【アンケート結果】介護の相談先について―相談内容や満足度、求めることなど

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介護は一人ではできません。そこで必要になってくるのが、「信頼できる相談相手」です。それでは皆さんは、どこにどんな相談をしているのでしょうか。

安心介護では会員の方を対象に、「介護の相談先」についてのアンケート調査を実施し、151名の方から回答を得ました。

その結果をお知らせします。

1割が要介護認定「されていない」

全回答者のうち、主介護者は121名。9割にあたる109名が、親世代を介護している方でした。そのほか配偶者が7名、祖母が2名、兄弟姉妹が1名、伯父が1名、祖母と母と姉のトリプル介護という方が1名でした。

被介護者の要介護認定状況をうかがうと、ほぼ1割にあたる11名の方が、「認定されていない」という結果になりました。

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相談先はケアマネジャーや家族

「介護の相談先はどこですか?(複数回答)」と聞いたところ、下記のような結果となりました。

ケアマネジャー:87名、58% 安心介護:61名、40% 配偶者:38名、25% 配偶者以外の家族:27名、18% 地域包括支援センターの窓口:26名、17% 友人:15名、10% 家族会:10名、7% 相談していない:9名、6% 電話相談窓口:5名、3% 安心介護以外のサイト:4名、3% 認知症カフェ:2名、1% その他:29名、19%

最も身近な介護の専門家であるケアマネジャーを、6割の方があげています。

また、4人に1人が「配偶者」に、5人に1人弱が「配偶者以外の家族」に相談しており、身近な家族を頼りにしている人も少なくはないようです。

「最も頻度が高い相談先」についても、約4割にあたる47名の方が「ケアマネジャー」と答えて最多に。「配偶者」16名(13%)、「安心介護」15名(13%)、「その他」13名(11%)、親や兄弟姉妹、子どもなど「配偶者以外の家族」12名(10%)が続いています。

「認知症カフェ」、「電話相談窓口」、「安心介護以外のサイト」については、利用している人はいるものの、最も頻度が高い相談先にあげた人はいませんでした。

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「その他」の回答としては、入院先や入居施設の看護師や介護職員、ソーシャルワーカーなどのスタッフ、姪やおばなどの親戚、行政などが上がっています。

要介護認定をされていない11名の方に関しては、「配偶者以外の家族」が4名、「配偶者」が3名、「安心介護」が3名、「相談していない」が1名という結果でした。

頻度は「月に数回」

相談頻度は「月に数回」が28名(23%)で最も多く、5人に1人が、週に1回以上相談していることが分かりました。

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相談先に満足している人は6割

最も頻度が高い相談先の満足度について聞くと、「満足」(17%)と「ほぼ満足」(45%)を合わせて、62%の人が満足しているようです。

「ほぼ不満」や「不満」は各4名で合計6%にとどまっています。

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相談内容は「メンタル面」や「認知症の症状」について

最も頻度が高い相談先に相談している内容については、下記のような結果となりました(複数回答)。

・介護ストレスなどのメンタル面について:54名、45% ・認知症の症状に対する対処について:49名、40% ・介護施設や福祉用具などの情報交換について:44名、36% ・介護サービスや介護保険の制度について:38名、31% ・認知症以外の症状に対する対処について:31名、26% ・人間関係について:12名、10% ・仕事との両立について:9名、7% ・その他:13名、11%

「その他」の内容としては、介護の方法やサービスについて、施設について、経済面などがあげられています。「ない」と答えた方も2名いました。

相談先としてケアマネジャーに求めるもの

相談先に求めるものをきくと、寄せられた回答のほとんどが、身近な介護の専門家であるケアマネジャーに対しての意見でした。

主に「問題解決能力や専門知識」、「精神面でのサポートや寄り添う姿勢」、「積極性」を求めているようです。

《問題解決能力や専門知識》 ・日々の生活、介護に追われて行き詰まることがあります。そういった時の適切なアドバイスや違った視点からのアドバイスを貰えるといいなと思います。気付かないことも多いので専門的な意見や経験など聞きたいと思います。 ・自分一人で考えていると、何が一番問題なのか、解決したいことは何なのか、わからなくなることが多いので、つまり、こういうことですね、これが一番早く、何とかしなくてはならないことですね、と、客観的にまとめて、話をしてくれる、こと。そのうえで、早く行動に移してもらえればいうことはないです。 ・あいまいな答えが多い。具体的なアドバイスが欲しい。 ・プロの知見に基づいた冷静かつ思いやりのあるアドバイス ・介護施設の評判や介護者に合った施設選びのポイントなど ・的確な判断とスピード ・専門的な知識と具体的な対処法

《精神面でのサポートや寄り添う姿勢》 ・介護者の気持ちをまず第一に考えて欲しい。 ・信頼関係、誠実さ ・悩んでいるときにきちんとヒントや回答をくれること。要介護者の本当の姿を理解してくれること。 ・どれだけ親身になって相談事を聞いてくれるか ・単なるわがままですが、主介護者の悩みを聞いてもらえる時間がもっと欲しい ・もう少し、親身になって欲しい

《積極性》 ・主人の状態が安定しているからなのか、毎月「来月の書類に印鑑下さい」と、寸前に電話をかけてくる。私は仕事中なので、「母と主人もいますからどうぞ」と答えるが、担当者会議でしか会ったことがなく、新しい情報も提案も聞いたことがない。 ・担当者会議で、「何か希望がありますか?今のままでいいですか?」と言われても、希望を出すような経験も要求も、自分自身が知らないので「今のままで」としか言えない。

また、行政への要望としてこんな声が上がっています。

・母を他の市から引き取ったので、その市と私の区とのやり方の違いに戸惑った。 ・サービスをどこでも受けられるようにして欲しい。 ・ケアマネさんは他の市の事は分からない事が多かった。ケアマネに求めるというより、そこを都や県、国で統一して欲しい。 ・緊急時は遠距離なので相談できない ・介護の分野が振り分けされているといいのですが

成功事例

相談先について印象的に残ったことを聞くと、数々の成功事例が投稿されました。そのうちの一部を抜粋したいと思います。

ケアマネジャーなど介護の専門家

・勧めてもらった福祉機具がドンピシャリ合います。流石プロだと感動しました。 ・不穏症状が激しい時もあったのに、いつ訪ねて行っても比較的穏やかで綺麗な時が多い。家や老健ではそうでなかったので安心している。 ・以前のケアマネさんが本当に何もしてくれない人で、変更したのですが、今の方は本当に物知りでアドバイスも的確で、相談する前に提案をしてくれる方で助かっています。体調を崩して排泄管理が難しくなり、在宅が続けられないかと困っていたところ、緊急ショートを提案してくださり、しかも2~3日で入所先を確保してくださってとても助かりました。 ・相談内容の半分は愚痴なので、ストレスがたまると吐き出させてもらっています。世間話程度に守秘範囲外での他の利用者さんの話なども交え、安心をもらっています。 ・夕方に認知症の母が夫婦喧嘩で父に殴られ(眼を集中的に)、翌朝一番でケアマネさんに連絡を入れ、午前中に病院で合流した際、ショートステイ先を押さえてくださりその日から避難させることができた。 ・主人が倒れた直後、ヘルパーさんに「会社辞めようかな~」と冗談ぽく、真剣に言ったことがあった。そのヘルパーさんは「絶対辞めたらダメよ」と、かなり真剣に言ってくださった。あの時、「それでもいいよ」とか言われてたら、退職してた。 ・複雑な家庭環境だったので、私自身のストレスをいつも聞いてくださり本当に気持ちが楽になれます。私自身が落ち着いていることが、介護には必要なのだと感じています。 ・かえって家族よりも第三者に相談してからフィードバックしたほうが、家族は現実を見るようになるかもしれないと感じたこと。

配偶者や家族

・先日ある出来事があり、私が精神的に抱えきれず、妹が仕事中であるに係わらずラインで愚痴を送ってしまった時に、直ぐに「明日会って話そうか?」と返信してくれました。実際には会いませんでしたが、忙しいのにそう言ってくれた事で大分楽になりました。 ・話す事でストレス解消になる

安心介護

・あり過ぎて書ききれません。温かいコメントの数々に涙腺崩壊したことも…。 ・同じ介護者という立場でも色々な事があるのだと考えさせられるようになりました ・父の介護をしていた時は、お世話になっていたケアマネさんたちに何でも聞いていたけど、今はまだ母の介護認定を受けていないので、そういった関係先からぷっつりと切れてしまった。「父の介護」とはいえ末期がんという特殊な環境であったと思っていたけれど、もっともっといろいろな生活があるいうのは、このサイトで思い知らされた。そして、当時、進行が急だったので、同じような境遇の書き込みもあったのに深く読むことができなかったことが悔やまれる。 ・同じような症状で悩んでいる方がいると安心する ・認知症薬のことで経験からのアドバイスを受け、とても助かりました。

相談することの大切さ、そして相談されたときにしっかりと耳を傾けることの大切さを実感する結果となりました。