週に3回デイサービスに行っている義父ですが、興奮して騒ぐといった行動があり、職員さんにはご迷惑をかけているようです。何かいい対策はないでしょうか?

質問

質問者

認知症で要介護4の義父ですが、週に3回通っているデイサービスで大きな声を出したり、騒いだりと、職員さんに大変ご迷惑をおかけしています。先日は職員さんの顔をたたいたと、連絡帳に書かれていました…。自宅ではたまに大声を出す程度ですが、ショートステイ先からは職員さんにも周りの利用者さんにも暴言を吐いたからと、宿泊せずに帰されてしまったことがあります。

パート先で契約社員になる話が出ており、デイサービスを週5日に増やしたいと思っていますが、このままでは今のデイサービスから断られてしまうのではないかと心配です。また、ショートステイを利用できれば、ゆっくり眠れるのにな…と思っています。

何か良い対策はないでしょうか。

 

専門家

通所介護(デイサービス)や施設を利用している認知症の方が、大きな声を出す、攻撃的な行動をする、セクハラをする、「帰りたい」と言い出すなどの行動を起こしてしまうことがあります。介護職員さんが上手に対応してくれているとはいえ、家族にとっては胸を痛めることや不安なこともあるでしょう。

この記事では、認知症の方のこうした行動の原因や対処方法をまとめました。家族が原因や対策を知ることで、良い状態に変えられることがあります。ぜひ今後の生活の参考にしてください。

 

デイサービスや施設を困らせる行動とは

介護に悩む人のイメージ

認知症の方が「なんでそんなことを」という行動を起こすことがあります。かつては問題行動と呼ばれることもありましたが、今は行動・心理症状(BPSD)と呼ばれています。

デイサービスや施設の人を困らせてしまう、認知症の行動・心理症状についての相談は、安心介護にもよく投稿されています。特に多いのが、次のような行動・心理症状です。

暴言や暴力

突然スイッチが入って大声をあげるようになったり、暴言や暴力的な行動をしたりしてしまいます。以前は穏やかだったことを知っている家族には、とても辛い症状です。

帰宅願望

認知症の方が「帰りたい」と口に出し、実際にその場から出ていこうとしてしまいます。デイサービスや施設からだけではなく、自宅にいても「帰りたい」と願うことがあります。夕方から夜にかけて起こりやすいことから「夕暮れ症候群」とも呼ばれています。

セクハラ

性的逸脱行動と呼ばれている症状です。身体介助中に胸やおしりを触ろうとしてきたり、性器を見せてきたり、わいせつな発言をしたりしてしまいます。

介護職員を困らせる行動の原因

付き添う介護職員のイメージ

なぜ、デイサービスや施設の方を困らせるような行動をしてしまうのでしょうか。その要因をみてみましょう。

不安や体調不調など

行動・心理症状は、認知症の方に共通してみられる症状ではありません。認知症によって理解力や判断力、記憶力が低下しているところに、不安や焦燥感、環境の変化などによるストレス、不眠や便秘、脱水などの体調不良などが重なって出てしまうもので、人によって出る症状が異なります。

帰宅願望については、見知らぬ場所や見知らぬ人々に落ち着かないこと、今いる場所の居心地が良くないことから、「帰りたい」と願ってしまっているのかもしれません。

前頭側頭型認知症

理性をコントロールする前頭葉が委縮する「前頭側頭型認知症」では、初期のうちから、他人に配慮することができない、自分の衝動を抑えられずに行動してしまうといった症状が現れます。

そのため、性的逸脱行動(セクハラ)や攻撃的な行動などをしてしまうのです。ほかにも、「同じ行動を繰り返す」「病的に規則正しく行動する」「特定の食品にこだわって毎日食べる」「万引きなどの反社会的行動をしてしまう」などの症状が現れます。

デイサービスや施設を困らせる行動の対策

解説する施設職員のイメージ

こうした行動・心理症状については、デイサービスや施設の職員さんたちがそれぞれ対策をしてくれています。ここでは、家族ができる対策について紹介します。

原因を探る

まずは、なぜその症状が出てしまうのかを探りましょう。脱水気味ではないか、痛いところがあるのではないか、環境が変わって不安なのではないか、「否定する」「怒る」などの不適切なケアをしているのではないか…などです。

デイサービスや施設に慣れずに症状が出てしまっている場合には、家からなじみのあるものを持って行ってもらうことで落ち着くこともあります。

夢中になることをしてもらう

夕方になると帰宅願望が強くなってしまう方の場合、計算ドリルや塗り絵、編み物など、夢中になれるものを持参するのもひとつの手です。事業所によっては、デイサービスや施設で用意してくれるので、相談してみてください。

安心介護内に投稿された帰宅願望の対策には、好きな歌手のDVDを鑑賞してもらう、孫や昔の旅行の写真を持っていき職員さんと話をしてもらう、草むしりなどの土に触れる作業などをしてもらう…などがあります。

医師に相談を

体調不良が原因で行動・心理症状が起こることもあります。また、認知症以外の病気の可能性もあるため、かかりつけ医や看護師との連携は欠かせません。

まとめ

暴力や暴言などの攻撃的な行動やセクハラ、帰宅願望は、デイサービスや施設の職員さんを困らせる行動です。介護職員が対策をしてくれていますが、質問者さんのように「断られたらどうしよう」と考えたり、ショートステイをあきらめてしまったりすることがあります。

この記事では、介護職員さんを困らせる行動に対して、「原因を探る」「なじみのあるものや夢中になれるものを持っていく」「体調不良がないかを確かめる」など、家族としてできる対策をまとめました。これからの生活の参考になればうれしいです。

※この記事は2021年11月時点の情報で作成しています。

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i.ansinkaigo.jp

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ケアマネジャー:森裕司(株式会社HOPE)
ケアマネジャー  森 裕司(もり ゆうじ)

【経歴】 1982年生まれ。
医療福祉系学校を卒業後、約11年医療ソーシャルワーカーとして医療機関に勤務。
その後、一生を通じた支援をしたいと思い、介護支援専門員(ケアマネジャー)へ転身。
2017年1月 株式会社HOPE 設立
2017年3月 ほーぷ相談支援センター川越 開設
代表取締役と共に、介護支援専門員(ケアマネジャー)として、埼玉県川越市で高齢者の相談支援を行っている。
他に、医療機関で、退院支援に関するアドバイザーと職員の指導・教育にあたっている。
医療・介護に関する新規事業・コンテンツ開発のミーティングパートナーとしても活動。大学院卒(経営研究科)MBA取得している。

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