介護休業・介護休業給付金とは?申請方法や支給額はどうなる?

介護休業給付を受け取りたい!申請方法や支給額はどうなる?

男女ともに平均寿命が80歳を超える高齢社会の今、介護が必要な高齢者が増加しています。介護と仕事の両立は介護家族だけではなく、社会全体の課題となっています。本記事では介護休業・介護休業給付の内容や支給額、そして申請方法について解説しています。ぜひご確認ください。

介護休業・介護休業給付金とは?

介護休業・介護休業給付金とは?



介護休業給付の支給対象となる介護休業とは、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」で定められている制度です。家族に介護が必要になった場合に、労働者が介護のために一定期間の休業を申請することができます。

40代や50代の働き盛りの年代で親の介護に直面した方の中には、仕事と介護の両立で悩んでいる方もいることでしょう。介護離職は介護をしている本人だけではなく、貴重な労働者を失う会社にとっても、大きな損失となります。介護休業は、仕事と介護を両立する方の生活をサポートし、その後も勤務が継続できるように、職場復帰を促進・援助する制度です。労働者が事業主に介護休業を申し出た場合、それを理由に解雇や降格などの不利益な扱いをしてはならないと規定されています。しかし、休業中の賃金の支払いは義務付けられていません。その間の生活の支えとなるのが、介護休業給付金です。

介護休業は、通算93日まで最大3回に分けて取得が可能です。給付金の対象とはなりませんが、企業によっては「半年まで取得可能」、「最大6回まで」と、独自に従業員がより介護をしやすい環境づくりをしているところもあります。

介護休暇との違い

介護を理由に休みを取得できる制度には、介護休業の他に「介護休暇」があります。これは家族を介護するために取得する休暇で、要介護状態の家族一人に対して、年間5日間までの休暇の取得が可能です。

半日から取得可能なので、「通院に付き添うために半日だけ休みたい」といった使い方ができます。

取得に必要な勤務年数が介護休業よりも短く、より取得しやすい制度だと言えます。 詳しくは以下の記事をご確認ください。

介護休業給付の上手な使い方

介護休業給付は、介護が必要になった家族のためにまとまった休みが取れる制度です。

病気やケガが回復するまでの間、介護用ベッドなどの福祉用具がそろって安定した在宅介護サービスが受けられるようになるまでの間、入居する介護施設が見つかるまでの間、家族が看取り期を迎えた時に、介護休業を利用するといいでしょう。

介護休業給付の対象者

介護休業給付の対象者



介護休業の労働者に対して、賃金の支払いは義務付けられていません。その代わりに支給されるのが、介護休業給付です。ただし、一定の条件を満たしていないと支給申請はできません。

介護休業給付の支給申請ができる条件

介護休業で給付金が受け取れるのは、対象となる家族に介護が必要な状態であり、申し出時点で以下の全てに当てはまる場合には、介護休業給付を受給することができます。要介護状態とは、「2週間以上の期間にわたり常時介護を必要とする状態」であり、要介護認定を受けている必要はありません。

  • 介護休業を開始した日よりも前の2年間で、11日以上就業した月が12ヵ月以上ある
  • 介護休業を取得する予定日から93日+6ヵ月の間に、労働契約の期間(更新する場合には更新後の期間)が満了しない
  • 休業中の就労日が10日以下(在職中の会社以外での就労を含む)

また、同じ要介護者の介護のために、他の家族が一緒に介護休業を取得することが可能です。

対象家族とは

介護休業の対象となる「対象家族」とは、配偶者、父母および子、祖父母、兄弟姉妹、孫、配偶者の父母です。

また、配偶者は必ずしも婚姻の届出をしている必要はなく、事実婚状態の方も含まれます。

介護休業給付が申請できない人

育児休業給付を取得中の方、65歳以上の方、介護休業を取得する予定日から93日+6ヵ月の間に契約期間が終了する方は、介護休業給付の申請はできません。 また、介護休業にも雇用主から一定額以上の手当てや給与が支給されている方も、介護休業給付の受給はできません。一定額以下の場合でも、給付金が減額されることがあります。

2週間以下でも介護休業は取得できる?

介護休業給付の支給申請ができる条件に、「対象家族が要介護状態(2週間以上の期間にわたり常時介護を必要とする状態)」というものがあります。

これは必ず2週間以上休まなくてはいけないということではありません。「1週間だけ」「10日間だけ」などでも取得が可能です。

介護休業は最大3回、93日までしか取得ができず、要介護者の状態が変わっても日数は変わりません。必要な日数が5日間以下の場合には、年間5日まで取得できる介護休暇の利用を検討しましょう。

介護休業給付ではいくらもらえる?

介護休業給付ではいくらもらえる?



介護休業時に支給される介護休業給付金ですが、受け取れる金額はいくらぐらいになるのでしょうか。

介護休業給付の支給額の計算方法

介護休業給付の支給額は、以下の方法で計算されます。

休業開始時賃金日額×支給日数×67%

休業開始時賃金日額は、申請書類を基に算出される金額です。介護休業開始前の半年間(6ヵ月間)の総支給額(保険料などが控除される前の金額でボーナスは含みません)の平均で算出されます。

●支給額の目安

平均月額毎の支給額の目安は以下の通りです。

  • 平均月額15万円程度→月額10万円程度を支給
  • 平均月額20万円程度→月額13万4,000円程度を支給
  • 平均月額30万円程度→月額20万1,000円程度を支給

支給には上限額があります。2019(令和元)年8月1日時点での上限額は、33万5,067 円です。

給付金がなしまたは減額となるケース

また、介護休業中に事業主から支払われている給与や手当が、休業開始時賃金日額×支給日数の80%を超える場合には給付金は支払われません。

また、休業開始時賃金日額×支給日数の13%を超える場合には、介護休業給付金+介護休業中の事業主からの給与が休業開始時賃金日額×支給日数の80%を超えない額まで減額されます。

(例) 平均月額20万円の人が…

  • 雇用主からひと月に16万円(80%)支払われた場合→給付金なし
  • 雇用主からひと月に2万円(10%)支払われた場合→13万4,000円程度の給付金(満額)支給
  • 雇用主からひと月に5万円(25%)支払われた場合→11万円程度の給付金(減額)支給

詳しくは雇用主または最寄りのハローワークにご確認ください。

介護給付金の申請手続き

介護給付金の申請手続き

最後に、介護休業給付の申請方法を確認しておきましょう。

介護休業給付の申請方法

介護休業給付の支給申請は、原則として雇用主が管轄するハローワークに行います。介護休業申出書、住民票記載事項証明書などを職場に提出する必要があります。

本人が希望する場合には、自分で介護休業給付の支給申請をすることも可能です。詳しくは事業所を管轄するハローワークに問合せください。

申請ができる期間

申請は介護休業が終了してから行います。申請期間は、休業を終了した日の翌日から2ヵ月後の月の末日までです。例えば4月15日に介護休業が終了したら、4月16日から6月30日までに申請します。

それ以降でも、2年以内であれば申請はできますが、支給が遅くなるなどの可能性があるので注意が必要です。

入金されるタイミング

給付金は支給決定日から1週間後に、指定した口座に入金されます。

支給が決定すると介護休業給付支給決定通知書が発行されます。もしいつまでも手元に届かない場合には、職場の担当者に確認をしてください。

家族や自分自身、職場のために介護休業制度の活用を

介護と仕事の両立は介護をしている人だけではなく、少子高齢化が進む社会にとっても大きな課題です。93日間の休業を最大3回に分けて取得できる介護休業では、申請により給付金が受け取れます。家族が2週間以上の介護が必要になった時、介護の体制が整うまで仕事を休まなくてはいけない時、看取りの時などに利用しましょう。

介護休業を取得する際には、なかなか会社や同僚の理解が得られずに悩んでしまうことがあるかもしれません。でもあきらめずに介護休業を取得すれば、助かるのはあなた自身や介護される家族だけではありません。次に同じ立場に立った職場の同僚の助けにもなるはずです。

介護と仕事の両立を促進する制度には他にもいろいろあります。ぜひ上手に活用して、無理のない介護を続けましょう。

※この記事は2019年12月時点の情報で作成しています。

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監修者:鵜沢静香
監修者:鵜沢静香

訪問介護事業所職員、福祉用具専門相談員。2015年から安心介護に関わっており、お話を伺った介護家族や介護職員の影響で介護職員初任者研修を取得し、訪問介護の仕事をスタートしました。自宅で介護をされる人・介護をする人、どちらも大切にしながら訪問介護の仕事を続けています。