

普段は医療機関に在籍している医療ソーシャルワーカーですが、地域に目を向けた活動も行っています。

行政の福祉・医療分野のスタッフや在宅医療に取り組む訪問診療医や訪問看護師、ケアマネジャーなどと地域ケア会議に参加するなど、顔の見える関係作りにも取り組んでいます。会議に参加し、地域の医療・介護に関する課題を把握することで、ニーズに沿った医療・介護連携が行われます。

地域包括支援センター

地域包括支援センターには、保健師、社会福祉士、ケアマネジャーなどの専門職スタッフが在籍しています。

医療・介護・福祉などの側面から高齢者をサポートする相談窓口です。高齢者が医療や介護が必要になっても住み慣れた地域で生活できるように包括的なサポートを行います。地域包括支援センターの活動内容は以下の通りです。

  • 要介護認定
  • 介護予防ケアプランの作成
  • 権利擁護
  • 包括的・継続的ケアマネジメント

それぞれの内容について解説します。

要介護認定

介護保険制度を利用するためには、要介護認定を受ける必要があります。地域包括支援センターでは、要介護認定を受けるための手続きや介護保険の更新手続きなどを行います。

介護予防ケアプランの作成

要介護認定で「要支援1」「要支援2」の判定が出た方に対して、介護予防ケアプランを作成します。利用する訪問介護やデイサービスなどの事業所を選定し、連絡・調整を行います。

総合相談

高齢者の方やその家族のさまざまな相談にも対応しています。徘徊に困っている方や、認知症が疑われるけれど、本人が病院に行くことを拒否している場合など、患者や家族が抱えている悩みに対して利用できるサービスや制度を紹介します。

権利擁護

高齢者への虐待が疑われる場合の早期発見や予防への取り組みも地域包括支援センターの役割の1つです。また、認知症の方や一人暮らしの方に成年後見制度を紹介するなど、高齢者の権利が守られるような取り組みを行っています。

包括的・継続的ケアマネジメント

高齢者にとって暮らしやすい地域にするため、地域全体の医療・保健・介護分野の専門家から地域住民まで幅広いネットワークを作り、そこで暮らす高齢者の課題解決や調整に臨みます。

具体的には地域ケア会議の開催、ケアマネジャーへの個別相談・アドバイス、支援困難事例等への指導・アドバイスなど、自立支援型ケアマネジメントの支援を行っています。

退院後の生活で利用できる介護サービスとは?

退院後に自宅で生活する場合に利用できる介護サービスについてご紹介します。

訪問サービス

訪問介護

訪問介護は、ヘルパーや介護福祉士が自宅に訪問し、身体介護や生活援助をするサービスです。身体介護では、おむつ交換や食事介助、入浴介助、更衣、体位変換など、利用者の必要性に合ったケアを行います。生活援助は、掃除や洗濯、買い物、ゴミ捨てなど、生活全般に関わる家事を行います。

訪問看護

訪問看護は、医師の指示のもと自宅に看護師が訪問し、病気やケガの状態観察や処置を行うサービスです。年々入院期間が短くなってきている日本では、医療処置が必要な状態で退院される方は珍しくありません。

点滴治療や酸素吸入など医療機器の管理やストーマケア、経管栄養の管理、褥瘡の処置など、訪問看護を利用することで医療ケアが必要な方が自宅で療養できるようになります。

訪問リハビリテーション

訪問リハビリテーションは、理学療法士や作業療法士、言語聴覚士などのリハビリの専門家が自宅に訪問するサービスです。利用するには、リハビリ専門職の在籍している訪問看護ステーションと契約する必要があります。

なお、訪問リハビリテーションを利用する場合には、月に1回は契約元の訪問看護師がリハビリスタッフに代わって自宅を訪問し、バイタルサインの測定や全身状態の観察を行います。

その他の訪問サービス

自宅の浴室では入浴が難しい方への訪問入浴や、通院が難しい方への訪問診療・訪問歯科診療、薬剤師が訪問して内服薬の説明やセットをしてくれる居宅療養管理指導など、さまざまな訪問サービスがあります。

症状や、生活上で困っていることをかかりつけ医やケアマネジャーなどに相談し、どのようなサービスが必要か検討してみるとよいでしょう。

通所サービス

通所サービスは、自立での歩行が困難な車椅子の方でも利用可能な送迎つきの通所サービスです。入浴や食事、リハビリなどの援助を受けながら、日中の数時間を過ごします。最近は利用者のニーズに合わせて半日型など短時間のデイサービスもあります。

通所サービスでは、季節に合わせた行事を開催したり、クイズや手芸などのレクリエーションを行ったりするなど脳の活性化を目的としたアクティビティが積極的に行われている点が特徴です。自宅で閉じこもりがちな生活を送っている方には、コミュニケーションの機会にもつながるでしょう。

介護施設

介護度が高い寝たきりの方や医療処置の必要な方を、24時間体制で在宅介護することは簡単ではありません。訪問サービスや通所サービスを利用しても自宅での生活が難しい方は、介護施設への入居を検討する必要があります。

介護度や医療依存度が高くない方のなかにも「一人暮らしなので自宅での生活が不安」「認知症の対応に家族が疲れてしまった」などといった理由で、施設を検討する方もいるでしょう。介護施設への入居を検討する際には、施設の特性を把握して条件にマッチした施設選びをすることが重要です。

比較的軽度の方には、サービス付き高齢者向け住宅や住宅型老人ホームがおすすめです。介護度や医療依存度の高い方は、看護師が在籍している介護付き有料老人ホームが安心でしょう。

自分の希望に合った介護施設を選ぶために使っておきたい相談窓口とは?

希望する予算内で条件に合った介護施設が見つからない場合には、医療ソーシャルワーカーや地域包括支援センターの他に、民間の相談窓口の活用をおすすめします。

医療ソーシャルワーカーや地域包括支援センターのスタッフは、近隣の介護施設と連携体制を取っていますが、エリア外の介護施設の情報が不足している場合があります。安心介護紹介センターは、全国の介護施設の情報が集まっているため、幅広い方向性から介護施設探しをサポートしてくれるでしょう。

また、オンラインの相談にも対応しているため、忙しい方でも相談できる点がメリットです。

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乾 立樹

監修者:乾 立樹

介護福祉士、社会福祉主事任用資格を有している。 現在、地域密着型通所介護施設にて管理者兼相談員で勤務。
過去の経験として、老健・デイケアにて現場を、サ高住にて副施設長(現場兼務)、住宅型有料老人ホームにて施設長を務めているなど、介護領域において現場や管理の豊富な経験を持つ。