高齢者に関する相談ができるふれあい相談員とは?

あまり聞き馴染みの無い方が多いふれあい相談員。ですが中には幼少期にふれあい相談員と関わったことがあるという方もいるかもしれません。ふれあい相談員にはどういった相談ができるのか解説していきます。ふれあい相談員を知っているだけで高齢者がますます地域で住みやすくなるかもしれません。

ふれあい相談員とは

高齢者に関する相談ができるふれあい相談員とは?

ふれあい相談員とは、各自治体が取り組んでいる活動の1つとなります。 社会福祉士や主任介護支援専門員等の資格を持つ専門の職員が担当することが多く、地域見守りネットワーク事業の一つとされています。介護保険や高齢者サービス等の利用のない、ひとり暮らし高齢者等を訪問したり、相談を受け、生活実態に即した支援のフォローを行います。

市区町村の社会福祉協議会が管轄しており、市区町村によってネーミング等は異なることもあります。概ね小学校区ごとにふれあい相談員は設置されており、その人数などは地域によって決まっているため、ふれあい相談員の地域における人数の比重はばらつきがあります。前述したように資格を所持し、地域の福祉活動に熱心な方を候補制で集め、市町村社会福祉協議会の会長が任命します。ふれあい相談員の任期は2年間となっており、再任することもできるため、1人のふれあい相談員が長く続けているという地域も少なくありません。むしろ地域に根差した支援を行うという観点から長く続けているふれあい相談員の方が多いともいえます。

ふれあい相談員事業は地域によって開催時期にもばらつきがあるためその歴史など一概には言えませんが、多くの地域が平成の初めごろからこのふれあい相談員事業を開始しているようです。

ふれあい相談員の主な仕事

ふれあい相談員の仕事内容は主に以下の5つとなります。

地域住民からあがった情報をもとに対象者について把握する

地域の住民から連絡を受けたらまずはその対象者について知ることから始まります。見守りをすべき対象者がどのような方なのか把握します。そして、本人から同意を得たうえで対象者を見守り支援するものとして登録支援を行っていきます。

地域住民への依頼、見守り訪問

対象者に対する安否確認体制の充実を図るために、地域住民からなる見守り支援員に見守り支援の依頼を行います。また、見守りチームを編成して地域見守り活動が円滑にかつ一人も漏れなく行われるような調整を進めていきます。もちろん、ふれあい相談員自身も見守りを行います。見守り訪問のペースは、1週間に1回以上で対象者のご自宅を直接訪問し、安否の確認や直接相談者から相談に応じます。

行政などとの連携

見守り対象となった対象者が、民生委員や行政ならびに民間の相談機関やサービス提供機関との関わりがある場合は、関係各所と十分な連携をとって、その情報を見守り活動に活かしていきます。また、対象者から相談を受けた場合、その相談内容によって行政のみでの解決が難しいという場合には弁護士など専門職と連携をして問題解決に向けた動きをとる場合もあります。

研修や情報交換会の開催、参加

ふれあい相談員同士が情報を交換したり、その知識などを高めていけるような研修がたびたび運営されます。これに参加することも重要な仕事の1つとなります。

地域懇談会や会議の開催

担当する地区における地域懇談会や地域見守り会議の開催に協力し、運営をサポートしていきます。地域の見守り隊の方とも円滑にコミュニケーションをとっておくことでより密接に地域について知ることができ、地域に根差した見守り支援を行うことができるようになります。

これら以外にも地域見守り活動を進めるにあたり必要なことに積極的に参加していくことが、ふれあい相談員の仕事と言えます。地域によっては毎月会報誌を作成し、対象者の家や地域のふれあい支援員に配布するという仕事もあります。

また、ふれあい相談員は地域の自宅のみの訪問ではありません。地域によっては介護施設などへの訪問を行い相談を受けているところもあります。そのため、例えば施設の職員には話しにくいということや、施設の両親の様子を知りたいという場合にも訪問をしてもらうことができます。ですが、これは訪問できる施設が決まっていたり、地域によって行っていないところもあったりしますので、必ず訪問できるというわけではないことをご承知ください。

ふれあい相談員に相談できること

ふれあい相談員は気軽に相談をすることのできる職員であり、本当に些細なことから相談することが可能です。例えば、とある市区町村では、以下のような内容でも相談してほしいと相談を推進しています。

【こんな時は相談しましょう】

  • 近所の高齢者宅の郵便物があきらかにたまっている
  • いつもゴミ出しなどで見かけていたがここ数日見かけない
  • 同じ洗濯物が数日間干したままとなっている
  • 声をかけても元気がない
  • 数日で痩せた気がする
  • 同じことを何度も言うようになった
  • 会話をしていて話がかみ合わない
  • 部屋が乱雑になっている
  • 衣類の汚れや臭いがある
  • 見たことのない人が家への出入りを頻繁にしている
  • 体にあざがあるが理由を言いたがらない
  • 大声が家の外まで聞こえている

これはあくまでも他人が見かけたら相談をしてほしいという内容です。そのため、ご両親であれば尚のこと積極的に相談をすることができるのです。

ふれあい相談員の対象者は地区によっても異なりますが、70歳以上のひとり暮らしの方、または高齢者のみの世帯を対象としているところが多いです。

ふれあい相談員へ相談したい時は?

ふれあい相談員に相談をしたいときは、直接その地域のふれあい相談室に電話をするか、あるいは来訪して相談するようにしましょう。ふれあい相談室がない、またはふれあい相談室の連絡先が分からないという場合には市区町村の社会福祉協議会へ連絡してみましょう。

ふれあい相談員には、地域の人が、自分の地域に気になる人がいるという場合にも相談をすることができます。つまり、家族のこと以外でも連絡することができるので自分自身の家族のことでしたらより気兼ねなく相談できるのではないでしょうか。ふれあい相談員は地域にもよりますが年齢、性別ともにさまざまな方がいるため、気軽に相談しやすい雰囲気となっています。実際に来訪するのは手間となる、気が引ける、忙しいという場合には電話で相談をされてみることをおすすめします。

ただし、ふれあい相談員が対象としているのは70歳以上の高齢者、高齢者の単独世帯としているところがほとんどです。例えばご両親がまだ60歳代であるという場合や、自分は離れて暮らしているが兄弟が両親と一緒に住んでいるという場合にはふれあい相談員の対象となることができない場合があります。これは、市町村によっても異なるため、まずはそういった面も含めて確認をしてみるとよいでしょう。

また、地域によってはこのふれあい相談員事業すら行っていないところもありますので、自分の両親が住んでいる地域がそもそもこのふれあい相談員制度を行っているかどうかの確認から始めることをおすすめします。

市区町村へ確認する暇はない!そんな時は…

ふれあい相談員について、市区町村に電話確認をしている時間がないという方はインターネットで調べることも可能です。ご自身の居住する市区町村名とふれあい相談員という言葉を入力して検索すればヒットすることがほとんどです。

ただし、注意しておきたいのが高齢者ではなく中高生など学生を対象としているふれあい相談員事業をしている地域があるということです。高齢者と学生の両方を対象にふれあい事業をしているところもありますが、どちらか一方を対象としているところが多いです。ふれあい相談員という言葉を見つけても高齢者を対象としているかどうかを見落とさずに確認されることをおすすめします。

まとめ

高齢者における問題を一緒に解決してくれるふれあい相談員。社会福祉を生業としているプロが相談に乗ってくれますし、秘密もしっかりと守ってくれますので、専門的なことまで気兼ねなく相談することができるでしょう。ただし、地域の事業の一環となるため、ふれあい相談員事業を行っていない地域もあります。ご自身の地域がふれあい相談員制度の対象となっているかどうかの確認は必須です。プロと地域が連携しているため遠方のご両親のことなども安心して相談できる頼もしい存在であるといえるでしょう。

この記事を読んでふれあい相談員についてわかったという方や、ふれあい相談員に自分の両親のことを相談したいと思われた方はぜひシェアをしていただき情報を拡散していただけると嬉しいです。なかなか社会福祉のプロに無料で相談できるあるいは関われる機会は少ないと思いますので、知っておくだけでも安心できるのではないでしょうか。

※この記事は2019年10月時点の情報で作成しています。

 

陽田 裕也
陽田 裕也 (ひだ ゆうや)

2001年、介護福祉士養成校を卒業と同時に介護福祉士を取得し特別養護老人ホームにて介護職員として勤務する。
その後、介護支援専門員や社会福祉士も取得し、介護以外でも高齢者支援に携わる。現在はソーシャルワーカーとして、 特別養護老人ホームで勤務しており、高齢者虐待や身体拘束、成年後見制度などの権利擁護について力を入れて取り組んでいる。