ケアハウスへの入居を検討中。金銭面以外のメリットやデメリットを教えてください。

 

質問

質問者ひとり暮らしになった実父ですが、長年暮らしていたマンションでは広すぎて家賃が高いこと、自炊が苦手なのでインスタント食品が多くなってしまうことなどから、ケアハウスへの入居を検討しています。私は一人っ子で遠方に住んでおり、何かあった時に駆けつけられないことも施設を検討している理由です。

現在の住居では経済面の負担が大きいので、住居にかかる費用をできるだけ抑えたいとは考えているのですが、まだ70代で自立した生活ができているため、施設に入居させることをためらっています。金銭的なこと以外でケアハウスに入居するメリットを教えてください。

また、これから介護が必要になったり認知症になったりしたら、ケアハウスから退居しないといけないのでしょうか? 教えてください。

専門家ケアハウス(軽費老人ホームC)についての質問ですね。ケアハウスは食事や日常生活の支援をしてくれる高齢者施設です。自治体からの助成を受けている施設なため、比較的低額な料金で利用できます。自立型(一般型)と介護型があり、入居できる対象者が異なります。

この記事では、ケアハウスでの生活や金銭面以外のメリットを知っていただくために、ケアハウスの内容と共に、入居するメリットとデメリット、どんな方に向いているのかをまとめました。また、質問にあった、介護が必要になったらどうなるのかについても説明しています。ぜひ今後の生活の参考にしてください。

 

ケアハウス(軽費老人ホームC)とは

まずは、ケアハウス(軽費老人ホームC)の内容を確認しましょう。

ケアハウスの特徴

ケアハウス(軽費老人ホームC型)とは、「住まい」であること「生活を支援すること」を重視した高齢者施設です。自治体からの助成を受けている施設なため、比較的低額な料金で利用できます。原則として全室個室なので、プライバシーが守られた空間で食事や日常生活の支援を受けながら自由に生活することができるのが特徴です。

ケアハウスで受けられるサービスには、次のようなものがあります。

  • 3食の食事の提供
  • 共同浴場の準備
  • 安否確認や生活相談
  • クラブ活動などのアクティビティ など

ケアハウスでは、食事の時間は定められていますが、それ以外の過ごし方は自由です。食事の手配があるため事前の届け出が必要ですが、外出や外泊も自由にできます。

入居できる対象者

ケアハウスは、身体状況などの理由で自炊が難しく、独立した生活に不安がある方。家族の援助が受けられない方などを対象とした施設です。

また、「自立型(一般型)」と「介護型」の2種類があり、入所できる対象者が異なります。詳細は入居を希望する施設に問合せください。

●自立型(一般型)

自立した生活を希望する方向けの施設です。年齢が60歳以上の方。夫婦で入居する場合にはどちらかが60歳以上なら入居可能です。

●介護型

都道府県から特定施設入居者生活介護の指定を受けている施設です。要支援1・2、要介護1~5の認定を受けている方が対象です。施設によっては要支援の受け入れをしていないところもあります。

ケアハウスでかかる費用

ケアハウスでは、家賃・管理費・食費・光熱費などがかかります。「生活に要する費用」「事務費」など、ケアハウスによって呼び方が異なるので、わかりにくいかもしれません。

ひと月あたりにかかる費用は、前年度の対象収入や自治体に応じて変わります。対象収入とは、収入から所得税などの税金や医療費、介護保険料、介護保険サービス利用料(自己負担分)などの必要経費を引いた金額のことです。例えば収入が200万円で必要経費が50万円の場合、対象収入は150万円となります。

費用の目安として全国軽費老人ホーム協議会が示している金額は、ひと月あたり6~17万円です。

介護型の場合には、上記に加えて特定施設入居者生活介護の費用がかかります。金額は、要介護度によって異なります。

また、入居時には入居一時金または保証料が数十万~数百万円ほどかかります。自立型(一般型)の場合には、初期費用がかからないところもあります。

ケアハウスとは

ケアハウス(軽費老人ホームC)で受けられる介護

続いて、ケアハウスで受けられる介護についてみていきましょう。

介護型ケアハウスで受けられる介護

「介護型」は、介護付有料老人ホームと同様に「特定施設入居者生活介護」の指定を受けた施設です。特定施設入居者生活介護では、常駐している介護スタッフから入浴や排泄、食事などの介護や日常生活上の支援などの介護サービスを受けながら、要介護度が高くなっても暮らし続けることができます。

自立型(一般型)ケアハウスで受けられる介護

自立型(一般型)に入居している場合、介護が必要になると訪問介護やデイサービスなどの外部の在宅介護サービスを利用します。

介護職員の配置が少なく、夜間には職員がいないこともあるため、要介護度が高くなると他の施設への転居をすすめられることがあります。入居を検討している施設の方針については、事前に確認しておくと良いでしょう。

ケアハウス(軽費老人ホームC)のメリットとデメリット

それでは、ケアハウスを選ぶメリットとデメリットについてみていきましょう。

メリット

  • バリアフリーなので安心
  • 比較的安い利用料金で利用できる
  • 高齢者に配慮した食事が3食提供される
  • 原則個室なのでプライバシーが確保される
  • 生活の自由度が高い
  • 安否確認などをしてくれるので何かあった時に安心 ・アクティビティや食堂での交流など、刺激のある生活を送ることができる
  • 介護型であれば、要介護度が高くなっても暮らし続けることができる

デメリット

  • 一般型は要介護度が高くなると、転居をすすめられることがある
  • 特に介護型は入居時の初期費用が高い
  • 人気があるため希望してもすぐに入居できないことがある
  • 施設により、設備やアクティビティの取り組みなどに差がある

ケアハウスが向いている方

  • (介護型の場合)有料老人ホームのような介護体制の整った施設を、比較的安い金額で利用したい方
  • ある程度自立しているが、食事の準備などが難しい方
  • プライバシーが守られた空間で、住民とほどよく交流しながら暮らしたい方
  • 現在はひとり暮らしや夫婦のみで暮らしているが、安否確認や生活相談などを受けながら暮らしたい方
  • 家族の援助が受けられない方

まとめ

比較的安い費用で利用でき、プライバシーの確保された居室で自由に暮らせることが魅力のケアハウス。安否確認や生活相談、食事の提供があるため、高齢者のみの世帯の方やひとり暮らしの方には、メリットのある施設です。そのため人気も高く、施設によっては待期期間が長くかかる場合もあります。

介護型の場合は、常駐している介護職員の手を借りながら、要介護度が高くなっても暮らし続けることができます。自立型(一般型)の場合でも、介護が必要になったら外部の介護サービスを利用することが可能です。

ひと月あたりの費用は、前年度の収入によって異なります。介護型の場合には、初期費用が高額になることも。他の施設とよく比較し、選択肢の一つとして検討してみてはいかがでしょうか?

 

 

 

 

 

 

ケアマネジャー:森裕司(株式会社HOPE)
ケアマネジャー  森 裕司(もり ゆうじ)

【経歴】 1982年生まれ。
医療福祉系学校を卒業後、約11年医療ソーシャルワーカーとして医療機関に勤務。
その後、一生を通じた支援をしたいと思い、介護支援専門員(ケアマネジャー)へ転身。
2017年1月 株式会社HOPE 設立
2017年3月 ほーぷ相談支援センター川越 開設
代表取締役と共に、介護支援専門員(ケアマネジャー)として、埼玉県川越市で高齢者の相談支援を行っている。
他に、医療機関で、退院支援に関するアドバイザーと職員の指導・教育にあたっている。
医療・介護に関する新規事業・コンテンツ開発のミーティングパートナーとしても活動。大学院卒(経営研究科)MBA取得している。

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