夜間対応型訪問看護と定期巡回・随時対応型訪問介護看護の違いは何ですか?使い勝手も気になります。

質問

質問者

同居している義母のことです。ひとりでベッドから体を起こして車イスに移乗できないのですが、トイレでの排泄にこだわっており、そのたびに介助をしています。日中は私や夫が交代で対応できるので良いのですが、夜中にもトイレに行きたいと起こされることが多く、なんとか夜の間だけおむつを履いてもらえるようになりました。

それでも週に2、3回ほど、「便が出たからおむつを交換して欲しい」、「喉が渇いた」と呼ばれます。毎晩呼ばれるのではないかと気になってぐっすり眠れない日々が続いており、辛いです。

夜間に本人が直接呼んで来てくれるサービスとして、夜間対応型訪問介護と定期巡回・随時対応型訪問介護看護をすすめられました。 

2つの違いを教えてください。また、使い勝手を知りたいです。結局、連絡や開鍵などで結局起きなくてはいけませんか?

専門家

夜間対応型訪問介護と定期巡回・随時対応型訪問介護看護についての質問ですね。どちらも夜間(午後6時から翌日の午前8時)に、定期訪問や必要に応じて随時対応を受けられます。利用者のニーズに合わせて、夜の時間帯に定期的に訪問してもらえるだけではなく、もしもの時に必要なサービスが受けられるというのがメリットです。

この記事では、それぞれの特徴や違い、選び方などについてまとめています。ぜひ、今後の生活の参考にして、眠れる夜を手に入れてください。

 

夜間帯に随時対応可能な2つのサービス

眠る高齢者のイラスト

緊急時などに必要に応じて訪問を受けるサービスは、「随時訪問サービス」と呼ばれるものです。「失禁してしまった」「転倒して起き上がれない」「水が飲みたいのに飲めない」などの緊急時に通報ができ、必要なサービスが受けられます。

まずは、夜間の随時対応が可能な、夜間対応型訪問介護と定期巡回・随時対応型訪問介護看護のそれぞれの特徴についてみていきましょう。

夜間対応型訪問介護

夜間対応型訪問介護では、夜間帯に訪問介護員(ホームヘルパー)が以下のサービスを提供しています。

  • 定期巡回:夜間帯に複数回の訪問介護
  • 随時訪問サービス

夜間対応型訪問介護のサービスが受けられるのは、午後6時から翌日の午前8時までです。日中には、訪問介護を提供している他の事業所のサービスを受けることも可能です。

定期巡回・随時対応型訪問介護看護

定期巡回・随時対応型訪問介護看護は、訪問介護と訪問看護が連携し合い、以下のサービスを24時間365日提供しています。

  • 定期巡回:1日に複数回の訪問介護
  • 訪問看護
  • 随時訪問サービス

サービス付き高齢者住宅(サ高住)の中には、定期巡回・随時対応型訪問介護看護のサービスが付いているものもあります。デイサービスやデイケアなどの通所系サービス、短期入所サービス、福祉用具貸与などと併用が可能ですが、別の事業所から訪問介護や訪問看護、夜間対応型訪問介護を受けることはできません。

訪問看護と訪問介護の緊急対応について

今回の質問にはありませんでしたが、訪問介護や訪問看護でも転倒や失禁、病状の急変時といった緊急時に通報をすると訪問をしてくれるサービスがあります。

ただし、対応できる体制が整っているかどうかは事業所によって異なるので、詳しくはケアマネジャーにご相談ください。

夜間は何時から何時まで?

介護保険サービスでは、午後6時から翌日の午前8時までが「夜間」とされています。

夕食や就寝時の介助から翌朝の起床時や朝食の介助までカバーできる時間帯です。朝の時間帯はサービスが混み合うため、希望する時間に定期巡回の時間が設定できないことや緊急時に呼んでも時間がかかることもあるので確認しておきましょう。

項目ごとにサービスの違いをチェック!

夜間訪問介護のスタッフ

続いて、それぞれのサービスの違いを見ていきましょう。

対象者

夜間対応型訪問介護と定期巡回・随時対応型訪問介護看護の対象者は、以下の通りです。

  要支援1、2 要介護1~5 他の市区町村の住民
夜間対応型訪問介護 × ×
定期巡回・随時対応型訪問介護看護 × ×

 

夜間対応型訪問介護や定期巡回・随時対応型訪問介護看護は、「地域密着型サービス」のため、サービスを提供する事業所と同じ市区町村に住んでいる必要があります。違う市区町村の事業所のサービスは受けられません。また、要支援1、2の方は、いずれのサービスも対象外となります。

緊急時の通報方法

夜間対応型訪問介護や定期巡回・随時対応型訪問介護看護では、利用者や家族が緊急用端末を利用し、24時間オペレーターに通報できるサービスです。ボタンを押すだけでオペレーターにつながる端末などが、事業所から配布されます。

首から下げておけるペンダント型の端末もあり、端末から離れたところで介助が必要になった際にも安心です。

かかる費用

夜間対応型訪問介護や定期巡回・随時対応型訪問介護看護では、通報用の端末を貸し出されますが、貸出料などはかかりません。ひと月にかかる費用は以下の通りです。

【夜間対応型訪問介護】

夜間対応型訪問介護は、要介護度に関わらず、ひと月当たりの料金と1回ごとの訪問に料金がかかります。また、緊急時に専用端末から通報を受ける「オペレーションセンター」を設置している事業所と、設置せずに定期巡回をしている訪問介護員(ホームヘルパー)が直接通報を受ける事業所があり、月々の利用料金が異なります。事前に確認をしておきましょう。

 

オペレーションセンターを設置している場合 ひと月当たりの料金 1,025円
定期巡回サービス(1回) 386円
随時訪問サービス(1回) 588円
オペレーションセンターを設置していない場合 ひと月当たりの料金 2,800円

※自己負担割合が1割の方の金額です。一定の所得がある場合は、所得に応じて2割または3割負担となります。

※上記は基本的な利用料(「介護報酬の算定構造」令和3年4月改定版)です。サービス内容、サービス提供事業所の所在地などによって金額は異なります。詳しくは担当のケアマネジャー、もしくは市区町村の高齢者窓口や地域包括支援センターにお問い合わせ下さい。

 

【定期巡回・随時対応型訪問介護看護】

定期訪問の時間帯や回数、随時訪問の有無や回数に関わらず、料金は一律です。サービスの頻度が多い方でも金額を抑えることができます。料金は訪問看護を受けるかどうかで異なります。

訪問看護サービスを行わない場合
(一体型・併設型)
要介護1 5,697円
要介護2 10,168円
要介護3 16,883円
要介護4 21,357円
要介護5 25,829円
訪問看護サービスを行う場合
(一体型)
要介護1 8,312円
要介護2 12,985円
要介護3 19,821円
要介護4 24,434円
要介護5 29,601円

※自己負担割合が1割の方の金額です。一定の所得がある場合は、所得に応じて2割または3割負担となります。

※上記は基本的な利用料(「介護報酬の算定構造」令和3年4月改定版)です。サービス内容、サービス提供事業所の所在地などによって金額は異なります。詳しくは担当のケアマネジャー、もしくは市区町村の高齢者窓口や地域包括支援センターにお問い合わせ下さい。

日中のサービスについて

夜間対応型訪問介護は、夜間帯のみのサービスですが、それ以外の時間帯でも、随時対応サービスを提供している事業所もあります。夜間対応型訪問介護の事業所が日中の通報を受け付けた場合、提携している別の訪問介護事業所が随時訪問を行う場合があります。

定期巡回・随時対応型訪問介護看護では、定期巡回サービスと随時対応サービスを24時間提供しています。

どのサービスを選ぶべき?

夜間訪問介護を解説する介護士

ここまで2つのサービスを紹介してきました。それではどちらのサービスを選んだらいいのでしょうか。

こんな場合は夜間対応型訪問介護を

次のような方は、夜間対応型訪問介護を選ぶと良いでしょう。

  • 日中はサービスは必要がない方、慣れている訪問介護事業所を継続して利用したい方
  • ひとり暮らしやひとりの時間が多く、電話ではなくボタン1つで通報できる方が良い方
  • 定期巡回や緊急の回数が少ない方

こんな場合は定期巡回・随時対応型訪問介護看護を

次のような方は、定期巡回・随時対応型訪問介護看護を選ぶと良いでしょう。

  • 見守りも含めて1日に複数回訪問して欲しい方
  • ひとり暮らしやひとりの時間が多く、電話ではなくボタン1つで通報できる方が良い方
  • 緊急の回数や夜間時の対応が多い方

夜間対応時に知っておきたいこと

眠る中年女性の

夜間対応を頼む際に、同居している家族が知っておきたいことをまとめます。

鍵の開閉について

夜間にヘルパーが訪問する際、鍵の開閉が必要になりますが、家族がそのたびに起きて対応するのは大変です。

暗証番号で開閉できるキーボックスで鍵を管理するようにすれば、夜間に家族が起きなくても、ひとり暮らしの方でも、随時訪問サービスを受けることが可能です。

夜間にすぐに来てもらえるのか

夜間対応型訪問介護や定期巡回・随時対応型訪問介護看護は、どちらもお住まいの市区町村内の事業所からサービスを受ける「地域密着型サービス」です。事業所から自宅までの移動時間など、通報から家に到着する時間の目安について、確認しておきましょう。

朝の起床時など、サービスが集中することが多い時間帯は端末のボタンを押してから、ヘルパーが来てくれるまでに時間がかかることがあります。あわせて確認しておくと良いでしょう。

まとめ

日中に仕事をしている家族にとって、夜間の介護は非常に負担が大きいものです。介護をしている自分が倒れないためにも、十分に睡眠はとりたいものですよね。夜間対応型訪問介護や定期巡回・随時対応型訪問介護看護は、どちらも定期的な訪問と緊急時に必要に応じて訪問してくれる随時訪問を受けられるサービスです。

日中のサービスも同じ事業所で受けたいか、訪問の頻度は多いかなどを考慮して、どちらのサービスを利用するかを決めると良いでしょう。

ショートステイも組み合わせて利用し、無理なく介護を続けていきたいものです。まずは睡眠がとれずに困っていることを、ケアマネジャーに相談してみましょう。

※この記事は2021年11月時点の情報で作成しています。

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i.ansinkaigo.jp

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ケアマネジャー:森裕司(株式会社HOPE)
ケアマネジャー  森 裕司(もり ゆうじ)

【経歴】 1982年生まれ。
医療福祉系学校を卒業後、約11年医療ソーシャルワーカーとして医療機関に勤務。
その後、一生を通じた支援をしたいと思い、介護支援専門員(ケアマネジャー)へ転身。
2017年1月 株式会社HOPE 設立
2017年3月 ほーぷ相談支援センター川越 開設
代表取締役と共に、介護支援専門員(ケアマネジャー)として、埼玉県川越市で高齢者の相談支援を行っている。
他に、医療機関で、退院支援に関するアドバイザーと職員の指導・教育にあたっている。
医療・介護に関する新規事業・コンテンツ開発のミーティングパートナーとしても活動。大学院卒(経営研究科)MBA取得している。

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