<特集>知っておくべきこれからの認知症対策 『新オレンジプラン』第5回:住み慣れた地域で自分らしく暮らす

<特集>これからの認知症対策『新オレンジプラン』

<特集>知っておくべきこれからの認知症対策 『新オレンジプラン』<br />第5回:住み慣れた地域で自分らしく暮らす

ご本人やご家族が仲間と出会える「認知症カフェ」

認知症の方を介護するご家族は、他人には計り知れない悩みや疲れを感じていると思います。

その悩みは認知症介護の経験のない人にはなかなか理解してもらえないため、同じ境遇のご家族が集まって日頃の苦労話や想いを吐き出し、気分転換を図る会などが各地で開催されています。

「新オレンジプラン」でも、認知症のご本人やご家族が参加して悩みを聞いてもらったり、経験者に相談できる「認知症カフェ」の設置が推し進められています。「認知症カフェ」とは、認知症のご本人やご家族、介護の専門職、地域ボランティアの方々が集まり、お茶を飲んだりお菓子を食べたりしながらおしゃべりして過ごす場のことです。

全国各地でさまざまな「認知症カフェ」が開催されていますが、一般的に公民館や介護施設などの空き時間を利用し、1回2時間程度、月1~2回開催されることが多いです。

主催するのはおもに社会福祉法人やNPO団体などで地域ボランティアの方が世話役になり、お茶を出したりお話を聞いたり、認知症のご家族同士を引き合わせたりし、決められたスケジュールなどもなく、自由に過ごすことができます。費用は参加者負担ですが、1回数百円程度のところがほとんどです。

こうした「認知症カフェ」は2012年以降全国各地に増えており、認知症であることを自然に受け止めてくれる貴重な場となっています。また、介護の専門職が参加することで、どんな介護がご本人に必要なのか見抜き、適切なケアプランをつくるきっかけにもなるようです。

認知症カフェの様子

認知症の方が自然体で、自分らしく暮らせる地域づくりを

ここまで全5回で<特集>これからの認知症対策「新オレンジプラン」と題してご紹介してきました。

「新オレンジプラン」は2013年度からスタートした「オレンジプラン」を引き継ぎ、拡大させたもので、すでにさまざまな施策が動き出しており、目標の実現に向けて走り出しています。

さらに、「オレンジプラン」にはなかった認知症予防・治療のための研究開発にも予算が組まれました。全国1万人規模の追跡調査を実施し、認知症のリスクを高める因子や軽減する因子を明らかにし、予防法につなげる試みがそのひとつです。また、「日本発の認知症根本治療薬の開発をめざす」と宣言もしています。

30年前、認知症対策といえるものはなにもなく、認知症の方は世間から引き離され、隠された存在でした。

しかし、今では誰もが「認知症」という言葉を知っており、くわしい知識はなくても「大変なもの」だという感覚を持つようになりました。 「新オレンジプラン」の実行対象期間は団塊の世代が75歳以上となる2025年(平成37年)とされています。この2025年(平成37年)には、2200万人が75歳以上となり、日本の総人口に対して4人に1人が後期高齢者となる超高齢者社会を迎えます。また、認知症と診断されている高齢者の数も、750万人に増えると推測されています。今後私たちにとって、認知症の方とともに歩む社会が当たり前のこととなっていきます。認知症の方と共生する社会を実現するために、私たち地域社会、そして、国や自治体が「新オレンジプラン」に取り組み、福祉団体や民間企業が呼応し、私たち一人ひとりが意識を変えることで、認知症対策はこれからも前進してきます。

 

>>  “新オレンジプラン” について、同じ介護者同士で話し合う!(共感広場への投稿)

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全5回 連載企画:<特集>これからの認知症対策「新オレンジプラン」 第1回:「新オレンジプラン」ってどんなもの? 第2回:  認知症を正しく知る・正しく理解する 第3回:認知症に早く気づくことの大切さ 第4回:地域みんなで認知症を支える 第5回:住み慣れた地域で自分らしく暮らす