末期がんの場合、要支援1でも介護ベッドはレンタル可能?区分変更についても知りたいです。

質問

質問者

実父のことです。初めて要介護認定を受けた際に要支援1と認定され、その後の更新でも要介護度は変わらず、ずっと多点杖のレンタルだけ介護サービスを利用してきました。

そんな父の体調が悪くなり、病院で末期がんだと診断されました。本人はできるだけ自宅での生活を希望しています。近所に住んでいる兄一家と私一家も、父の生活のサポートをして、介護サービスも増やさずにきました。しかし、最近ではできないことが増えてきて、今使っているベッドだと起き上がりや立ち上がりが難しいらしく、介護ベッドをレンタルしたいと思っています。しかし、要支援1では借りられないそうです。

現在は、要介護状態だと思います。更新期限にはまだ至っていないのですが、要介護度の見直しをお願いしたいです。結果が出る前に介護ベッドのレンタルや他の介護保険サービスを利用することはできますか? また、更新期間前に区分変更をするには、どうしたらいいでしょうか?

専門家介護ベッドがレンタルできるのは要介護2からですが、末期がんの方などの場合、ケアマネジャーに相談の上で、確認申請をすることで対象外の福祉用具のレンタルが認められることがあります。これは例外給付と呼ばれるものです。申請日から暫定でレンタルできます。また、自費でのレンタルも可能です。

この記事では、福祉用具の例外給付や区分変更の手続きについて説明します。また、自治体によっては、末期がんの方を対象に早期認定を進めているところもありますので、併せてご紹介します。現在や今後の生活の参考にしてください。

 

福祉用具の例外給付について知ろう

 

福祉用具の例外給付について知ろう

まずは、福祉用具の例外給付についてみていきましょう。

福祉用具の例外給付とは

軽介護度(要支援1、2や要介護1)の方については、「状態像から使用が想像できない」として、以下の福祉用具がレンタルの対象外となっています。

  • 車いす・車いすの付属品
  • 介護ベッド・介護ベッドの付属品
  • 床ずれ防止用具、体位変換機
  • 認知症老人徘徊感知機器
  • 移動用リフト(つり具部分を除く)
  • 自動排泄処理装置(要介護3以下は原則対象外)

ただし、利用者が福祉用具を必要としている身体状況であれば、軽介護度の方でも申請によって福祉用具を借りることができます。これが、「例外給付」です。

例外給付の対象

例外給付が認められるケースにはいくつかありますが、質問者さんのケースでは、以下の「例外給付の対象とすべき状態像」に該当します。

上記の他に、それぞれの福祉用具ごとに、次のような例外給付条件があります。

車いす・車いすの付属品

次のいずれかに該当する者

  • 日常的に歩行が困難な者
  • 日常生活範囲における移動の支援が特に必要と認められる者

介護ベッド・介護ベッドの付属品

次のいずれかに該当する者

  • 日常的に起きあがりが困難な者
  • 日常的に寝返りが困難な者

床ずれ防止用具・体位変換器

  • 日常的に寝返りが困難な者

認知症老人徘徊感知機器

次のいずれかに該当する者

  • 意思の伝達、介護者への反応、記憶・理解のいずれかに支障がある者
  • 移動において全介助を必要としない者

移動用リフト(つり具の部分は除く)

次のいずれかに該当する者

  • 日常的に立ち上がりが困難な者
  • 移乗が一部介助又は全介助を必要とする者
  • 生活環境において段差の解消が必要と認められる者

福祉用具貸与の例外給付の手続き

例外給付の流れは、次の通りです。

①ケアマネジャー、地域包括支援センターなどに相談
②ケアマネジャーなどが、主治医意見書や医師の診断書などにて医学的な所見を確認したうえで、例外給付の条件に該当しており、適切なケアマネジメントにより福祉用具貸与が必要だと判断
③ケアマネジャーなどが、市町村に書面などで貸与の確認申請を行う
④市町村が適正と判断
⑤確認申請をした日から介護保険でレンタル可能

この手続きは、レンタルが必要な品目が増えるたびに必要になります。例えば介護ベッドとマットレスのレンタルをしていて、サイドレールが必要になった場合には、追加の確認申請が必要です。

自費でのレンタルについて

もし、例外給付が認められなかった場合には、自費でのレンタルとなります。レンタル事業所が決まれば、手続きも簡単なので早急に利用を開始することが可能です。

費用は事業所や選ぶアイテムによりますが、介護ベッド+マットレスであれば、ひと月あたり数千円~1万5000円程度です。別途、搬入や搬出などの費用がかかります。詳しくは福祉用具貸与の事業所にお問い合わせください。

福祉用具

更新前の要支援要介護認定の区分変更について

続いて、更新前の区分変更について説明します。

どんなときに行うのか

要支援要介護認定を受けると、認定の有効期間は新規認定で原則6ヵ月、更新認定で原則12ヵ月(最長48ヵ月)となります。

有効期間内でも、状態に変化があって介護量が増えた(または減った)場合には、区分変更の手続きが可能です。要支援要介護の区分が上がると、毎月の利用限度額が上がるので、利用できるサービスの回数や種類が増えるというメリットがあります。

区分変更の手続き

区分変更の手続きは、担当ケアマネジャーのいる居宅介護支援事業所または地域包括支援センターで代行することが可能です。

区分変更が必要になった理由が疾病の場合、申請前に主治医とあらかじめ相談しておきましょう。区分変更でも、主治医意見書が求められます。訪問調査も同様に行われるので、家族はできるだけ立ち合うようにしましょう。

区分変更の申請をしてから認定結果が届くまでの期間の目安は、30日以内ですが、結果が出る前から見込みの要介護度として介護保険サービスを受けることが可能です。ただし、見込みの区分よりも結果が低い場合には、超過分は自己負担となるので注意しましょう。

早期認定をしている自治体もあります

質問者さんのケースのように、末期がんの方などは心身の急激な状態変化により、早急に介護サービスが必要になる場合があります。そんな時には、自治体に相談してみましょう。

あまり良くない話ですが、新規申請や区分変更の申請後、認定調査が入る前に亡くなられてしまった場合、調査ができないため申請が却下されてしまいます。認定調査がすでに済んでいる場合には、認定手続きは継続されます。

まとめ

要支援要介護1の方がレンタルできる福祉用具は限られており、車イスや介護ベッドなどが対象外となっています。ただし、必要が認められれば「例外給付」として介護保険でレンタルできます。まずはケアマネジャーに相談しましょう。

状態に変化があり、介護サービスの回数や種類を増やしたい方は、あわせて区分変更の手続きについてケアマネジャーに相談してください。介護認定の有効期間内であっても、手続きは可能です。主治医意見書が求められるので、事前に主治医に相談しておくと良いでしょう。1ヵ月以内の急激な状態変化が認められる場合、申請から認定結果が出るまでの期間を短縮する「早期認定」を行っている自治体もあります。あわせて確認しておきましょう。

 

 

 

 

ケアマネジャー:森裕司(株式会社HOPE)
ケアマネジャー  森 裕司(もり ゆうじ)

【経歴】 1982年生まれ。
医療福祉系学校を卒業後、約11年医療ソーシャルワーカーとして医療機関に勤務。
その後、一生を通じた支援をしたいと思い、介護支援専門員(ケアマネジャー)へ転身。
2017年1月 株式会社HOPE 設立
2017年3月 ほーぷ相談支援センター川越 開設
代表取締役と共に、介護支援専門員(ケアマネジャー)として、埼玉県川越市で高齢者の相談支援を行っている。
他に、医療機関で、退院支援に関するアドバイザーと職員の指導・教育にあたっている。
医療・介護に関する新規事業・コンテンツ開発のミーティングパートナーとしても活動。大学院卒(経営研究科)MBA取得している。

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