外国人介護士の受け入れが一気に拡大。人手不足の解消に期待ながらも不安視する声も

11月18日に参院本会議にて可決されて成立した、改正出入国管理及び難民認定法(入管法)と外国人技能実習適正化法。1年以内に施行されるこの2法により、外国人が介護分野で働く流れが一気に拡大されることとなりました。

その具体的な内容を解説します。

すべての国の人が介護福祉士の資格取得可能に

今まで経済連携協定(EPA)を締結しているインドネシア、フィリピン、ベトナムの3ヵ国のみ、介護福祉士の国家資格取得を認めてきましたが、今後は出身国にかかわらず、介護福祉士として就労できることになりました。 >>介護福祉士の一般合格率は減少 EPAの合格率は初めての50%越え

すでに介護福祉士の資格が取得できる学校に外国人生徒は増えており、今年度は257人が日本に留学中とのことです。昨年度が94人だったことを考えると2.7倍に増えています。

留学生の出身国は、EPAの締結国であるベトナム(114人)、フィリピン(28人)のほかに、中国(53人)、ネパール(35人)などだそうです。

卒業後には在留資格が「介護」となり、日本で仕事に就くことができます。

外国人技能実習制度に介護分野が追加

農業や製造業、建設業が対象だった「外国人技能実習制度」に、介護分野も認められることとなりました。1年間の研修後、最大2年間の技能実習を実施し、外国人が日本で働きながら技能を身に付けるのが目的の制度です。

この制度では受け入れ先での不正行為や人権侵害が問題視されてきました。外国人技能実習適正化法では、人権侵害行為などを行った実習先に罰則が設けられたり、優良な受け入れ先に実習期間の延長を認めたりなど、改善が期待されています。

介護分野は今までの実習職種とは異なり、人に対するサービスとなります。そのため、一定以上の日本語能力などの要件が検討されています。また、訪問介護は認められない方針です。

不安視する声も

介護分野への外国人への門徒が大きく広がることになりますが、こんな不安の声もあがっています。

・低賃金が解決されないまま外国人労働者を受け入れることで、低賃金が定着するのではないか ・実習生の受け入れなどにより日本人職員への負担が増えるのではないか ・特に地方の方言など、コミュニケーションに苦労するのではないか

外国人介護士の受け入れ拡大が、人手不足の解消だけではなく、労働環境の整備にもつながってほしいものですね。

※こちらの記事は2016年11月時点の情報です。

(参考・外部サイト) 時事通信社「外国人介護士を全面解禁=関連2法成立、実習も受け入れ」(11/18) 毎日新聞「クローズアップ2016:外国人実習適正化法、成立へ 受け入れ先の監督強化 職場移る自由なお無く」(11/18) 朝日新聞「介護福祉士の学校、留学生急増 入管法改正の見通し」(11/10)