介護の虐待に気付いたときはどうしたら良いの?

介護の虐待に気づいたときはどうしたら良い?

先日、不審な転落死が続く老人ホームで入居者が虐待をされていたことがわかり、話題となりました。その他にも入居者が虐待されていた、施設に入居していなくても介護者が虐待をしていたというニュースが後を絶ちません。

もし自分の周りで虐待に気付いたら、どう対処したらいいのでしょうか?

施設での虐待の場合

施設での虐待の場合

安心介護内では、今までに「昼間から睡眠薬を飲ませる」や「泣きわめいているし、口の中に食べ物が残っているのに次々とスプーンで食べさせている」、「夜勤の人からひどいケガをさせられた」など、施設の虐待に対する相談が投稿されてきました。

もし「自分の家族が施設から虐待を受けているかもしれない……」と思ったら、どのように対応したらいいのでしょうか?

厚生労働省から出ている虐待への対応手順を見ると、まずは市町村へ通報をすることで対応が進んでいきます。介護施設で虐待と思われるようなことがあった場合、まずは市町村へ通報をするようにしましょう。市町村へ通報すると関連情報の確認や事実確認のための準備が行われます。そして市町村の方から事実確認や、行動支援計画等との連携がされているか、立ち入り調査、都道府県への連絡などさまざまな対処をし、本当に虐待があったかどうかを調査してくれます。もし、虐待であると判断された場合には業務改善命令と定期的な監査、場合によっては事業所の業務停止などが下されます。

ここでいう関係各所の中には警察も含まれており、市町村の立ち入り調査の拒否あるいは不当な点があった場合には警察が動いてくれることとなります。

虐待通報をした後に、「行き場所がなくなるのでは?」と心配になるかもしれませんが、 市区町村が他の施設に虐待での避難入所を依頼してくれます。依頼される介護施設は市区町村からある程度認められた施設であり、連絡を受けた施設は必ず受け入れなくてはいけないため、心配する必要はありません。

ただし、通報の仕方によっては虐待の言葉を知らない為に虐待という言葉が出ずに、苦情と捉えられ、苦情専門の相談窓口へ通されてしまうこともあるようです。もし、自分の家族が虐待をされているかもしれないとなれば、ついつい感情的になってしまうかもしれませんが、落ち着いて起こっている出来事を市町村の職員に説明するようにしましょう。

施設以外の虐待に気付いた場合

施設以外の虐待に気づいた場合

ご近所の方や身内の方で、暴力などの「身体的虐待」や、暴言などの「心理的虐待」、高齢者の財産を不当に処分・利用する「経済的虐待」、養護を著しく怠る等の「介護放棄」、わいせつな行為をする「性的虐待」などを受けている方がいたら、どうしたらいいのでしょうか?

また、通報後にはどのような対応が待っているのでしょうか?

ステップ1:通報

日頃から施設の相談員や担当のケアマネジャーに包み隠さず穏やかに何でも相談してみては如何でしょうか。

もしかすると、ご家族が知り得ない、中々話せない苦情なども有るかも知れませんし日頃のご本人様のご様子を伺ってみましょう。通報するまでも無かったという事がないとも限りません、ケアマネジャー等との信頼関係の構築にもなります。

また、施設に入所した時や介護保険サービス利用前の契約書や重要事項説明書に虐待通報の連絡先が明記されているかも知れません。

それでも改善がない時は、市区町村の高齢者虐待防止窓口か、地域包括支援センターに通報をしましょう。

通報は匿名でできます。

高齢者虐待防止法が平成18年4月1日から実施されました(この事により高齢者に対する虐待の防止及びその発見の為の事業その他の高齢者の権利擁護の為の必要な援助を行う事業の実施が市町村に義務付けられました)。

特に生命に危険を及ぼすような虐待であれば速やかに通報をするようにしましょう。 虐待に関する相談や通報は本人や家族の同意は不要です。

また、通報した際にはわかる範囲で良いので以下の情報を伝えます。

  • 通報するような事柄に気づいたまたは発見した日時
  • 虐待されていると思われる高齢者やその家族の情報(分かれば住所や年齢、氏名なども)
  • 虐待の恐れがあると思った状況について(誰がどのようなことをしていたか)

虐待をされている高齢者本人が通報することも可能です。

ステップ2:行政による事実確認

続いて、市区町村など行政の専門担当者が虐待の有無を確認します。明らかに虐待により生命が脅かされている状況であれば保護のための適切な措置を講じたり、経済的虐待には家庭裁判所に成年後見開始の審判の請求をする事を規程しています。

虐待が疑わしいと思う時の、市区町村による事実確認の訪問では「虐待の通報があったので訪問しました」という言葉を使う事はなく「高齢者の方々のご様子を伺いに訪問しています、お体は如何ですか?」など、波風を立てない形で訪問してくれるようです。場合によっては介護ヘルパーの活用を促したり、ショートステイやデイサービスの利用、施設の使用などを提案してくれる事もあるかも知れません。介護虐待の通報は高齢者を虐待されている状況から救いつつ、虐待をしていると思われる家族への相談支援を行うことも最も重要な役割としています。

ステップ3:介護保険サービスの利用開始または保護と早期発見の見守りネットワーク

虐待の通報を受けた後、保護されるかどうかについてです。

介護虐待に対して行政がかかわる目的は高齢者の生命・身体の安全確保です。そのため、暴力などの深刻な虐待の場合、緊急性の判断を行い、必要な場合は高齢者の保護を行います。ですが、生命への危険性がない場合には、すぐに施設などで保護をするということはないと思われます。

市区町村は介護虐待がなくなることを目的としているため、決して高齢者と介護者を引き離す事のみを目的とはしていないようです。また、現在高齢化社会に伴い、地域包括支援を掲げていることもあり、住み慣れた地域で生活し、出来る事で有れば最終的には虐待を受けずに、また自宅で生活できることが課題となっており、その課題を達成するための支援が主たるものと考えておくと良いでしょう。

ですので、介護虐待を受けていると確定した段階で、例えばほかの家族が要介護者を見ることができるかどうかといった確認がとられます。他に見る人がいないという場合には、施設の入所や先ほどもお話ししたように通所のサービスを利用してある程度の時間は慣れる、あるいは訪問サービスを利用して家族以外の誰かが頻繁に出入りする風通しの良い状況を作るというような方法も、検討されるようです。

認知症などによる、家族からの虐待も増加傾向が見られます、虐待対策には専門職による相談助言が有効で有り、加害者に対する支援が最も重要で有る事は言うまでも有りません。

また、介護保険サービスを利用していない場合には必要が有れば担当ケアマネジャーなどをつけて、介護保険サービスの利用ができるように介入もしてくれます。

つまり、虐待を疑われたから高齢者と離れなければならないという訳ではなく、地域のサービスを活用することで虐待する事なく高齢者と安心して過ごせる環境を作るためのものと捉えておかれるとよいでしょう。

※最後に住民が中心となっての虐待防止、早期発見や見守り機能を担う『高齢者等の見守りネットワーク』事業が全国的に進んでおります、疑われるような時は早期に地域包括支援センターへの相談、通報に住民等がつなげて行く事で、問題が深刻化する前に解決する事にも繋がるようです。

※この記事は2020年3月時点の情報で作成しています。

 

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監修者:福田 菊乃
監修者:福田 菊乃

ケアマネージャー(介護支援専門員)社会福祉協議会の職員として13年勤務。現在は要介護認定調査員を行っている