なつかしい紙芝居で認知症ケアを♪

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終戦直後から60年代にかけて子ども時代を過ごした人にとって、“紙芝居”はとても懐かしく、なじみ深いものです。

この紙芝居を利用した認知症ケアが、注目を集めつつあります。

なぜ紙芝居が認知症ケアになるのか

自転車の後ろに道具を積んできて、駄菓子を買った人に紙芝居を披露する“紙芝居屋さん”は、テレビやゲームがない時代に育った方々にとって、貴重な楽しみでした。

認知症になるとついさっきの出来事は忘れても、遠い昔の出来事はよく覚えていて、何かをきっかけに思い出すことがあります。こういった昔の記憶を利用した療法は“回想法”とも呼ばれ、認知症ケアに有効だと言われています。

紙芝居を使った認知症ケアでは、なつかしさを感じることで、成功体験や楽しかった日々を思い出し、 ・自信を取り戻す ・他人とのコミュニケーションを促す ・日常生活への意欲を取り戻す といった効果が期待されています。

紙芝居のポイントは?

高齢者に紙芝居を見せるときには、単に読み聞かせるのではなく、昔の記憶を再現するように拍子木などを使って演じるといいでしょう。

また、岡山東病院で紙芝居をテーマにした講座を行った、清泉女学院短大(長野市)専任講師の塚原成幸さん(48)は、紙芝居を演じるコツについて下記の5つをあげています。

▽事前に絵を見ながら下読みをして物語をよく理解しておく ▽せりふ、ナレーション、擬音の声を使い分ける ▽何かが起こるという期待感や余韻を漂わせるための間をつくる ▽場面に応じて紙を抜く早さを変える ▽専用の舞台と幕紙を使い劇場的な空間を演出する (引用元) 山陽新聞「紙芝居 認知症ケアで注目 岡山旭東病院の講座スタート」(3/2)

 

5つ目のポイントについてですが、専用の舞台を購入すると、1万円ほどかかってしまいます。ダンボールなどで手作りしたり、包装紙をどん帳の役目を果たす幕紙の代わりにしたりといった工夫が必要かもしれません。

大人向けや高齢者向けの紙芝居も出ているので、気になる人は検索してみてはいかがでしょうか?