地域密着型通所介護(小規模デイサービス)とは?

介護保険が適用される通所系サービスには、いくつかの種類があります。通所介護(デイサービス)よりも利用定員の少ない、地域密着型通所介護(小規模デイサービス)もそのひとつです。本記事では、地域密着型通所介護(小規模デイサービス)ならではの特徴や費用、利用方法を解説します。

目次

  1. 地域密着型通所介護(小規模デイサービス)とは?知っておきたい基本ポイント
  2. 介護地域密着型通所介護(小規模デイサービス)の対象者
  3. 地域密着型通所介護(小規模デイサービス)のサービス内容
  4. 地域密着型通所介護(小規模デイサービス)でかかる料金
  5. 地域密着型通所介護(小規模デイサービス)の利用方法
  6. アットホームで柔軟に対応してくれるデイサービスをお探しの方に

地域密着型通所介護(小規模デイサービス)とは?知っておきたい基本ポイント

デイサービスの日常風景

まずは、地域密着型通所介護(小規模デイサービス)の基本ポイントを確認していきましょう。

19人未満の通所介護サービス

地域密着型通所介護(小規模デイサービス)は、利用定員が19人未満の小規模なデイサービスです。利用者は日帰りで介護の専門施設に通い、入浴や食事などの日常生活上の支援を受けながら、日常生活で生かせる機能訓練、レクリエーションなどをして過ごします。

一般的な通所介護(デイサービス)と同様に、利用者にとっては、自宅から出て家族以外と交流する機会となります。同時に介護をしている家族のレスパイト(身体的・精神的負担の軽減、息抜き)の時間を確保することも大切な目的です。利用者本人の社会的な孤立感が解消でき、介護者の負担軽減や仕事と介護の両立を可能にするサービスだといえるでしょう。

通所介護(デイサービス)との違い

2016(平成28)年度から、利用定員が19人未満の通所介護(デイサービス)は、地域密着型通所介護(小規模デイサービス)として地域密着型サービスに移行されました。

地域密着型通所介護(小規模デイサービス)は小規模なこともあり、利用者の個性や状況に合わせた手厚い介護を受けられます。少人数なのでスタッフや利用者と顔なじみになりやすく、アットホームな雰囲気の中で過ごせるのもメリットです。

利用できる事業所は、住んでいる市区町村に限定されます。また、費用は一般的な通所介護(デイサービス)と比べると割高です。

介護地域密着型通所介護(小規模デイサービス)の対象者

介護地域密着型通所介護(小規模デイサービス)の対象者

地域密着型通所介護(小規模デイサービス)を受けられる対象者を確認しましょう。

地域密着型通所介護(小規模デイサービス)が受けられる方

要介護1以上の認定を受けた方が利用できます。

また、介護が必要になっても、住み慣れた地域で生活できるように支援する事を目的とした「地域密着型サービス」のため、地域密着型通所介護(小規模デイサービス)の事業所と同じ市区町村に住んでいる必要があります。

地域密着型通所介護(小規模デイサービス)が受けられない方

自立や要支援1、2の方、地域密着型通所介護(小規模デイサービス)の事業所と同じ市区町村に住んでいない方は利用できません。

地域密着型通所介護(小規模デイサービス)のサービス内容

地域密着型通所介護(小規模デイサービス)のサービス内容

地域密着型通所介護(小規模デイサービス)では、どんなサービスを受けられるのかを確認していきましょう。

地域密着型通所介護(小規模デイサービス)で受けられるサービス

地域密着型通所介護(小規模デイサービス)では、以下のようなサービスを提供しています。

  • 送迎
  • 健康チェック(体温や血圧の測定など)
  • レクリエーション(手工芸などの趣味の活動、ゲーム、歌など)
  • 近隣への外出
  • 体操などの機能訓練
  • 入浴
  • 排泄介助
  • 昼食
  • おやつ

小規模であることを活かして、利用者に合わせた柔軟なサービスを提供しています。具体的なサービスや取り組みについては、利用の前に見学や体験利用をして確認するといいでしょう。

通所介護(デイサービス)の1日(例)

デイサービスの1日のスケジュール(例)

前日には着替えや歯ブラシ、予備のオムツなどの準備をします。一人暮らしの方は、訪問介護サービスの際に訪問介護員(ホームヘルパー)に準備してもらうことも可能です。

※上記は一例です。サービス提供事業者、利用時間、サービス内容にもよって異なります。

地域密着型通所介護(小規模デイサービス)でかかる料金

訪問看護にかかる費用

地域密着型通所介護(小規模デイサービス)を利用すると、どのくらいの費用が掛かるのでしょうか。その金額を見ていきましょう。

地域密着型通所介護(小規模デイサービス)の1回ごとの基本料金

地域密着型通所介護(小規模デイサービス)費は、以下の金額となります。

 3時間以上
4時間未満
要介護1 415円
要介護2 476円
要介護3 538円
要介護4 598円
要介護5 661円
 4時間以上
5時間未満
要介護1 435円
要介護2 499円
要介護3 564円
要介護4 627円
要介護5 693円
 5時間以上
6時間未満
要介護1 655円
要介護2 773円
要介護3 893円
要介護4 1,010円
要介護5 1,130円
6時間以上
7時間未満
要介護1 676円
要介護2 798円
要介護3 922円
要介護4 1,045円
要介護5 1,168円
7時間以上
8時間未満
要介護1 750円
要介護2 887円
要介護3 1,028円
要介護4 1,168円
要介護5 1,308円
 8時間以上
9時間未満
要介護1 780円
要介護2 922円
要介護3 1,068円
要介護4 1,216円
要介護5 1,360円

※自己負担割合が1割の方の金額です。一定の所得がある場合は、所得に応じて2割または3割負担となります。

※上記は基本的な利用料(「介護報酬の算定構造」令和3年4月改定版)です。サービス内容、サービス提供事業所の所在地などによって金額は異なります。詳しくは担当のケアマネジャー、もしくは市区町村の高齢者窓口や地域包括支援センターにお問い合わせ下さい。

その他にかかる料金

上記の金額の他に、昼食費やおやつ代がかかります。いずれもサービス提供事業者によって金額が違うので、あらかじめ確認しておくといいでしょう。また、おむつ代やクラブ活動の材料費などの日常生活費(実費相当額)がかかります。

送迎については基本料金に含まれていますが、「入浴」「個別機能訓練」など別途加算される介護保険サービスもあります。

地域密着型通所介護(小規模デイサービス)の利用方法

最後に、地域密着型通所介護(小規模デイサービス)を利用する基本手順を確認しておきましょう。

地域密着型通所介護(小規模デイサービス)の利用方法

要介護1~5の認定を受けている場合、利用手順は以下のようになります。

  1. 担当のケアマネジャーか地域包括支援センターに相談する
  2. ケアマネジャーの助けも借りて、複数のサービス提供事業者(施設)をピックアップして見学・体験利用をする
  3. 施設が決まったら、ケアマネジャーが利用申込みをする
  4. ケアマネジャーがケアプランを作成
  5. サービス提供事業者(施設)と契約を交わす
  6. 指定日時よりサービス開始

曜日によって職員や利用者も変わり、雰囲気が違うことがあります。見学や体験利用の際には、実際に利用を検討している曜日に設定するのがお勧めです。

※上記は基本的な流れです。サービス提供事業者やケアマネジャー、利用者の状況によって異なります。

柔軟に対応してくれるアットホームなデイサービスをお探しの方に

地域密着型通所介護(小規模デイサービス)は、通常の通所介護(デイサービス)と同様に、利用者の社会的な孤立感の解消や介護者のレスパイトを目指すサービスです。1日3~9時間ほど介護施設に通い、食事や入浴、排せつ介助などの日常生活上の支援や体操などの機能訓練が受けて過ごします。住み慣れた地域に密着した施設に通いたい方、大人数の場所では不安な方、スタッフとも利用者とも顔見知りになりやすいアットホームな雰囲気のデイサービスで日中を過ごしてほしい方などは、ぜひ、利用を検討してはいかがでしょうか。

監修者:鵜沢静香
監修者:鵜沢静香

訪問介護事業所職員、福祉用具専門相談員。2015年から安心介護に関わっており、お話を伺った介護家族や介護職員の影響で介護職員初任者研修を取得し、訪問介護の仕事をスタートしました。2022年には介護福祉士、認知症ケア専門士の資格を取得し、自宅で介護をされる人・介護をする人、どちらも大切にしながら訪問介護の仕事を続けています。