介護が必要な人はベッドで過ごす時間が多くなりなります。
介護ベッド用マットレスは、一般用に比べて固さの種類が豊富で清掃もしやすい工夫をされています。使用者の健康状態等に応じて機能性の高いものや使いやすい素材のものも用意されています。
介護ベッド用マットレスのレンタルと購入について、費用面からどのような違いがあるのかを解説します。
自費でレンタルしたらいくらかかるの?
自費でレンタルした時の費用は種類にもよりますが、月額1,000円~3,000円程度、中には1万円を超えるものもあります。
介護保険を利用するといくらかかるの?
介護保険を利用すると、利用者の負担が1割の場合で、月々100円~300円程度でレンタルできます。ただし、一定以上の所得がある場合、自己負担金額が2割または3割となります。対象は要介護2以上の方で、要支援1・2、要介護1の方は原則適用外となっています。
例外として、介護保険の対象外であっても「軽度者に対する福祉用具貸与の例外給付」が認められれば、原則1割(一定以上の所得がある方は、所得に応じて2割または3割)負担でレンタルすることができます。どうしても介護ベッドが必要な場合は、担当ケアマネジャーや市区町村の介護保険課に相談してみましょう。
購入した場合いくらかかるの?
介護ベッド用マットレスの購入価格は2万円台から10万円以上と選ぶ商品によりかなり差があります。また、購入では介護保険は利用できないため、全額自費での購入となります。
他にも、快適に過ごすためにマットレスは1年に1度、クリーニングに出すことをオススメします。クリーニング代は1万円程度です。
毎日使うものなので、3年~4年をめどに買い替えも意識する必要があります。
マットレス購入時に使える補助金
身体障碍者手帳を持っている場合は、市区町村に「日常生活用具給付制度」というマットレスの購入時の補助が出る制度がありますので、該当する方は窓口に問い合わせてみるといいでしょう。
購入とレンタル、どちらがお得?
介護保険が適用されるなら断然レンタルがお得です。
では、介護保険が適用されない場合はどうなのでしょうか。
単純計算でいえば使用期間が10ヶ月以下ならレンタル、それ以上長期間なら購入がお得になります。
ただし、注意したいのがベッドを利用する人の状態の変化です。予想外に使用者の状態が悪化する、骨折等で身体能力が急速に低下することもあり得ます。
福祉用具は、状態にあったものを使用する必要がありますので、今使っているマットレスが明日には使えなくなることもあります。状態の変化に対応できるレンタルの方がお得な場合もあるので、レンタル・購入はよく考えて判断をするようにしましょう。
購入前に現物を確認できる場所はあるの?
マットレスは寝心地を左右するものです。介護が必要な方の場合はベッド上で過ごす時間が長くなりますので、お試ししてからレンタルや購入をしたいと考える方もいると思います。
そういった場合は、福祉用具販売店に確認してください。実物を置いていない場合にも用意して対応してくれることもあります。 また、レンタルの場合、一度試してみたい旨を伝えると、自宅まで届けてくれる業者もあります。
最後に
ここまで説明してきたレンタル費用や購入価格は、あくまで一例となっています。
福祉用具・介護用品を選ぶ際には、福祉用具の専門員(福祉用具専門相談員)や専門ショップの店員さんに相談したうえで選ぶといいでしょう。
介護保険制度を利用したサービスについては、各市区町村で異なる場合があるのでケアマネジャーや介護保険担当窓口で事前にご確認すると安心です。
ケアマネジャーのいない方は、地域包括支援センターや自治体の高齢者窓口、社会福祉協議会に問い合わせをしてみてください。
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【この記事の監修者】
中村 静江(なかむら しずえ) /訪問看護ステーションとんぼ
1998年理学療法士資格取得後、永生病院リハビリテーション科に勤務。病棟勤務を経て、訪問リハビリテーションおよびデイケア業務に携わる。2014年国際医療福祉大学大学院にて福祉援助工学分野修士課程を修了し、現在は福祉用具プランナー管理指導者として、福祉用具プランナー研修などの場で講師活動も行う。