同居している要介護1の義母ですが、徘徊やもの盗られ妄想があり、私に対しての暴言もひどいです。限界を感じており、いつか虐待をしてしまうのではないかと不安を感じています。施設に入ってほしいのですが、特別養護老人ホームは要介護2以下だと、絶対に入居はできませんか?

質問

質問者同居している義母が認知症です。徘徊やもの盗られ妄想があり、特に私に対して暴言があります。今までもあまりいい関係ではなく、さらに認知症の症状も出ている義母の介護をするのは限界です。

ショートステイも要介護1ではそれほど利用できず、睡眠不足とストレスで毎日ぼんやりしています。先日は認知症の義母相手に怒鳴り返してしまい、いつか虐待をしてしまうのではないかと、自分で自分が怖いです。

年金が少ないので、金銭的なことを考えると施設に入ってもらうなら特別養護老人ホームだと感じています。義母は要介護1なのですが、要介護3以上でないと、絶対に入居はできないのでしょうか? 教えてください。

専門家認知症のお義母様の介護をされているとのこと。徘徊やもの盗られ妄想、暴言といった症状に日々対応するのは大変なことでしょう。ご自身が倒れてしまう前に、質問していただいて良かったです。特別養護老人ホームは、原則として要介護3以上の方が利用対象となっていますが、要介護2以下の方でも、特例により入居が認められることがあります。

この記事では、要介護2以下の方が特別養護老人ホームに入居することについて説明します。現在や今後の生活の参考にしてください。

特別養護老人ホーム

特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)について知ろう

まずは、特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)の基礎知識についてみていきましょう。

特別養護老人ホームの特徴

特別養護老人ホームは、常に介護が必要で自宅での生活が難しい方が生活する介護保険施設のひとつです。略して“特養”と呼ばれ、社会福祉法人や地方自治体などが運営しています。

重度の要介護の方や認知症の方を受け入れています。食事や排せつなどの必要な介護を24時間受けられ、生活の場として機能訓練やレクリエーションも提供しています。終の棲家として、看取りに取り組む施設も増えています。

入所時に支払う初期費用もなく、充実したサービスが低価格で利用できるので、非常に人気の施設です。

利用対象者

特別養護老人ホームは、原則として要介護3~5の方で常に介護が必要な方が利用できます。

要介護2以下の方は、原則として利用できませんが、市区町村ごとに定められている特例に当てはまれば、入居が認められることがあります。

特別養護老人ホームでかかる費用

特別養護老人ホームでは、1日ごとに以下の料金がかかります。

・基本料金(部屋のタイプや要介護度によって異なる)
・食費
・居住費(部屋のタイプによって異なる)
・個別機能訓練加算などの介護保険の各種加算

ひと月(30日)あたりにかかる金額の目安は、10万円から15万円程度です。

また、特別養護老人ホームは介護保健施設なため、所得に応じて食費や居住費の負担軽減を受けられる「特定入所者介護サービス費」が適用されます。

>>特定入所者介護サービス費とは?対象者や申請方法を解説します

その他にも介護保険の各種加算、日用品やレクリエーションにかかった費用の実費が掛かります。

要介護2以下で入居が認められる特例について

続いて、要介護2以下でも入所が認められる特例についてみていきましょう。

特別養護老人ホームの特例入所の要件

特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)は、原則として要介護3以上の方が入居できる施設ですが、要介護1、2の方でも市町村ごとに定められている特例要件に当てはまれば入居が可能です。

特例要件には次のようなものがあります。

・認知症や知的障害、精神障害などにより、日常生活に支障を来すような症状や行動、意思疎 通の困難さが頻繁に見られ、在宅生活が困難な状態であること
・家族などからの虐待の疑いがあり、心身の安全や安心の確保が困難な状態であること
・一人暮らしや老々介護、同居家族が病弱などの理由で、家族などによる支援が期待できず、地域での介護サービスや生活支援の供給が不十分なこと

詳しくは、入居を希望する特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)、または市区町村の高齢者窓口や地域包括支援センターでご確認ください。

事情をしっかりと伝えましょう

なぜ特別養護老人ホームの特例入所が必要なのか、その事情をしっかりと伝えましょう。質問者さんの場合は、虐待をしてしまいそうだとの危機感を抱いているとのこと。なかなか伝えづらいことだと思いますが、そのままの気持ちを伝えましょう。冷静に説明できなくても、実情をありのままに伝えることが大切です。

特例入所が認められなかった場合に検討したい施設

年金が少なくても入所できる施設は、特別養護老人ホーム以外にもあります。特例入所が認められなかった場合の選択肢として紹介します。

生活保護で入れる有料老人ホームなど

生活保護を受けて利用できる有料老人ホームやサービス付き高齢者住宅を探してみるとよいでしょう。認知症の診断が出ているのであれば、グループホームも良いですね。

有料老人ホームには「住宅型」と「介護付」があり、住宅型は介護が必要になったら外部の在宅介護サービスを利用します。サービス付き高齢者住宅も同様です。

「介護付」の有料老人ホームと一部のサービス付き高齢者住宅は、「特定施設入居者生活介護」が利用でき、常駐している介護スタッフから入浴や排泄、食事などの介護や日常生活上の支援などの介護サービスを受けながら、要介護度が高くなっても暮らし続けることができます。

施設を探す際には、生活保護の扶助で賄えるかどうか、生活保護者を受け入れているかどうかを確認しましょう。

ケアハウス(軽費老人ホームC)

ケアハウス(軽費老人ホームC型)とは、食事や日常生活の支援をしてくれる高齢者施設です。自治体の助成が受けられるので、比較的低額な料金で利用できます。原則として全室個室で、入居者は食事サービスなどの支援を受けながら、プライバシーが守られた空間で自由に生活することができるのが特徴です。

「自立型(一般型)」と「介護型」の2種類があり、「自立型(一般型)」は、同様に介護が必要になったら、外部の在宅介護サービスを利用できます。「介護型」は介護付有料老人ホームと同様に、「特定施設入居者生活介護」が利用でき、常駐している介護スタッフから入浴や排泄、食事などの介護や日常生活上の支援などの介護サービスを受けながら、要介護度が高くなっても暮らし続けることができます。

入居一時金または保証金が0円~数百万円ほどかかりますが、自立型(一般型)であれば、初期費用が掛からないところもあります。人気が高いため、施設によっては待機期間が長くなることがあります。

養護老人ホームは、身体的・精神的・経済的・環境的な理由により、自宅での日常生活が困難な高齢者が対象の施設サービスです。ただし、介護施設ではなく、自立支援を目指す養護施設なので、寝たきりなどで常時介護が必要な方は入所できません。

費用の一部または全部を市町村が負担する施設であり、契約入所ではなく市町村が入所の可否を判断する措置入所なので、希望しても入れない場合があります。判断基準は市町村によって異なりますので、詳しくは市町村の高齢者関連窓口でご確認ください。

まとめ

特別養護老人ホームは、原則として要介護3以上の方でないと入所できません。ただし、市町村が定めている特例要件に当てはまれば、入所が認められる場合があります。

まずは地域包括支援センターやケアマネジャーに、在宅介護を続けられない事情を説明して動いてもらいましょう。遠慮をせずにあるがままに伝えることが大切です。

もし特例要件が認められなかった場合でも、施設に入所するタイミングで生活保護を申請することで、施設の選択肢が広がる可能性があります。生活保護で賄える施設か、生活保護に対応しているかどうかをあらかじめ確認しておくと良いでしょう。

※この記事は2022年1月の情報を元に作成しています。

 

 

ケアマネジャー:森裕司(株式会社HOPE)
ケアマネジャー  森 裕司(もり ゆうじ)

【経歴】 1982年生まれ。
医療福祉系学校を卒業後、約11年医療ソーシャルワーカーとして医療機関に勤務。
その後、一生を通じた支援をしたいと思い、介護支援専門員(ケアマネジャー)へ転身。
2017年1月 株式会社HOPE 設立
2017年3月 ほーぷ相談支援センター川越 開設
代表取締役と共に、介護支援専門員(ケアマネジャー)として、埼玉県川越市で高齢者の相談支援を行っている。
他に、医療機関で、退院支援に関するアドバイザーと職員の指導・教育にあたっている。
医療・介護に関する新規事業・コンテンツ開発のミーティングパートナーとしても活動。大学院卒(経営研究科)MBA取得している。

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