親が入院した場合は仕事を休めるのか?休業制度や入院後に入居できる介護施設の選び方をご紹介します!

親が入院して介護状況が変わったことで、仕事を辞めざるを得ない人もいるでしょう。しかし、介護離職には介護者の負担や金銭的課題などさまざまなリスクが生じます。今回は親が入院したときに活用できる休業制度や、医療ケアが必要になったときの施設選びのポイントを詳しくご紹介します。

親の看病で仕事を辞めることのリスクとは?

親が入院したら、看病に集中するために仕事を辞めることを考える人は少なくありません。しかし、看病のための離職にはさまざまなリスクが潜んでいます。

ここでは、親を看病するために仕事を辞めるリスクをご紹介します。リスクを知ったうえで、仕事を辞めるかどうか検討することをおすすめします。

看病・介護の負担が減らない

親が入院したことがきっかけで仕事を辞めても、看病・介護の負担が減ることはありません。入院中の親の身の回りの世話や食事は病院側で行ってくれますが、退院後は家族が看病や介護に専念することになり、それだけ負担が大きくなります。

入院の理由が持病の悪化や怪我の場合、入院前と同じ状態で退院できるとは限りません。体力・筋力の低下や認知機能の低下などのリスクもあります。

つまり、介護度が高くなった状態で退院するケースが多く、在宅介護での対応が難しくなることも少なくありません。仕事を辞めても、介護者の身体の負担が減る可能性は少ないのです。

金銭面でも苦しくなる

親の入院を機に仕事を辞めると、金銭面でも苦しくなるリスクもあります。その理由を以下でご紹介します。

再就職が厳しい

金銭的に苦しくなる理由の1つに、再就職が厳しいことが挙げられます。親の入院を機に退職して在宅介護を行う年代の中心は50代です。

定年までの期間が短いと、それだけ再就職の幅が狭くなります。とくに50代で退職した場合は、理由が介護であっても正社員での再就職が厳しいのが現実です。

また、もともと働いていた職場に再就職しようとしても、やはり年齢的なことから正社員での雇用や同じ待遇での雇用は困難といえます。

前職より収入が大幅に下がる

再就職できたとしても、前職よりも収入が大幅に下がるリスクがあります。親の看護・介護で退職する人の年代は、40代半ばから50代がほとんどです。

この年代は年収のピークですが、再就職する際には前職と同じ年収は期待できません。年収のピークはこれまでの実績や勤務年数が反映されており、再就職すると1からやり直しになることが多いからです。

また再就職できても、正社員ではなく契約社員・嘱託職員・パートといった雇用形態になることも少なくありません。正社員ではない場合、当然収入にも大きく影響します。

収入がないことで焦りが生まれる

退職により収入がなくなると、焦りが生まれます。貯金や親の年金などから生活費や入院・介護費用を賄うことになりますが、介護が長期化するにつれてお金の心配が増える事態になりかねません。介護の心身的負担に加え、金銭的ストレスに悩まされる人も多いのです。

親が入院したときに会社を休むことができるのか?

親が入院したときに、仕事を辞めるのではなく「休む」選択肢があることをご存じでしょうか。

仕事を辞めるのには「休みがちになって迷惑をかけるから」「子どもが親の介護をするのは当然だ」などさまざまな理由があるでしょう。

しかし、仕事を辞めても介護負担が軽減するわけではなく、収入源がなくなるリスクが生じます。そこで検討したいのが「休む」選択肢です。

ここでは、「介護休暇・介護休業制度」について詳しくご紹介します。育児介護休業法で定められている制度なので、活用しながら両立を目指してください。

介護休暇

介護休暇は、労働者が介護と仕事を両立するために休みを取得できる制度です。取得条件・日数・申請手続をご紹介します。

取得条件

介護休暇を取得するには、家族が要介護状態であることが条件です。要介護状態とは、身体的理由や認知症などの影響により、日常生活において誰かの介護が必要な状態です。

以下の家族が、要介護2以上であることが介護休暇取得の条件です。

  • 父母
  • 祖父母(同居かつ扶養している)
  • 配偶者
  • 配偶者の父母
  • 兄弟・姉妹
  • 子や孫

本人から見た関係が当てはまっていれば条件を満たします。

また、休みを取得する本人にも取得条件があり、下記の場合は介護休暇の対象外です。

  • 雇用期間が6カ月未満
  • 1週間あたりの労働日数が2日以下
  • 日雇い労働
  • 時間・半日単位で休むことが難しい

雇用期間や1週間あたりの条件はあるものの、雇用形態は正社員だけでなく契約社員・パート・アルバイトも対象です。

ただし、短時間勤務の場合は取得できない可能性があるため注意しましょう。

取得日数

介護休暇の取得日数は、介護が必要な家族1人につき年間最大5日間です。時間や半日単位で取得できるのが特徴です。

親が入院した場合、退院後の生活についての話し合いや、在宅介護に向けた準備などに時間が必要になることがあります。そのようなときに介護休暇を活用できます。

また、退院後も病院での受診やケアマネジャーとの話し合いなどで仕事を休むことがあるでしょう。仕事と介護を両立させるためにも、介護休暇を上手く活用することをおすすめします。

申請手続

介護休暇は、口頭あるいは書面で申請します。職場によって申請方法が異なるため、事前に確認しておくとスムーズに手続きできるでしょう。

介護休暇は有給か無給かという点も事業所ごとに異なります。

介護休業

介護休業は介護休暇よりも長期間の休暇を取得できる制度です。

在宅介護が困難で退職を検討せざるを得ない場合も、介護休業を利用すれば退職せずに済むかもしれません。介護休業の取得条件・日数・申請手続をそれぞれご紹介します。

取得条件

介護休業の取得条件のうち、本人から見た家族の関係は介護休暇と同様です。介護休暇との大きな違いは、取得する人の条件です。

  • 雇用期間が1年以上
  • 労働契約満了の予定がない

また下記の場合は取得条件に当てはまりません。

  • 雇用期間が1年未満
  • 1週間あたりの労働日数が2日以下
  • 雇用終了の予定が決まっている

介護離職を防ぐことが目的の1つであり、そもそも退職予定・雇用契約終了予定の人は取得できないのです。

取得日数

介護休業の取得日数は年間最大93日間で、3回に分けて取得可能です。1回でまとめて93日間取得する方法もありますが、状況に応じて分割するのもよいでしょう。

親が入院している間は仕事に行き、退院してから在宅介護の状況が少しでも落ち着くまでの間に休む人もいます。

申請手続

介護休業は勤めている事業所に書面で申請をします。休業開始日の2週間前までに申請が必要です。終了予定日も事前に伝える必要があるため、きちんとスケジュールを立てたうえで申請しましょう。

また、雇用保険に加入していて2週間以上の介護休業を取得する場合、「介護休業給付金」を受給できる可能性があります。介護休業中の収入源になるため、条件を満たしているかどうかハローワークで確認してみてください。

親が退院するまでに介護施設を決める方法は?

親の入院中には、退院後に在宅介護にするのか施設入居にするのかなど、短期間で決めるべきことが数多くあります。

退院後のことを決める際には、医療ソーシャルワーカーや地域包括支援センターなどの相談窓口を活用して情報収集をすることをおすすめします。

ここでは、医療ソーシャルワーカーと地域包括支援センターの役割や支援内容についてご紹介します。

医療ソーシャルワーカー

医療ソーシャルワーカーは病院や保健所など、医療機関・保健機関に在籍する職種です。役割や支援内容は以下の通りです。

療養中の心理的・社会的問題の解決、調整援助

入院すると病気のことだけでなく、退院後の生活やお金のことなどさまざまな不安や悩みが出てきます。そういった相談窓口になってくれるのが医療ソーシャルワーカーです。

退院援助

高齢者は入院前と同じ状態で退院できるとは限らず、介護状況が変わることも少なくありません。

退院してからも在宅介護を続けるのであれば、必要なサポートを検討します。医療ソーシャルワーカーが介入して、ケアマネジャーに患者の病状や必要な医療ケアなどを共有します。

社会復帰援助

退院後に社会復帰を目指す場合、医療ソーシャルワーカーが必要な援助を行います。もし仕事や組織での活動をしているのであれば、不安や心配ごとを解決し、円滑に社会復帰できるよう支援するのが役割です。

受診・受療援助

病気の受け止め方や病気の進行など、患者も家族もさまざまな思いを抱えています。そのようななかで、どのように医療ケアを受けるのが適切なのかという点を支援します。

必要に応じて医師や看護師にも情報を提供し、最適な受診・受療ができるようサポートします。

経済的問題の解決、調整援助

入院中、退院後も医療・介護費用の出費が経済的に負担となる人は少なくありません。経済的に困っている人のために、活用できる保障や制度の案内・調整をします。

地域活動

医療ソーシャルワーカーは地域活動に関わり、患者会や家族会の支援をすることもあります。そのほか、地域のさまざまな機関と連携し、ボランティア活動の支援・地域ネットワーク作りなどを行います。

地域包括支援センター

地域包括支援センターは、高齢者が地域で暮らしていくためのさまざまな相談窓口となる機関です。役割や支援内容をご紹介します。

要介護認定

介護サービスを受けるためには、要介護認定が必要です。地域包括支援センターでは要介護認定の申し込みを受けつけており、認定までを行っています。

介護予防ケアプランの作成

要介護認定を受けて「要支援1」「要支援2」と判定された場合、地域包括支援センターのケアマネジャーが介護予防ケアプランを作成します。

このケアプランに基づき、さまざまな介護サービスを受けます。

総合相談

地域包括支援センターでは総合相談も受けつけています。介護状況や経済的な不安、介護者の抱えている課題などを相談できます。

権利擁護

高齢者の権利擁護には、悪徳商法や詐欺の被害を防ぐ・高齢者虐待の予防や早期発見・成年後見制度の支援といったものが挙げられます。

安心して地域で暮らすための支援も、地域包括支援センターの重要な役割の1つです。

包括的・継続的ケアマネジメント

包括的・継続的ケアマネジメントは、地域包括支援センターに限らず地域の各機関と連携して高齢者の生活や健康を支えるものです。家族の支援も含め、在宅介護の課題にも継続的な支援をします。

医療ソーシャルワーカーや地域包括支援センターなど、親の入院や介護が必要になった際にはさまざまなサポート機関があります。

入院経験がある方に適した介護施設とは?

介護施設にはさまざまな種類がありますが、介護度や病状などによっては適さない施設があります。入院経験がある場合は介護度が高く、持病の管理が必要なケースも少なくありません。

ここでは、入院経験がある方に適した介護施設について詳しくご紹介します。最適な介護施設選びの参考にしてください。

医療ケアの充実度が高い介護施設の種別は?

介護施設と一言でいっても、提供できるサービスは介護施設の種別によって異なります。入院経験のある方は医療ケアが必要なケースも多く、充実度が高い介護施設を選ぶことが大切です。

医療依存度が高い方に対応している施設として、4つの種別の施設をご紹介します。サービス内容や入居条件・費用についても見ていきましょう。

介護型のサービス付き高齢者向け住宅

「サ高住」とも呼ばれるサービス付き高齢者向け住宅は、賃貸契約を結んで入居するスタイルの高齢者施設です。身体介護や生活支援など、受けたいサービスを選択できます。

訪問診療や訪問看護を受けられ、医療的ケアを受けたい場合にも選択の幅が広がります。

介護付き有料老人ホーム

24時間介護サービスを受けられるのが介護付き有料老人ホームの特徴です。身体介護や生活支援を常時受けたい高齢者には安心感があります。

看護師が常駐している施設では、看取りに対応していることもあります。

グループホーム

グループホームは認知症の診断を受けた「要支援2」以上の高齢者が入居できる施設です。1ユニット最大9人という少人数制が特徴です。

医療処置を行わないのが原則でしたが、医療的ケアの需要の高まりとともに看護師が常駐したり、看取り対応が可能なグループホームが増えています。

住宅型有料老人ホーム

住宅型有料老人ホームは、前述した介護型のサービス付き高齢者向け住宅に近い形態の介護施設です。介護サービスは外部の介護事業所と契約し、必要な支援を受けます。

自立向けの施設が多い住宅型有料老人ホームでしたが、要介護者向けに医療体制が整備された施設も増えています。

医療体制が整備されている介護施設を確認するときのポイントは?

医療依存度が高い場合は、医療ケアが充実した施設を検討する必要があります。ここでは、医療ケアが充実した施設を選ぶポイントを6つご紹介します。

看護師が常駐しているか

看護師が常駐している介護施設では、医療体制が整備され医療依存度が高い方も入居できる可能性があります。

昼間のみ常駐する施設もあれば、24時間体制の施設もあります。より整った医療体制を望むのであれば、24時間看護師常駐の介護施設が安心です。

医師や看護師による健康管理を行っているか

医療体制が整っているかどうかの判断基準として、医師か看護師による健康管理を行っているかもチェックしましょう。

普段からの体調管理はもちろんのこと、体調不良時に対応してもらえるかがポイントといえます。

協力医療機関と連携しているか

介護施設が協力医療機関と連携しているかも確認しておきましょう。

多くの介護施設では、提携しているクリニックや訪問診療を通じて医療ケアを提供しています。

救急搬送が必要なとき、入院が必要な状況になったときなどに協力医療機関と連携している介護施設なら安心できます。

医療機関との送迎サービスがあるか

介護施設によっては医療機関への送迎サービスを行っているところがあります。受診の際に仕事を休むのが難しい場合でも、送迎サービスがあれば安心です。

たんの吸引や経管栄養(胃ろう)に対応できる資格を持った介護士がいるか

たんの吸引や経管栄養(胃ろう)に対応できるのは、看護師だけではありません。介護士でも所定の研修を修了すれば対応可能です。

看護師が夜間不在の介護施設であっても、対応可能な介護士がいれば体制が整っているといえます。

看取りの対応が可能になっているか

医療体制が整っている介護施設であれば、看取りまで対応しているところが多い傾向にあります。

終の棲家として介護施設を選択するのであれば、看取り対応が可能かどうかも確認しておくことをおすすめします。

どの老人ホーム・介護施設にしたら良いかお悩みの方へ

満足のいく老人ホームの生活は、どの施設に入居するかで大きく異なることがあります。

安心介護紹介センターの入居相談員は、高齢者の住まいにまつわる資格を有しており、多くの老人ホームの中から、ご本人やご家族のご希望に沿ったぴったりな施設を選定してご紹介させていただきます。

施設のご紹介から、見学、ご入居まで無料でサポートさせていただいておりますので、ぜひご利用ください。

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乾 立樹

監修者:乾 立樹

介護福祉士、社会福祉主事任用資格を有している。 現在、地域密着型通所介護施設にて管理者兼相談員で勤務。
過去の経験として、老健・デイケアにて現場を、サ高住にて副施設長(現場兼務)、住宅型有料老人ホームにて施設長を務めているなど、介護領域において現場や管理の豊富な経験を持つ。