済んでいますか?小児から感染する肺炎球菌。ワクチンの接種は年末までに

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12月から1月にかけて死亡者数が多くなる“肺炎”。厚生労働省が公表している人口動態統計では、2015年の死亡者のうち、肺炎で亡くなった方は12万3000人(死因第3位)だと推計されています。

そのうちの95%が65歳以上だということです。

ダブルケア家庭は要注意

“肺炎球菌”による肺炎は、普段の生活でかかる肺炎の4分の1を占めているそうです。

主に子どもの鼻や喉にいて、咳やくしゃみで周囲に飛び散って感染します。 つまり子どもが近くにいる大人や高齢者は、感染の機会が多いことになります。ダブルケアの家庭や年末年始にかけて里帰りを考えている子育て世代は、注意が必要です。 肺炎球菌が血液に感染すると菌血症や敗血症に、脳や髄膜に感染すると髄膜炎になり重症化します。

肺炎球菌ワクチンの定期接種を

肺炎は高齢者や体力・免疫力が低下している方が感染すると急激に症状が進むことがあります。昔は肺炎は“死の病”と言われることもありましたが、医療・薬の発展により“治せる病気”となりました。そして現在では“予防できる病気”になってきました。

最近CMでもよく目にするようになりましたが、自治体では高齢者の肺炎球菌感染症の定期接種を実施しており、下記対象者は公費助成が受けられます。

実施期間:毎年度(4月1日~翌3月31日) 対象者: ・その年度中に65歳、70歳、75歳、80歳、85歳、90歳、95歳、100歳になる方(2018年度まで。2019年以降は、接種日当日に65歳の方が対象となります)

*例えば、2016年度であれば、下記の方が対象です。 昭和26年4月2日~昭和27年4月1日生まれの方 昭和26年4月2日~昭和27年4月1日生まれの方 昭和26年4月2日~昭和27年4月1日生まれの方 昭和21年4月2日~昭和22年4月1日生まれの方 昭和16年4月2日~昭和17年4月1日生まれの方 昭和11年4月2日~昭和12年4月1日生まれの方 昭和6年4月2日~昭和7年4月1日生まれの方 大正15年4月2日~昭和2年4月1日生まれの方 大正10年4月2日~大正11年4月1日生まれの方 大正5年4月2日~大正6年4月1日生まれの方

・今まで成人用肺炎球菌ワクチン(23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン)を接種したことがない方

孫などと接する機会が多い方だけではなく、対象年齢の方は必ず接種するようにしましょう。

▼肺炎球菌ワクチン接種のメリット ・肺炎球菌による肺炎66.5%をカバー ・誤嚥性肺炎で重症化しにくくなる

▼肺炎球菌ワクチン接種のデメリット ・肺炎球菌の種類は多く、すべての肺炎球菌に対応しているわけではない。 ・ワクチンの効果は約5年程度で切れる ・注射部位の疼痛・発赤・腫脹が出現することがある。

その他、どんなワクチン・薬でもそうですが、必ず副反応・副作用が起こる可能性があります。

肺炎予防のポイント

肺炎球菌ワクチンの接種に加えて、下記のポイントに気を付けて、これから増える感染症予防に努めましょう。高齢者だけではなく、介護者の方々も気を付けたいところです。

手洗いうがいをする

うがいでは声を出すとより喉の奥の汚れを洗い出せるそうです。外出先などで手洗いができないときは、アルコール消毒薬を手にすり込むのも効果的です。

マスクを着用する

鼻の下から顎までしっかりと覆ってすき間を作らないようにしましょう。マスクは使い捨て。再利用は厳禁です。

日々の口腔ケアで口の中を清潔に

誤嚥性肺炎を予防するには、口腔ケアは欠かせません。下記の記事を参考にしてみてください。 >>高齢者の口腔ケアの目的と方法

インフルエンザの予防接種を受ける

風邪やインフルエンザが肺炎のきっかけとなることがあります。

免疫力を高める

免疫力を高めるため、持病のある方は治療を継続し、規則正しい生活やバランスの良い食事を心がけましょう。また、喫煙者は禁煙をお勧めします。

65歳というとまだまだ若々しい年齢です。ただし、体の免疫力は若い頃よりも確実に落ちています。本人はもちろん周囲の人もそれを意識して、肺炎球菌ワクチンの接種を逃さずにいたいものですね。

(参考・外部サイト) 厚生労働省「平成 27 年(2015)人口動態統計の年間推計肺炎予防.jp 産経新聞「肺炎球菌ワクチン 高齢者に多い肺炎を予防」(10/18) 毎日新聞「肺炎、年末前にワクチンを」(10/17) 厚生労働省「副反応の発生について」(Q9.)

アイキャッチ画像出典元:肺炎予防.jp