誤嚥性肺炎で入院中の実父ですが、転院先として介護保険が使える療養型施設をすすめられています。できれば嚥下リハビリを受けさせたいと思っているのですが、療養型施設でのリハビリについて教えてください。

療養型施設ではどんなリハビリができる?

質問

質問者

誤嚥性肺炎で入院し、胃ろうを造設した97歳の実父ですが、転院先として長期入所できる療養型の施設をすすめられています。本人も家族も、できれば嚥下リハビリで口からの食事に戻したいと考えています。療養型施設で受けられるリハビリについて教えてください。

また、リハビリ病棟ではなく療養型の施設をすすめられたのには理由があるのでしょうか? 軽度ですが認知症があり、入院中に点滴を抜こうとしたことが何度かあったそうです。

専門家

療養型施設でのリハビリについての質問ですね。療養型施設にはいくつかあります。長期入所できるとのことなので、介護保険が利用できる介護療養型医療施設(介護療養病床)か介護医療院のどちらかでしょう。療養型施設には、医療保険が適用される医療療養型病院(医療療養病床)もありますが、原則として長期入所はできません。

ここでは、医療療養病床と介護療養病床の違い、療養型の介護保険施設で受けられるリハビリ、リハビリ病棟ではなく療養型の施設をすすめられるケースについて中心に紹介します。ぜひ、今後の参考にしてください。

 

 

介護保険が適用される療養型施設

介護保険が適用される療養型施設とは

まずは、介護保険が適用される療養型施設についてみていきましょう。

介護療養型医療施設(介護療養病床)とは

介護療養型医療施設(介護療養病床)とは、慢性疾患があり、長期療養が必要な要介護者を対象とした介護保険施設のひとつです。食事や排せつなど日常生活上の介護、医療的なケアやリハビリテーションなどのサービスを提供しています。ターミナルケアや看取りの対応も可能です。

要介護1以上の認定を受けた方で、長期療養が必要な方が利用できます。病状が安定している方が対象で、急性期の方は利用できません。

介護保健施設なので、入所時に支払う初期費用はありません。すでに廃止が決まっており、2012(平成24)年からは新設が認められなくなりました。現在ある介護療養型医療施設(介護療養病床)の多くは、次に説明する介護医療院への転換を図っています。

介護医療院とは

介護医療院とは、長期療養が可能な介護保険施設のひとつです。廃止の決まっている介護療養型医療施設(介護療養病床)の受け皿として、2018(平成30年)4月に創設されました。介護療養型医療施設(介護療養病床)と同様に、食事や排せつなど日常生活上の介護、医療的なケアやリハビリテーションなどのサービスを提供しており、ターミナルケアや看取りにも対応しています。入所時に支払う初期費用はありません。

介護療養型医療施設(介護療養病床)との違いは、長期療養の場だけではなく生活の場であることを重視した施設であることです。1人当たりのスペースが1床あたり8平方メートル以上となっており、介護療養型医療施設(介護療養病床)よりも広く設定されています。多床室でもパーテーションや家具で間仕切りを作るなど、プライバシーに配慮されています。

療養型医療施設(医療療養病床)との違い

介護療養型医療施設(介護療養病床)と介護医療院は、慢性期である要介護1以上の人を対象とした介護保険施設です。介護と医療のケアを受けながら、長期間療養をしながら過ごします。

療養型医療施設は、介護療養型医療施設(介護療養病床)と介護医療院療養が必要な慢性期の人を対象とした病床ですが、介護保険ではなく、医療保険が適用されます。看護職員の配置が手厚く、入院期間は基本的に3~6ヵ月となります。

それぞれの施設で受けられるリハビリについて

施設で受けられるリハビリについて

それでは、それぞれの施設でのリハビリについてみてみましょう。

介護療養型医療施設(介護療養病床)・介護医療院で受けられるリハビリ

介護療養型医療施設(介護療養病床)や介護医療院では、入所後3ヵ月まで利用できる短期集中リハビリテーション、理学療法や作業療法、言語聴覚療法などのリハビリを受けることが可能です。

ただし、介護療養型医療施設(介護療養病床)や介護医療院では、リハビリ専門職の配置は「適当数」とされており、実際の配置人員は施設によって異なります。入所前にどれくらいリハビリが充実しているのかを確認しておきましょう。

リハビリをしたいのに療養型施設をすすめられたら

病状が安定するまで一般病棟で治療を受けた後には、回復期リハビリテーション病棟にてリハビリを受けるという選択肢があります。

質問者さんのようにリハビリを希望しているのに、回復期リハビリテーション病棟ではなく療養型施設をすすめられる理由には、「主治医がリハビリを受けても回復の可能性が無いと判断した」、「認知症によりリハビリができないと判断された」、「各疾患の転院期限を過ぎてしまった」などの理由が考えられます。

もしかしたら、ご本人や家族の「口からの食事に戻したい」という希望が伝わっていないのかもしれません。なぜ回復期リハビリテーション病棟ではなく療養型施設がすすめられたのか、疑問に感じたら、主治医や病院のソーシャルワーカーなどに理由を確認しておきましょう。

まとめ

介護保険が適用される療養型施設には、介護療養型医療施設(介護療養病床)と介護医療院があります。いずれも介護と医療を受けながら、長期療養ができる施設です。2018年に新設された介護医療院は、より生活の場に適した環境が考えられているので、終の棲家として長期間療養できる施設を探している人にはむいているでしょう。

どちらの施設でもリハビリを受けられますが、施設によって充実度は異なります。レクリエーションなどの充実度と同様に、事前に確認しておくと良いでしょう。

※この記事は2021年12月時点の情報で作成しています。

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i.ansinkaigo.jp

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ケアマネジャー:森裕司(株式会社HOPE)
ケアマネジャー  森 裕司(もり ゆうじ)

【経歴】 1982年生まれ。
医療福祉系学校を卒業後、約11年医療ソーシャルワーカーとして医療機関に勤務。
その後、一生を通じた支援をしたいと思い、介護支援専門員(ケアマネジャー)へ転身。
2017年1月 株式会社HOPE 設立
2017年3月 ほーぷ相談支援センター川越 開設
代表取締役と共に、介護支援専門員(ケアマネジャー)として、埼玉県川越市で高齢者の相談支援を行っている。
他に、医療機関で、退院支援に関するアドバイザーと職員の指導・教育にあたっている。
医療・介護に関する新規事業・コンテンツ開発のミーティングパートナーとしても活動。大学院卒(経営研究科)MBA取得している。

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