父がパーキンソン病の診断を受けました。現在介護保険の通所リハビリとデイサービスに通っているのですが、通院先の病院にもリハビリがあると聞きました。病院のリハビリに通うには、介護保険の通所リハビリやデイサービスを辞めなくてはいけませんか

質問

質問者

80代の父ですが、脳梗塞の後遺症のリハビリのため、老健の通所リハビリに週に2日、それとは別にデイサービスに週3日通い、そこでも機能訓練を受けています。最近、転倒しかけることが多くなり、病院に行ったところパーキンソン病だと診断されました。

通院先に脳疾患に特化したリハビリがあるとのことで興味があるのですが、通うのなら介護保険のリハビリは受けられなくなると聞きました。そうすると病院のリハビリには食事や入浴のサービスがないため困っています。病院のリハビリに通うのなら、通所リハビリもデイサービスも辞めなくてはいけませんか?

 

 

専門家

介護保険の通所リハビリ(デイケア)と病院の外来リハビリについての質問ですね。介護保険のリハビリとは異なり、病院では疾患別のリハビリを提供しています。病院の外来リハビリと、介護保険の通所リハビリや訪問リハビリは原則として併用できません。しかし、通所介護(デイサービス)などの介護保険サービスとは併用できるので、ご安心ください。

この記事では、介護保険の通所リハビリや訪問リハビリと病院の外来リハビリの違いを中心に紹介します。現在や今後の生活の参考にしてください。

 

 

介護保険のリハビリと外来リハビリの違い

通所リハビリテーションのイメージ

理学療法士や作業療法士、言語聴覚士から専門的なリハビリを受ける場合、介護保険と医療保険のどちらを受けたらいいのでしょうか。まずは、介護保険のリハビリと、医療保険の外来リハビリにはどのような違いがあるのかをみていきましょう。

介護保険のリハビリとは

医師によりリハビリテーションが必要だと判断された要介護要支援の方は、介護保険で日常生活の自立やQOL(生活の質)の向上を目的としたリハビリを、「通い」と「自宅」で受けられます。

「通い」の通所リハビリでは、専門的な設備のある施設に通い、個別リハビリや集団リハビリを受けられます。リハビリだけの短時間のコースから、昼食・入浴・レクリエーションなどを受けられる半日や1日のコースがあります。基本的に送迎を受けられ、家族のいない日中に、通所リハビリで過ごしてもらうことが可能です。

また「自宅」の訪問リハビリでは、実際に使っているベッドから立ち上がる、車イスから自宅のトイレに座る、普段使っているテーブルでご飯を食べる、行動範囲を安全に歩く…など、実際の生活に役立つリハビリを受けることができます。

医療保険での外来リハビリとは異なり、介護保険のリハビリには、症状や日数に制限はありません。必要なリハビリテーションを、長期間受けられます。

医療保険の外来リハビリとは

医療保険では、機能回復を目指した外来リハビリを提供しています。病院の外来リハビリについては、介護保険の通所リハビリとは異なり、送迎や昼食、入浴などのサービスはありません。また、医療保険の外来リハビリを受けるには、日数や症状に制限があります。

歩行練習やマヒした手を使う練習、電気治療、コミュニケーションの練習などの中から、主治医が必要だと判断したリハビリが受けられます。必要に応じて、歩行補助具の提案、自主トレ指導、家族へのサポートなども提供されます。

病気別の専門的なリハビリであること、個別で受けられることが特徴です。患者からは、医療保険のリハビリの方が手厚いと感じられるでしょう。

対象者と日数の違い

介護保険のリハビリと、医療保険の外来リハビリでは、受けられる対象者と日数が異なります。

介護保険のリハビリの対象者と日数】

通所リハビリや訪問リハビリを利用できるのは、要介護1~5の認定を受けた在宅の方で、リハビリテーションが必要だと医師が判断した方です。要支援1、2の在宅の方は、介護予防としてサービスを受けることができます。日数の制限はありません。

【医療保険の外来リハビリの対象者と日数】

医療保険の外来リハビリが受けられる対象者と日数は、リハビリテーションの種類によって異なります。

●脳血管疾患等リハビリテーション

対象者:脳出血、脳梗塞、くも膜下出血、脊髄損傷、パーキンソン病などの脳疾患などの方

日数:発症(診断)や手術、急性憎悪から、原則として180日間以内まで

●運動器リハビリテーション

対象者:腕や足の骨折、関節の変性疾患、末梢神経損傷 などの骨・関節疾患の方

日数:発症(診断)や手術、急性憎悪から原則として150日間以内まで

日数に達していなくても、医師の判断や利用開始時の目標を達成した場合に、終了となる場合があります。

費用について

介護保険のリハビリ

介護保険の通所リハビリの費用は、要介護度や利用する時間、施設の規模などによって異なります。参考までに、通常規模(1ヵ月の平均利用人数が延べ750人以内)の病院または診療所の場合の料金を見てみましょう。

1時間以上 2時間未満 要介護1 366円
要介護2 395円
要介護3 426円
要介護4 455円
要介護5 487円
 2時間以上3時間未満 要介護1 380円
要介護2 436円
要介護3 494円
要介護4 551円
要介護5 608円
3時間以上4時間未満  要介護1 483円
要介護2 561円
要介護3 638円
要介護4 738円
要介護5 836円
4時間以上5時間未満  要介護1 549円
要介護2 637円
要介護3 725円
要介護4 838円
要介護5 950円
5時間以上6時間未満  要介護1 618円
要介護2 733円
要介護3 846円
要介護4 980円
要介護5 1112円
6時間以上7時間未満  要介護1 710円
要介護2 844円
要介護3 974円
要介護4 1129円
要介護5 1281円
7時間以上8時間未満  要介護1 757円
要介護2 897円
要介護3 1039円
要介護4 1206円
要介護5 1369円

また、訪問リハビリの費用は、事業者の種別に関わらず1回(20分以上)で、307円です。

※自己負担割合が1割の方の金額です。一定の所得がある場合は、所得に応じて2割または3割負担となります。

※上記は基本的な利用料(「介護報酬の算定構造」令和3年4月改定版)です。サービス提供事業者の所在地や提供体制、サービス内容などによって金額は異なります。詳しくは担当のケアマネジャー、もしくは市区町村の高齢者窓口や地域包括支援センターにお問い合わせ下さい。

●医療保険の外来リハビリ

医療保険の外来リハビリの費用は、施設基準により異なりますが、施設基準(I)の場合、1単位(20分)ごとに以下の料金がかかります。

脳血管疾患等リハビリテーション(I): 245円

運動器リハビリテーション(I):185円

※自己負担割合が1割の方の金額です。保険の種類や所得によっては、2割または3割負担となります。

※上記は令和2年診療報酬改定による基本的な利用料です。

H002 運動器リハビリテーション料 | 令和2年 診療報酬改定情報|PT-OT-ST.NET

介護保険のリハビリと外来リハビリの併用について

リハビリの種類の違いを解説する

ここまで、介護保険のリハビリと医療保険の外来リハビリの違いを見てきました。続いて、質問にもあったリハビリの併用についてまとめます。

介護保険と医療保険のリハビリは併用不可

介護保険のリハビリと医療保険の外来リハビリの併用は、原則としてできません。 外来リハビリで規定の日数を超えた場合、医師が必要だと判断すれば1月あたり13単位(260分)のリハビリが可能です。しかし、要支援要介護認定を受けている方は原則として、介護保険の通所リハビリに移行するようになります。

併用が可能になるケース

外来リハビリから通所リハビリへの移行期間として、2ヵ月間の併用が認められるケースがあります。詳しくはかかりつけの医療機関、ケアマネジャーなどにご確認ください。

ひとり暮らしの方が外来リハビリに通うには

外来リハビリに通う女性

外来リハビリでは、通所リハビリのように送迎や生活のケアまでしてくれません。ここでは、質問者さんのように日中にひとりになってしまう方やひとり暮らしの方が、外来リハビリを受ける方法について考えてみましょう。

外来リハビリで受けられないサービス

外来リハビリには送迎のサービスがないため、施設への往復はご自身で手配してもらう必要があります。また、食事や入浴などの生活のケアやレクリエーションなどもありません。 外来リハビリでは、ご自身で病院や診療所に向かい、決められた時間のリハビリを受けたら、ご自身で帰宅します。

ケアマネジャーに相談を

外来リハビリに通う際にも、訪問介護の通院等乗降介助を利用できます。これは、要介護者の通院等のために、ヘルパーが運転する車で通院するサービスです。乗車前や乗車後の移動の介助や受診の手続きといった内容も含まれます。

徒歩・車いす・公共交通機関で通院する場合にも、訪問介護の身体介護として、ヘルパーに往復の介助をお願いすることも可能です。

また、外来リハビリに通っている期間中の入浴や昼食の介助についても、訪問介護またはデイサービスで対応できます。デイサービスでも機能訓練を提供していますが、医師の指導が必要なリハビリではないため、外来リハビリと併用が可能です。

日中にひとりになってしまう方やひとり暮らしの方でも、介護保険のサービスを利用して外来リハビリに通うことができます。まずはケアマネジャーにご相談ください。

もうひとつの選択肢・完全自費のリハビリテーション

自費リハビリに取り組む女性

ここまで説明したように、外来リハビリで規定の日数を終えた方は、原則として通所リハビリに移行します。しかし、介護保険では区分支給限度基準額(ひと月当たりに受給できる保険サービスの量)が要介護度別に決まっています。

そのため「思うようにリハビリを受けられない」という方が利用できる、自費リハビリテーションがあります。

自費リハビリテーションとは

自費リハビリテーションとは、介護保険や医療保険外のリハビリサービスです。医療機関や民間企業が提供しています。費用は全て自己負担となり、高額介護サービス費や高額療養費などの負担軽減制度の対象とはなりませんが、医師からの診断書、指示書などがあれば医療費控除の対象となります。

通所リハビリや外来リハビリとは異なり、設定した目標に向けて、時間制限なくリハビリを受けることができます。疾患や日数の制限もありません。医師の指示書が必要か、完全にオーダーメイドかは、サービスを提供している事業者によって異なります。自宅リハビリサポート、オンラインリハビリなどの独自のサービスを提供している事業者もあります。

自費リハビリテーションのデメリット

介護保健や医療保険が適用されないので、料金が高くなってしまいます。例えば、運動器リハビリテーション(I)は、医療保険が適用されると1割負担の方なら1単位(20分)185円で受けられますが、完全自己負担になると1,850円となります。2単位(40分)なら3,700円です。料金の設定は事業者によって異なるため、より高い金額となる場 outpatient-rehabilitatio合もあります。

自費リハビリテーションにも、送迎や入浴、昼食などのサービスは基本的にありません。

また、民間企業が運営している自費リハビリテーション事業所の場合、医療機関との連携が密に取れていない場合もあります。事業者を選ぶ際には、安全性や有効性がどのように確保されているのかを確認した方が良いでしょう。

まとめ

医療保険で受ける外来リハビリには、疾患や日数の制限があります。また、送迎や入浴、昼食といったサービスはありません。疾患に応じた個別リハビリを受けられる点で、外来リハビリを希望する方は多いのですが、介護保険サービスのリハビリとは、原則として併用できません。

外来リハビリで規定された日数を超えた方は、通所リハビリに移行します。人によっては、プラスして自費診療のリハビリを選ぶ方もいます。好きなだけリハビリを受けられるという点では魅力的ですが、費用が高く、医療機関との連携も事業者によって異なるため、慎重に選ぶ必要があります。

この記事では、通所リハビリを中心とした介護保険のリハビリと医療保険の外来リハビリの違いを解説しました。意欲を持ってリハビリに取り組む皆さんの役に立てればうれしいです。

※この記事は2021年11月時点の情報で作成しています。

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