食材の買い物は日々の生活に欠かせませんが、足腰が悪くなったり、移動手段がなかったりと、買い物に困難を感じている高齢者は多いようです。
食材を宅配してくれるネットスーパーは高齢者の強い味方ですが、高齢者にとって利用のハードルが高い面も。高齢者がネットスーパーを使うメリットや利用のハードルとなる点を詳しくご説明します。
高齢者がネットスーパーを使うメリット、デメリット
ネットスーパーとは、スーパーがインターネット経由で食材や日用品の注文を受け付け、最寄りの店舗から自宅まで配達してくれるサービスのことです。
スーパーに足を運ぶのが難しくなった高齢者にとって、食材の買い出しは大きな悩みの種。食材を買わないわけにはいかず、かといって代わりに買い物を頼める人が身近にいないとなると、日々不安な思いを強いられることになります。
ネットスーパーはそんな高齢者の悩みを解決してくれる頼もしい存在です。ネットスーパーのメリットとデメリットをご紹介しますので、ネットスーパーのことをよくわからないという方は、この機会にぜひ利用を検討してみてはいかがでしょうか。
メリット
自宅まで食材や日用品を届けてくれる
ネットスーパーの大きなメリットと言えば、なんといっても注文したものを玄関先まで届けてもらえること。お米やペットボトルといった重いものや、ティッシュペーパーなどのかさばるものも宅配してもらえます。冷凍食品やアイスクリームも注文できますよ。
交通費やガソリン代がかからない
スーパーまで出向く必要がないため、ガソリン代や電車・バス代など、交通費がかからない点もネットスーパーのメリットと言えるでしょう。
最短で即日届けてくれる
通販で買い物をすると自宅に届くまでに数日かかることが普通ですが、ネットスーパーの場合は最短で注文した日に届けてくれます。※ 注文した時間や天候、交通事情によって当日に届かない場合があります。
また宅配の時間帯を指定してお好きな時間帯に受け取ることができますので、いつくるかわからない宅配を一日中待っているといった大変さがありません。
時間を気にせず注文ができる
ネットスーパーなら、早朝や夜中など、スーパーが空いていないような時間帯でも注文が可能です。お子さんやお孫さんなど、買い物を手伝いたい気持ちがあっても日中は忙しくてなかなか買い物に一緒に行けないという場合でも、夜に注文ができるネットスーパーなら必要なものを電話で確認して代わりに注文するなどのサポートもしやすいのではないでしょうか。
予算にあわせた計画的な買い物ができる
実店舗で買い物をするとつい買う予定のなかったものにまで目移りして、予算オーバーになってしまった経験はありませんか。ネットスーパーなら決済する前に選んだ商品の合計金額がはっきりわかるため、予算に合わせた計画的な買い物ができますよ。
他にも
- 歩くことがないので、膝や腰に痛みを感じている場合は、負担軽減になる
- 定期的に利用することで、配達業者による安否確認ができる
といったメリットもあります。
デメリット
実物を見て買えない
スーパーに直接買い物に行くのと違って、ネットスーパーでは実物を見て買えないため、食材の痛み具合や大きさなどを確認できません。生鮮食品などをしっかり自分の目で確認してから買いたいという方にとって大きなデメリットです。
実店舗より品揃えが少なかったり、割高な場合がある
ネットスーパーは実店舗より品数が少なかったり、商品が割高な場合があります。しかし、それでも十分にたくさんの商品が揃っていますし、割高といっても普通のスーパーでもありえるくらいの価格です。
配送料がかかることがある
もう一つネットスーパーのデメリットとして挙げられるのが、配送料がかかることです。どのネットスーパーを使うかによって異なりますが、1回の注文につき300円+税程度の配送料がかかります。ただし、一定の金額以上買い物をすると送料無料になる場合が多いです。
配送可能エリアに入っていない場合がある
お住まいの場所によっては配送可能エリア外でネットスーパーを利用できないことがあります。1つのネットスーパーでエリア外だった場合でも、別のネットスーパーで配送地域に入っている可能性がありますので確認してみましょう。
外に出るきっかけが失われる
高齢者は積極的に外に出て、外部の刺激を受けることで心身機能が維持されます。しかし、ネットスーパーに依存し過ぎてしまうと、外に出るきっかけが失われ、心身機能が低下するリスクがあります。
全ての商品をネットスーパーで依頼すのでなく、近くのスーパーで購入できるものはそちらで買ったり、大きな商品だけネットスーパーに依頼するなど区別する必要があるでしょう。
高齢者がネットスーパーを使うハードルとその解決策
高齢者にとって多くのメリットがあるネットスーパーですが、普通のスーパーでの買い物とは違うことがあります。それは、パソコンやスマートフォンが使えないと買い物ができないことです。
ネットスーパーはその名前からも分かる通り、インターネットを使って買い物ができるスーパーであり、利用するにはインターネットにつながっているパソコンやスマートフォンが必要です。
パソコンやスマートフォンを持っている高齢者であっても、ネットスーパーで買い物をする操作が難しいと感じる人は多いですので、もし注文に不安がある場合には、お子さんなどが操作方法をレクチャーしたり、代わりに注文したりといった対策が必要です。
おすすめのネットスーパー
いざネットスーパーを使ってみようと思っても、たくさんのネットスーパーがあるため、どこを使おうか迷ってしまうかもしれません。
そこでここでは、おすすめのネットスーパーを3つご紹介します。高齢者を含む幅広い世代の人におすすめのお店ですので、ぜひお買い物の候補に入れてみてくださいね。
イオンネットスーパー
イオンネットスーパーは44都道府県で展開しており、ほかのネットスーパーが配達エリア外でも、イオンネットスーパーなら使えるという場合が多いです。
4万点以上というトップクラスの品揃えを誇り、プライベートブランド「トップバリュ」の商品も買えるほか、火曜市があったりと、イオン実店舗と同じような買い物を楽しめ、ネットスーパー界を牽引する存在です。
【配達時間】
狭域エリア:15時までの注文で最短当日中
広域エリア:朝9時までの注文で最短翌日中
【対象エリア】
44都道府県
【配達料】
狭域エリア:6,000円未満の注文は税込330円、6,000円以上の注文で無料
広域エリア:注文金額に関わらず税込550円
【ポイント】
税込200円につき、1WAON POINT
【公式サイトURL】
イトーヨーカドーネットスーパー
イトーヨーカドーネットスーパーは約3万点の中から選べます。当日16時の注文まで即日配達が可能で、ほかのネットスーパーと比べて時間に余裕があるのが魅力の一つです。
母子健康手帳を提示して登録すると4年間配達料が税込102円になるという、プレママ・子育てママを応援する独自のサービスを展開しています。
その他、イトーヨーカドーネットスーパーの特徴については、公式サイトのこちらのページで詳しくまとめられていますので、ぜひチェックしてみてくださいね。
【配達時間】
当日16時までの注文で最短当日中
【対象エリア】
20都道府県
【配達料】
1回330円(税込)
【ポイント】
税抜200円につき、1 nanacoポイント
【公式サイト】
楽天西友ネットスーパー
楽天西友ネットスーパーは、2018年10月にオープンした比較的新しいネットスーパーでありながら、イオンやイトーヨーカドーに迫る知名度の高さを獲得しています。
楽天西友ネットスーパーの魅力はポイントが貯まりやすいことや価格の安さ。税込100円につき楽天スーパーポイントが1ポイント貯まり、楽天カードを使って買い物するとさらに1ポイントもらえます。
また、西友の実店舗で評判の高い「カカクロック」商品が販売されていて、特定の食品や日常品がいつでも同じお手頃価格で購入できます。
【配達時間】
15時までの注文で最短当日中
【対象エリア】
17都道府県
【配達料】
1回税込330円(一定額以上の購入で送料無料 ※「一定額以上」の金額は地域によって異なる)
【ポイント】
税込100円につき楽天スーパーポイント1ポイント
【公式サイト】
楽天西友ネットスーパー|食品・日用品をいつでも安く最短当日宅配
いつも使うスーパーにネットスーパーがないか確認しよう
イオンやイトーヨーカドー、楽天・西友のネットスーパーなど全国展開のネットスーパーに限らず、普段利用されている地域のスーパーがネットスーパーを展開している場合があります。なじみのあるスーパーが安心という高齢者は多いかもしれません。いつものスーパーにネットスーパーがあればそちらも有力候補になるでしょう。
(※ 以上はすべて2019年10月現在の情報です。配達時間や対象エリアなどは変更になる場合があります。)
まとめ
スーパーまで足を運ばずに食べ物や日用品を宅配してもらえたら、外出が難しくなったり重いものやかさばるものを運ぶことが難しくなった高齢者でも、必要なものを手軽に手に入れることができます。
インターネットで注文しなければならないというのが、高齢者にとって大きなハードルですが、このハードルを乗り越えられたらとても大きなメリットがありますので、ぜひ前向きに検討してみてくださいね。
もしこの記事が役に立った場合には、ネットスーパーを「なんだか難しそう」と感じて避けている高齢者やそのご家族にも、この便利さが広まるように、シェアをして拡散をお願いします。
※この記事は2019年10月時点の情報で作成しています。

2001年、介護福祉士養成校を卒業と同時に介護福祉士を取得し特別養護老人ホームにて介護職員として勤務する。
その後、介護支援専門員や社会福祉士も取得し、介護以外でも高齢者支援に携わる。現在はソーシャルワーカーとして、
特別養護老人ホームで勤務しており、高齢者虐待や身体拘束、成年後見制度などの権利擁護について力を入れて取り組んでいる。