市町村が提供する緊急通報システムとは?

市町村が提供する緊急通報システムとは?

遠く離れて暮らしている家族に緊急事態が起こったらどうしよう…。そんな不安を持つ遠距離介護者にお勧めなのが、各市町村が提供している緊急通報システムです。本記事では、そのサービス内容や仕組み、申し込み方法などについて解説しています。ぜひご確認ください。

緊急通報システムとは?知っておきたい基本ポイント

緊急通報システムとは?知っておきたい基本ポイント


緊急通報システムの基本ポイントを確認していきましょう。

日常生活の緊急事態への不安を解消するシステム

緊急通報システムとは、各市町村が高齢者のいる世帯に向けて提供しているサービスです。内閣府の高齢社会白書によると、2017(平成29)年の時点で高齢者のいる世帯の約6割が、高齢夫婦のみの世帯またはひとり暮らしの世帯です。

離れて暮らしていると異変に気づいたり、何かがあった際にすぐに駆け付けたりするのは難しいものがあります。緊急通報システムは、高齢者に万が一のことが起こった時に役立つサービスです。

急激な体調の変化や転倒、火災の発生といった緊急事態に、専用端末から民間の警備会社または消防庁や消防局の受診センターに通報がされます。通報を受けた受信センターは、必要に応じて救急車の手配や近所の協力員による安否確認、緊急連絡先への連絡などの対応をします。

利用者本人が通信機で通報するほかに、室内で設置したセンサーが動きを読み取って通報するシステムを導入している市町村や定期的に安否確認の電話をするサービスを提供している市町村もあります。

民間の警備会社と契約をして同様のサービスを受けることも可能ですが、機器の設置や月々の利用料金はすべて自己負担となります。市町村を通じて緊急通報システムを利用すれば助成が受けられ、安い金額で利用が可能です。ただし、受けられるサービスの範囲や種類、申し込み対象者は市町村によって様々ですので、注意が必要です。

緊急通報システムの問い合わせ先

お住まいの地域が提供している緊急通報システムについての詳細は、要支援要介護の認定を受けている人はケアマネジャーに、それ以外の方は市町村の高齢者窓口や地域包括支援センターなどに問合せください。

緊急通報システムの対象者

緊急通報システムの対象者


緊急通報システムを利用できる対象者を確認しましょう。

緊急通報システムが利用できる方

緊急通報システムは各市町村が提供しているサービスです。利用できる対象者も自治体によって異なります。

基本的に認知症や慢性疾患をお持ちで65歳以上のひとり暮らしや高齢者のみの世帯の方が対象ですが、同居している家族が仕事のため、日中はひとりになる場合にも申し込みができる場合があります。

固定電話の回線が必要

緊急通報装置は、単独NTTアナログ電話回線を使用します。そのため、ISDNやビジネスホンなど他の電話回線を利用されている方は、単独NTTアナログ電話回線を設置してからの申し込みとなります。

単独NTTアナログ電話回線以外でも、承諾書を提出することで申し込みができる回線がありますが、緊急時の通報が正常通り行われないことがあるので注意が必要です。 詳しくはお住まいの市町村の高齢者窓口までお問い合わせください。

緊急通報システムの仕組み

緊急通報システムの仕組み


続いて、緊急通報システムの仕組みを見ていきましょう。

緊急通報システムの種類

緊急事態が発生した際に、利用者がボタンを押して発報する専用通報機には、ペンダント式、据え置き式、手元式などがあります。 どのタイプの通報装置が利用できるのかは、市町村によって異なります。

●ペンダント式

もっとも一般的なタイプです。倒れた際にも動かずに通報ができる点では最も便利ですが、認知症のある方だとうまく使いこなせなかったり、緊急事態が起こっていないのに連打してしまったり、どこかにしまい込んでしまったりということがあります。

防水タイプのものとそうではないものがあるので、入浴時には注意が必要です。

●据え置き式

わかりやすいところに設置し、緊急事態が起きた際にそこまで行ってボタンを押すタイプです。緊急ボタンが分かりやすくなっており、気が動転していても扱いやすい設計です。

●手元式

ナースコールのように手元に通報ボタンを設置するタイプです。ベッドサイドなどに設置します。

●その他の通報装置

その他には、トイレなどの特定の扉に設置して利用者の動きを読み取り、長時間動きがないと通報する「生活リズムセンサー」、火災を感知して通報する「火災センサー」があります。ネジなどで天井や壁に固定する必要があります。

緊急通報システムの仕組み

専用通報機から通報が来ると、消防庁や消防局、または民間警備会社から利用者に確認の連絡が行きます。

利用者とのやり取りや応答のあるなしに応じて、救急車の要請やガードマンの急行手配、緊急連絡先や近所の協力員への連絡などが行われます。

施錠していても室内に入れるように、あらかじめ鍵を預けておく必要があります。

自治体を通さずに緊急通報システムを利用する方法

緊急通報システムは、自治体を通じて利用するだけではなく、サービスを提供している民間の警備会社に直接申し込む方法もあります。機器の設置や月々の利用料金は、自治体の助成金がないため割高になりますが、必要なサービスを自分で選べることや子世帯と同居していても利用できることがメリットです。

緊急対応が可能な介護保険サービス

利用者や家族が専用通報機を利用して緊急時に通報できるサービスは、介護保険にもあります。「定期巡回・随時対応型訪問介護看護」「夜間対応型訪問介護」です。

どちらにも緊急連絡を受けて、必要に応じて訪問介護員(ホームヘルパー)が対応をする随時対応サービスがついています。随時対応サービスとは、介護福祉士、社会福祉士、看護師、ケアマネジャーなどの専門資格を持ったオペレーターが相談を受け、必要に応じて救急車の要請や訪問介護員(ホームヘルパー)による随時訪問の手配をするサービスです。

通報を受けるオペレーターが介護の専門知識がある職員であること、随時訪問するのが訪問介護員(ホームヘルパー)であること、失禁や不安で話し相手が欲しい時などにも対応してくれることが、緊急通報システムとの違いです。

緊急通報システムの費用は

緊急通報システムの費用は

緊急通報システムの費用を見ていきましょう。

緊急通報システムの利用料金

緊急通報システムの利用料金は各自治体によって異なります。目安としては0円から1,000円程度です。住民税非課税の世帯については、多くの自治体が利用料金を免除しています。

その他にかかる料金

緊急通報システムの利用料金の他に、設置する専用通報機やセンサーの電気料金や通信料がかかります。

緊急通報システムの利用方法

緊急通報システムの利用方法

最後に、緊急通報システムを利用する基本手順を確認しておきましょう。

緊急通報システム利用の流れ

市町村が提供している緊急通報システムの申し込み方法は、各自治体によって異なります。

1.相談する

要支援要介護認定を受けている方はケアマネジャーに、それ以外の方はお住まいの地域包括支援センターや市町村の高齢者窓口にご相談ください。

2.申請書類を提出する

内容の説明を受け、申請書類を提出します。申請書類の内容は、自治体により異なります。消防庁や消防局への申請、市町村の審査を経て承認が下りると設置決定です。

3.機器の設置

警備会社の工事担当者が訪問し、機器の取り付けや操作説明などを行います。

自宅の鍵を預け、緊急通報システムの利用開始です。申し込みから機器の設置までにかかる期間は、目安として1~2ヵ月ほどとなります。

※上記は一般的な流れです。市町村によって異なります。

安心して遠距離介護をしたい方に

認知症や慢性疾患がある高齢者の方の中には、常に注意が必要です。しかし、離れて暮らしていたり、日中に仕事で家を空ける場合には、緊急事態が起こってもすぐに異変に気付いたり、急に駆けつけたりすることはできません。そんな時に心強いのが緊急通報システムです。

認知症や慢性疾患がある高齢者を介護している方は、遠距離介護や介護と仕事との両立を続けるためにも、万が一に備えて緊急通報システムの利用を検討してみてはいかがでしょうか。

>>市町村が提供する緊急通報システムとは? 

>>初期の認知症と診断された母が、火事を起こさないかヒヤヒヤしています。

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監修者:鵜沢静香
監修者:鵜沢静香

訪問介護事業所職員、福祉用具専門相談員。 訪問介護サービスの利用をきっかけに、ご利用者様や ご家族の表情が和らいでいくのを何度も目にしてきました。 2021年の介護福祉士取得を目指しています