認知症かどうか検査するための、絵を使ったテストがあると聞きました。どのように調べるのですか?

質問

義母が認知症かもしれません。知人に絵や図形を使った検査方法があると聞きましたが、自宅でできる簡単なテストみたいなものがあれば試してみたいです。また、テストによって、どんなことがわかるのでしょうか。

専門家

認知症の初期では、ご本人は気にしていなくても、周りの人やご家族が「なにかおかしいな」と感じることがよくあります。認知症になると、記憶障害だけではなく判断力や時間の感覚など様々な障害を生じます。

認知機能に障害があるかどうかを調べる簡易テストは、高齢者の免許の更新の際などにも活用されています。

知症が疑われる場合には、これらのテストを行ない、受診をしたほうが良いかの参考にすることもできるでしょう。ただし、簡易的なテストなので注意点もあります。

このページでは認知機能テストでどのようなことがわかるのか、また注意が必要なことについてもご紹介していきます

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認知症かも?と思ったときに役立つ認知機能テスト

認知症かも?と思った時に役立つ認知機能テスト

年齢を重ねると、誰しも物忘れが増えるものです。とはいえ、「もしかしたら認知症かもしれない」と心配になることもあるのではないでしょうか。

そのようなときは、認知症のリスクがどの程度あるかチェックできる簡易テストを試してみるのがおすすめです。

認知症は物忘れと見分けがつきにくい

認知症は単なる物忘れのような症状から始まるため、一般の方が初期段階で判断するのは困難です。

とはいえ、ただの物忘れではなく認知症だった場合、病院を受診する頃には症状がかなり進行している場合も。認知機能テストは簡単なテストによって記憶力や判断力をチェックできるため、「病院で診てもらうべきか」を判断するひとつの目安となります。

運転免許の更新においても、75歳以上の高齢者には認知機能検査が行なわれ、認知症が疑われる場合は医師の診断を受けることになっています。

簡易テストは早期発見に役立つ

認知症かどうかを判断する認知機能検査・テストは、通常は専門医によって行なわれますが、ここでは自宅でできる簡易的なテストをご紹介します。

テストでは記憶力のほか、注意力や時間・空間を把握する力など幅広い認知機能をチェックできるので、認知症の早期発見に役立ちます。認知症は進行する病気ですが、初期段階で発見できれば、進行を遅らせたり症状を和らげたりすることができます。

また、どのテストも気軽に試せる内容なので、受ける方も抵抗感が少ないでしょう。

絵や数字を用いた代表的な認知機能テスト

絵や数字を用いた代表的な認知機能テスト

では、代表的な認知機能テストをご紹介しましょう。点数を付けることもできますが、ここでは参考程度にお試しください。

時間や場所の見当識

「見当識」は、年月日や時間、自分がいる場所、周囲の人の状況などを認識することです。認知機能が衰えると見当識にも障害をきたし、今日が何日で、自分がどこにいるのかがわからなくなってしまいます。

そのため、テストでは以下のような質問によって見当識をチェックします。

  • 今日は何年の何月何日ですか
  • 今日は何曜日ですか
  • 今は何時何分ですか
  • 今、あなたがいる場所はどこですか

数字の逆唱・計算問題

以下のような数字を使ったテストでは、記憶力や注意力、計算力などをチェックできます。

  • これから言う数字を逆から言ってください(例:①6-8-2 ②3-5-2-9)
  • 100から7を順番に引いてください(①100から7を引く ②93から7を引く)

いずれも最初の答えが間違っていたら、この問題は打ち切ることになっています。

手がかり再生

 認知機能テストでは「手がかり再生」という記憶力テストもよく用いられます。楽器や文房具、乗り物といった16種類のジャンルの絵を提示して覚えてもらったものを、手がかり(ヒント)によって何個思い出せるかをチェックします。

基本的な手順は以下の通りです。

  1. 4種類の絵が描かれた紙を見せ、1種類ずつ「これは、りんごです」などと紹介して覚えてもらう
  2. 1. を4回くり返す(合計16種類の絵を見せる)
  3. 覚えているものをヒントなしで書き出してもらう
  4. 楽器、果物などジャンルを提示したうえで回答してもらう

本来の手がかり再生テストでは、1. のあとに介入課題という別の検査をはさみます。

時計描画

認知症になると図形の認識力や描写力も低下しやすいため、時計の文字盤と長針・短針を描いてもらうことでチェックします。

紙に、まず時計の文字盤、次に指定した時刻(例:11時10分など)の針を描いてもらいます。認知機能が衰えてくると、文字盤の数字をバランス良く配置できなくなったり、長針・短針を反対に描いたりします。

また、立方体のイラストを見せ、同じ形状を描き写してもらうテストもあります。認知症になると立体的な絵を理解することや、正確に描くことが難しくなるといわれています。

判断力チェック

複数の絵が重なり合ったものが見分けられるかどうか、判断力を問うテストもあります。例えば、うさぎ・椅子・自転車が重なった絵を見せ、そのなかに含まれていないものを選択肢から回答してもらいます。

インターネット上には様々な認知機能テストがあるので、気になる方はいくつか試してみるといいかもしれません。参考までに、以下に認知症予防協会の自己診断テストをご紹介します。

認知症予防協会:認知症自己診断テスト 

自宅で簡易テストを行なう場合の注意点

自宅で簡易テストを行う場合の注意点

自宅で認知機能テストを行なうときは、以下の点に注意しましょう。

あくまでも簡易テスト

まず念頭に置いておきたいのは、自宅で行なうテストはあくまでも簡易的なもの、という点です。ご紹介したテストは、病院などで行なわれる認知機能検査を部分的に抜粋しただけなので、簡易テストだけで認知症かどうかを判断することはできません。

無理強いはしない

認知機能のチェックテストは、必ずご本人の了解を得たうえで行ないましょう。身近に認知症が懸念される人がいると、すぐにでもテストを受けてもらいたくなる気持ちはわかります。ですが、テストを無理強いされるのは気分がいいものではありませんし、ご本人のプライドを傷つけてしまう可能性もあります。

ご本人にも「最近おかしいな」と自覚がある場合、深刻に「認知症かもしれないから」と言ってテストを促すと「そんなもの必要ない」と拒否される可能性があります。そんなときは「クイズみたいなものがあるから、一緒にやってみようよ」と気軽に誘ってみると良いかもしれません。

気になる結果が出たら病院を受診しよう

簡易テストの結果が思わしくない場合は、なるべく早めに病院を受診しましょう。認知症の専門的な検査は、脳神経外科や心療内科、精神科などで受けられますし、最近は認知症専門の「物忘れ外来」もあります。かかりつけ医に相談し、病院を紹介してもらうのも一案です。

認識能テストを受診のきっかけに

初期の認知症は単なる物忘れとして見過ごされやすいですが、認知機能のチェックテストを行なえば、早期発見につながる可能性があります。

ご紹介したテストは簡易的なものなので、「何問間違えたら認知症」などと明確な判断はできません。とはいえ、「病院で診てもらったほうがいいかもしれない」と受診を判断する目安にはなるでしょう。

認知機能テストを、受診を考えるきっかけ作りに役立ててください。

※この記事は2019年12月時点の情報で作成しています。

 

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監修者:寺岡純子

監修者:寺岡純子(てらおか じゅんこ)

主任介護支援専門員 看護師
合同会社 カサージュ代表
看護師として病院勤務8年、大手介護事業者で約19年勤務し管理職を経験。
2019年8月合同会社カサージュを立ち上げ、「介護特化型研修事業」「介護離職低減事業」など介護に携わる人への支援を行っている。企業理念は「介護に携わるすべての人の幸せな生活をサポートする」。