高齢者向け介護施設を探したい!種類と選び方・探し方のポイント

高齢者向け介護施設を探したい!種類と選び方・探し方のポイント

高齢者向け施設には、たくさんの種類や特徴があります。「複雑で違いがよくわからない」「私のお父さんはどの施設が合ってるの?」「そもそもどんな種類があるの?」という 方へ、介護施設の種類と特徴から探しや方や選び方までわかりやすくお伝えします。ぜひご確認ください。

介護保険が適用される介護施設の種類と特徴

介護保険が適用される介護施設の種類と特徴

介護保険が適用される公的な介護施設では、入所時に支払う初期費用もなく、所得によっては軽減制度の対象となります。比較的安く利用できるうえにサービス内容も充実しているので、人気が高い施設です。

介護保険が適用される介護施設にはどのようなものがあるのかを見ていきましょう。

特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)

《利用対象者》

原則として要介護3以上で、常時介護が必要な方

看取り:〇

入りやすさ:数週間から数ヵ月の比較的長い待機期間がある

 

常に介護が必要な方が日常生活上の支援を受けながら暮らす施設です。ターミナルや看取りにも対応しており、終の棲家として利用する方も少なくはありません。介護保健施設の中でも特に利用料金が安いのですが、医療や看護職員の配置は充実していません。利用希望者が多く、希望しても入所までに時間がかかることが多い介護施設です。

特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)とは 特徴と探し方 | 介護の無料相談&ハウツー「安心介護」

老人保健施設(老健)

《利用対象者》

原則として要介護1以上で、在宅復帰を目指している病状が安定期の方

看取り:△(施設による)

入りやすさ:待機があっても短期間

 

医師による医学的管理の下で、日常生活上の支援や医療的ケアや専門的なリハビリテーションを受ける施設です。特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)とは違い、医療や看護のサポート体制が充実しているため、医療ニーズの高い方も安心して入所することができます。“終の棲家”ではなく、自宅に戻るためのリハビリをする施設です。リハビリが必要ないと判断されると退所となります。

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介護老人保健施設(老健)とは 特徴と探し方 | 介護の無料相談&ハウツー「安心介護」

介護療養型医療施設(介護療養病床)

《利用対象者》

原則として要介護1以上で、長期療養が必要な病状が安定期の方

看取り:〇

入りやすさ:数週間から数ヵ月の比較的長い待機期間がある

 

胃ろうなどの経管栄養やインスリン注射、たん吸引、カテーテルなどの医療的ケアが必要な安定期の方を対象とした施設です。医学的管理の下での長期療養が可能で、日常生活上の支援、医療的ケア、リハビリテーションなどのサービスを提供しています。ターミナルケアや看取りの対応も可能です。介護療養型医療施設には、認知症に対応している老人性認知症疾患療養病棟もあります。すでに廃止が決定している施設です。

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介護療養型医療施設(介護療養病床)とは? 長期の療養が可能な介護保険施設 | 介護の無料相談&ハウツー「安心介護」

介護医療院

《利用対象者》

原則として要介護1以上で、長期療養が必要な病状が安定期の方

看取り:〇

入りやすさ:施設数が少なく施設によって差がある

 

廃止が決定している介護療養型医療施設(介護療養病床)の受け皿となる施設です。1人当たりの床面積も広く、プライバシーへの配慮も考えられています。長く暮らす人が多いので、長期療養の場だけではなく生活の場であることを重視した施設であることが介護療養型医療施設(介護療養病床)との違いです。

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その他の介護施設の種類と特徴

その他の介護施設の種類と特徴

介護保健施設以外の介護施設にはどんなものがあるのかを見ていきましょう。気になる介護施設があれば、各リンク先もご確認ください。

グループホーム(認知症対応型共同生活介護)

《利用対象者》

要支援2、要介護1~5の認定を受けていて、認知症と診断されている方

看取り:△(施設による)

初期費用:0円~数十万円

入りやすさ:数週間から数ヵ月の比較的長い待機期間がある

 

 

認知症の高齢者が入浴や排泄などの介護を受けながら、家庭に近い環境で共同生活を送る施設です。介護職員が24時間サポートし、利用者が家事を分担したり、スタッフと買い物に行ったりと、持っている能力を生かして日常生活を送ることで、認知症の症状の改善や進行予防、認知機能の維持を目指します。利用者が他の利用者を助ける姿を見ることができるのがグループホーム(認知症対応型共同生活介護)の特徴です。認知症高齢者グループホームとも呼ばれています。

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グループホームとは 特徴と探し方 | 介護の無料相談&ハウツー「安心介護」

ケアハウス(軽費老人ホームC型)

《利用対象者》

身体状況などの理由で独立した生活に不安がある方、家族の援助が受けられない方などが対象です。自立型は年齢が60歳以上の方。夫婦で入所する場合にはどちらかが60歳以上なら入所可能です。介護型の場合には、要支援1・2、要介護1~5の認定を受けている方が利用できます。

看取り:△(施設による)

初期費用:0円~数十万円

入りやすさ:施設によって差がある

 

自治体の助成が受けられるので、月々の利用料金は比較的少ない金銭的負担で利用できる施設です。3食の食事が提供され、利用者は自由に生活できます。介護型の場合には、常駐している介護スタッフから介護サービスを受けられるので、要介護度が高くなっても暮らし続けることができます。自立型の場合には、介護が必要になると外部の在宅介護サービスを利用します。

ケアハウス(軽費老人ホームC型)とは? | 介護の無料相談&ハウツー「安心介護」

有料老人ホーム

《利用対象者》

タイプにより様々。60歳以上の自立の方から要介護5の方まで

看取り:△(施設による)

初期費用:数十万円~数百万円(条件によっては1000万円を超えることも)

入りやすさ:比較的入りやすい

 

有料老人ホームには3つの種類があります。介護は必要ないけれど一人暮らしが不安な方が入居する「健康型」、外部の在宅介護サービスを利用して暮らす「住宅型」、常駐している介護スタッフから介護サービスを受けられる「介護付」です。 施設数が多いので比較的簡単に入居できますが、月々の利用料金や入居時の初期費用が高額になることがあります。 有料老人ホームについては、別の記事で、探し方と選び方を解説していますので、あわせて参考にしてみてください。

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その他の高齢者向けの住まい

介護施設ではないけれど、高齢者向けに設計され、設備の整った住まいがあります。民間企業などが運営しているサービス付き高齢者住宅や、助成が受けられるので比較的安く利用できる公営住宅、仲間同士で助け合って暮らすグループリビングなどの賃貸住宅の他に、シニア向け分譲住宅などがあります。利用対象者はそれぞれの住まいによって様々です。

外部の在宅介護サービスを利用しながら、自立した日常生活を送ることが可能ですが、介護施設ではないので24時間体制の介護や医療的ケアが必要になると住み替えを考えなくてはいけません。

また、事情により在宅での生活が難しい高齢者が、契約ではなく自治体の措置にて入所する養護老人ホームもあります。高齢者のための施設ですが、「介護」する施設ではなく「養護」する施設であるという点が大きな特徴です。

高齢者向けの住まいについては、別の記事で、探し方と選び方を解説していますので、あわせて参考にしてみてください。

 

グループリビングとは? - 介護の専門家に無料で相談「安心介護」介護の基礎知識

介護施設の探し方と選び方のポイント

介護施設の探し方と選び方のポイント

どの施設に入所したいかが決まったら、続いてすることのステップを確認しましょう。

ステップ1:希望条件や現在の状況をまとめる

●どんな生活をしたいかを考える

レクリエーションや地域交流が盛んなところがいいのか、街中がいいのか、それとも静かに暮らしたいのか、持ち込みたい荷物はどれくらいあるのかなど、入所後にどんな暮らしをしたいのかを具体的に考えておきましょう。やりたいことの他に、「昼夜逆転になりがち」「人見知りをする」などの不安に思っていることもピックアップしておきましょう。

地域密着型サービスと呼ばれるグループホーム(認知症対応型共同生活介護)や地域密着型の特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)などは、住んでいる市町村の介護施設に入所するサービスです。定員数も少ないので、住み慣れた地域でアットホームな暮らしをしたい方に向いています。

●ひと月当たりにかけられる金額について考える

どれくらいお金がかけられるのかを計算し、家族間で話し合っておきましょう。できるだけ利用者本人の年金や貯蓄を使い、介護家族の負担が大きくならない金額を設定しておくことが大切です。

特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)や介護老人保健施設(老健)、介護医療院などの介護保険施設は、初期費用もなく比較的金銭的な負担が少ない施設です。ケアハウス(軽費老人ホームC型)では、所得に応じて自治体の助成が受けられます。 介護保険施設以外では、入居一時金や保証金といった初期費用が数十万円から数百万円ほど掛かる場合がありますので、その予算も考えておきましょう。入居一時金の多くは入居期間によって償却され、退去(死亡含む)時に返還されます。

●現在の状況を把握する

 認知症の症状(特に徘徊やもの盗られ妄想などスタッフや他の利用者に影響を与えるもの)はあるのか、日常生活における最低限の動作(ADL)はどれくらいできるのか、服薬の管理は自分でできているのか、どんな病気を持っていて医療的ケアは必要なのか…など、現在の状況を把握しておきましょう。どうして介護施設への入所が必要なのかを、改めて家族間で共有しておくことも大切です。

●希望する条件を考える

希望する立地条件や部屋の設備、サービス内容について考えましょう。

無理なく家族が通える立地はどこか、部屋の広さはどれぐらい必要か、看取りまで頼めるところがいいのか、プライバシーの保護と手厚い介護のどちらが大切か、いつから入所したいのかをまとめておき、絶対に欠かせない条件や妥協できる範囲を家族間で話し合っておきましょう。

看取りを行っている介護施設には、特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)、介護医療院などがあります。その他の施設については、どれぐらい看取りの実績があるのかを確認しておきましょう。

ステップ2:情報を収集して見学する

●検索や相談をして情報を収集する

希望する条件は人によって異なりますし、入所条件も施設ごとに異なるため、個人での情報収集はなかなか難しいものです。

インターネット上には専用の情報検索サイトもありますし、仲介手数料がかかりますが不動産会社の様な感覚で使える介護施設の紹介会社もできています。資料請求や入所を決定する前の施設見学なども、情報サイトや紹介会社が一括で対応していることから、スムーズな施設選びが可能となりますので活用してみるといいでしょう。

また、自宅周辺で介護施設を探している場合には、ケアマネジャーにも相談しましょう。地域包括支援センターや自治体の役所によっては、周辺の介護施設の一覧を提供している場合があります。ただし、お勧めや口コミの共有などはしてくれません。

●パンフレットを集めて見学、体験入所をする

気になる施設を見つけたら、まずはパンフレットを請求し、本人や家族も交えて見学したい施設を絞り込みましょう。 実際に見学し、さらに体験入所をして施設を決めます。必ず予約を取り、写真を撮る際にはスタッフに確認の上、入所者のプライバシーに配慮しましょう。

ステップ3:介護施設を決定する

実際に見学や体験入所をしたら、以下のポイントをチェックして介護施設を決定しましょう。

●希望条件にあっているか

設備や居室、立地条件、看取りの実績はあるか、入所時期など、希望している条件に合っているかを確認しましょう。入所後にしたい生活や不安を伝えておくことも大切です。退去の条件についても確認しておきましょう。

また、レクリエーションや季節のイベント、地域交流活動について確認しておきましょう。また、医療体制、緊急時や通院時の対応方法、リハビリテーションの提供、介護・看護職員の体制(日中と夜間)、認知症の症状への対応、嚥下状態に合わせた食事や制限食提供の可否の確認も必要です。

●費用は予算に収まるか

入所時や月々にどれくらい費用がかかるかを確認しましょう。部屋代や食費などの月々にかかる固定費用の他に、洗濯代や理美容代、水道光熱費など流動的な金額も確認しておきましょう。 入所時に初期費用がかかる介護施設に関しては、クーリングオフや返還条件の確認も必要です。

●施設の雰囲気が良いか

スタッフや入所者の表情、コミュニケーションなどを見ておきましょう。特に食後の利用者を見ておくと、食べこぼしや口の周りをきれいにしてもらっているか、可能な限り車いすからイスに移譲しているかが確認できます。細かいところにスタッフが気を配っているか、ちょっとした時間を利用者に割いているかがわかるポイントです。

●経営状態に問題はないか

経営状態に問題がないかどうかも選ぶポイントです。経営状態が悪化して運営会社が変わったとしても、必ずしもサービスの質が下がるというわけではありませんが、安心して生活するためにも確認しておくといいでしょう。経営状態を見極めるには、入所率やスタッフの平均勤務年数がポイントとなります。見学の際に直接聞いてみてもいいでしょう。

介護施設への入所までの流れ

介護施設への入所までの流れ

最後に、介護施設を決めてから入所までの流れを見ておきましょう。

申し込みから入所までの流れ

見学して気に入った介護施設を見つけたら、入所の申し込みをします。

その後、介護施設側の担当者と入所希望者で面談をして身体状況の確認や支払い能力の確認、保証人の有無など、各施設の基準に照らし合わせて入所の可否が決定します。「診療情報提供書」や「健康診断書」が必要になりますので、早めに準備をしておきましょう。

入居決定後、契約を介護施設と直接結びます。 人気のある介護施設の場合、待機が必要になる場合があります。多くの場合、先着順ではなく利用者本人や家族の状況を考慮して優先順位が決まります。

※上記は基本的な流れです。サービス提供事業者や利用者の状況によって異なります。

契約するときの注意点

契約をする際にはキャンセル(クーリングオフ)、初期費用の取り扱い、損害賠償についての確認をしておくと安心です。また、苦情や相談ごとの窓口についても、説明を受けましょう。

契約書や重要事項説明書には、サービス内容や退去の条件が記載されています。しっかり説明を受け、疑問や分からないことは質問してください。契約書に記載がないけれど気になることがある場合には、契約書に特約条項をつけてもらいましょう。

利用者に合った介護施設選びを

介護保健施設には様々な特徴があります。利用者や家族の事情や希望もそれぞれ違うものです。事前にどんな施設が利用できるのか、現在はどんな状況でどんな施設を希望するのか、どんな暮らし方がしたいのか、どれくらい予算がかかるのかをしっかりと利用者や家族で考えてから介護施設を選ぶといいでしょう。

待機期間がある場合には、その間だけ有料老人ホームやサービス付き高齢者住宅、ショートステイを利用するという方法もあります。

ケアマネジャーや介護施設の検索サイト、仲介会社の手を借りながら、後悔のない介護施設選びができるといいですね。

※この記事は2019年11月時点の情報で作成しています。

高齢者向け介護施設を探したい!種類と選び方・探し方のポイント - 介護の専門家に無料で相談「安心介護」介護の基礎知識

有料老人ホームを探したい!相談先や選び方のポイントを解説 - 介護の専門家に無料で相談「安心介護」介護の基礎知識

監修者:鵜沢静香
監修者:鵜沢静香

訪問介護事業所職員、福祉用具専門相談員。 訪問介護サービスの利用をきっかけに、ご利用者様や ご家族の表情が和らいでいくのを何度も目にしてきました。 2021年の介護福祉士取得を目指しています