高額介護サービス費で介護費用が安く?手続き方法や具体例も紹介

高額介護サービス費は、介護費用を安くしたいと考えているかた必見の制度。申請により負担上限額を超えて支払った金額が払い戻されます。この記事では、高額介護サービス費の負担上限額や手続き方法、支給対象外のもの、そして支給額の具体例をケースごとにご紹介します。

高額医療サービス費

高額介護サービス費制度とは

介護サービスを利用する際、その費用の1割(所得に応じて2割、3割の場合も)を負担することになっていますが、たとえ1割負担であっても、たくさんのサービスを利用するとけっこうな金額に……。 「いったい介護にどれだけお金がかかるんだろう」と心配していらっしゃるかたは多いようです。 そんなかたにぜひ知っていただきたいのが、高額介護サービス費制度。介護サービスの1カ月の利用料が高額になった際に、申請により負担上限額を超えた分の金額が後から支給される制度です。 ただし、高額介護サービス費制度における負担上限額は、みんな同じ金額というわけではなく、所得によって5段階に分けられています。また、この制度を利用して払い戻しを受けるには、初回のみですが自ら申請しなければなりません。 以下では、高額介護サービス費制度について、負担上限額や申請方法などを詳しく見ていきたいと思います。

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高額介護サービス費の負担上限額

高額介護サービス費の制度で定められている負担上限額は、所得によって異なっています。

 

市区町民税非課税世帯

第1段階

生活保護を受給している

15,000円(個人)

第2段階

世帯の全員が市区町村民税非課税で、前年の合計所得金額と公的年金収入額の合計が年間80万円以下

24,600円(世帯)※1

15,000円(個人)

第3段階

世帯の全員が市区町村民税非課税で、上記以外のかた

24,600円(世帯)

市区町民税課税世帯

第4段階(一般)

世帯のだれかが市区町村民税を課税されている

44,400円(世帯)


※ ただし、平成29年8月から3年間は、介護サービスを利用していない人も含め、65歳以上の全員が利用者負担1割の世帯は、年間上限が446,400円となる(3年間の時限措置)。※2

第5段階(現役並み)

世帯のだれかが現役並みの所得者(課税所得が145万円以上)に相当する。※3

44,400円(世帯)

※1  世帯とは、住民基本台帳上の世帯員を指します。負担上限額の横に(世帯)と書かれているのは、世帯のなかで介護サービスを利用した全員の負担の合計という意味です。 

※2 世帯に1割負担の方がいる場合(介護サービスを利用していない人を含む)は、「第4段階(一般)」の年額上限446,400円の対象です。

※3 現役並み所得者世帯(課税所得145万円以上)であっても、世帯の65歳以上の対象者の年収合計が520万円未満、単身の場合は年収383万円未満の場合、第5段階(現役並み)ではなく、第4段階(一般)として扱われます。

 

介護サービス使用時の利用者負担は基本的には1割ですが、一定以上の所得のある方は2割、平成30年8月から65才以上の方(第1号被保険者)現役並みの所得のある方は3割負担となります。

【3割負担になる人】

  • 合計所得金額が 220 万円以上
  • 世帯内に65歳以上の人が1人の場合、対象者の収入が340万円以上
  • 同一世帯内で 65 歳以上が2人以上世帯の場合は収入 463万円以上

 

高額介護サービス費の手続き方法

高額介護サービス費を使用するためには、自宅に送られてくる申請書に記入して提出するという手続きが必要です。 なお申請を要するのは初回のみで、一度申請すると次からは申請はいりません。

手続きの流れ

手続きの詳しい流れは次の通りです。

  1. 介護サービスを利用してから約3ヶ月後、高額介護サービス費の対象となる場合には、市区町村から通知と申請書が送られてくる。
  2. 申請書に必要事項を記入・押印し、市区町村の窓口へ提出する。(お住いの自治体によって申請方法が異なるかも知れません、各自治体窓口にご確認をお願い致します)

 

高額介護サービス費の申請期限は、介護サービスを利用した月の翌月の初日から2年以内と決められており、それを過ぎると時効となります。期限切れとなる前に市区町村から連絡などはこないため、ご自身で忘れずに申請を行ってください。

市区町村への申請時の持ち物

 市区町村の窓口に申請書を提出する際は、申請書のほか、

  • 本人名義の通帳の写し
  • マイナンバーがわかる書類(個人番号カードや通知カード、マイナンバーが記載されている住民票など)
  • 本人確認書類
  • 本人の印鑑(スタンプ印不可)

などが必要です。

通帳の写しは、金融機関名、支店名、名義人、口座番号などが記載されているページをコピーします。 ただし、申請時の持ち物についての指示は、市区町村ごとに異なっています。市区町村から申請書が送られてくる際にお知らせがあると思いますので、それに従いましょう。

高額介護サービス費の支給対象とならないもの

高額介護サービス費制度があるおかげで、一定以上の費用を使ったときに払い戻しを受けられるのはとても安心ですよね。 しかし、この制度は介護に関する費用であればなんでも対象というわけではないため、その点にはご注意ください。具体的には、次の費用は高額介護サービス費の支給対象外です。

  • 介護保険施設への入所、またはショートステイでの食費や居住費、日常生活費、ベッド代の差額など支給限度額を超えた分は全額自己負担です。
  • 福祉用具購入費
  • 住宅改修費

 

 

限度額

1割負担

2割負担

要支援1

50,030円

5,003円

10,006円

要支援2

104,730円

10,473円

20,946円

要介護1

166,920円

16,692円

33,384円

要介護2

196,160円

19,616円

39,232円

要介護3

269,310円

26,931円

53,862円

要介護4

308,060円

30,806円

61,612円

要介護5

360,650円

36,065円

72,130円

それぞれの限度額を超えた場合は、1割(所得に応じて自己負担割合が2割または3割)負 担ではなく全額自己負担となり、高額介護サービスも支給対象外です。

要介護度ごとに定められた利用限度額(1ヶ月)

高額介護サービス費の算出例

高額介護サービス費制度を利用することで、いったいどのくらいのお金が戻ってくるのか、ケースごとの具体例をご紹介します。

同一世帯に介護サービス利用者が1人だけ

同一世帯にサービス利用者が1人だけの場合は、自己負担額 から自己負担上限額をマイナスした額が、高額介護サービス費として支給されます。

(具体例1)

自己負担の上限が15,000円のかたが、1ヶ月に20,000円の自己負担

20,000(自己負担額)-15,000(自己負担の上限額)=5,000円

高額介護サービス費として戻ってくるのは5,000円です。

(具体例2)

自己負担の上限が44,400円のかたが、1ヶ月に25,000円の自己負担

25,000(自己負担額)−44,400円(自己負担の上限額)= -19400円

自己負担額が自己負担の上限以下に収まっているため、高額介護サービス費の支給はありません。

同一世帯に複数の介護サービス利用者がいる(世帯で合算)

同一世帯に介護サービスの利用者が2人以上いるときは、

  • まず全員の利用料を合算して、世帯の負担上限を超える額(支給額)が計算される。
  • その後、支給額が1人1人の利用料にあわせて按分され、それぞれの口座に振り込まれる。

この結果として個人が受け取る額は、以下の計算式で導くことができます。

(世帯の利用者負担合算額 − 世帯上限額)× 個人の利用者負担額/世帯の利用者負担合算額

具体的な金額を当てはめてみていきましょう。

(具体例)

自己負担の上限が24,600円の世帯で、夫が30,000円、妻が10,000円の自己負担

すなわちこのケースでは、

  • 世帯の利用者負担合算額 = 30,000 + 10,000 =40,000
  • 世帯上限額 = 24,600
  • 夫個人の利用者負担額 = 30,000
  • 妻個人の利用者負担額 = 10,000

となります。これを上の計算式に当てはめると、夫と妻のそれぞれが高額介護サービス費として受け取る金額は次のようになります。

 

夫の高額介護サービス費

(40,000 − 24,600)× 30,000/40,000 = 11,500円

妻の高額介護サービス費

(40,000 − 24,600)× 10,000/40,000 = 3,850円

夫へは11,500円、妻へは3,850円が払い戻されるということですね。

まとめ

高額介護サービス費は、介護サービス費が高額になった場合に上限を超えた金額が払い戻されるという、とても助かる制度です。

申請は1度きりでよく、それ以降は条件を満たす場合には申請なしで支給されるというのも、利用者にとってありがたいですね。

初回の申請に関しては、サービス利用月から2年以内となっているため、市区町村から申請書が送られてきたら、期限切れにならないよう申し込んでください。

ところで、この制度のことをまだ知らないために、介護費用に関して不安を抱えているかたや、支給申請できるにもかかわらず、申請していないかたもいらっしゃるようです。この記事が役に立った場合は、是非シェアをして拡散をお願いします。

※この記事は2019年7月時点の情報で作成しています。

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監修者:福田 菊乃
監修者:福田 菊乃

ケアマネージャー(介護支援専門員)社会福祉協議会の職員として13年勤務。現在は要介護認定調査員を行っている