高齢者が喜ぶおやつとは?

低栄養を防ぐために高齢者向けのおやつを作ってみませんか

介護おやつで低栄養を防いで豊かな暮らしを

高齢者にとっておやつの役割とは?

高齢者はその日の体調や、加齢による機能低下などが原因で、食が細くなり、食べたくても食べられなくなることがあります。それが続くと低栄養状態になってしまう場合もあります。高齢者を自宅で介護する方へ向けて、家庭で作りやすく、美味しく、見た目も華やかなおやつの作り方やおやつの効果などをご紹介します。
おやつには、栄養や水分を補給する役割があります。一回の食事で十分な量を摂取できない高齢者の場合、お昼ご飯と夕ご飯の間で空腹を感じることもあります。そのような時におやつを提供することで空腹を満たし、水分や栄養を補うことができます。
 また、おやつは見た目も華やかで、甘い物や辛い物など味も様々、食感もそれぞれ違うことから、食事とは違った楽しみもありますし、おやつをきっかけに会話がはずむこともあるでしょう。おやつを見て楽しみ、食べて楽しむことで、日常生活にアクセントが生まれます。おやつで気分転換やストレス解消を図ってみてはいかがでしょうか?

高齢者が喜ぶおやつとは?

では、高齢者が喜ぶおやつとはどのようなものでしょうか? それを具体的にご紹介していきます。
まず、おいしいこと。これはおやつに限らず、食事でも大切なことですね。美味しいおやつを提供することで、高齢者は日々の暮らしに小さな喜びを感じることができます。そして、食べやすく、飲みこみやすいことが重要です。高齢者の噛む力や飲みこむ力は一人ひとり違います。それぞれの状態に合わせたおやつを提供するようにしましょう。また、おやつは見た目も大切です。季節に合わせたおやつを提供することで、季節感を演出することもできます。たとえば、旬の材料を使ったり、花見や月見などの季節の行事に合わせるなどの工夫を施すことで、おやつをきっかけに、普段、家の中にこもりがちな高齢者に季節を感じてもらうことができます。
 さらに、昔食べたことのあるおやつを提供することで、懐かしい思い出がよみがえり、そのことがきっかけで新たな会話が生まれることもあるかもしれません。

嚥下状態に合わせておやつを作ってみましょう

高齢者の口腔内は、歯の欠損・舌の運動機能の低下・唾液の分泌の低下・味覚の低下などの症状が起きることがあります。その影響で咀嚼力が低下したり食欲が減退することもあります。

高齢者の咀嚼力には個人差がありますので、おやつを提供する際は、高齢者の咀嚼力に合わせた状態にすることが大切です。咀嚼力については、日本介護食品協議会が制定した規格を参考に、容易に噛める・歯ぐきでつぶせる・舌でつぶせる・噛まなくてよいの4段階のやわらか区分があります。加齢とともに徐々に咀嚼力が衰えますので、日々の食事の様子を確認しながら、材料を細かく切ったり、すりつぶしたり、ゼリー状やペースト状にするなど最適な状態のおやつを提供するようにしたいですね。

(参考:日本介護食品協議会 https://www.udf.jp/index.html)

おやつを通してコミュニケーションを増やす工夫を

これらのことに気をつけながら、おやつを上手に活用し、高齢者の体だけではなく、心も健康に保つようにしたいですね。そのためには、おやつ作りが毎日の負担になっては大変です。作り置きや市販品を上手に活用するなどして、おやつを作る負担を軽減する工夫も大切になってきます。おやつをきっかけにして家族や友人とコミュニケーションを図ることも大切です。

では、次に、やわらかさに合わせたおやつのレシピをご紹介します。

バナナチョコレートのやわらかブラウニー

バナナチョコレートのやわらかブラウニー

おしゃれで栄養たっぷりのチョコのお菓子

レシピ:レシピバナナチョコレートのやわらかブラウニー

やわらかさ:「容易に噛める」やわらかさ

チョコレート色の見るからに美味しそうなおやつが食欲をそそります。バナナを加えることで、しっとりとした食感になり、口の中でまとまりやすく、食べやすくなります。また、時間が経っても固くなりにくく、美味しく食べられます。
さらにバナナに含まれる食物繊維を摂取でき、バナナの自然な甘味で砂糖の量を減らすことができます。
バナナは体内で素早くエネルギーに変化するので、少し疲れているような時に最適なおやつといえるでしょう。
作る際には、よく熟したバナナを使用するとより柔らかく、食べやすいおやつになります。
熟した状態のバナナを冷凍しておけば、いつでも気軽に作ることができるので、お勧めです。また、食べやすい大きさに切ったブラウニーをラップに包み、冷凍保存もできます。食べる量だけ冷蔵庫で自然解凍やレンジで温めて食べることができるので、便利です。

スフレチーズパンケーキのはちみつ添え

スフレチーズパンケーキのはちみつ添え

はちみつを添えることがポイント。スフレパンケーキ

レシピ:スフレチーズパンケーキのはちみつ添え

やわらかさ:「歯ぐきでつぶせる」やわらかさ

スフレチーズケーキはメレンゲで作る簡単なおやつです。ふんわりとした歯触りと口どけで、歯ぐきで簡単につぶしながら食べることができます。
メレンゲとは、卵白をよく泡立てて作ります。そのふわふわとしたメレンゲを生地に加えることによってフワフワとした食感になります。
混ぜ合わせる時はその泡を潰さないように混ぜ合わせることがコツです。
はちみつをからめながら食べることで、生地がまとまりやすくなり、食べやすくなります。
さらに、はちみつは摂取後、すぐにエネルギーに変わり、疲労回復効果があります。
また、チーズでカルシウムも摂取できます。見た目が華やかな割りに、簡単に作れるおやつなのでお勧めです。

とろとろ豆花の黒蜜&きなこがけ

とろとろ豆花の黒蜜&きなこがけ

アジアンテイストのお洒落なおやつで暮らしにアクセント

レシピ:とろとろ豆花の黒蜜&きなこがけ

やわらかさ:「舌でつぶせる」やわらかさ

豆花(トゥーファー)とは、大豆から得られた豆乳を使用したゼリー状のおやつです。時にはアジアンテイストなデザートで気分を変えるのもいいですね。
このおやつは、豆乳の量を調節することで、簡単に柔らかさを調整できるので、どなたにも喜んで食べてもらえるおやつではないでしょうか。
作り置きができるのも嬉しいポイントですね。脂肪分が少ないので、胃にも負担をかけずに、さらに豆乳のイソフラボンや大豆のタンパク質も摂れる栄養豊富なおやつです。
さらに黒蜜の材料である黒糖にはミネラルが豊富に含まれています。また、腸内の善玉菌を増やすはたらきがあり、便秘解消、皮膚炎の緩和などの効果が期待できます。
きなこは大豆を煎って皮をむいて挽いた粉なので、消化がよく、タンパク質とミネラルをバランスよく含んでいます。きなこは喉に詰まる恐れもあるので、必ず黒蜜・豆花としっかり混ぜて、しっとりさせてから食べるようにしましょう。

低栄養に注意しておやつで栄養補給

 高齢者は体調の悪化や、気分の落ち込みなどによって、食事の摂取量が減り、十分な栄養が補えないことがあります。低栄養状態となると、運動機能や筋力の低下、免疫力の低下、床ずれ(褥瘡)や傷が治りにくくなるといった危険性が出てきます。また、提供された料理を全部食べられずに残してしまうことでさらに気分が落ち込んでしまうこともあります。
そういった場合、一度の食事量をちょうど食べられる量に調節し、その分をおやつで補うことで、残さず食事を摂りながら、おやつで足りない栄養を補給することができます。
おやつを上手に利用して、高齢者の心と体を優しく支えていってあげたいですね。

高齢者が喜ぶようおやつの内容を工夫

おやつは普段の食事とは見た目も香りも違います。様々な色や形をしたおやつは見た目が華やかで、明るい食卓を演出してくれ、食欲もそそります。食感もつるつるしたものや、もっちりしたものなど様々で、高齢者の嚥下力に合わせることができます。
味も甘い物や塩辛い物など、様々な物があるので、日々の変化で気分転換を図り、
食欲増進を図っていくことができます。日々、様々なおやつを提供することで、介護者の愛情を感じることができ心を満たすことにもつながっていきます。

嚥下状態を把握して状態に合ったおやつを提供

 これまで述べてきたように、おやつは、高齢者の噛む力や飲みこむ力に合わせて提供することが大切です。
では、高齢者の噛む力、飲みこむ力はどのようにしてわかるのでしょうか? 普段の食事の時に少し気をつけて様子を見ておくことが大切になってきます。
食事に時間がかかるようになる、むせやすくなる、噛めないものが増えたなど気になることがあれば、状態に合わせて提供方法を工夫すると良いでしょう。
嚥下しにくい食材の使用を控え、口の中でまとまりやすく、噛みやすく、飲みこみやすい材料で作ってみたり、必要な時にはとろみやつなぎになる食材を上手に使って食べやすくすると良いでしょう。
食べやすく、飲みこみやすい代表的なおやつとしては、ゼリーやムースなどの舌触りの滑らかなものや、蒸しケーキなどの口の中でまとまりやすいもの、さらに果物なら簡単に水分補給ができます。

さいごに

 おやつは高齢者の体だけではなく、心にもはたらきかけるものです。おやつをきっかけに会話が広がることもあり、暮らしも華やぎます。
さらにお友達を招いてのおやつパーティーなどで、コミュニケーションを増やしていくきっかけ作りにもなりますし、一緒におやつ作りを楽しむことができれば、気持ちもリフレッシュできます。
このように、さまざまなメリットのあるおやつですが、糖分やカロリーの摂り過ぎには気をつけていきましょう。高齢者の心と体にたくさんの良い効果をもたらすおやつを、暮らしの中に積極的に取り入れ生活を楽しんでいきたいですね。
甘くて糖分過多になるのではないかと提供するのをためらう方もいらっしゃるかもしれませんが、おやつにはこのようにたくさんの良い効果があります。
多く摂り過ぎないよう、適切な量を、適切な状態で提供し、高齢者の健康で豊かな暮らしを支えていきたいですね。

※この記事は2020年7月時点の情報で作成しています。

やわらか食おやつレシピ

 

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